IT人材やエンジニアの需要は、今までにないほど高くなっていると言われています。
テクノロジーが私たちの生活に普及したことで、一般的なライフスタイルには欠かせないインフラ、そしてサービスの両方を支える存在となっているためです。
そしてエンジニアに欠かせないスキルの1つが、プログラミングです。
プログラミング言語は、公教育の現場ではまだ他の必修教育ほどカリキュラムが追いついておらず、一から丁寧に教わったり、実用的なスキルを身に付ける間も無く学校を卒業してしまうことも多いものです。
今回はそんなプログラミング言語について、基本的な知識や知っておくと便利な情報をご紹介します。
記事のもくじ
プログラミング言語とは
まず、プログラミング言語という言葉の意味について理解しておきましょう。
Wikipediaにはプログラミング言語の概要として、
「コンピュータプログラムを記述するための形式言語である」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
と書かれていますが、これだけでは少し理解しづらいものがあります。
なぜ「言語」なのか?
プログラミング言語は、端的に言えば「人間がコンピューターとコミュニケーションをとるための言語」ということができます。
コンピューターと会話するための言葉。
それゆえプログラミング「言語」と呼ばれているのです。
人間がお互いの会話の中で話す言語は自然言語と呼ばれており、日常生活を送るのにはこれで支障をきたしません。
しかしコンピューターは人間ではなく人工物であるため、彼らに最適な言語でこちらから呼びかけてやる必要があるのですが、ここで用いられるのがプログラミング言語というわけです。
そしてコンピューターに呼びかける際に使われるプログラミング言語も、コンピューターや用途に応じて様々な違いがあります。
地球上には現在6000を超える人間の言語が存在し、今もどこかで使われているとされていますが、このような人間の例と同じく、コンピューターにも各々に合わせた言語がいくつも存在しています。
これは後ほど詳しく紹介しますが、プログラミング言語を学びたい場合、この中から1つをまずは徹底して学習するのがオススメです。
補足として、プログラミング言語には「高水準言語」、「低水準言語」というカテゴリも存在します。高水準言語というのは「人間が理解しやすい言語」、そして低水準言語は「コンピューターが理解しやすい(人間が理解しづらい)」といった違いを持っています。
CやPythonなど、ポピュラーなプログラミング言語は一般的に高水準言語に分類されます。つまり人間が理解しやすい言語ということですが、それゆえにポピュラーなプログラミング言語であると言うこともできるでしょう。
プログラミング言語の仕組み
次に、コンピューターがどのようにしてプログラミング言語を理解しているのかを見ていきましょう。
一般的に人間とコンピューターの「会話」は、双方向的な人対人のコミュニケーションとは違い、人からコンピューターへ一方的に「命令(コマンド)」することが主となります。
コンピュータを扱う人間はプログラミング言語によってコンピューターに命令を送り、コンピューターは送られてきたプログラミング言語をコンパイル(翻訳)することで、初めてその指示を理解し、実行に移すというわけです。
そしてその命令というのも、大きく分けるとたった5つに分類されます。
その5つとは、「入力」「計算」「制御」「記憶」「出力」です。プログラミング言語は、それぞれ様々なコマンドを有しているものの、元をたどればこれらをコンピューターに行わせるためのコマンドになっているのです。
ただ、コンピューターは基本的に言われたこと「のみ」しか実行することができません。
そのため、人間がコマンドを入力する際に1文字でもミスがあると、きちんと意図したプログラミング結果を出力することができず、エラーや予期せぬ動作をすることがあるのです。
人間の自然言語処理であれば大雑把なコミュニケーションでも伝わるものですが、コンピューターへのプログラミング言語を通じたコマンドは、ミスが許されない固さがあります。
ここがプログラミング言語を学んだり、実践していく上で最も困難な部分にもなるのです。
逆にいうと、このミスの少なさや、きちんとプログラムを組んでアウトプットすることのできる人材は、優秀なプログラマとして非常に重宝されます。
慣れない最初のうちはつまづくことも多いかもしれませんが、経験を積んでミスやエラーにも素早く対応できるエンジニアを目指しましょう。
初心者がプログラミング言語を学んでできることは?
そんな苦労を伴う分、一度プログラミング言語を使って何かを作ることができるように慣れば、可能性は無限に広がります。
単純作業の効率化
コンピューターがまず最も得意とするのは、単純作業を高速で行う処理です。
例えば「100枚のフォーマットに自分の名前を記入してほしい」という命令を送れば、コンピューターは1秒足らずでこの作業を終えることができるでしょう。
人の手であればコピペを使っても30分はかかりそうな作業を、コンピュータープログラムは恐ろしい速さでこなしてしまうことができるのです。
基本的に、コンピューターがプログラミングで行えることになるのは単純作業の効率化です。
このようなコンピューターの強みを最大限に生かし、新たなサービスや優れたシステムが日々誕生しているというわけです。
アプリ開発
パソコンやスマートフォン向けのアプリケーション開発は、プログラミングを学びたいと考える多くの人の動機づけとなっているのではないでしょうか。
特にスマホで使えるアプリやサービスは近年最も注目を集めている分野でもあるため、人材の需要も高いのが特徴です。
加えて初心者でも実装が簡単で、マニュアルなども多様なものが手に入るので、プログラミング言語を使ってまずトライしたいものがアプリ開発です。
使用するプログラミング言語も様々で、開発環境が多様なのも特徴です。
例えばC#やJavaなどがポピュラーな言語で、iOSに特化する場合はApple謹製のSwiftがあります。
いってしまえば、ほぼどのプログラミング言語を選んでも、アプリ開発は行うことができるほど敷居の低い分野でもあります。
Web開発
Webサイトの骨子やデザイン製作にもプログラミングが活躍します。
シンプルなサイトであればHTML言語をいじれば初心者でも1日でWebサイトを開設することができますし、PHPやJavascriptなどを学べばゴージャスなものを製作することが可能になります。
こちらも現在需要のあるエンジニアスキルのため、多くの求人が殺到しています。
ハードウェア開発・ロボティクス
ソフトウェアだけでなく、スマートフォンや家電製品といったハードウェアの開発にも携わることができます。
ソフトを動かすため、ハードウェアにもプログラミング言語を用いたプログラムを組み込んでやる必要があるため、よりコンピューターに近いところで仕事をしたいと考えている人もプログラミング言語学習は必須です。
また、ハードウェア開発はソフトウェアとは違い、実際に機械に触りながら実装を進めていくことになるため、よりモノを作っている感覚を味わうことができます。
単なるハードウェアにとどまらず、ロボット工学にも応用させていくことが可能です。
ロボティクスといっても、現代ではかなり日常的な電子工作の一貫となっています。
子供向けのキットも発売されているだけでなく、人工知能を搭載したロボットも家庭で製作することができるようになっているため、初心者でも気軽に取り組むことができるでしょう。
使用言語としては、Pythonが最も学びやすく、かつ人気があると言えます。初心者にも易しい設計であるだけでなく、汎用性が高いため、AI開発の最前線でも用いられています。
初心者のプログラミング言語の学び方とは
そんな多くの可能性を秘めたプログラミング言語ですが、学び方も様々です。
教材を使った独学
1つは独学です。
今や各プログラミング言語に応じたテキストなどがいくつも販売されており、Amazonなどを使えばどこに住んでいてもすぐに購入することができるため、誰でも気軽に学習を進められます。
セミナーや講習会への参加
独学ではモチベーションの維持が大変という場合は、セミナーや講習会を利用してみるのも良いでしょう。
同じくらいのレベルの受講者とともに学習を進めれば、モチベーションアップにもつながるだけでなく、勉強仲間を作ることもできます。
IT留学
最近多くの人が実践しているのが、IT留学です。
ある程度まとまった期間で海外に留学し、語学を学びながらエンジニアのスキルを学ぶというやり方は、プログラミング言語も外国語も習得できるということで、社会人にも人気のプランです。
一定期間で結果を出さないといけないというプレッシャーや環境もあるので、早く成果を出しやすいメリットもあります。
Kredoオンラインキャンプなら、自宅にいながらIT留学ができます。
プログラミング言語の学び方で重要なことのまとめ
今回はプログラミング言語の基礎的な知識をご紹介しました。
プログラミング言語がなぜ「言語」なのかや、どのようにコンピューターがプログラミング言語を理解しているかといった知識は、そのまま使えるほど実用的なものではありません。
それでもそういった知識を頭の片隅に入れておくことで、予期せぬエラーへの対応やプログラミングスキルを応用させていく上で役に立つため、覚えておいて損はないでしょう。