フィリピンでの海外就職経験があるあこう(赤穂 浩司)です。
本記事は
- 海外就職に興味があるけど、実際どうなんだろう。
- 英語もスキルもないけど海外就職できるのかな。
- どうやったら海外就職できるのか知りたい!
といった人に向けた記事です。
「海外就職」に漠然とした憧れや興味はあっても、「実際、海外就職ってどうなの?」といった疑問があるのではないでしょうか。
そんな方に向けて今回は「海外就職のメリット、デメリット」を詳しくお伝えします。
ぜひ今後の進路に役立ててください。
それでは、本文へどうぞ。
海外就職のメリット5つ
さっそく、海外就職のメリットを紹介していきますね。
海外就職のメリットは以下のとおりです。
- 毎日異文化体験。人種も言語も違う
- 生活水準が上がる
- 日本の悪しき習慣とされるものがない
- 日本より転職が自由。実力主義なのでキャリアアップもしやすい
- 憧れの海外就職や長期滞在ができる
ひとつずつ詳しく紹介していきますね。
毎日異文化体験で刺激的
当たり前のことですが、海外に就職すると毎日刺激的な異文化体験をすることができます。
やはり、言語、慣習、風土、文化、景色などが大きく日本と異なります。
例えば「いろんな国籍の友人と、テラス席のおしゃれなカフェでコーヒーを飲みながら、英語でコミュニケーションを取る」といった海外生活を想像をしてみてください。
ちょっと優越感に浸ることができたり、憧れていた未来を描ける人もいませんか?
海外就職をすると、こんな刺激的な毎日が待っているかもしれませんね。
海外で生活すると生活水準が上がる
日本は物価が高く、世界的に見ても物価ランキング上位の国。
日本で暮らしていると、どうしても生活コストが高くなってしまいます。
その点、海外で暮らすと日本よりも物価の安い国がたくさんあります。
例として、世界中の生活コストなどを調べることができる『Expatistan’s』の2019年1月のデータによると、日本の物価は欧米圏やオイルマネーが潤沢な中東諸国などと大きく変わらない物価です。
同じアジアで見ても、人口密度の著しく高いシンガポールや香港よりは日本の方が少し物価が安いぐらいで、その他のアジア諸国とは大きく物価が異なります。
以上の結果から、仮にアジア圏で海外就職するとしても、日本の物価の3分の2から半分以下の生活コストで過ごすことができる国や都市がたくさんあります。
日本の悪しき習慣とされるものが少ない
海外で働くとなると、日本企業特有の悪しき習慣が少ないのも特徴です。
日本企業特有の悪しき習慣が色濃く残る会社は、どうしても『ブラック企業体質』になりがち。
具体例として、日本企業の悪しき習慣とされるものは主に以下のとおりです。
- 無駄に長い会議
- 残業せずに早く退勤すると悪者扱い
- 休暇を取りにくい
- 年功序列で若い世代の待遇が悪い
- 仕事の過程や取り組みを大事にし過ぎる
もちろん、すべての日本企業の当てはまるわけではないですし、日本企業ならではの良さもあります。
しかし海外企業と比べると、このあたりの悪しき習慣に改めて気付かされます。
海外企業では『結果を出すこと』を一番に求められることが多く、その分自由度が高く『有給取得』や『定時退勤』なども比較的簡単に実行できます。
もちろん、年功序列のような職場文化も日本ほどは色濃くなく、『取り組み』や『過程』をそこまで厳しく見られることもないでしょう。
海外企業には、こういった日本企業の悪しき習慣がある会社は少ないですよ。
日本より転職が自由。実力主義なのでキャリアアップもしやすい
海外ではキャリアアップのための転職が当たり前に行われています。
理由としては、日本ほど過程を大事にし過ぎず、結果を求める実力主義だからです。
結果を出すことができれば、企業からインセンティブが出たり、さらにヘッドハンティングされることも当たり前です。
転職ありきのビジネスパーソン、いわゆる『ジョブホッパー』は、海外企業ではわりと多く見受けられます。
企業側も理解した上で、短期間で結果を出せそうな『ジョブホッパー』を採用します。
このように、海外ではしっかりと結果を出して実績を積めば、年収UPや高待遇の仕事にキャリアチェンジするチャンスが多くありますよ。
憧れの海外就職や長期滞在ができる
海外就職って響きがいいと思いませんか?
筆者もいろんな人からよく「海外就職したい」という相談を受けるのですが、理由を聞いてみると「なんかかっこよくないですか」とか「憧れてるんです」みたいな回答が多いんですよね。
でも、海外就職したい理由としては、それで十分だと思います。
やはり、自分がやってみたいと思ったこと、輝ける場所で働くことが大事ですよね。
『海外就職』は他の人から見てもうらやましがられることとか、憧れの的になることも多いので、海外就職のひとつのメリットと言っても過言ではありません。
海外就職のデメリット5つ
しかし、海外就職ではデメリットも多くあります。
主に、日本の一般的な社会や職場文化との違いに戸惑うことが多いためです。
メリットと同じく、デメリットも5つ挙げてみます。
- 日本に帰ってきたときに日本の職場文化に馴染めるか不安
- 日本より給与水準が低い場合が多い
- 年金や退職金などの社会保険が不十分
- 健康面、医療面での不安
- 日本とは違う職場文化があるので順応することが難しいところも
それでは、順に説明していきますね。
日本に帰ってきたときに日本の職場文化に馴染めるか不安
海外就職の期間が長くなってしまうと、いざ日本企業で働くときに職場文化の違いに戸惑う人が多いのも事実です。
『海外就職のメリット』でも紹介したように、日本企業特有の職場文化が色濃く残る企業も多くあります。
『定時になったら上司や同僚の目を気にせずに帰る』『有給を自分のペースで取得する』、海外企業ではこういった行為はそこまでとがめられることは少ないですが、日本企業ではそうとも言い切れません。
海外就職の経験が長いと、日本企業に復帰するときにこのような職場文化の違いにストレスを感じることもあるので注意しましょう。
日本より給与水準が低い場合が多い
日本は世界的に見ても給与水準の高い国です。
すなわち、海外企業で働くとなると日本ほど高い給与をもらうことは難しくなるでしょう。
理由として、ただでさえ給与が高い現地の言語に不安のある日本人を、わざわざ海外の企業が雇うとは思えません。
結果、足元を見られて現地の日系企業に安い賃金で雇われるなんてこともよくあります。
もちろん、実績、実力が十分な日本人もいると思うので、そういったビジネスパーソンは高待遇の就労条件で海外就職することも可能です。
しかし、東南アジア圏で働く日本人は、ほとんどが日本より低水準な給与で働いています。
その分東南アジアは生活コストが安いので、そこまで貧しい暮らしを強いられるわけではありませんが、十分な貯金などはできないかもしれませんね。
年金保険や退職金などの社会保険が不十分
海外就職となると、年金保険や医療保険などの社会保険は気になりますよね。
結論、日本企業からの命令による海外駐在となると、会社が年金保険や医療保険に加入させてくれますが、現地での採用となると十分な社会保険がない場合が多いです。
日本と違って、医療費を全額負担してくれる会社もあるのですが、実力主義の海外企業では場合によっては大病を患った瞬間に解雇されることもあります。
そうなると、社会保険なども切られる可能性があるため、非常にシビアな現実が待っているかもしません。
やはり、日本ほどの安定した社会保険を望めない可能性がありますので注意が必要です。
日本と比べて健康面、医療面での不安はある
海外で就職すると、日本ほどの高い医療技術を持った医者や、最新の医療設備が整っている診療機関にかかることが難しくなることがあります。
そして、慣れない海外生活によるストレス、食生活の悪化、衛生面の不安なども考えられます。
実際に、日本ではほとんど病気にかかったことのない人でも、現地フィリピンでの生活で何度も病院にかかる人も多くいました。
国際的に権威のある専門誌Lansetの2017年のデータによると、日本の医療の質は北欧などと比べても遜色のない、世界4位タイの国々と1ポイント差の11位とのデータがでています。
アメリカやイギリスなどを含むG7の中でも、日本はトップの医療水準を誇ります。
このように、日本の医療の質は世界的に見ても高水準であるため、海外就職をするとどうしても病気や怪我をしてしまったときの不安は出てくるでしょう。
日本とは違う職場文化があるので順応することが難しいところも
『海外就職のメリット』のパートでもお伝えしましたが、日本企業の職場文化と大きく違う面が海外にはあります。
そのため、人によっては海外の職場文化に順応することが難しい人も出てくるでしょう。
僕はフィリピンの企業で働いていたのですが、やはりフィリピン人と一緒に仕事をするときに、すごく難しい一面を目の当たりにしました。
フィリピン人はプライドが高く、人前で怒られたりミスをさらされたりすることをひどく嫌います。
ミスをさらされた知り合いのフィリピン人が、訴訟を起こすかもしれないという話も出たぐらいです。
関わっていた日本人は相当落ち込んでいて、フィリピンで働くことの難しさを痛感していました。
このように、日本とはまったく違う職場文化だからこそ起こり得るデメリットもあるので、しっかりと心得ておきましょう。
海外就職するおすすめの方法
どのように海外就職をするのかということをお伝えします。
就職したい国で留学する
まず就職したい国、地域を決めましょう。
そして、合う合わないを知るためにも、まずは留学生としてその国に行くことをおすすめします。
海外就職するなら、東南アジアがおすすめです。
なぜなら、欧米圏、特にアメリカで就職することは難しいからです。
アメリカで就労ビザを習得することは、そう簡単にできることではありません。
特にスキルがない方は厳しいでしょう。
それに比べると、東南アジアでの就職は比較的簡単です。
僕自身フィリピンで海外就職しました。
フィリピンは人柄もよく公用語も英語なので、日本人にとって働きやすい場所ではないかと思います。
フィリピンでの就職って危なくないの?と思う方は、こちらの記事をご覧ください。
東南アジアの就職事情が気になる方はこちら。
そのまま現地就職する
留学をしてそのまま現地就職というのをおすすめします。
僕は、フィリピンのセブ島で留学をした後、就職しました。
留学をしてそのまま海外就職したことで4つのメリットを感じました。
- 現地からならすぐに応募ができてそのまま海外就職ができる
- 公用語が英語なので留学でも仕事でも英語漬けの日々を送れる
- 留学関係やIT系の求人が多いので、英語やITのスキルを仕事を通じて身につけることができる
- 留学中に、現地で働いている日本人にたくさん会える
詳しくはこちらの記事に書いています!
海外駐在員になる
海外駐在員として海外で働くのもおすすめです。
海外駐在員とは日本の企業に就職し、海外赴任している人のことです。
いきなり海外で就職ではなく、日本の企業に就職し海外赴任するとういのも選択肢の一つとしていいのではないでしょうか。
海外駐在員は給料が日本の1.5倍と言われています。
所得税や住民税が会社負担という会社も多いので、手取りが多くなります。
また福利厚生もとてもしっかりしています。
ただ、自分が望んでも必ず海外駐在員になれるとは限らないので、少し難易度は高いかもしれません。
商社やメーカーなどグローバルに展開している企業であればなれる確率は高まります。
海外就職の前に英語プラスアルファのスキルを身につけよう
僕は留学で英語プラスアルファのスキルを身につけたことで、海外就職できました。
そのため、海外就職を考えている方には、海外就職前に英語とプラスアルファのスキルを身につけることをおすすめします。
海外就職に有利な職種を知りたい方はこちら。
海外で働く上で重要なスキルはこちら。
海外就職のメリット・デメリットのまとめ
それでは今回の『海外就職のメリット・デメリット』について再度おさらいしていきましょう。
海外就職のメリット5つ
- 毎日異文化体験。人種も言語も違う
- 生活水準が上がる
- 日本の悪しき習慣とされるものがない
- 日本より転職が自由。実力主義なのでキャリアアップもしやすい
- 憧れの海外就職や長期滞在ができる
海外就職のデメリット5つ
- 日本に帰ってきたときに日本の職場文化に馴染めるか不安
- 日本より給与水準が低い場合が多い
- 年金や退職金などの社会保険が不十分
- 健康面、医療面での不安
- 日本とは違う職場文化があるので順応することが難しいところも
もちろん国によって職場文化や慣習、風土などは違いますが、日本企業のような職場文化を持つ会社は少ないはずです。
もしあなたが海外就職をしてみたいという憧れがあるのなら、海外でしかできない経験ができるので、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。
後悔のないような選択をできることを祈っています。