日本では2020年から初等教育でプログラミングが必修化され、「英語」と「プログラミング」が世界共通言語になりつつあります。
その社会背景もあり、近年ますますエンジニアとして海外就職することが人気になってきました。
しかし、「米国では、いや日本以外の国では、理系出身者しかITエンジニアになれない」「文系エンジニアというものは海外には存在しない」という噂も存在することも確かです。
そこで、今回は文系エンジニアが海外就職する方法についてまとめてみました。
海外就職に興味がある方は参考にしてみてください!
記事のもくじ
文系エンジニアが海外で就職する前に知っておくべきこと
文系エンジニアが海外で働くために知らなければならないことがたくさん存在します。
今回は3つに絞って説明していきます。
海外では未経験エンジニアの採用は行っていない
そもそも、海外では未経験エンジニアの採用は行っておりません。
その背景として、海外では新人研修制度がないということが考えられます。
そのため、一から未経験エンジニアを教育する工数をかけることができないので、あらかじめ開発経験が必要になります。
Computer Scienceの学位がないとエンジニア職につけない
海外では、大学の専攻がそのままキャリアに繋がるため、理系の学位であるComputer Scienceの学位がないとエンジニア職につけません。
Computer Scienceの学位がないとVISAを取得することができないからです。
労働するためのVISAは就業予定の職種と大学で専攻していた内容に関連性があることが求められます。
例えば、文学部なのにエンジニア職に就きたいと思っても関連性がないのでVISAは通りません。
基本的にはコンピューター・サイエンスだと簡単にVISAが通りやすいですが、たまに工学部であればエンジニアにちょっと関係ありそうと捉えられて、VISAが通ることもあるそうです。
大学の学位は必ず必要
最後に学位ですが、これはどのエンジニアの求人を見ても必須だと書かれております。
日本だと、学歴不問みたいな求人もありますが、海外ではまず学歴は見られます。
ここで1つ付け加えたいのですが、有名大学を卒業する必要は一切ないということです。
裏を返せば、定員割れしている大学でも自分の働きたい職種に近い学部なら入ってもいいと思います。
有名大学を卒業する必要がないという言葉に少し違和感を覚える人もいらっしゃると思いますが、よほど日本に詳しい人や日本の大学ランキングが好きな人を除いて、外国人は日本の大学の偏差値も名前すら知りません。
その一方学部選びは重要です。
というのも、理系か文系かの区別は外国人でも容易にできるからです。
文系エンジニアが海外で就職するための3ステップ
それでは、どの手順を辿れば文系でも海外でエンジニアとして就職することができるのかを順番にまとめていきます。
ステップ1:Computer Scienceの学位を取る
文系の出身の人が海外でエンジニアとして働くためには、Computer Scienceの学位が必要なので、日本の大学に入り直すか海外の大学で学位を取得しましょう。
ステップ2:日本でエンジニアとして実務経験を踏む
先ほども説明した通り、海外では未経験からのエンジニア職の募集はしておりません。
そうなると、エンジニアとして実務経験を踏むことが大前提となってきます。
例えば、あなたが野球チームの監督で、外国人のスケットをスカウトするとしたらどういう人をスカウトしたいですか?
当然、日本語も話せて、野球のスキルがある人をスカウトしたいですよね?
もしこの両者のスキルがなければ、日本人をスカウトすれば充分なはずです。
これと同じようなことが、海外でエンジニアとして働くときにも当てはまります。
海外のIT企業側からしたら「実務経験」のない人が入社してきたら困るだけなので、現地の人を優先的に雇うでしょう。
逆に、日本で何年ものエンジニアとしての実務経験があれば、文系エンジニアでも海外でエンジニアとして就労できる可能性がかなり高くなります。
そのため、次のステップとして日本でエンジニアとして何年か実務経験を踏みましょう。
ステップ3:海外インターンで実務を踏む
アメリカなどでは産学連携が進んでおり、インターンシップが単位取得に連結しています。
そのため海外では学生時代から長期インターンシップ制度に応募して必死に働きます。
企業が求めてるのはやはり「即戦力」なので海外就職するためには海外インターンをすることは避けて通れない道だと思います。
また、全米大学就職協議会(NACE)によれば、約半数がインターンシップからの採用という結果も出ています。
このことを考慮して、最後のステップとしては、海外インターンで実務経験を踏んでから正社員として働きましょう。
文系エンジニア向きのIT職種
IT職には理系向きの職種と文系が得意とする職種があります。
今回は文系向きのIT職種を4つリストアップしたので、順番に説明していきます。
プロジェクトマネジャー
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体の進捗を管理したり、納期、成果物に対して責任を持つ人です。
また、予算やチームを結成したりとかなりリーダーシップが必要になってくるので、文系職の人が向いていると言えるでしょう。
もちろん、開発エンジニアに対して指示をだしたりすので、エンジニアのスキルも必要になってきます。
カスタマーエンジニアリング
カスタマーエンジニアリングとは、いわゆるCEと略されることが多いです。
主な仕事内容は、システム動作の点検、システムの保守、点検に基づく修理を主に担います。
よくシステムエンジニアと間違われやすいですが、システムエンジニアはシステム開発全般を請け負い、顧客にヒアリングし、概要をまとめたり、プログラミングでシステムを開発するのが主な役割で、カスタマーエンジニアリングは開発は行わず、ハードウェアの保守点検が主な仕事内容です。
テクニカルライター
テクニカルライターの仕事は、よくある「取扱説明書」や「仕様書」を書く仕事です。
商品を知らない人が読むことができる様に、商品のことをよく理解し、かつわかりやすく書くことが求められる仕事です。
世界中に顧客を持つIT企業は、日本語や中国語などに翻訳する必要があるので、商品を理解することに加えてネイティブとして言語を理解できる必要があります。
ブリッジSE
ブリッジSEはオフショアの開発企業で日本国と相手国の開発業務の翻訳をすることが主な業務です。
ただ通訳をするだけではなく、国ごとの文化や特色を理解した上で、トラブルを生まないように人間関係の調整を行ったりするのもブリッジSEの大切な役割となっています。
オフショア開発とは、開発業務の一部を海外の開発会社や海外の子会社に委託する手法です。
オフショア開発は特に、中国、インド、ベトナム、フィリピンに多いので、ブリッジSEとして海外就職する場合は、開発コストがあまりかからない上記の様な国で働くことになります。
【実際にオフショア開発の企業で働いてる方にインタビューしましたので、ぜひ参考にして見てください。】
まとめ:文系エンジニアが海外で就職するにはコンピューターサイエンスの学位と実務経験は必須
いかがだったでしょうか?
海外の就活は日本と違う部分もあって驚いた方もいらっしゃると思います。
最後にもう一度、文系エンジニアが海外で働くためのステップをまとめます。
【Computer Scienceの学位を取る】
【エンジニアとして実務経験を踏む】
【海外インターンで実務経験を踏む】
文系からでもぜひ海外でのエンジニアにチャレンジしてみてください。