こんにちは、Kredo Blog編集部です。
「患者さんに英語で声をかけたいけれど、とっさに言葉が出てこない」「質問できても、返事を聞き取れるか不安」。そんなときは、長い英文を覚える前に、短く尋ねて確かめるやり取りから練習してみましょう。
この記事では、看護師・医療従事者の方に向けて、希望する言語を尋ねる、症状を一つずつ聞く、検査や病棟を案内する場面の英語を紹介します。分からないときの聞き返しや、医療通訳へつなぐ表現も、会話例で確認できます。医療場面での確認方法は、厚生労働省とAHRQの資料を参照しています。
最初の声かけ:英語でよいかを確認する

外見や国籍から使用言語を決めず、話す言語と書面で読む言語を確かめます。厚生労働省の外国人患者受入れマニュアルでは、受付での対応可能な言語の確認や通訳体制の整備を扱っています。厚生労働省:外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル
| 伝えたいこと | 英語の例と日本語 |
|---|---|
| 自己紹介 | Hello, I’m your nurse today. こんにちは。本日担当する看護師です。 |
| 希望する会話の言語 | Which language would you prefer to use? どの言語で話すことを希望されますか? |
| 書面の言語 | Which language would you prefer for written information? 書面はどの言語がよいですか? |
| 通訳の手配を確認する | I’ll check how we can arrange a medical interpreter. 医療通訳をどう手配できるか確認します。 |
| 本人確認の質問例 | Could you tell me your full name and date of birth? フルネームと生年月日を教えていただけますか? |
| 聞き返す | Could you say that again, please? もう一度おっしゃっていただけますか? |
自己紹介は実際の職種に合わせて変えます。本人確認も、この英文を言うだけで完了するわけではありません。回答の照合や確認項目は施設の手順に従います。
分からないまま、うなずいて進めない
I’m sorry, I didn’t understand that. Let me get help.
すみません、今のお話を理解できませんでした。対応できる人に確認します。
日常英会話ができることと、正確な医療通訳ができることは別です。AHRQの言語支援資料は、希望言語の確認と、能力が確認されたスタッフ・医療通訳の利用を勧めています。家族や同行者が話せるという理由だけで、専門的な通訳を任せないようにします。これは米国の資料で、日本での具体的な運用は施設の規程に沿って確認してください。AHRQ:Address Language Differences
問診の英語:場所・時期・感じ方を一つずつ聞く

複数の質問を一度に並べると、どの問いへの返答か分かりにくくなります。まず一つ尋ねて返答を待ち、曖昧な部分を確かめます。以下は質問の英語表現を練習する表で、問診項目の網羅や診断を目的としたものではありません。
| 聞く内容 | 英語の例と日本語 |
|---|---|
| 受診した理由 | What brings you in today? 今日はどうされましたか? |
| 痛む場所 | Could you point to where it hurts? 痛む場所を指で示していただけますか? |
| 始まった時期 | When did it start? いつ始まりましたか? |
| 痛みの感じ方 | Could you describe the pain? どのような痛みか教えていただけますか? |
| 続き方 | Is it constant, or does it come and go? ずっと続きますか、それとも出たり治まったりしますか? |
| 使用している薬 | What medicines are you taking? どのような薬を使っていますか? |
| アレルギー | Do you have any allergies? アレルギーはありますか? |
返答の意味まで確認する会話例
Nurse: When did it start?
いつ始まりましたか?
Patient: Yesterday evening.
昨日の夕方です。
Nurse: So it started yesterday evening. Is that right?
昨日の夕方に始まったのですね。合っていますか?
Patient: Yes.
はい。
この確認は「自分が聞き取った内容が合っているか」を確かめるものです。アレルギーの種類や薬の名称などを推測で補ったり、患者さんが答えていない内容を確定したりしないでください。聞き取れない固有名詞は、施設の手順に沿って書面や通訳で確認します。
検査・処置の案内:予定と不確かなことを分ける
説明する内容は、実際に決定した予定や担当者から確認した情報に合わせます。「10分で終わる」「結果は今日出る」などの数字や時期を、例文のまま使わないことが大切です。
| 場面 | 英語の例と使う条件 |
|---|---|
| 体温を測る前 | I’d like to take your temperature. 体温を測りたいと思います。 実際の測定方法やその後の対応は施設の手順に従います。 |
| 血圧を測る前 | I’m going to check your blood pressure. 血圧を測ります。 これから実際に行うときの声かけ。 |
| 説明を担当者へつなぐ | The doctor will explain the procedure. 医師が処置について説明します。 担当と予定を確認できているときに使います。 |
| 質問を促す | What questions do you have? どのようなご質問がありますか? |
| 結果が出る時期が未確認 | I’ll check when the results will be available. 結果がいつ分かるか確認します。 |
| 不快感を知らせてもらう | Please tell me if you feel uncomfortable. 不快な感じがあれば教えてください。 |
安心させるためでも、結果を保証しない
This procedure is safe.(この処置は安全です)やEverything will be okay.(すべて大丈夫です)を、状況に関係なく使う定型句にはしません。I’ll ask the doctor to explain the risks and benefits.(リスクと利点について、医師に説明を依頼します)のように、必要な説明へつなぐ行動を伝えます。単なる声かけやYesの返答は、説明と同意の手続きの代わりにはなりません。
病棟の案内と、説明が伝わったかの確認

| 伝えたいこと | 英語の例と日本語 |
|---|---|
| 病室の案内 | This is your room. こちらがお部屋です。 |
| ナースコールの案内 | Press this button if you need help. お手伝いが必要なときは、このボタンを押してください。 |
| 場所を示す | The bathroom is over here. お手洗いはこちらです。 歩行や移動の可否を案内する表現ではありません。 |
| 面会時間の確認 | Let me check the visiting hours for you. 面会時間を確認します。 |
| 不明点への対応 | I’ll check with the person in charge. 担当者に確認します。 |
| 聞く姿勢を伝える | Take your time. I’m listening. ゆっくりで大丈夫です。お話を伺っています。 |
「分かりましたか?」だけで終えない
teach-back(ティーチバック)は、説明内容を患者さん自身の言葉で話してもらい、こちらの説明が伝わったか確かめる方法です。AHRQは、患者さんを試すのではなく説明の分かりやすさを確認し、伝わっていなければ説明し直して再確認する方法として紹介しています。AHRQ:Use the Teach-Back Method
Nurse: I want to make sure I explained that clearly. What will you do if you need help?
私の説明が分かりやすかったか確認したいので、お手伝いが必要なときにどうするか教えていただけますか?
Patient: I’ll press this button.
このボタンを押します。
Nurse: Yes, that’s the call button. Could you show me where it is?
はい、それが呼び出しボタンです。どこにあるか示していただけますか?
上はナースコールの使い方を確かめる独自の練習例です。患者さんが違う場所を示したら、責めずにもう一度伝えます。実際の療養上の指示は、内容も言語も正確に確認できる担当者・通訳を交えて扱ってください。
急な変化や困ったときは、対応につなぐ言葉を
緊急時は、英語の完成度を整えるために対応を遅らせず、院内の緊急対応手順に従って応援を要請します。ここでは処置の指示ではなく、今行っている対応を伝える言い方を練習します。
| 英語の例 | 意味・確認すること |
|---|---|
| I’m calling for help now. | 今、応援を呼んでいます。実際の要請と一致させます。 |
| I’m getting the doctor. | 医師を呼んできます。実際の役割と行動に合わせます。 |
| Help is on the way. | 応援がこちらに向かっています。手配・状況を確認できた場合の表現です。 |
| Please tell us if anything changes. | 何か変化があれば知らせてください。観察や必要な対応を置き換えるものではありません。 |
「落ち着いて」「心配しないで」だけで終えるより、誰に連絡し、何を確認しているかを具体的に伝えます。通訳手配と緊急対応の進め方も、事前に施設で確認しておきましょう。
「間違い」と決めつけず、意味で使い分ける
医療英語では、自然な英文でも、確認したい内容とずれていれば役に立ちません。正誤の暗記だけでなく、何を尋ねているかを見ます。
| 表現の組み合わせ | 意味の違い |
|---|---|
| Do you have a fever? Do you feel feverish? |
前者は「熱がありますか」、後者は「熱っぽく感じますか」。どちらも使える質問ですが、自覚と測定情報を同じものにしないようにします。 |
| Does it hurt? Is it painful? |
どちらも痛みを尋ねる表現です。何が・どこが痛むのかが伝わる文脈で使います。一方を一律に誤りとはしません。 |
| take medicine drink |
薬を服用する一般的な言い方はtake medicine。剤形や飲み方は実際の指示に合わせ、英語表現から推測しません。 |
| take your temperature measure your fever |
体温を測るならtake your temperatureが自然です。feverは発熱を指し、測る対象としてtemperatureを使います。 |
| Get some rest. Take a rest. |
休息を勧めるならGet some rest.など。Take a rest.を一律に「和製英語」とする必要はありません。実際にどの程度休むべきかは、英語表現から決められません。 |
返答が変わる会話を練習する
2人で「スタッフ役」「患者役」を交代し、最初は症状を聞く短いやり取りだけを練習します。3人なら、もう1人は聞き返しや確認ができたかを観察します。これは英語学習であり、医療通訳の資格・能力を評価する練習ではありません。
患者役の設定:肘が痛む。昨日の夕方から。スタッフ役は、この設定を見ずに場所と時期を質問する。
スタッフ役の目標:一度に一つ質問する。返答を言い直して確認する。分からない単語は聞き返す。
2回目の変更:患者役は「英語より別の言語で話したい」と伝える。スタッフ役は、通訳の手配を確認する表現へ切り替える。
| 振り返る点 | 確認する行動 |
|---|---|
| 使用言語 | 英語で話し続ける前に、相手の希望を尋ねたか。 |
| 質問の量 | 二つ以上の質問を重ねず、返答を待ったか。 |
| 不明点 | 理解していないのにYesと返さず、聞き返したか。 |
| 引継ぎ | 自分だけで対応できないとき、誰に確認するかを伝えられたか。 |
日常英語の学習順を整理したい方は英語学習ロードマップも参考にしてください。一般英語の練習に加え、医療場面で必要な確認方法や通訳運用は、所属施設の研修で確かめることが大切です。
医療英語のよくある質問
このフレーズを覚えれば医療通訳の代わりになりますか?
いいえ。この記事は英語表現を練習する教材です。診療内容の正確な説明・理解や同意が必要な場面は、施設の手順に従い、医療通訳や適切な担当者につないでください。
Do you have a fever?は間違いですか?
間違いではありません。Do you feel feverish?は熱っぽい感覚を尋ねる表現で、意味が少し異なります。実際の体温や症状の確認は、必要な手順で行います。
患者さんがYesと答えたら理解できたと考えてよいですか?
Yesだけでは判断できません。説明した内容を本人の言葉で話してもらったり、必要に応じて示してもらったりして確認します。伝わらない場合は説明方法や言語支援を見直します。
最初に覚えたいのは、Which language would you prefer to use?とCould you say that again, please?。話し始める言葉に加え、分からないときに立ち止まって確認する言葉も準備しておきましょう。
参考資料確認:2026年10月5日。厚生労働省マニュアル第4.0版(通訳体制・受付・検査等の章)、AHRQ Health Literacy Universal Precautions Toolkit第3版を参照。例文は独自作成で、資料の公式翻訳ではありません。医療専門家による監修記事ではありません。診療上の判断・処置は、所属施設の手順と担当職種の範囲に従ってください。
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