美しい海が広がるフィリピンの観光地セブ島。
日本から飛行機で5時間くらいで行ける場所にあり、物価も安く手頃な観光地として、近年では人気の旅行先、語学留学の留学先となっています。
ですがフィリピンには治安の悪いエリアがあり、初めてセブ島に旅行や留学に行く方にとって、セブ島の治安や安全性について気になることでしょう。
フィリピンとセブ島の治安状況、セブ島内の危険なエリア、注意すべき事件や対策方法についてまとめました。
本記事で紹介するポイントに気をつけていれば、事件に巻き込まれることなく、安心してセブ島を満喫できるでしょう。
現地滞在時は最低限の注意を払いつつ、セブ島での旅行や留学をお楽しみください。
記事のもくじ
セブ島の治安はやばい?外務省が発表しているフィリピンの治安情報
セブ島の治安状況をお話しする前に、まずはフィリピンという国全体の治安状況を見てみましょう。
こちらは外務省が発表しているフィリピンの治安情報です。
フィリピンは全体的に黄色で危険レベル1の「十分注意してください」に分類され、南にある一部地域では渡航中止勧告がでています。
これは治安レベルとしてはカンボジアやミャンマーなど、他の東南アジアと同等です。
さらに「犯罪発生状況、防犯対策」の項目には、フィリピンの治安情報について以下のように書かれています。
- 犯罪発生率は前年度より減少しているものの、日本と比べるとかなり多い
- 裕福な外国人旅行者を狙った事件が起こっている
- 主要都市部の繁華街・観光地において日本人が犯罪被害に遭う事案が発生している
かたい文章で読みにくいかもしれませんが、渡航前に外務省のホームページを一度目を通しておくことをおすすめします。
フィリピンは安全だと言い張るサイトやブログはたくさんありますが、フィリピンという国全体で見た場合、治安が良いとは言えないでしょう。
ですがフィリピンの治安状況はエリアによって大きく異なり、観光地として栄えているセブ島は比較的治安が良いとされています。
セブ島は治安のいい場所と悪い場所の差が激しい傾向にあり、逆に言えば、治安の悪い場所をあらかじめチェックしておき、立ち入らないよう最低限の注意を意識しておけば、セブ島で危険な目に遭うことは滅多にないと言えます。
2017年に起きたミンダナオ島の紛争の影響は?
「セブ島の治安が悪化している」
そんなイメージで語られてしまうのは、2017年にミンダナオ島で起こったフィリピン政府軍とイスラム過激派との紛争の影響でしょう。
フィリピンは7千を超える島が集まってできている国で、セブ島はその中で首都マニラに次ぐ第2位の都市圏になります。
ミンダナオ島はセブ島のすぐ南に位置する島なので、近くにあるセブ島にまでテロの影響や治安の悪化が懸念されたのでしょう。
このテロにより、一時期はフィリピン全域の治安の悪化が心配されました。
ですが、現在はその影響は完全に薄れています。
外務省がその時に出していたミンダナオ島への戒厳令も今は出ておらず、そもそもセブ島には戒厳令は出ていません。
今後も影響がないかどうかは誰にも予測することはできませんが、現在のところ紛争の影響はセブ島には見られないと言ってよいでしょう。
ドゥテルテ大統領になってからは犯罪率は減少しているようで、フィリピンの治安は少しずつ改善されていっています。
セブ島に住んでいる人達も、以前に比べて夜に出歩く怪しい人を見かけなくなってきたと感じているとのことです。
セブ島の治安状況
「島」と名がつくセブ島ですが、実は土地自体は広く、島の全てがビーチリゾートというわけではありません。
現地の人が暮らしているエリアもあり、そうした場所は外国人向けにはなっていません。
セブ島は多くのホテルやレストランが集まる「セブシティ」と、2本の橋で陸続きになっている「マクタン島」の2つに分かれています。
マクタン島の中でもリゾートホテルは海岸沿いに集中しており、エリアによって感じや雰囲気、そして治安が大きく違っているのです。
セブシティ
セブシティはセブ島の中心地で多くのホテルやレストランが集まる繁華街で、島の中でもっとも栄えている場所です。
マゼランクロスやサントニーニョ教会といった歴史的建造物も見ることができます。
アヤラ・センター・セブのような大型ショッピングモールや多くの観光客も訪れるレストラン街周辺は人も多く、強盗などの大きな事件はあまり起きません。
ですが魅力ある繁華街は多種多様な人が大勢集まるため、治安も悪くなりがちです。
セブシティにも警戒すべきいくつかの「ストリート」があり、セブ島に慣れてきた留学生が近道をしようと細い裏路地を通り、そこで銃を突き付けられたという話が後を絶ちません。
セブシティの注意点と言えば路上生活者が多いこと。
ストリートチルドレンと呼ばれる物乞いや、スリを生業とする児童集団があちこちにいます。
彼らに突然囲まれたり、お腹が空いたなどと声をかけて意識がそがれた隙に、財布を盗んでいくのです。
特にiPhoneはスリの被害が後を絶ちません。
旅行中に撮った写真や自撮りなどの画像をSNSにアップしたりするかと思いますが、そんな瞬間に横や背後からスマホを盗られることが多いので注意してください。
路上で電話をしているだけで奪われてしまう・・・そんな状況なので、スマホを見ながら道を歩くなんてことはしてはいけません。
セブシティにいる間は意味なくスマホを鞄から出さない、むしろ持ち歩かない方がいいでしょう。
人混みの中でのスリやカフェ店内での置き引きなども多発しているので、日本人だけで歩く場合は細心の注意が必要になります。
マクタン島のリゾートエリア
セブシティには海はなく、セブ島と聞いてイメージされる風光明媚で海の美しいセブ・リゾートは、マクタン島の南側にある海岸線上にある一角のことを指します。
ホテル内では厳重なセキュリティを設けており、基本的に部外者は立ち入れないようになっています。
ですからマクタン島のリゾートエリアはフィリピンでもトップクラスに安全な場所と言っていいでしょう。
多くのホテルは、レストランやプール、スパなどを敷地内に設置しています。
一流リゾートホテルともなれば、プライベートビーチやテニス場、ミニゴルフ場まで備えており、ホテルに滞在するだけでも南国の空気を楽しむことができるでしょう。
マクタン島でもリゾートエリア以外の地域は治安が悪い
リゾートエリアから一歩外に出れば、さびれた雰囲気の路地が広がっています。
マクタン島のリゾートエリア内は治安が良い一方、開発されていないエリアには現地の人々が住む小さな古い民家が立ち並び、空港付近も含め治安がかなり悪いです。
リゾートエリアから出て、マクタン島の街を散歩しようなどとは思わない方が賢明です。
ギター工場など人気観光地もありますが、他の地区へ外出する際には徒歩での移動を控え、車を使うのが理想です。
車も流しのタクシーは使わず、ホテルやレストランの方に安全なタクシーを呼んでもらいましょう。
夜のマクタン島は電気もない暗い道がほとんどなので、間違っても女性だけで出歩くことのないようにしてください。
セブシティ内の治安に気をつけるべきエリア
セブシティ内の治安に気をつけるべきエリアを2箇所紹介します。
マンゴーストリート
マンゴーストリートとは、フィリピン人や外国人に人気のバーやクラブが集まるセブ島きっての夜の歓楽街です。
夜のマンゴーストリートに行ってみたいという方も多いようで、週末は留学生であふれかえっていますが、治安はかなり悪く、ストリートチルドレンや売春婦、ドラッグの密売人が数多くいます。
特にスリが多発しており、マンゴーストリートでiPhoneを盗まれた留学生は数え切れません。
夜のマンゴーストリートには近づかないのが無難です。
セブ島の夜を楽しみたいなら、より安全なクラブやバーがあるので、そちらの利用をおすすめします。
どうしても行ってみたいという方は、貴金属は身に着けず、財布はバッグに入れて常に目の前にある状態にし、お酒を飲みすぎない等の危機意識を持ちましょう。
女性の場合でしたら肌の露出が多い服装は控え、移動はホテルでタクシーを頼むかツアーに参加するなどの安全な手段をとってください。
コロンストリート
コロンストリートはセブ島の下町といった雰囲気の地区です。
ガイドブックには観光名所として紹介されており、サントニーニョ教会などの歴史的建造物が近くにあり、カルボンマーケットというローカルなショッピングエリアで知られています。
そんな情緒溢れるコロンストリートですが、治安の悪さは有名で、浮浪者やストリートチルドレンが多く、財布やiPhoneを狙ったスリや詐欺の被害が後を絶ちません。
ちなみにマンゴーストリートで盗まれたiPhoneはコロンストリートで売りさばかれています。
昼間はまだ注意点さえ守れば観光できるのですが、それでも複数人で行動するようにしましょう。
夜のコロンストリートには近づかないことです。
路地裏に入るとドラッグの売人や売春婦が立ち並び、ドラッグ中毒者や強盗が数多くいます。
トラブルに巻き込まれないためにも、興味本位で近づいたりしないことが賢明です。
セブ島で起こりやすいやばい犯罪事件
セブ島では命に関わるような事件こそ滅多に起こらないものの、スリや置き引きなどの軽犯罪、タクシーなどの交通機関の運賃トラブルは頻繁に起きているのが現状です。
セブ島でよく見られる犯罪手口を4つ紹介します。
知っていれば防げることも多いと思うので、似たような犯罪に巻き込まれないよう、回避に役立ててください。
スリ、置き引き
セブ島を訪れた観光客や現地留学生などが最も被害に遭いやすいトラブルがスリです。
特に大型ショッピングモール等での被害が多く、中でも警戒心の薄い日本人がターゲットになりやすく、財布やiphoneを狙われます。
最近は手口が巧妙になってきており、遊んで欲しそうな子どもたちが近づいてきてワイワイしているうちに盗られていたり、流暢な日本語を使って近寄ってくるフィリピン人がスリだったり。
単独犯ではなくグループでスリや置き引きを行うケースもあります。
バッグにはしっかり鍵をつけ、リュックであっても前に抱えるように持つ、必要最低限の貴重品だけを持つなどして、旅行者側もしっかり警戒する必要があります。
そしてバッグの中に破れにくい袋等を使い二重にしておくことで、カッターでバッグを切られても盗難を防ぐことができます。
また、カフェやレストランで席を離れる時、テーブルの上に鞄やスマホなどを置きっぱなしにしてはいけません。
手荷物を置いて場所取りに使えるのは安全な日本だからできることで、セブ島ではたちまち盗まれてしまいます。
荷物はどこへ行くにも、自分の身から離してはいけません。
目を離した「ちょっと」の隙が狙われています。
もし盗まれたのに気づいた場合でも、無理に取り返そうとすると逆に危険なので諦めましょう。
スリ、置き引きの対処方法としては以下のポイントに注意してください。
- 治安の悪い地域は極力歩かない
- 貴重品はポケットではなく、マネーベルトやセキュリティーポーチに入れる
- 必要最低限の現金のみ持ち歩く
- 道端でお金を数えない
- イヤホンで音楽を聞きながら歩かない
セブ島を歩く際は、基本的な注意を怠らないようにしてください。
トランプ詐欺
トランプ詐欺はポーカー詐欺ともいわれる手法で、旅行ガイドブック等で注意喚起されている昔からある賭博詐欺です。
手口としては、ショッピングモールや繁華街等を歩いていると、見知らぬ人が親しげに話しかけてきます。
話題は多種多様ですが、日本に興味がある、日本が大好きだとアピールしてくることが多く、会話が盛り上がってきたところで「別のところで話さないか」と喫茶店や自宅に連れ込まれます。
その後、トランプを使ったゲームに誘われ、大金を掛けることになり、最終的には掛け金をだまし取られるという定番の手口です。
対処方法は小学校で習ったとおり「知らない人にはついていかないこと」。
時代遅れの犯罪に思えますが、異国の地ということで気が緩んでいるのか、それとも現地の方と仲良くなることがうれしくてついていってしまうのか、セブ島では現在でも被害が多い詐欺事件です。
睡眠薬強盗
睡眠薬強盗とは、知らぬ間に睡眠薬を飲まされ、意識がないうちに金品を盗まれてしまうことをいいます。
トランプ詐欺と似た手口で、見知らぬ人が気さくに話しかけてきて「一緒に飲みに行かないか?」と誘ってきます。
目を離した隙のコップに睡眠薬を入れられたり、相手から出された飲み物を飲むと記憶を失ってしまい、所持品やカードなどが盗まれてしまいます。
対処方法は「知らない人にはついていかないこと」、そして「見知らぬ人からもらった飲み物や食べ物は安易に口にしないようにすること」です。
タクシーの運賃トラブル
スリ、置き引きについで多いのがタクシーの運賃トラブルです。
タクシーは乗車した距離に応じてお金を払うものですが、中には観光客を狙って、細工したメーターで法外な金額を請求してきたり、最初からメーターを使用しない悪質なドライバーもいます。
タクシーはホテルで呼んでもらえば安全ですが、流しのタクシーはぼったくりが多いので注意が必要です。
そして目的地を伝え、どれくらいの料金がかかるのかをタクシーに乗る前に交渉しましょう。
乗ってしまった後に確認しようとしても拒否されてしまったり、すでに車が走り出してしまった場合、降りる降りないで揉める可能性が高いためです。
そして車内にドライバー以外の人間がいないことを確認し、メーターが初乗り料金「40ペソ」になっていることと、発車後に早すぎないペースでメーターが刻まれているかをチェックしてください。
基本は300mで料金が2.5php追加されるのですが、それよりも早く上がったり、異常に追加される場合は改造メーターを使っている危険性があります。
そのような場合は、クレームを入れたりや怒鳴ったりせず、速やかに落ち着いてタクシーから降りること。
たとえすぐに降ろしてくれたとしても、悪質なタクシーだとメーター分の運賃はきっちり請求してくるでしょう。
あまりにも法外な料金だった場合は、価格を下げるよう交渉した方がいいですが、数百円程度の上乗せでしたら、運が悪かったと思って支払ってしまった方が気が楽です。
無事に目的地に着いたら支払いですが、もしもこの時大きな額のお札しかない場合、お釣りがないと言う理由で、そのまま大金を支払わなければならなくなります。
そのような事態を防ぐため、100ペソ等の細かいお札か小銭の用意をしてから乗車してください。
セブ島で犯罪に巻き込まれた場合の緊急連絡先
セブ島で犯罪や事件に巻き込まれてしまった時の緊急連絡先をまとめておきます。
ネットで調べることができなくても大丈夫なようにメモしておきましょう。
警察 : 166
救急車: 161
消防車: 160
在フィリピン日本大使館
電話番号:(国コード63- 地域コード 2)8551-5710
住所:2627 Roxas Blvd., Pasay City, Metro Manila, 1300, Philippines
最後に……
フィリピンでは9月頃から年末年始にかけて犯罪件数が増加する傾向にあります。
その理由はクリスマスやニューイヤーを祝うのに必要なお金を犯罪で稼ごうとするからです。
つまりフィリピン人が犯罪に走るのはほとんど金銭が目的です。
逆に言えば、いざという時は素直にお金を差し出せばそれ以上の被害はなく、ケガや命に関わる事態にはつながらないことが多いのです。
フィリピンは銃社会なので、相手が本物の銃を携帯している可能性は十分にあり得ます。
下手に揉めたり相手を捕まえようとしたりして相手を刺激し、命を危険にさらすよりかは、いくらかのお金で被害を済ませる方が賢明ではないでしょうか。
治安状況を把握できたら、セブ島で「英語✕プログラミング」を学べるKredoIT留学へ
セブ島での留学に挑戦しようと思ったならば、英語と同時にキャリアアップ、自己成長につながるスキルを身につけることをおすすめします。
今の時代、将来のキャリアを考えて身につけておきたいスキルは、英語とプログラミングです。
「英語×プログラミング」のスキルを得れば、市場価値の高いエンジニアやプログラマー、Webデザイナーとして世界で活躍できるでしょう。
KredoIT留学では、セブ島に滞在しながら、フィリピン人講師による英語のレッスンとプログラミングのレッスンを受けられます。
そして、多くの卒業生が「英語×プログラミング」のスキルを習得し、国内外のIT企業、フリーランスへとキャリアチェンジされています。
1日中英語漬けになれる環境で、一生物のスキルを身につけてみませんか?
セブ島の治安はやばい?のまとめ
- フィリピンの治安はエリアによって大きく異なり、セブ島は比較的治安が良いとされている
- セブ島には治安の良し悪し差が激しく、治安の悪い場所に近づかなければ危険な目に遭うことは滅多にない
- それでも海外にいることを自覚し、一般犯罪から身を守るよう自衛の意識を持つこと
- セブ島で起こる犯罪のほとんどが金銭目的
- 素直に所持金を差し出せば、それ以上の被害はなくその場から離れることができる
セブ島の治安はそこまでやばくないですが、エリアや行動には気をつける必要があります。
どのようなことに注意するのかを把握して、留学や旅行を楽しんでください!
最後までお読みくださりありがとうございました。