マレーシアは日本人のロングステイの移住先ランキングに上がることも多い人気の国です。
クアラルンプールには日系企業や飲食店も多く進出しており、日本人が暮らしやすい環境が整っています。
ただ、同じアジアでも当然日本とは違う文化や慣習もあり、驚くこともあります。
マレーシア移住して3年目になる私が、マレーシア移住で予想通りだったこと、想定外だったことを体験談を交えて解説していきます。
記事のもくじ
マレーシア移住 評判通りだったこと
マレーシア移住について、良い評判がネットに書かれているけど、これって本当なの?と思うことはありませんか。
私自身も初めての東南アジアでの長期滞在ですが、最初は生活が想像もできませんでした。
しかし以下に挙げたことについては予想通りだったと思います。
日本人はビザが取得しやすい
海外長期滞在にはビザが不可欠です。
マレーシアで暮らす日本人の多くは就労ビザ、MM2Hというロングステイのビザ、配偶者ビザなどを取得して生活しています。
マレーシアでは現地採用や駐在で働く人も多く、日本人の就労マーケットがあります。
日本人が働いたり、定年後の生活を楽しんだりするためのビザを取得しやすい環境が整っています。
快適な住環境
マレーシアの魅力の一つに、住環境のコストパフォーマンスの良さがあります。
マレーシア在住の日本人で、マレーシアの住居の快適さをYoutubeで配信している人がたくさんいます。
日本人の多くは、セキュリティが充実しているコンドミニアムに住んでいます。
マレーシアでは地震がないので、コンドミニアムも高層になっており、ジムやプールも併設されています。
部屋の面積も広く、日本と比べると家賃もリーズナブルな価格となっています。
物価全般については後半でも触れますが、特に家賃についてはコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
常夏の国
マレーシアでは年中気温はほぼ一定で四季がなく、常夏です。
参考:Malaysia Information Climate マレーシア政府
年間の平均気温は最低が21度、最高が33度なので、日本の夏よりも暑さがマイルドです。
日本の厳しい冬や、気候の変化により体調を崩しやすい人にとっては快適な環境と言えるでしょう。
私自身もマレーシアに来てから、日本で悩んでいた花粉症から解放されました。
ただし、人によっては暑さが厳しいと感じることがあるので、心配な場合は一度旅行で体験するのがおすすめです。
文化の多様性
マレーシアは多民族国家で、多くの民族や言語が入り混じった文化です。
街中ではマレー料理、中華料理、インド料理など色々な料理を楽しむことができます。
マレーシアで驚いたのは、一見洋風なカフェでもナシレマなどのアジア料理を注文できることです。
友達とパスタなどの洋風料理と、アジア系の麺類を頼んでシェア、なんてことも可能です。
また、街中では民族や宗教によって服装もばらばらです。
日本のように皆同じような服装をする傾向はないので、個性の尊重が好きな方は開放感を感じることができるでしょう。
英語が完璧でなくてもいい
マレーシアの公用語はマレー語と英語で、クアラルンプールなどの都心ではほぼ英語で通用します。
それぞれの民族が第二言語として英語を話しているので、日本人の英語でも通じやすい環境です。
街中ではこの他に、中国語やヒンズー語も飛び交っています。
マレーシアに親子で移住し、バイリンガル教育をすることも最近人気になっているようです。
ただし、絶対にネイティブレベルの英語を身に付けたいと考える方には、マレーシアでは物足りなく感じてしまうかもしれません。
マレーシア移住 予想と違った現実
マレーシア移住前の評判の良い口コミに対して、実際に住んでみて違ったと思うことを解説していきます。
物価は3分の1ではない
マレーシアの物価が日本の3分の1だと聞くことがありますが、正直言い過ぎだと私は感じます。
物価はものによってはもちろん日本よりリーズナブルです。
実際に住居や外食、通信費は比較的コストパフォーマンスがいいと思います。
ただ、スーパーの食料品や日本食の外食、雑貨や電化製品はものによります。
日本よりも貧富の差が激しいので、価格の低いものから高いものまで「ピンキリ」となっています。
現に、私の家の家賃くらいが月給の仕事の人もいると知り、驚いたことがあります。
かと思えば、ブランドものをまとって高級車に乗り、高価なレストランで食事を楽しむ富裕層も存在します。
日本と全く同等の食生活を保ち、日用品や雑貨も全部日本製を選べば、当然コストは高くなってしまいます。
逆に、工夫次第ではコストを抑えて生活することも可能です。
サービスが充実していない
海外生活全般で言えるかもしれませんが、日本と比べるとサービスの質は劣ることがあります。
コンビニやスーパーの店員さんは、日本のようにきっちりしておらず、慣れていないと失礼と感じることもあります。
コンビニでも、オフィス街にある店は日曜日は休みのこともあり、驚いたことがあります。
お店に売られているものも、日本のようにバリエーションが豊富ではないことも多いです。
公共交通機関が少し遅れたり、携帯の電波が突然少しの時間通じなくなったりすることもあります。
日本に住んでいると、1分でも遅刻すると周りに迷惑をかけるという思考になりますが、マレーシアではそこまで厳格に責められることはないと感じます。
一人でイライラしても仕方ないので、思考を切り替えて慣れていくことが解決策です。
健康面への影響
日本と違う環境になるので、健康面に影響が出ることがあります。
私は、ロックダウンで家に引きこもりになったのをきっかけに、肌荒れで悩むようになりました。
マレーシアでは湿度も高いので予想もしていなかったのですが、エアコンをつけた部屋に長い間いると、思ったよりも肌が乾燥するようです。
幸いクリニックでもらった薬が効いて回復しましたが、何箇所かクリニックを周り、合うところを見つけるまではとても心配でした。
日系のクリニックもあり、日本語で相談できる環境もありますが、受診の費用はローカルのものと比べ物にならないほど高額です。
心配な症状がある人は、日本から常備薬を持って行くなどの対策をすれば安心できると思います。
狭い日本人社会
マレーシア在住の日本人社会があり、世間は狭いと感じることが多くあります。
マレーシアにせっかくいるのに、狭い日本人社会が辛いと感じてしまう人も中にはいるようです。
ストレスに感じてしまうなら、休日はできるだけ日本人以外の友達を作って過ごすなど工夫が必要です。
最近ではYoutubeやTwitterなどのSNSで発信しているマレーシア在住の日本人も多いので、見る人が見れば匿名でもなんとなく誰なのかが伝わります。
SNSでの発信をする場合は、誰が見ているか分からないという視点で行うといいでしょう。
洗濯物が黒くなる
マレーシアの水道水は濁っているため、何度も洗濯をしていると薄く色づいてきます。
水は見た目から汚いほどではないのですが、水を貯めると薄く茶色くなっていることが分かります。
このため、真っ白なTシャツなどは、洗濯を繰り返すうちに真っ白ではなくなってきてしまいます。
私はマレーシアに住んでからは真っ白は控え、他の色を買うようになりました。
シャワーヘッドには、浄化機能がついているものも発売されているようですが、洗濯機の水は水道直結になってしまいます。
どうしても避けたい場合は、浄水器を通した水で手洗いをするしかないでしょう。
マレーシア移住 こんな人は後悔する?
マレーシアでの生活の理想とのギャップを紹介してきました。
日本とは違う海外生活ですが、人によって妥協できない点もあるでしょう。
そこで、こんな場合は後悔してしまうかも?と思う点を紹介していきます。
日本と同じクオリティのサービスを求める
日本にいる時と同等のサービスは、結論として期待しないほうがいいでしょう。
日本のように皆が高水準の教育を受け、高い給与をもらっているわけではないからです。
マレーシアには低賃金で働く外国人労働者も多いので、時には英語でも満足にやりとりできないこともあります。
また、日本食しか食べられない人にも、食生活は厳しいものとなるかもしれません。
自炊する中でも、日本産の材料だけだと高価になってしまうことがあります。
私は日本食はできるだけ自炊し、外食するときは中華やベトナム料理など、野菜が入っていて比較的ヘルシーなものを選ぶようにしています。
飲酒とファッションを楽しみたい
マレーシアではイスラム教の影響でお酒の販売に制限があり、高価となっています。
このため、どうしてもお酒は欠かせないという人には、出費がかさばってしまうでしょう。
もちろん、非イスラム教徒むけのお店やバーもありますが、日本のようにどのお店でも飲酒ができるわけではありません。
また、マレーシアでは日本のようにみんな小綺麗にしているというよりも、近所なら短パンとTシャツででかけるほどラフな格好の人が多いです。
前述のように洗濯物が黒くなってしまうこともあり、ファッションが大好きな人には少し物足りない環境となるかもしれません。
移住の目的がない
マレーシア以外での海外生活でも言えることですが、目的がないと辛いものとなってしまうでしょう。
日本にいるのとは違い、日本の家族や友人に頻繁に会うことが難しいので、孤独を感じてしまうシーンもあるでしょう。
文化の違いでトラブルが起きてしまった時、最初はリアルで相談できる人がいないと辛いものです。
そんな時でも目標を持ち、それに向かって努力を続けていれば、何かトラブルがあっても乗り越えていこうというモチベーションになるものです。
海外生活を有意義にするためには、どうなりたいか目的を持ち、計画的に行動することが大切です。
プログラミングスキルを身に付けマレーシア移住を実現
海外生活の困りごとであるビザの問題や生活面のトラブルは、スキルをつけると解決できることがあります。
マレーシアでは最長90日間ビザなしで滞在が可能です。
それ以上働きながら滞在するには、従来は企業に雇用される就労ビザが主流でした。
しかし、最近では就労ビザに加えて、マレーシアでもデジタルノマドビザという制度が開始されました。
収入面などの条件がありますが、スキルがあれば現地採用で就職以外の選択肢ができることになります。
プログラミングスキルをはじめとしたITスキルは、マレーシアに限らず世界中で需要が高まっているスキルの一つです。
プログラミングスキルを身につけて、自由に働き方を選べるようになり、マレーシア生活を実現しませんか?
まとめ:マレーシア移住の理想と現実を知り自分に合う海外生活を
マレーシア移住をしてみて、期待通りだったこととして、日本人のビザの取得のしやすさ、住環境のコストパフォーマンスの良さ、年中温暖であること、文化の多様性、完璧に英語ができなくても生活できることがあります。
マレーシア移住で予想と違っていたことは、物価、サービスの質、健康面、日本人社会、洗濯物が黒くなることです。
日本と全く同等のサービスや食生活を求める人、飲酒とファッションを重視したい人にはマレーシア移住は不向きでしょう。
また、海外生活ではトラブルはつきものなので、乗り越えるためにも目的を持って過ごすことが大事だと実感しています。
近年色々な働き方があり、滞在の仕方も多様化しているので、みなさんに合ったマレーシア移住の方法が見つかることを願います。