【いしいたけし】
新卒でフィリピンのNGOに入社。10年勤めた後、独立してフィリピンの子どもと若者の自立支援を行うためHome for HopeというNPOを立ち上げる。 いしいたけしさんのブログはこちら いしいたけしさんのtwitterはこちら
みなさんこんにちは!
海外就職と聞いて、どんなことが思い浮かびますか?
日本の会社で働いて、海外に転勤を命じられ海外在住員になったり現地で専門職として就職する人などを思い浮かぶと思います。
今回は、なんとNPOとして海外就職されたいしいたけしさんにインタビューしました。
海外就職にはNPOの職員として海外就職する道もあるのです!!
ぜひ海外就職に興味がある方は参考にしてみてください。
記事のもくじ
NGOで10年間働いた経験を元に、自分でNPOを立ち上げ!
ー 本日はよろしくお願いします!まず初めに、自己紹介をお願いします。
こちらこそよろしくお願いします!
僕は現在、フィリピンのルソン島で、貧困家庭に産まれた子どもたちへの自立支援を行う「Home for Hope」というNPO法人を立ち上げ、運営してます。
ー 自立支援というと、具体的にどのような活動を行なっているんですか?
主に高校生に対して、社会に出た後にきちんと自立しお金を稼いで生活していけるように、社会で必要な力を学べる場を作っています。
具体的には、学校では教わることのできない社会での働き方や働く上で必要なコミュニケーション、自分でお金を計算する力などのトレーニングを行なっています。
日本だとアルバイトなどで社会経験ができるのですが、フィリピンはあまりそういう機会はないので、社会で生活する上でできて当たり前と思うことができない子どもたちがたくさんいるんですよ。
また、自立支援のもう一つの目的として、目標を立てて、みんなでそこを目指して頑張る、社会で働くとはこういうことだなと知ってもらうということがあります。
なので、高校生たちとお店を実際に出してフライドポテトを売ったりしてますね。
ー 子どもたちが社会で自立していけるよう支援しているんですね!どうして自立支援の団体を立ち上げようと思ったのですか?
自分のNPO団体を立ち上げる前、別のNGO団体に所属し、フィリピンの児童養護施設の支援に携わっていました。
その施設では10歳くらいの子どもたちの面倒を見ていたのですが、卒業した後に社会の中でうまく生活していける子は、半分ぐらいだということに気づいたんです。
みんな、社会に出てからどのように生活していけばいいのかわからないんです。
子どもたちが社会に出てからも貧困に陥らないようにするためには、施設を卒業したあとのサポートも必要だと思いました。
そこで、社会に出たら必要であろうスキルを支援できるようなNPOを立ち上げました。
ー NPOやNGOの活動というと、学校を建てたり、インフラを整えたりというイメージがありました。他にも自立支援をしている団体はあるんですか?
僕の知り合いのNPOも自立支援の活動をしていますね。
ライフスキルと言われる社会の中を自立して生き抜いていくための力は、誰にとっても一番重要なスキルだと思うんですよね。
ー たしかに、本当に必要なのは、自ら生きていける力を身につけることかもしれませんね。
フィリピンの子どもたちに希望を与える仕事
ー フィリピンは幸福度が高い国として有名ですが、一方で深刻な社会問題も抱えているんですよね。
はい。フィリピンでは、雇用状況がまだ十分に整っていません。
僕も実際、仕事を探してるけど見つからない、という人たちを見てきました。
ー 現地の人たちがフィリピンで働くことって難しいんですか?
難しいというより、その背景にはフィリピンの貧困問題と教育問題があります。
フィリピンでは、人口の40%が貧困状況にあると言われています。
そのため、大学まで行ってきちんと教育を受けれる人はごく一部です。
子どもたちは、どうせ大学に行けないとわかっているから、高校に行かなかったり、中退してしまう。
学校に通ってる意義を見出せないんですよね。
フィリピンでは高校進学率は68%でその半分は高校を中退するという調査結果も出ています。
ー 将来への希望がないが故に、教育を受けることもやめてしまうんですね。
それに加えて、そもそも高校に行けないフィリピン人も多いです。
高校に行く年齢から、家庭を支えるために働かなければいけないからです。
フィリピンの子どもたちは、将来に対して希望が持てないため、「勉強しても何の意味もない」「ちゃんとした仕事になんかどうせつけない」って思い込んでしまっています。
しかし、そうやって教育をきちんと受けないと、まともな仕事に就くことができず、結局貧困から脱出できないんです。
ー そんな子どもたちに、いしいさんの活動によって「希望」を与えているんですね。 しかし、そういった社会問題があるにも関わらず、なぜ幸福度は高いのでしょうか?
フィリピン人は家族と時間を共にすることを大切にし、それを幸福と感じているからです。
仕事や収入で幸福の基準を決めていません。
事実、フィリピン人に将来の夢を聞くと「将来の夢は家族と一緒に過ごしたい。」と答える人が多いんです。
学生時代の海外ボランティアが人生が変わるきっかけに
ー 次にNPOを立ち上げるまでの経緯を聞かせてください!フィリピンでのボランティア活動には昔から興味があったんですか?
はい! 大学1年生のとき、春休みに海外ボランティアプログラムに参加したことがきっかけで興味を持ちました。
ー 大学1年生の頃から海外ボランティアプログラムに参加されるなんてかなり積極的な大学生だったんですね!ボランティアではどんなことをやられてたんですか?
いえいえ、そんなことないです。 その時は2週間フィリピンに滞在し、児童養護施設内にある道づくりを手作業でしました。 それまではダラダラとした大学生活を送っていた僕にとってはかなり刺激的でした。
ー そのときのボランティアで印象に残ってることがあれば教えていただきたいです。
当時ボランティアした時に忘れない光景が一つあります。
それはストリートチルドレンです。
当時の僕は本当にびっくりしちゃって、物乞いされた時にただ立ちすくむことしかできませんでした。
自分の無力さに本当に腹が立ちました。
そして、自分には何ができるんだろう?とひたすら考えていましたね。
その経験が、僕の人生を変えるきっかけになりました。
日本での就活をやめ、NGOへの海外就職という選択肢
ー フィリピンでのボランティアを経験した後は、どのように過ごしたんですか?
大学3年生の冬休み、同級生たちが就活をはじめた頃、クリスマスと年越しをフィリピンで過ごしたいという単純な理由からフィリピンに戻ってきたんですよ。
その時に、大学1年生の頃にボランティアしたところに2年後ぶりに寄ったんです。
そうしたら、一緒に児童養護施設で遊んでた子供が名前を覚えてくれていて、ニコニコしながら駆け寄ってきてくれたんです。
この時に、この笑顔は嘘じゃない。「俺の人生はここで使いたい!!」と思い、フィリピンへの支援を行なっている団体で働こうと決心しました。
日本でも小学校の教員になろうと思って就活をしてましたが、面接している時になんか違うな?と思ってしまって、日本での就活はやめました。
ー その結果、NGOに新卒入社することになったんですね!けど、新卒でNGOに就職できるというイメージはあまりありませんでした。
実は、新卒で入社したNGOは職員の募集をしていなかったんですよ(笑)
でも、僕はどうしても働きたかったので、「とりあえず働かせてください!」と自分の強い思いを伝えて、なんとか働かせてもらえることになりました。
ー すごい!強行突破ですね!お給料はどのくらいだったんですか?
その団体も人を雇うお金がなかっため、お給料は現地の職員と一緒の金額でした。
一番最初の給料は6,000ペソ(約12,000円)でした。
でも、少しずつもらえるようになって、10年経ってやっと新卒の一般給料になりました。
ー NGOではどんなお仕事をされてたんですか?
NGOでは年間を通して学生ボランティアを受け入れていたので、そのコーディネートをしたり、マネジメントをするのが主な業務でした。
ー なるほど!海外就職といえば、日系企業の駐在員として派遣されたり、海外の民間企業への就職というイメージだったので、NGOに新卒で入社するという選択肢はすごく新鮮で驚きました!
高い所得=幸福ではない!いしいさんが海外就職で学んだこと
ー 海外で働いてみて、何か変化はありましたか?
僕は海外に来たことによって人生の価値観がごろっと変わりました。
いい大学に入って、高い所得を持つことが必ずしも幸せになる方程式ではないということを、海外に就職することで学ぶことが出来ました。
フィリピンは貧しい土地だけど、みんな幸せに過ごしているんですよね!
こういう価値観は、日本で生きていたらわからず、海外就職することからこそ出会うことができると思います。
ー なるほど。最後に、海外でチャレンジしたい方に一言お願いします!
少しでもチャレンジしたいなって気持ちがあればチャレンジすべきです。
人間ってうまくいかなかったらどうしようって不安を最初に考えてしまいますよね。
でも不安だったり、悩んでるのはチャレンジしたいと自分が思ってる証拠なので絶対にチャレンジすべきです。
自分の信じているものを最後まで信じることが大事です!
インタビューを終えて
いかがだったでしょうか?
今回はいしいたけしさんがNGOとして新卒で海外就職され、ご自身でNPOを独立された経緯についてインタビューをさせていただきました。
海外就職にはNGOとして就職するという選択肢があること驚きました。
海外就職に興味がある方には、色んな選択肢があること、自分の強い思いで人生を変えることができることを知っていただけると幸いです!
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