「マレーシアは東南アジアだけど、英語は通じるのか?」
「マレーシアで暮らすには英語はどのレベルまで必要?」
などと疑問に思っていませんか。
海外を旅していると国によっては、ホテルや空港以外の場面では英語が通じにくいことがあります。
結論として、マレーシアに関しては英語は共通語となっていて、ほぼ英語で困ることはないと言えます。
本記事では、マレーシア在住3年目の私が、マレーシアでの英語の使用度を、サービスなど具体例を紹介しながら解説していきます。
記事のもくじ
マレーシアでは英語は準公用語
マレーシア政府のページによると、official languageはマレー語となっています。
憲法152条は、公用語として知られるマレー語は、その機能と国語としての役割に関して議論の余地がない言語であると説明しています。
しかし、多民族国家のマレーシアでは他の言語を使用することも自由とされています。
同時にマレーシアでは、中国人が使う北京語やインド人が使うタミル語など、他の人種が使う言語も自由に使用できるようになっています。それとは別に、貿易や工業の分野では、英語が依然として主流です。マレーシア政府は、特に観光や国際貿易の分野で、国民が他の国際言語を習得することを奨励しています。
私自身都心に住んでいることもあり、マレーシアでの生活シーンで英語が通じなくて困ったことはあまりありません。
マレーシアの英語のなまりについて
マレーシアで話されている英語は、一言で言うと人によって様々です。
マレーシア人はマレー語、英語、中国語など学校教育を子供時代に選べるようになっているそうで、英語の学校を卒業した人に会うと、ネイティブのような発音をしています。
また、オーストラリアやヨーロッパなどに進学する人も多いので、発音がとてもきれいな方も見かけます。
ただ、街中で働く人が全てそうではなく、アクセントが強かったり、文法が正確でないシーンもよくあります。
マレーシア人の特徴をよく表していると思う動画をYoutubeで見つけました。
英語もネイティブとはかなり異なると思いますが、マレーシアではこのようなアクセントの人によく遭遇します。
日本では、ネイティブの話す英語の教材などで溢れていると思いますが、英語を第二外国語として話しているシーンに慣れておくと、マレーシアでの生活にも適応しやすいでしょう。
マレーシアでの英語の使用度 シーン別
マレーシアでの生活シーンでいかに英語が浸透しているかをシーン別に紹介していきます。
街の標識
駅や大きなショッピングモールでは、必ず英語の表示があります。
私自身地図と表示を見ながらの移動に困ったことはありません。
郊外の街を歩いていると、店の表示は英語や中国語、マレー語が混在しています。
Googleで「Malaysia shop sign」と画像を検索するとマレーシアの街中の看板を見ることができます。 Malaysia shop sign
都心ではほぼ英語なものの、地元の人が多く住むエリアでは表示や会話が他の言語になっていることもあります。
旅行・観光
空港、ホテルなど私たち外国人が生活するエリアでは、英語が通じるので困ることはほぼありません。
タクシーは、後半で記載する「Grab」もマレーシアでは主流になっているので、会話をせずにサービスを利用することもできます。
レストランのメニューも基本的には英語が記載されていることが多いです。
コロナ以降は、店員と会話せずQRコードでオーダーをするレストランも増えているので、飲食店でのコミュニケーションも今後とても楽になっていくと予想されます。
ただ、日本のように写真付きのメニューばかりではないので、注文する時にどのようなメニューか聞くために、英語でコミュニケーションができると便利です。
ニュース
日々の情報収集も、英語で行うことができます。
私自身もロックダウンの時には毎日ニュースをチェックしましたが、英語でできました。
ニュースの音声での配信も英語で行われているので、生活する上では英語で十分です。
Is it safe to fly without masks, post-Covid-19? Free Malaysia Today
ただ、役所からの公式な会見などはマレー語で行われます。
役所関係については記事の後半でも詳しく記載しています。
買い物
買い物は、英語で行うことができます。
マレーシアのモールなどによくある、スーパーマーケットのWebサイトです。
日本食品や輸入品も数多く販売されており、駐在員のような外国人客の姿もよく見かけます。
こちらは電化製品を売っているお店のサイトです。
電化製品を購入しても、説明書や保証書は英語の記載があるので、困らずに使用することができます。
こちらは通販のサイトです。
商品の説明も、サイトの言語を選ぶと英語に対応しています。
日本でいうAmazonのようなサイトです。
ただ、ユーザーのレビューはマレー語など他の言語で書かれていることがあります。
移動
マレーシアでの公共交通機関も、英語で対応可能です。
駅や電車でのアナウンスも、マレー語と英語両方で流れます。
Rapid KL
マレーシアは車社会なので、公共交通機関以外にGrabもよく利用されています。
日本のタクシーよりもデジタル化が進んでいて、目的地の設定、運転手の手配、料金の支払い、地図上での確認を全てアプリで行います。
アプリ上での操作や運転手との会話も全て英語で可能です。
日本のようなメーター制のタクシーもありますが、私は一度マレー語しか通じなかった経験があり、それから利用していません。
車を持っていない人にとってはGrabはマレーシアで必須のアプリと言ってもいいでしょう。
家探し
マレーシアで物件を探すとき、不動産屋とのやりとりは英語で対応可能です。
日本語対応の不動産サービスもありますが、物件は駐在員に合わせてファミリー向けだったり、高額になっていたりすることがあります。
私がマレーシアに来て最初に家探しをしたサイトです。
エージェント(業者)の連絡先電話番号が書いてあるので、Whats appというメッセージアプリで問い合わせをして、内見に行くという流れが主流です。
ビジネス
ビジネスの場面では、特にクアラルンプールでは英語が共通語になっていると言えるでしょう。
日系企業でもマレーシア人を一人は雇っている企業が多いので、社内の会話では英語が必要となります。
企業との面談をしたときも、名刺は英語で書いてある人がほとんどでした。
外資系の企業では、入社すると研修が英語で行われます。
マレーシアで英語が通じないシーンとは?
比較的英語が通じるマレーシアですが、それでも英語では乗り切れない場面も時にはあります。
主に役所関係や、英語が話せない人がいる場所です。
役所関係
外国人として滞在する時一度はお世話になるイミグレーション(移民局)など、役所関係での表示はマレー語です。
整理券を取って番号が呼ばれたらカウンターに行きますが、そのアナウンスもマレー語で行われます。
この他にも、ロックダウンの時に政府から発表される会見、自動車免許取得のための書類もマレー語です。
必要な場合、マレー語が話せるマレーシア人と一緒に行くと、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。
地方都市
クアラルンプールから離れ、地方都市に行くと英語の通じる割合が低くなります。
地域により住んでいる民族も異なるので、時にはマレー語、中国語、ヒンズー語が主流になる場所もあります。
私自身は、地方都市で入った飲食店でのメニューがマレー語で困ったことがあります。
google翻訳もありますが、最低限の挨拶や数、飲み物の種類などは分かるようにしておけば便利でしょう。
一部の外国人労働者
マレーシアは移民が労働力になっていることもあるので、多くの外国人労働者を街で見かけます。
警備員は典型的なその例です。
日本だと警備員によっては場所を教えてくれたりすることもありますが、マレーシアでは言葉の問題もありあまり期待できません。
また、飲食店で入ったばかりで自信なさそうに働いている人には、シンプルな英語しか通じなかったことがあります。
日本で受けられるようなサービスを期待するとしんどいので、事前に知っておくとイライラせずに過ごすことができます。
マレーシア英語マングリッシュの紹介
マレーシアで聞く独特の英語表現だと思う英語を紹介していきます。
なぜか語尾にlaをつけて返答されることがあります。
Okay, la わかった。
Never mind, la 大丈夫。
柔らかさを出しているのかと思うことがあります。
Sorry, ya ごめんね。
Wait, la 待ってください。
サービスがのんびりしていることが多いので、「待って」と言われるときによく聞きます。
また、canひとことで済ますこともあります。
Yes, I can. / It’s possible. など肯定する場面をCan一言で済ますことがあります。
例えば、予定を聞いて日曜日は大丈夫?と聞いた時の返事が can
お店で、アイスティーに砂糖なしができるかを聞いた時の返事が can
時々混じってcan la と言われることもあります。
最初は聞き慣れませんでしたが、だんだんニュアンスが分かるようになりました。
のんびりしているマレーシアでしたが、いかに略して簡単に思いを伝えるか工夫しているようです。
マレーシアに行った際に現地の人の言っていることが分からなかったらもしかしたらマレーシア独特のマングリッシュなのかもしれません。
この記事が、マレーシア移住を考える方の参考になれば嬉しいです。