このような要望・疑問に応えるべく、海外でエンジニアになる方法から働いているエンジニアの現状などを紹介します。
具体的には次の順番でお話ししていきます。
- 海外でエンジニアになる3つの方法
- 海外で働くエンジニアの現状
- 海外でエンジニアになるメリット・デメリット
- 海外でエンジニアになる際の注意点
海外で働くエンジニアを目指す方、現在働いているエンジニアの現状を知りたい方向けの記事ですので、ぜひご覧ください。
記事のもくじ
海外でエンジニアになるには?3つの方法
エンジニアはスキルや知識が言語の壁を超えて理解されやすく、比較的海外で働きやすいと言われる職種です。
しかし、海外でエンジニアになるためには具体的にどのようにすればよいのでしょうか。
具体的には次に紹介する3つの方法が考えられますので、一つずつ見ていきましょう。
現地企業に就職する
1つ目は海外の現地企業に直接就職する方法です。
最も単純でわかりやすい方法ですが、今回紹介する3つの方法の中では最も難易度が高い方法と言えるでしょう。
なぜなら、社内で日本人が働いているケースは少なく、コミュニケーションをとるために現地の言語は習得しておく必要があるからです。
加えて、日本とは異なる文化や常識についても理解しておかなければなりません。
すでに海外に住んでおり、勝手がわかっている人でなければ難しいでしょう。
日系企業に就職後、海外支社に出向
2つ目の方法は、日系企業に就職した後に海外支社に出向する方法です。
日系企業に就職するため、はじめは日本の文化・常識が通用するため難易度としては低めです。
しかし、業務命令によって海外勤務となるため、自身で自由に出向期間や仕事の内容を決められません。
海外支社で働きたいことを上司などに伝えていればチャンスが巡ってくる可能性がありますが、海外で働くに足る実績を示す必要があるでしょう。
業績やコミュニケーション能力、海外支社がある現地の文化・常識に理解があるなど、通常の業務以外にも身につけるべきスキルは多くなります。
この方法に関しては、ブリッジSEとしてオフショア開発などの橋渡し役で海外支社に出向になることもあります。
ブリッジSEについて詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しくまとめていますのでこちらもぜひご参照ください。
日系企業の海外支社に就職
最後の方法は、日系企業の海外支社に直接採用される方法です。
この方法は日系企業の海外支社で募集がなければそもそも取れない方法ですが、働く期間や仕事内容などを選べるため、最もあなたの理想に近い形で働けるようになるでしょう。
現地企業に就職する場合と同じく、コミュニケーションのための言語スキルは必須ですが、社内には日本人もいるため、難易度は中程度と言ったところでしょうか。
海外で働くエンジニアの現状
ここで海外で働くエンジニアの現状について見ていきましょう。
どんな国で働く人が多いのか、海外で働くエンジニアの平均年収について紹介します。
中国で働く人が最も多い
海外で働くエンジニアは、中国で働いている人が多いという結果が出ています。
少し古い情報ですが、Tech総研が25歳~39歳までの海外勤務経験のあるエンジニア100人にアンケートを取ったところ、海外勤務先としては次のような結果となりました。
- 1位:中国(32%)
- 2位:アメリカ(24%)
- 3位:台湾(13%)
- 4位:タイ(12%)
- 5位:シンガポール(11%)
中国が最も多く、次いでアメリカという結果ですが、ほとんどはアジア圏内であることがわかります。
そのほか、ヨーロッパとひとまとめにすれば18%となり、一言で海外勤務と言ってもさまざまな国でエンジニアは働いているのです。
参考:語学より大事なものは?海外勤務エンジニア100人の声(Tech総研)
平均年収が最も高いのはアメリカ
ここで気になることとして、海外で働くエンジニアの平均年収はどのくらいなのかということです。
平均年収が最も高いのはアメリカで857万円です。
その他の国では平均年収は次のとおりとなっています。
- 中国:200万円
- 台湾:230万円
- タイ:97万円
- シンガポール:624万円
この結果を見て、中国・台湾・タイの年収が低いことが気になる人は多いでしょう。
しかし、国によって物価が異なり、その国基準ではエンジニアの平均年収は軒並み高い傾向にあります。
例えば、タイではバスの運転手や大工の年収は25万円を切ります。
また、台湾の1年目の平均年収は約9万円であるため、エンジニアの平均年収は高いことがわかるでしょう。
各国のIT事情や詳しい年収のお話は以下の記事に詳しくまとめていますので、興味のある方はこちらもぜひご参照ください。
海外でエンジニアになるメリット・デメリット
海外でエンジニアになるメリットの一つとして、高い年収を得られることが考えられますが、その他にもメリットは存在します。
同時にデメリットも存在しますので、それぞれ見ていきましょう。
メリット
海外でエンジニアになるメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
- プログラミング言語の知識をそのまま活かせる
- エンジニアとしての専門性の証明ができる
- グローバル人材として重宝される
JavaやC言語、Rubyなどのプログラミング言語は日本語や英語などと違って世界共通です。
地域やプロジェクトによって求められるプログラミング言語は異なりますが、身につけた知識やスキルは海外でも活かせます。
また、エンジニアはもともと専門性の高い職種ですが、海外ではよりエンジニアとしてのスキルが無ければ働くことは難しいもの。
そのため、海外で働いた経験があればエンジニアとしての専門性の証明につながります。
加えて、海外では上司や同僚は日本人以外であることがほとんどです。
業務を円滑に進めるためには現地の言語だけでなく常識や習慣についても理解しなければならず、海外勤務を通して自然とグローバルな人材になります。
海外勤務後に日本に戻ったとしても、グローバル人材として重宝されることでしょう。
デメリット
海外でエンジニアになるデメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
- 仕事やコミュニケーションのギャップ
- 言語の壁
当たり前ですが、日本と海外とでは言語も常識も異なります。
日本人としての当たり前が通用しないことも多々あり、仕事の内容に関しても想定と違うものになる可能性も。
上手くコミュニケーションが取れずに仕事が円滑に進められない、などのデメリットも考えられるのです。
加えて、言語の壁はどうしても課題になってきます。
たとえプログラミング言語に関するスキルがあっても、コミュニケーションが取れなければ仕事を円滑に進めることは難しいでしょう。
海外の文化・常識・言語が時としてデメリットになり得るのです。
海外でエンジニアになるうえでの注意点
最後に、海外でエンジニアになるうえでの注意点を紹介します。
これから海外でエンジニアになりたいと考えている方は、これから紹介する注意点をしっかりと確認しておきましょう。
年収は給与だけでなく物価も考慮
海外で働くエンジニアの現状で紹介したとおり、平均年収は国によって大きく異なります。
その要因として、物価が大きく影響しているのです。
日本の物価基準で海外で働くエンジニアの平均年収を見てしまうと、思っていたよりも年収が高くなかった、などの問題に直面するかもしれません。
例えば、アメリカで働くエンジニアの平均年収は高い傾向にありますが、物価も高いことをご存知でしょうか。
日本で100円程度で買えるチョコレートがアメリカでは250円するなど、給与だけでなく物価も考慮しなければならないのです。
実務経験が必須
基本的に海外では未経験のエンジニア採用は行っていません。
その理由としては、新人研修制度が無いことが挙げられるでしょう。
日本では「未経験歓迎」のような求人を見ることも多いため、海外でも同様に未経験でも就職できると思いがちですが、実務経験が必須であることは覚えておかなければなりません。
加えて大学の学位が必要など、日本とは異なる環境であることを把握しておきましょう。
そのほかにも、文系エンジニアに焦点を絞って海外でエンジニアになる方法や注意点などを以下の記事で詳しくまとめていますので、こちらもぜひご参照ください。
就労ビザの取得が難しい国もある
海外で働く際には就労ビザが必須です。
しかし、アメリカやヨーロッパでは就労ビザの取得が難しいと言われています。
就労ビザの取得のために大学の学位や実務経験が必要ですが、それ以外にもそもそも多くの人が就労ビザを求めているため、発行枠が埋まってしまうことも。
海外でエンジニアになる際には、ITスキルや現地の言語スキルよりも就労ビザの取得が最大の課題かもしれません。
まとめ:海外でエンジニアになるにはグローバルな人材になろう!
海外でエンジニアになる方法としては3つの方法が挙げられますが、日本ですでに働いている場合にはブリッジSEが最も現実的と言えるでしょう。
しかし、そのほかにもいろいろな方法がありますので、あなたにあった方法をぜひ探してみてください。
海外でエンジニアになると平均年収が高くなると思う人も多いかもしれませんが、一概に高くなるとは言い切れない点は注意が必要です。
必ずその国における物価を考慮した上で、しっかりと検討しなければなりません。
ただ、日本は少子高齢化が急速に進み、IT人材も常に不足している状況です。
今後はオフショア開発をはじめとする海外でのIT開発も増えてくるでしょう。
これからのエンジニアに求められることは、高度なITスキル・知識だけでなくグローバルな人材です。
他の業種においてもグローバル化は言われ続けていますが、エンジニアこそグローバルな人材が求められていると言えるでしょう。