この記事では、ウェブデザイン技能検定を目指す人へ向けて、
- ウェブデザイン技能検定の難易度
- 各級の特徴と受験時のポイント
の2つについて説明します。
あわせて、受験資格や勉強時のポイントについて、大切な点をピックアップしました。
ウェブデザイン技能検定を受験して、仕事に役立てたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。
記事のもくじ
ウェブデザイン技能検定とは?
ウェブデザイン技能検定とは、ウェブデザインをする上で必要になる能力に関する試験です。
特定非営利活動法人のインターネットスキル認定普及協会が実施する試験で、関連国際標準規格等に基づいた内容で出題されます。
レベルは、1級~3級の3段階。Web・ホームページ制作、システム構築、セキュリティ対策を中心として、学科と実技試験という構成です。
ウェブデザイン技能検定に合格すると、ウェブデザイン技能士として認められたことになります。
ウェブデザイン技能士とは、Web業界で唯一の国家資格です。履歴書に記載もできるため、就職に役立ちます。
就職時、評価の対象となるのはウェブデザイン技能検定2級以上
ウェブデザイン技能検定は、1級~3級で難易度に差があります。
3級は、比較的易しいとされ、初心者向けの内容です。
そのため、就職時の評価対象は基本的に2級以上とされています。 また、就職となると、実践能力を求められることがほとんどです。
ウェブデザイン技能検定に合格するだけでなく、実践スキルを同時に磨く必要があります。
受験にあたり勉強を重ねる中で、実践スキルとなるポートフォリオ等の作成も可能です。
資格取得後に仕事に繋げるということを考慮して、積極的に実践スキルを身につけていきましょう。
ウェブデザイン技能検定の難易度
ウェブデザイン技能検定は、1級・2級・3級と、3つのレベルがある試験です。
すべての級で、ウェブデザインをする上での知識が問われますが、内容と難易度に大きな差が出てきます。
各級を比較した難易度や、試験内容にどのような差があるのかについて、紹介していきましょう。
【易しい】ウェブデザイン技能検定3級
ウェブデザイン技能検定3級は、難易度はそれほど高くなく易しめの内容です。
学科試験では、計25問出題されます。解答は選択式で、2択問題が10問、4択問題が15問という構成です。
実技試験は、計6問の中から5問を選択して解答します。1問20点という配点です。各設問で60%以上の得点をとらなくてはなりません。
試験内容は、基礎的な内容が中心なので、これからWeb業界で働きたいという人にピッタリ。
受験資格は、ウェブ関連の仕事に従事している・従事希望の人とされていて、ウェブデザイン未経験でも受験できます。
基礎となる知識・技能を身につけるために、まずは3級取得を目指しましょう。
【ふつう】ウェブデザイン技能検定2級
ウェブデザイン技能検定2級の難易度は、ふつう程度です。
ただ、受験資格に縛りがいくつかあります。
- 2年以上、ウェブの作成・運営に関する業務に携わった実務経験がある人
- 職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業、普通職業訓練修了をした人
- 協会が定めたウェブの科目が含まれている大学を卒業した人
- 協会が定めたウェブの科目が含まれている高度職業訓練を卒業した人
- ウェブデザイン技能検定3級に合格した人
これらの受験資格をクリアした人のみ、受験可能です。
学科試験では、計40問出題されます。3級と同様に、2択問題・4択問題という構成です。
実技試験では、計5問。70%以上の得点をとらなくてはなりません。 ウェブデザイン技能検定2級の資格は、就職の際の評価対象になります。
就職時に役立つ資格を取得したいという人は、2級を目指しましょう。
就職となると実践スキルも求められます。
そのため、資格取得のために勉強した内容を実践に活かすことができるよう、意識して学習することが大切です。
【やや難しい】ウェブデザイン技能検定1級
ウェブデザイン技能検定1級の難易度は、やや難しめです。
内容はもちろん、受験資格の時点でハードルが高く設定されています。
学科試験と実技試験は、それぞれ受験資格が定められているので、しっかりと確認しておきましょう。
学科試験の受験資格は、2級の受験資格に実務経験をプラスした内容です。
- 7年以上、ウェブの作成・運営に関する業務に携わった実務経験がある人
- 職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業、普通職業訓練修了をして、7年以上、ウェブの作成・運営に関する業務に携わった実務経験がある人
- 協会が定めたウェブの科目が含まれている大学を卒業して、3年以上、ウェブの作成・運営に関する業務に携わった実務経験がある人
- 協会が定めたウェブの科目が含まれている高度職業訓練を修了して、1年以上、ウェブの作成・運営に関する業務に携わった実務経験がある人
- ウェブデザイン技能検定2級に合格した後、2年以上、ウェブの作成・運営に関する業務に携わった実務経験がある人
実技試験は、1級の技能検定で学科試験に合格した人しか受験することができません。
学科・実技ともにレベルが高く、実務経験とあわせて勉強が必要になります。
ただ、1級に合格すると、厚生労働大臣からウェブデザイン技能士の合格証書が発行されます。
2級と3級の合格証書は、協会理事長による発行です。1級は、厚生労働大臣から発行される資格であるため、「ウェブデザイン技能検定1級を取得している」となると、企業からの信用は高くなります。
ウェブデザイン技能検定3級の難易度・合格率
ウェブデザイン技能検定3級は、これからウェブデザインを始めたいという人におすすめの資格です。
3級の試験内容には、いったいどのような特徴があるのか、合格率とともに説明します。
独学でも受験しやすい
ウェブデザイン技能検定3級は、独学でもじゅうぶん受験できる内容です。
参考書も豊富にあるため、勉強しやすい環境が整っています。
また、学科と実技は、別々に受験することも可能です。そのため、勉強する時間がないという社会人でも取り組みやすいといえるでしょう。
3級合格率は約70%
ウェブデザイン技能検定3級の合格率は、約70%。
例年、合格率が他の級と比較すると高めなので、初心者でもチャレンジしやすい資格です。
もともと実務の経験がある人は、過去問題を学習する程度で合格できるといわれています。
ウェブデザイン技能検定2級の難易度・合格率
ウェブデザイン技能検定2級は、就職・転職時での評価の基準となる資格です。
2級の試験内容には、いったいどのような特徴があるのか、合格率とともに説明します。
受験資格を要チェック
ウェブデザイン技能検定2級の受験資格は、主に3級を合格していること、2年以上の実務経験がある人、指定のカリキュラムがある学校を卒業した人に限定されています。
事前に自分が受験資格の対象であるかどうかを、しっかりと確認しておきましょう。
2級合格率は約50%
ウェブデザイン技能検定3級の合格率は、約50%。
難易度はふつう程度ですが、合格者が多い年・少ない年と差があります。 その理由は、出題範囲が毎年変化しやすいためです。
実務経験があったとしても、しっかりと学習して臨むことが大切になります。
ウェブデザイン技能検定1級の難易度・合格率
ウェブデザイン技能検定1級は、2・3級とは異なり、厚生労働大臣から発行される資格です。
そのため、1級を取得した人は、企業から信用を得ることができるでしょう。
1級の試験内容には、いったいどのような特徴があるのか、合格率とともに説明します。
受験資格・実技とハードルがやや高め
ウェブデザイン技能検定1級の受験資格は、かなり厳しめに設定されています。
まずは、2級に合格していること。また、2級の受験資格にプラスして、7年以上の実務経験がある人に限られます。
指定のカリキュラムがある学校を卒業している人は、7年以下の実務経験で済みます。
受験前には、自分の経歴が受験対象に当てはまるかどうかを、チェックしておきましょう。
実務経験者であっても、学科試験の対策の勉強をする必要があります。 また、実技試験は、時間内に求められる内容をクリアしないといけません。
そのため、しっかりと準備を整えてから受験に臨むことが大切です。
1級合格率は約20%
ウェブデザイン技能検定1級の合格率は、10~20%と低め。
1級は、他の級と比べて受験資格等のハードルが高く、受験者数が例年少ない傾向です。 3級は初心者、2級は就職に役立てたいという思いから受験者数が毎年一定数います。
ただ、1級となると、受験内容や受験資格のハードルの高さも関係して、受験へとなかなか繋がらないのでしょう。
難易度の違うウェブデザイン技能検定の受験ポイント
ウェブデザイン技能検定は、3級から1級まで、学科・実技で構成される試験です。
受験にあたり、どのような勉強法がおすすめなのか、気をつけることは何か、ポイントを紹介します。
過去問題を繰り返し学習する
ウェブデザイン技能検定では、過去問に似た問題が多く出題される傾向にあります。
そのため、過去問を何度も解くことが、試験対策として有効です。 過去問を解くときは、本番の試験時間でタイマーをかけて解くことがおすすめ。
勉強中も本番を意識して、過去問題を解くことに集中しましょう。
ウェブデザイン能力を磨く
ウェブデザイン技能検定に合格した後、仕事へと繋げるために、デザイン能力を磨いておきましょう。
デザイン能力というのは、伝えたい情報をわかりやすく表現する能力です。 試験対策をするなかで、わかりやすく伝えるために必要な情報の設計方法を学ぶことができます。
勉強したことを、しっかりと実践でも発揮できるよう、試験対策の時点から意識しておくことが大切です。
ポートフォリオを作成する
「ウェブデザイン技能検定に合格した」というだけでは、就職に繋がらない場合もあります。
多くは、ポートフォリオの提出を求められるため、コツコツ準備をしておきましょう。
試験対策の勉強中、実際に作った作品をまとめておけば、ポートフォリオとして役立ちます。
ウェブデザイン技能検定の難易度は?合格率・ポイントとあわせて解説のまとめ
ウェブデザイン技能検定は、各級で難易度が異なります。
初心者がチャレンジしやすいのは3級、就職時に役立つのは2級か1級です。
自分の目標にあわせて、どの級を目指すかを設定しましょう。
資格勉強をしている際は、資格取得後に、仕事で実践していくことを意識することが大切です。
学んだ知識をしっかりとウェブデザインで表現できるよう、インプット・アウトプットを繰り返していきましょう。