トビタテ!留学JAPAN(新・日本代表プログラム)に受かるには、審査で使われる「人物」と「計画」の2つの観点を理解したうえで、留学の目的・達成目標・現地での活動・成果の生かし方が一本の線でつながった留学計画を、自分の言葉で書くことが大切です。文部科学省の発表によると、2026年度(大学生等 第18期)の倍率は全体で5.3倍、コース別では3.1〜7.5倍でした。次の2027年度の募集要項は、高校生等(第12期)が2026年10月、大学生等(第19期)が2026年秋頃に公開される予定です。
この記事では、2026年9月時点の公式情報(文部科学省・日本学生支援機構)をもとに、制度の概要、倍率、選考の流れと基準、準備のポイントを整理します。後半では、英語×プログラミングを留学計画に入れるときの考え方も紹介します。
トビタテ!留学JAPANとは?(2026年9月時点)

トビタテ!留学JAPANは、文部科学省と日本学生支援機構(JASSO)が2013年に始めた留学促進キャンペーンです。その中心となる「新・日本代表プログラム」では、民間企業や個人からの寄附をもとに、高校生・大学生等に返済不要の奨学金を支給しています。
- 2014〜2022年度は「日本代表プログラム」、2023〜2027年度の第2ステージは「新・日本代表プログラム」として実施
- テーマ・行き先・期間を自分で設計した「留学計画」を支援。事前・事後研修や、1万人以上の派遣留学生のネットワークもある
- 留学先で日本や地域の良さを発信する「アンバサダー活動」と、留学の魅力を周りに伝える「エヴァンジェリスト活動」に取り組む
大学生等と高校生等の違い(2026年度募集の内容)
| 項目 | 大学生等対象 | 高校生等対象 |
|---|---|---|
| 対象 | 日本の大学・大学院・短大・高専(4年生以上)・専門学校(専門課程)などに在籍する学生 | 日本の高校・中等教育学校(後期課程)・高専(3年生以下)などに在籍する生徒 |
| 支援予定人数 | 250人(3コース) | 700人(4コース) |
| 留学期間 | 28日以上1年以内(3か月以上を推奨) | 14日以上1年(365日)以内 |
| 計画に入れる活動 | 実践活動(インターンシップ、フィールドワーク、ボランティアなど) | 探究活動(自分で「問い」を立てて調べ、考える活動) |
| 奨学金(月額) | 16万円(北米・欧州など)または12万円(アジア・大洋州など)。家計基準外は6万円 | 大学生等と同じ金額(授業料相当額を含む) |
| 留学準備金 | アジア地域21万円、その他の地域35万円 | 大学生等と同じ金額 |
| 授業料 | 30万円(海外の大学等に払う授業料が対象) | 別枠の支給なし(奨学金に授業料相当額を含む) |
| 共通 | 2026年4月1日時点で30歳以下。在籍校を通して応募(個人応募は不可)。成績・語学力の要件はなし | |
※2026年度(大学生等 第18期・高校生等 第11期)の募集要項とFAQより。留学準備金は、基本の支給額(アジア15万円・その他25万円)に物価高などを考えた増額分を足した金額です。2027年度の内容は新しい募集要項で確認してください。
大学生等対象のポイント(第18期募集要項より)
3つのコースと支援する留学計画
| コース | 支援予定人数 | 支援する留学計画 |
|---|---|---|
| イノベーターコース | 50人 | 自分で課題を設定し、試行錯誤しながら新しい価値を生み出そうとする(ゼロをイチにするような)挑戦的な計画 |
| STEAMコース | 100人 | 技術革新や新産業につながるSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)領域の計画。分野の例は環境・エネルギー、ライフサイエンス、情報通信など。AIなどの先端技術分野も応募できる |
| ダイバーシティコース | 100人 | スポーツ、芸術、人文学、社会科学などを含む多様な領域で、自分の専門分野の課題解決に取り組む計画 |
STEAMコースの1割程度は高専生から採用されます。「新大学1年生」の枠もあり、応募時期が他の学年と分かれています。コースの併願はできません。
主な応募要件
- 日本国籍を持っている、または応募時までに日本への永住が許可されている
- 日本の大学等で、卒業や学位取得を目指す課程に在籍している(社会人や海外の学校に在籍中の人は対象外)
- JASSOの第二種奨学金の家計基準を満たしている(超えていても応募できるが、採用は全体の1割程度まで)
- 事前・事後研修と派遣留学生ネットワークに参加し、帰国後は日本の在籍校で学業を続ける
- 留学計画に実践活動が含まれている(語学学習だけの計画は対象外)
応募書類
- 留学計画書:留学の目的・達成目標・概要(1,000字以内)、成果とその測定方法(400字以内)、成果の活用(500字以内)、実現のための具体的な取り組み(500字以内)など
- アンバサダー活動・エヴァンジェリスト活動(500字以内)
- 自由記述書(A4で2枚以内。図や画像も使える):留学でどんな自分になりたいか、困難を乗り越えた経験、成果を社会にどう還元するか など
- 実績(イノベーターコースと新大学1年生のみ)
応募書類は日本語で作成します。
高校生等対象のポイント(第11期募集要項より)
| コース | 支援予定人数 | 支援する留学計画 |
|---|---|---|
| STEAM探究コース | 160人 | STEAM領域の問いや、AI・IoT、理科・数学の見方を使う探究活動を含む計画 |
| スポーツ・芸術探究コース | 140人 | スポーツ・芸術分野の問いを立てた探究活動(実技の経験や実績は問わない) |
| マイ好奇心探究コース | 250人 | 「知りたい」「明らかにしたい」という自分の興味から問いを立てた探究活動 |
| 社会課題探究コース | 150人 | 世界・日本・地域の社会課題を自分ごととして考えた問いを立てた探究活動 |
- 探究活動とは、自分の興味・関心から「問い」を立て、情報を集めて分析したり、周りの人と意見を交わしたりしながら答えを導き出す活動のことです
- 新高校2・3年生は「第一日程」(書面審査→面接審査)、新高校1年生は「第一日程」か「第二日程」(全員が個人面接を受ける総合審査)で応募します。面接は対面・日本語です
トビタテ留学JAPANの倍率は?(公式発表の数字)
大学生等(2026年度・第18期)
| コース | 応募者数 | 採用者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| イノベーターコース | 154人 | 50人 | 3.1倍 |
| STEAMコース | 458人 | 111人 | 4.1倍 |
| ダイバーシティコース | 869人 | 116人 | 7.5倍 |
| 合計 | 1,481人 | 277人 | 5.3倍 |
※出典:文部科学省 報道発表(2026年6月26日)。倍率は文部科学省の発表どおり(応募者数÷採用者数、小数点第二位を四捨五入)で、各コースの人数には新大学1年生を含みます。
応募者数は前年度(第17期)の1,204人から1,481人へ、約2割増えました(第17期の採用者は268人)。新大学1年生だけで見ると、応募39人・採用7人で倍率5.6倍でした。
コースによって倍率に差がありますが、審査では「応募コースに合った計画か」も見られます。倍率だけでコースを選ぶのは避けましょう。
高校生等(2026年度・第11期)
高校生等については、文部科学省の発表資料に倍率の記載はありません。公表されている応募者数と採用者数は次のとおりです。
| コース | 応募者数 | 採用者数 |
|---|---|---|
| STEAM探究コース | 266人 | 156人 |
| スポーツ・芸術探究コース | 410人 | 143人 |
| マイ好奇心探究コース | 1,190人 | 258人 |
| 社会課題探究コース | 736人 | 161人 |
| 合計 | 2,602人 | 718人 |
※出典:文部科学省 報道発表(2026年6月)。第一日程と第二日程の合計です。応募者は前年度の1,886人から2,602人へ、約4割増えました。このほか、拠点形成支援事業で365人が採用されています。
選考の流れとスケジュール(2027年度募集の予定)

選考は「書面審査(一次)→面接審査(二次)→採否決定」の順に進みます(高校生等の第二日程は総合審査)。2026年9月時点で公表されている次の募集の予定は、次のとおりです。
| 区分 | 2027年度募集の予定(2026年9月時点) |
|---|---|
| 大学生等(第19期) | 募集情報は2026年秋頃に掲載予定 |
| 高校生等(第12期) | 募集要項と留学計画書事前準備シートは2026年10月、応募申請の手引きは12月頃に公開予定。募集説明会は2026年10〜12月に、対面(札幌・仙台・東京・大阪・福岡)とオンラインで開催予定 |
参考として、前回(2026年度)の主な日程です。日程は年度ごとに変わるので、新しい募集要項で確認してください。
| 項目 | 大学生等(第18期・新大学1年生以外) | 高校生等(第11期・第一日程) |
|---|---|---|
| 在籍校から機構への応募申請の開始 | 2025年12月上旬 | 2025年12月上旬 |
| 在籍校から機構への応募申請の期限 | 2026年2月27日 | 2026年1月22日 |
| 書面審査の結果通知 | 4月下旬 | 3月上旬 |
| 面接審査 | 5月16日・17日(東京) | 3月20日〜29日(東京・大阪・札幌・福岡など各地) |
| 採否結果の通知 | 6月中旬 | 4月下旬 |
| 留学開始日 | 2026年8月1日〜2027年3月31日 | 2026年7月10日〜2027年3月31日 |
表の期限は「在籍校から機構へ」の期限で、学生・生徒から在籍校への締め切りはこれより早くなります。面接審査は対面で、交通費は自己負担です。
トビタテの選考基準:「人物」と「計画」
審査は「人物」と「計画」の2つの観点で行われ、大学生等・高校生等ともに「人物」の観点がより重視されます。大学生等では、主に人物面を支援企業の人事担当者など、計画面を大学教員などの学識経験者が評価します(イノベーターコースの人物面は、イノベーターや起業家として活躍している人が評価)。
| 観点 | 大学生等で見られること | 高校生等で見られること |
|---|---|---|
| 人物 | 「求める人材像」に合うか(例:多様な価値観を取り入れる態度、独自の視点と行動力、周囲を巻き込む力、失敗しても挑戦し続ける力) | 「求める人材像」に合うか(例:好奇心から新しい価値を生む力、探究心、失敗を恐れない気持ち、多様な人と協働する姿勢) |
| 計画 | 目的と達成目標が明確か/計画が目的や目標に合っているか/応募コースに合っているか/成果の測り方と活用が具体的か/将来のビジョンがあるか/実現に向けて具体的に考えているか | 目的や学びたいこと、応募理由が明確か/留学先・期間・探究活動の内容が目的に合っているか/成果を自分の将来や社会にどう生かすか |
大学生等の募集要項には、受入れ機関が決まっているかどうかよりも、「計画が目的に沿っているか」「実現に向けて具体的に考えているか」を重視すると書かれています。
トビタテに受かるには?公式の選考基準から考える7つの準備
ここからは、募集要項とFAQの内容をもとに準備のポイントをまとめます。「こうすれば受かる」という近道はないので、審査の観点に合わせて自分の計画と経験を具体的に伝える準備をしましょう。
1. 「なぜ留学するのか」を一文で言えるようにする
審査では目的と達成目標が明確かが見られます。「〇〇という課題を解決するために、△△で□□を学び、試す」と一文で言えるまで絞り込みましょう。目的の考え方は、「留学の目的とは?ランキングと例文、わからない時の見つけ方」でも解説しています。
2. 目的→目標→現地での活動→成果の測り方→帰国後の活用をつなげる
計画書の各欄の内容がばらばらだと、説得力が弱くなります。「成果の測り方」は、「現地で作った試作品を使ってもらい、感想を集める」「英語で成果を発表し、質問に答える」のように、ほかの人が確認できる形にすると伝わりやすくなります。
3. 実践活動・探究活動を計画の中心に置く
語学学習だけの計画は対象外で、語学学習は準備や補助として計画の一部に入れる形なら認められます。大学生等の実践活動には、インターンシップ、フィールドワーク、ボランティア、プロジェクトベースドラーニング(課題に取り組みながら学ぶ学習)などがあり、座学と組み合わせることもできます。
4. 留学計画の中身に合うコースを選ぶ
コースは併願できません。高校生等では、STEAMやAI・IoTに関する探究は「STEAM探究コース」、スポーツや芸術に関する内容は「スポーツ・芸術探究コース」に応募するよう決められています。
5. 受入れ機関の候補を早めに調べる
受入れ機関は大学に限らず、研究機関や、インターンを受け入れる海外の企業なども申請できます。応募時に確定していなくても応募できますが、留学先として適当かどうかも審査されます。大学生等は第3希望まで書けるので、候補を複数調べておきましょう。高校生等では、留学エージェントのプログラムを使う場合も、そのまま計画にせず、自分で立案した活動を加えることが求められています。
6. 「人物」を伝える材料を書き出しておく
審査では「人物」の観点がより重視されます。部活動、研究、アルバイト、ボランティア、自分で始めた取り組みなど、これまでの行動と困難を乗り越えた経験を書き出し、「求める人材像」のどの項目につながるかを整理しておきましょう。
7. 在籍校に早めに相談し、面接では計画を自分の言葉で話す
計画が「教育上有益な学修活動」かどうかは在籍校が判断します。校内の締め切りは早いので、担当部署へ早めに相談しましょう。応募後は書類を差し替えられないため、書いた内容を面接で自分の言葉で説明できるように準備します。公式サイトの説明会資料や動画も参考になります。
英語×プログラミングを留学計画に入れるときの考え方

大学生等のSTEAMコースでは留学分野の例に「情報通信分野」が挙げられ、高校生等のFAQでも、STEAM探究コースの例としてプログラミング、Webサービス・デザイン、モバイルアプリ開発などに関わる探究活動が挙げられています。ただし、「英語を勉強する」「プログラミングを習う」だけでは、実践活動・探究活動を含む計画とはいえません。学んだことを、現地での課題の発見やものづくりにつなげることがポイントです。
英語×プログラミングの留学計画の組み立て例
| 計画の要素 | 書き方の例(大学生等の場合) |
|---|---|
| 目的 | 観光地の案内の課題を、Webサービスで解決する方法を探る |
| 前半(準備・座学) | 英語の授業に慣れながら、Webサイトやアプリの作り方の基礎を学ぶ(英語学習は準備・補助として位置づける) |
| 後半(実践活動) | 現地の人や旅行者にインタビューして課題を集め、試作品を作って使ってもらい、改善する |
| 成果の測り方 | 完成した試作品、利用者から集めた声、英語での成果発表 |
| 帰国後の活用 | 在籍校や地域で報告会を開き、試作品を日本の地域課題にも応用する |
※考え方の一例です。自分の関心や専攻に合わせて、自分で立案した計画にしてください。
Kredoの英語×ITの学び方と、トビタテとの関係
フィリピン・セブ島のKredo IT留学では、1日8時間のうち4時間が英語のマンツーマン授業、4時間がITのグループ授業で、ITの授業もすべて英語で行います。受講生の92%は、英語もITも未経験からのスタートです。1ヶ月のAI留学コースでは最終週に成果物を英語で発表し、6.5ヶ月のグローバルインターン型実践プログラムでは、チーム開発形式の実践まで行います。
ただし、この記事はKredoのコースがトビタテの支援対象になることを示すものではありません。トビタテでは、計画が教育上有益かを在籍校が判断し、受入れ機関が適当かも審査で確認されます(高校生等の募集要項には、機構が留学プログラムを公認・認定することはないと書かれています)。大学生等の授業料の支援も、海外の大学等が対象です。Kredoのコースを計画に入れたい場合は、留学期間や活動内容などが募集要項に合うかを在籍校に確認してください。
トビタテとは別に、英語とITを学ぶ留学を考えている人は、Kredo IT留学の無料カウンセリングで期間や学び方を相談できます。IT留学全体の費用や国ごとの違いは、「IT留学とは?費用・国別比較・1日の流れと選び方」でまとめています。
トビタテ留学JAPANのよくある質問
Q. 英語が苦手でも応募できますか?
できます。学業成績や語学力の要件はなく、応募書類は日本語で作成します。ただし、現地で活動するための語学の準備は、計画の中で考えておきましょう。
Q. 社会人や、すでに卒業した人も応募できますか?
応募できません。日本の大学等・高校等に在籍していることが要件で、FAQでは海外の学校に在籍中の人や社会人は対象外とされています。社会人が応募できる留学奨学金は、「社会人の留学奨学金8選【返済不要】年齢・締切を一覧比較」でまとめています。
Q. オンライン留学や、語学学校だけの留学は対象になりますか?
どちらも対象外です。受入れ機関がある国・地域で活動する計画が対象で、語学学習だけの計画も支援されません。
Q. 奨学金は返済が必要ですか?
給付型なので返済は不要です(高校生等のFAQでは非課税とされています)。ただし、留学期間の短縮などで計画が変わった場合や、要件を満たさなくなった場合などには、奨学金の一部または全部の返納を求められることがあります。
まとめ:トビタテに受かるには「人物」と「計画」を公式の基準で見直そう
- 2026年度の倍率は、大学生等で全体5.3倍(コース別3.1〜7.5倍)。高校生等は応募2,602人・採用718人(倍率の公式記載はなし)
- 審査は「人物」と「計画」の2つの観点で行われ、「人物」がより重視される
- 語学学習だけの計画は対象外。大学生等は実践活動、高校生等は探究活動を計画の中心に置く
- 2027年度の募集要項は、高校生等が2026年10月、大学生等が2026年秋頃に公開予定。在籍校に早めに相談する
募集要項の「審査の観点」は、そのまま計画を見直すチェックリストになります。目的から帰国後の活用までを一本の線でつなぎ、自分の言葉で伝えられるように準備を進めましょう。
英語でIT・AIを学べるKredo
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当メディアを運営しているKredoは、英語×ITをオンラインで学ぶ「Kredoオンラインキャンプ」と、フィリピンのセブ島で英語とIT・AIを学ぶ「KredoIT留学」「KredoAI留学」を提供しています。これまでの卒業生は3,000名以上。卒業生の多くが、国内外のIT企業への転職、フリーランスなどへのキャリアチェンジを実現しています。これからの時代に必要な英語×IT・AIのスキルを身につけてグローバルに活躍しませんか?









