各国の公的統計で比べると、ソフトウェア開発者の年収はアメリカ(中央値13万5,980ドル=約2,141万円)、オーストラリア(週2,496豪ドル=年換算で約1,433万円)、シンガポール(月給の中央値S$8,888=年換算で約1,314万円)が、日本のソフトウェア作成者(約578万円)より高い水準です。ただし、国によって統計の取り方や税金、家賃などの生活費が大きく違うため、額面の年収だけで「海外のほうが得」とは言えません。働く国を選ぶときは、手取りと生活費、就労ビザの条件までそろえて比べましょう。
この記事では、シンガポールをはじめ、アメリカ、オーストラリア、台湾、日本のエンジニアの年収を各国政府などの公的統計で比べ、比べるときの注意点と、海外で高い年収を目指す方法を2026年9月時点の情報でまとめました。書いているのは、セブ島で英語とITを学べる留学を運営するKredo(クレド)の編集部です。

- 公的統計では、アメリカ・オーストラリア・シンガポールのソフトウェア開発者の年収は日本より高い
- シンガポールのソフトウェア開発者の月給の中央値はS$8,888(2024年6月、賞与を含まない)
- 統計の定義(中央値か平均か、賞与を含むか)が国ごとに違うので、数字は目安として見る
- 家賃・物価・税金・社会保険まで含めて「手元に残るお金」で比べる
- 就労ビザに給与の下限がある国もある(シンガポールのEmployment Passなど)
海外エンジニアの年収を国別に比較(公的統計)
円換算は、三菱UFJ銀行の2026年9月29日の公表仲値(1米ドル=157.46円、1シンガポールドル=123.17円、1豪ドル=110.38円)で計算しました。為替が動くと円での金額も変わります。
| 国 | 職種(統計上の名前) | 金額(現地通貨) | 円換算の目安 | 統計の時点・出典 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ | ソフトウェア開発者 | 年13万5,980ドル(中央値) | 約2,141万円 | 2025年5月/米国労働統計局 |
| オーストラリア | ソフトウェア・アプリケーションプログラマー | 週2,496豪ドル(フルタイムの中央値) | 年換算で約1,433万円 | 2023年5月/Jobs and Skills Australia(豪統計局の調査) |
| シンガポール | ソフトウェア開発者 | 月S$8,888(中央値・賞与を含まない) | 月約109万円、年換算で約1,314万円 | 2024年6月/シンガポール人材省 |
| 台湾 | 資通訊業(情報通信業)の専門職 | 月6.8万台湾ドル(平均)、年101.3万台湾ドル | ― | 月給2024年7月・年収2023年/台湾 勞動部 |
| 日本 | ソフトウェア作成者 | 年約578万円(平均) | ― | 2025年(令和7年)/厚生労働省 |
| 日本 | システムコンサルタント・設計者 | 年約889万円(平均) | ― | 2025年(令和7年)/厚生労働省 |
※ 年換算は「週給×52」「月給×12」で計算した目安で、ボーナスなどは含みません。日本は「毎月の給与×12+年間の賞与」で計算しました。中央値(真ん中の人の金額)と平均値は性質が違うため、表の数字は同じ条件の比較ではありません。
シンガポールのエンジニアの年収

シンガポール人材省(MOM)の職業別賃金調査(2024年6月)では、IT系の職種の月給(グロス、賞与を含まない)は次のとおりです。対象はシンガポール国民と永住者で、従業員25人以上の民間企業です。
| 職種 | 下から25% | 中央値 | 上から25% |
|---|---|---|---|
| ソフトウェア開発者 | S$6,658 | S$8,888(約109万円) | S$13,513 |
| Web・モバイルアプリ開発者 | S$6,050 | S$7,000(約86万円) | S$9,314 |
| アプリケーション・システムプログラマー | S$6,050 | S$6,500(約80万円) | S$7,660 |
| ICTビジネスアナリスト | S$6,264 | S$8,500(約105万円) | S$11,043 |
| ソフトウェア・アプリケーションのマネージャー | S$7,620 | S$10,779(約133万円) | S$15,816 |
同じソフトウェア開発者でも、下から25%と上から25%で約2倍の差があります。経験や担当する仕事によって、年収の幅が大きい職種だと言えます。
シンガポールで働くときの給与の条件(Employment Pass)
外国人が専門職としてシンガポールで働くときの代表的な就労許可「Employment Pass(EP)」には、月給の下限があります。一般の業種では23歳でS$5,600、年齢が上がるほど高くなり45歳以上でS$10,700です。2027年1月1日以降の新規申請は、S$6,000〜S$11,500に引き上げられます(2026年9月時点)。あわせてポイント制の審査「COMPASS」で40点以上が必要です。最新の条件はシンガポール人材省で確認してください。
シンガポールのIT企業・エンジニアの求人の探し方
シンガポール政府の求人サイト「MyCareersFuture」や、企業の採用ページ、日系の人材紹介会社などで探せます。求人を見るときは、月給がEPの下限に届くか、会社がEPの申請をしてくれるかを確認しましょう。
アメリカのエンジニアの年収
米国労働統計局(BLS)によると、2025年5月のソフトウェア開発者の年収の中央値は13万5,980ドル(約2,141万円)、ソフトウェアのQA(品質保証)アナリスト・テスターは10万4,300ドル(約1,642万円)です。BLSは、ソフトウェア開発者・QAアナリスト・テスターを合わせた雇用が2025〜2035年に10%増えると見込んでいます。
一方で、BLSはソフトウェア開発者に一般的な学歴として「コンピューター・情報技術などの学士号」を挙げています。外国人がアメリカで働くには就労ビザ(専門職のH-1Bなど)が必要で、ハードルは高めです。
オーストラリアのエンジニアの年収
オーストラリア政府の Jobs and Skills Australia によると、ソフトウェア・アプリケーションプログラマーのフルタイムの週給の中央値は2,496豪ドル(2023年5月、豪統計局の調査)です。52週で計算すると約12万9,800豪ドル、円で約1,433万円になります。日本はオーストラリアとワーキングホリデーの協定を結んでおり、若いうちに現地の生活を体験する方法もあります。
台湾のエンジニアの年収
台湾の勞動部(労働省にあたる)の「職類別薪資調查」(2024年)によると、出版・映像・情報通信業の専門職の月給(平均)は6.8万台湾ドル(2024年7月)、年収は101.3万台湾ドル(2023年)でした。同じ業界の事務職(月3.9万台湾ドル)より高く、エンジニアは台湾でも給与が高めの職種です。この統計は業界ごとの専門職をまとめた数字で、エンジニアだけの金額ではない点に注意してください。
日本のエンジニアの年収(比べるときの基準)
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、「ソフトウェア作成者」の毎月の給与は39.08万円(平均年齢37.1歳)、年間の賞与は109.51万円で、年収にすると約578万円です。「システムコンサルタント・設計者」は毎月54.21万円、賞与238.52万円で、約889万円です。海外の数字と比べるときの基準にしてください。
タイ・中国・韓国などのエンジニアの年収は?
タイ・中国・韓国などは、今回、政府などの公的統計でエンジニアの職種別の年収を確認できなかったため、数字は載せていません。ネット上には国別の平均年収の数字が多くありますが、出典や調べた年が分からないものは参考程度にしましょう。タイなどでエンジニアの求人を探すときは、給与だけでなく、会社が就労許可・ビザを用意してくれるかを求人ごとに確認することが大切です。
年収だけで比べない:物価・税金・為替の考え方

| 比べるポイント | 確認すること |
|---|---|
| 統計の定義 | 中央値か平均か、賞与や手当を含むか、対象は国民だけか |
| 税金・社会保険 | 所得税の率、年金・医療保険の負担、日本の住民税の扱い |
| 生活費 | 家賃、医療費、子どもの教育費。都市によって大きく違う |
| 為替 | 円に換えたときの金額は為替で上下する |
| 雇用の条件 | 住宅手当・保険・ビザ費用を会社が負担するか、契約期間 |
額面の年収が日本の2倍でも、家賃や医療費が高い都市では手元に残るお金はそれほど変わらないこともあります。反対に、年収が日本より低い国でも、物価が安く住宅手当がつけば、生活に余裕が出る場合があります。
海外でエンジニアとして高い年収を目指すには
- 実務経験を積む:上のシンガポールの表のように、同じ職種でも経験や役割で年収の幅が大きい
- 英語で仕事ができるようにする:面接、会議、ドキュメントを英語でこなせると、応募できる会社が増える(勉強法はエンジニアの英語勉強法)
- ビザの条件を満たす国を選ぶ:学位・経験・給与の条件は国ごとに違う
- 需要のある分野を伸ばす:クラウド、データ、AIなど、求人の多い分野のスキルを身につける
海外で働く具体的な方法(駐在・現地採用・転職など)や、学位なし・文系の場合の道は、海外でエンジニアとして働くにはでくわしく解説しています。
これから英語とITを身につけて海外を目指す方には、KredoのIT留学という選択肢もあります。セブ島でITのレッスンをすべて英語で受け、1日8時間(英語のマンツーマン4時間+ITのグループ授業4時間)学びます。受講生の92%は英語もITも未経験で始めています。無料カウンセリングで、目標に合う学び方を相談できます。
海外エンジニアの年収についてよくある質問
Q. シンガポールのエンジニアの年収はどのくらいですか?
シンガポール人材省の調査(2024年6月)では、ソフトウェア開発者の月給の中央値はS$8,888(約109万円)で、12か月分にすると約1,314万円です。賞与は含まれていません。下から25%はS$6,658、上から25%はS$13,513で、経験によって幅があります。
Q. 海外のエンジニアは本当に日本より年収が高いのですか?
アメリカ・オーストラリア・シンガポールの公的統計では、日本のソフトウェア作成者より高い水準です。ただし、税金や家賃などの生活費も高いことが多く、統計の定義も違うため、手元に残るお金で比べることが大切です。
Q. 海外で働けば、日本人でも現地の平均くらいの年収をもらえますか?
会社・職種・経験によります。この記事の統計は現地の人を中心にした数字(シンガポールは国民と永住者)です。外国人として働く場合は、ビザの給与条件や、現地採用か駐在かでも条件が変わります。
まとめ:海外エンジニアの年収は「公的統計」と「手取り・生活費」で比べよう
- ソフトウェア開発者の年収は、アメリカ・オーストラリア・シンガポールが日本より高い水準
- シンガポールは月給の中央値S$8,888(2024年6月)。経験で幅が大きい
- 統計の定義・税金・物価・為替が違うので、手取りと生活費でそろえて比べる
- 就労ビザの給与条件も確認してから、働く国を選ぶ
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