マレーシア移住で後悔しやすいのは、「物価は日本の3分の1」「ビザがとりやすい」といった古いイメージのまま移住した人です。長期滞在のプログラム「MM2H」は2024年以降、多額の定期預金などの条件が加わり、働くための就労パスも2026年6月から最低給与が引き上げられました。一方で、英語が通じやすい、いろいろな国の料理と文化にふれられるといったメリットもあるため、何のために住むか、どのビザで住むか、生活費はいくらかを先に決めておけば、「悲惨」な移住は避けやすくなります。
この記事では、マレーシア移住が「後悔」「悲惨」と言われる理由、住んでわかる現実とメリット、日本人が使える主なビザの2026年の条件、芸能人の移住や教育移住の考え方、後悔しないための準備を、2026年9月時点の公式情報をもとに整理しました。書いているのは、セブ島で英語とITを学べる留学を運営するKredo(クレド)の編集部です。制度は変わることがあるため、最新の情報は駐日マレーシア大使館やマレーシア入国管理局で確認してください。

- 観光などの3か月以内の滞在はビザなし(入国前にデジタル入国カードMDACの登録が必要)
- 長期滞在のMM2Hは、定期預金USD15万〜100万と住宅の購入などが条件(2026年9月時点)
- 就労パスは2026年6月1日から最低給与が月5,000リンギ以上に引き上げ
- IT・デジタルの仕事をリモートでする人向けに「DE Rantau」という滞在パスもある
- 後悔の原因は「物価」「ビザ」「暑さと湿度」「生活習慣の違い」を知らずに行くこと
マレーシア移住で後悔する理由・悲惨と言われる理由

「マレーシア移住 悲惨」「マレーシア生活 きつい」と検索される背景には、移住前のイメージと現実の差があります。よくある理由をまとめました。
| 後悔の理由 | 現実 | 対策 |
|---|---|---|
| ビザがとりやすいと思っていた | MM2Hの条件は大きく上がり、就労パスの最低給与も上がった | 自分が満たせるビザの条件を先に確認する |
| 物価がとても安いと思っていた | 日本と同じ暮らしをすると、食費や日用品は安くならないことが多い | 現地の暮らし方を取り入れて生活費を見積もる |
| 暑さと湿度 | 一年中暑く、湿度も高い | 短期滞在で体が合うか確かめる |
| サービスや習慣の違い | 日本のようなきめ細かいサービスは期待しにくい | 違いを前提に、自分で調べて動く |
| 目的がないまま移住した | 知り合いが少なく、孤独を感じやすい | 仕事・学び・子どもの教育など、目的を決めてから行く |
長期滞在ビザの条件が上がっている
以前は「マレーシアは日本人がビザをとりやすい国」と言われていましたが、今は状況が変わっています。長期滞在のプログラムMM2Hは、区分ごとに多額の定期預金や住宅の購入が必要です。また、会社に雇われて働くための就労パス(Employment Pass)は、2026年6月1日から最低給与が引き上げられ、区分IIIでも月5,000リンギ以上が必要になりました。「とりあえず住んでから考える」という移住は、以前より難しくなっていると考えておきましょう。
物価は「日本の3分の1」ではない
住まいや現地の食堂など、日本より安く感じるものはあります。一方で、日本の食材や日本食レストラン、輸入品、電化製品は、日本と同じくらいか高いこともあります。日本と同じ暮らしを続けると、生活費はあまり下がらないと考えておくと、移住後のギャップが小さくなります。
「マレーシア 貧富の差」も気になるポイントです。マレーシアの最低賃金は2025年2月から月1,700リンギで、同じ街の中でも収入や暮らしぶりには大きな差があります。マレーシア統計局によると、所得の差を示すジニ係数は2024年に0.390で、2022年の0.404より小さくなっています。価格も安いものから高いものまで幅があるため、どこで買い物をするかで生活費が変わります。
一年中暑く、湿度が高い
マレーシア気象局によると、マレーシアの気候は「一年を通して気温の差が小さく、湿度が高く、雨が多い」のが特徴で、平均の相対湿度は80〜90%ほどです。日本の冬の寒さがない一方、暑さと湿気が一年中続くため、体に合うかどうかは人によって違います。屋内は冷房が強いことも多く、温度差で体調を崩さないよう気をつけましょう。
サービスや生活習慣が日本と違う
店員の対応、公共交通の時間、ものの品ぞろえなどは、日本と同じ水準を期待すると不満がたまりやすくなります。また、マレーシアはイスラム教徒の多い国で、お酒は高めで、どこでも気軽に飲めるわけではありません。宗教や民族ごとの習慣を尊重することも大切です。
マレーシアに住むメリット(評判どおりのこと)

デメリットだけでなく、マレーシアに住むメリットも確認しておきましょう。
- 英語が通じやすい:公用語はマレー語ですが、クアラルンプールなどの都市では英語も広く使われています。
- 多民族の文化と食事:マレー系・中華系・インド系などの人が暮らし、いろいろな国の料理を楽しめます。
- 日本から比較的近い:日本との時差は1時間で、日本と連絡をとりながら暮らしやすい環境です。
- 住まいの選択肢:プールやジムがついた集合住宅(コンドミニアム)など、日本とは違う住まいを選べます。
- 冬がない:寒さが苦手な人には、一年中暖かい気候がメリットになります。
マレーシア移住の条件:日本人が使える主なビザ
2026年9月時点で、日本人がマレーシアに住むときに検討される主な方法をまとめました。
| 方法 | 主な条件 | ポイント |
|---|---|---|
| 短期滞在(観光など) | 査証免除で3か月以内。入国前にMDACの登録 | 報酬を得る活動はできない。住むための資格ではない |
| MM2H(長期滞在) | 区分ごとに定期預金・住宅購入など | Silverの区分では働くこと・事業はできない |
| 就労パス(Employment Pass) | マレーシアの会社に雇われ、最低給与を満たす | 雇用主が申請する。入国前にビザが必要 |
| DE Rantau | IT・デジタルの仕事をリモートでする人で、年収の条件を満たす | 3〜12か月、更新で最長24か月 |
MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)
MM2Hは、マレーシア観光・芸術・文化省が運営する長期滞在のプログラムです。2026年9月時点の主な区分は次のとおりです。
| 区分 | 定期預金 | 滞在期間 | 住宅購入(最低価格) |
|---|---|---|---|
| Platinum | USD 1,000,000 | 20年(更新可) | RM 2,000,000 |
| Gold | USD 500,000 | 15年(更新可) | RM 1,000,000 |
| Silver | USD 150,000 | 5年(更新可) | RM 600,000 |
いずれも申請者は25歳以上で、25〜49歳の場合は家族と合わせて年90日以上マレーシアに滞在することが求められます。このほか、特別経済区などに関連した区分(SEZ/SFZ)もあります。Silverの区分では、マレーシアで働くことや事業をすることは認められていません。
就労パス(Employment Pass)
マレーシアの会社に雇われて働く場合の代表的な資格です。入国管理局の発表によると、2026年6月1日以降の新規・更新の申請では、最低給与が次のように引き上げられました。
- 区分I:月20,000リンギ以上(最長10年)
- 区分II:月10,000〜19,999リンギ(最長10年、後任育成の計画が必要)
- 区分III:月5,000〜9,999リンギ(最長5年、後任育成の計画が必要)
DE Rantau(デジタルノマド向けの滞在パス)
マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)が運営する、リモートで働く外国人向けの滞在パスです。対象はソフトウェアエンジニア、UI・UX、データ、デジタルマーケティングなどのIT・デジタルの仕事をする人で、年収USD24,000以上(IT以外の管理職などはUSD60,000以上)が条件です。期間は3〜12か月で、更新すると最長24か月まで滞在できます。場所を選ばない働き方については、ノマドワーカーはスキルなしでもなれる?未経験からのなり方でも解説しています。
マレーシア移住と芸能人・教育移住
芸能人のマレーシア移住が話題になるけれど
芸能人や有名人がマレーシアに移住したというニュースが話題になることがあります。ただし、使える制度や条件は一般の人と同じです。家族で長く住むならMM2H、働くなら就労パスなど、自分がどの条件を満たせるかで考えましょう。
マレーシアの教育移住を考えるときのポイント
子どもに英語で教育を受けさせたいという理由で、マレーシアへの「教育移住」を考える家族もいます。MM2H(Silverの区分)の公式の説明では、参加者の子どもは政府が認める教育機関で高等教育まで学ぶことが認められています。一方で、インターナショナルスクールの学費や、保護者がどのビザで住むか、働けるかどうかを先に確認しておかないと、生活費の負担が大きくなります。学校の情報は、学校の公式サイトで確認しましょう。
マレーシア移住で後悔しやすい人・向いている人
| 後悔しやすい人 | 向いている人 |
|---|---|
| 日本と同じサービスや食生活を求める | 現地の料理や暮らし方を楽しめる |
| ビザの条件を調べずに移住を決める | 満たせるビザと費用を先に確認している |
| 移住すれば生活費が大きく下がると思っている | 生活費を項目ごとに見積もっている |
| 暑さや湿気が苦手 | 暑い気候でも体調を保てる |
| 移住の目的がない | 仕事・学び・子どもの教育など目的がはっきりしている |
海外移住全体でよくある失敗は、海外移住はやめとけと言われる理由と、悲惨な海外移住にならないための対策でもまとめています。
マレーシア移住で後悔しないための5つの準備
- 短期滞在で下見する:観光の3か月以内の滞在で、住みたい地域の暮らしや暑さを体験します。
- 使えるビザを決める:MM2H・就労パス・DE Rantauなど、自分が満たせる条件を公式サイトで確認します。
- 生活費を見積もる:家賃、食費、保険、子どもの学費などを項目ごとに書き出します。
- 医療と保険を準備する:民間の医療保険を用意し、持病の薬などを確認しておきます。
- 日本の手続きをする:3か月以上住むなら外務省の在留届を出し、住民票や年金・健康保険の扱いを市区町村で確認します。
マレーシアで働く選択肢を広げるなら「英語×IT」も準備しておく

マレーシアの就労パスは最低給与が上がり、DE Rantauも対象はIT・デジタルの仕事が中心です。つまり、マレーシアで働きながら暮らすには、英語で仕事ができる力と、ITのような専門スキルの組み合わせが大切になっています。こうしたスキルは、マレーシア以外の国で働くときにも役立ちます。
Kredo(クレド)のIT留学は、フィリピン・セブ島で英語とITを一緒に学ぶ留学です。1日8時間(英語のマンツーマン4時間+ITのグループ授業4時間)で、ITの授業もすべて英語で行います。受講生の92%は英語もITも未経験から始めています。海外で働くための準備として、IT留学とは?費用・国別比較・1日の流れと選び方も参考にしてください。「移住の前にどんなスキルを身につけるべきか」を相談したいときは、IT留学の無料カウンセリングも利用できます。
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マレーシア移住のよくある質問
Q. マレーシア移住で後悔する人は多いですか?
後悔する人の割合を示す公式の統計はありません。後悔の理由として多いのは、物価・ビザ・気候・生活習慣について、移住前のイメージと現実に差があったというものです。短期滞在で下見し、ビザと生活費を確認してから決めると後悔しにくくなります。
Q. 日本人はビザなしでマレーシアにどのくらい滞在できますか?
観光や知人訪問などの目的なら、3か月以内はビザなしで滞在できます(2026年9月時点)。入国前にはオンラインでデジタル入国カード(MDAC)の登録が必要です。働く場合は、期間にかかわらず入国前に必要なビザを取ります。
Q. MM2Hで働くことはできますか?
MM2HのSilverの区分では、マレーシアで働くことや事業をすることは認められていません。働きたい場合は、就労パスなど働ける資格が必要です。区分ごとの条件は変わることがあるため、MM2Hの公式サイトで確認してください。
Q. マレーシアの物価は日本より安いですか?
現地の食堂や交通費など、日本より安いものもありますが、日本の食材や輸入品、日本と同じ水準のサービスは安くならないことが多いです。どんな暮らしをするかで生活費は大きく変わります。
Q. マレーシアで英語だけで暮らせますか?
公用語はマレー語ですが、都市部では英語が広く使われていて、英語で生活できる場面が多くあります。役所の手続きや地方ではマレー語が必要な場面もあります。
まとめ:マレーシア移住は「今の条件」と「現実の生活費」を知って決めよう

- 後悔の原因は、ビザ・物価・暑さと湿度・生活習慣の違いを知らずに移住すること
- MM2Hは定期預金USD15万〜など条件が上がり、就労パスも2026年6月から最低給与が上がった
- IT・デジタルの仕事ならDE Rantauという選択肢もある
- 英語が通じやすい、多民族の文化と食事などのメリットもある
- 短期滞在で下見し、ビザと生活費を確認してから決める
マレーシア以外の東南アジアの国とも比べたい人は、東南アジア移住のおすすめ4か国|住みやすい国とビザもあわせて読んでみてください。
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