シンガポール就職が難しいと言われるのは、外国人が働くための就労パスに最低給与(EPは月S$5,600から)とポイント制の審査があり、会社も外国人を雇う前に国内向けの求人広告を出すルールがあるからです。そのため、シンガポールで働くには、日本にいるうちから求人を探し、条件を満たす給与で採用してもらい、会社に就労パスを申請してもらうのが基本の流れになります。英語と専門スキルがあり、給与とビザの条件に合う求人を選べば、日本人向けの求人も見つけられます。
この記事では、シンガポールの就職・転職が難しい理由、雇用の状況(失業率)、就労ビザ(パス)の2026年9月時点の条件、日本語で探せる求人サイト、「新卒可」「未経験可」「語学不問」の求人を見るときの注意点、20代・40代の転職のポイントを、シンガポール政府・日本政府の公式情報をもとにまとめました。書いているのは、セブ島で英語とITを学べる留学を運営するKredo(クレド)の編集部です。制度は変わることがあるため、申請の前にはシンガポール人材開発省(MOM)で最新の条件を確認してください。
- 働くには就労パスが必要。申請するのは本人ではなく、雇う会社
- EPは月S$5,600以上(45歳以上はS$10,700以上)、Sパスは月S$3,300以上。2027年1月から引き上げ
- 会社はEP・Sパスの申請前に、政府の求人サイトに14日以上求人を出す必要がある
- 失業率は2025年を通して2.0%、2026年6月は1.9%。日系企業は4,558社、在留邦人は33,397人
- 「未経験可」「語学不問」の求人も、ビザの給与条件を満たすかを確認する
シンガポール就職が難しいと言われる理由

シンガポールは外国人を多く受け入れてきた国ですが、外国人の雇用には細かいルールがあります。「シンガポール就職 難しい」と言われる主な理由は次のとおりです。
| 難しいと言われる理由 | 内容(2026年9月時点) |
|---|---|
| 1. 最低給与が決まっている | EPは月S$5,600以上、Sパスは月S$3,300以上。どちらも年齢とともに上がる |
| 2. ポイント制の審査がある | EPは給与・学歴・会社の多様性などを点数にする「COMPASS」で40点以上が必要 |
| 3. 会社側にも手続きがある | EP・Sパスの申請前に、政府の求人サイトMyCareersFutureに14日以上求人を出し、応募者を公平に検討する |
| 4. Sパスには人数の枠がある | 会社ごとにSパスで雇える人数の上限(クォータ)と外国人雇用税(レビー)がある |
| 5. 日本人はワークパーミットの対象外 | 主にサービス業・建設業などの作業職向けのワークパーミットは、決められた国・地域の人が対象で、日本は含まれていない |
このように、「外国人を雇う理由がある、条件に合う人」でないと採用されにくい仕組みです。一方で、条件がはっきりしているので、自分が応募できる求人かどうかを事前に判断しやすいともいえます。
シンガポールの雇用の状況:失業率と日本人・日系企業
MOMの統計によると、シンガポールの失業率(季節調整値・全体)は、2025年は各四半期とも2.0%、2026年6月は1.9%です。失業率が低いということは、働く人が足りている分野と足りない分野がはっきりしやすいということでもあります。外国人を採用する理由が説明しやすいのは、専門的なスキルが必要な職種です。
日本とのつながりも深く、外務省によると、シンガポールに進出している日系企業は4,558社(2024年)、シンガポールに住む日本人は33,397人(2025年10月1日現在)です。日本語を使う仕事や、日本の会社と取引する仕事の求人があるのはこのためです。
シンガポールで働くには:就労ビザ(パス)の種類と条件
シンガポールでは、働くための滞在資格を「パス(Pass)」と呼びます。日本人がシンガポールで働くときに関係する主なパスは次のとおりです(円換算は2026年9月29日の三菱UFJ銀行の公表仲値、1シンガポールドル=約123円)。
| パス | 対象 | 最低給与など(2026年9月時点) | 有効期間 |
|---|---|---|---|
| Employment Pass(EP) | 管理職・専門職など | 月S$5,600以上(約69万円)。45歳以上はS$10,700以上。金融業はS$6,200〜S$11,800。COMPASSで40点以上 | 初回最長2年・更新最長3年 |
| S Pass(Sパス) | 中堅の技術職など | 月S$3,300以上(約41万円)。40代半ば以上はS$4,800以上。金融業はS$3,800以上 | 初回最長2年・更新最長3年 |
| Work Holiday Programme | 18〜25歳の大学生・卒業生 | 日本などの大学の学生・卒業生が対象。定員あり | 最長6か月 |
| ONE Pass/PEP | 高収入・実績のある人 | ONE Passは月S$30,000以上など、PEPは月S$22,500以上など | パスによる |
EP(エンプロイメント・パス)の条件
EPの最低給与は、23歳から年齢とともに上がります。たとえば金融業以外で、20代前半ならS$5,600に近い額、45歳以上ならS$10,700以上が必要です。さらにCOMPASSで40点以上が必要ですが、月給S$22,500以上の人や、海外のグループ会社から転勤してくる人などは免除されます。
Sパスの条件
Sパスは、EPの条件に届かない技術職などのためのパスです。最低給与は月S$3,300で、年齢とともに上がります。会社ごとに枠があるため、同じ給与でも「その会社がSパスで雇えるか」で結果が変わることがあります。
2027年1月から最低給与が上がる
MOMは、2027年1月1日から新規申請の最低給与を、EPはS$6,000(45歳以上はS$11,500)、SパスはS$3,600に引き上げると発表しています。これから転職活動を始める人は、新しい基準も頭に入れておきましょう。
新卒・20代前半ならWork Holiday Programmeという方法も
18〜25歳で、日本などの大学に在学中か卒業した人は、Work Holiday Programmeで最長6か月、シンガポールに住んで働くことができます。なお、日本のワーキング・ホリデー制度(外務省)の対象国にシンガポールは入っていません。別の制度なので、MOMのページで条件を確認してください。
シンガポールに住むこと全体(生活費・税金・家族のパスなど)は、シンガポール移住で後悔する理由は?メリット・デメリットと条件でまとめています。
シンガポールの求人・転職の探し方
シンガポールで働く日本人の働き方は、大きく「日本の会社から派遣される駐在」と「現地の会社に直接雇われる現地採用」に分かれます。「シンガポール 現地採用」の求人を探すなら、次のようなサイトやサービスを使うのが一般的です(2026年9月時点で公式サイトを確認)。
| サービス | 特徴 | 運営 |
|---|---|---|
| MyCareersFuture | シンガポール政府の求人サイト。会社がEP・Sパスを申請する前に求人を出す場所でもある | シンガポール政府 |
| ABROADERS CAREER | アジアの求人サイト。シンガポールのエリアや「新卒採用OK」「未経験OK」「ビザサポートあり」などで絞り込める | ABROADERS CAREER |
| カモメアジア転職 | 日本人向けの海外求人サイト。シンガポールなどアジアの求人を「語学不問」「未経験」などで探せる。スカウト機能あり | RGF Talent Solutions China |
| Working Abroad | Daijob.comが運営する海外求人に特化した転職サイト。スカウトサービスあり | Human Resocia |
| マイナビ転職グローバル | 海外・外資系の求人サイト。勤務地から国別に探せ、シンガポール特集もある | マイナビ |
| Reeracoen Singapore | シンガポールの人材紹介会社。日本語のサイトがあり、求人の紹介を受けられる | REERACOEN |
求人サイトの勤務地が「シンガポール」でも、日本国内の勤務やほかの国への配属を含むことがあります。勤務地・雇用形態・給与の通貨(シンガポールドルか円か)を確認しておきましょう。
「新卒可」「未経験可」「語学不問」「日本語」の求人を見るときの注意
検索すると「新卒可」「未経験可」「語学不問」「日本語を活かせる」といった求人が見つかります。応募する前に、次の点を確かめてください。
- 給与がパスの条件を満たしているか:自分の年齢でのEP・Sパスの最低給与を下回っていないか
- ビザのサポートがあるか:会社がEP・Sパスを申請してくれるか(「ビザサポートあり」かどうか)
- 「語学不問」の意味:日本語だけで働けるのか、入社後に英語が必要になるのか
- 仕事内容:「未経験可」でも、専門職としての説明ができる仕事か
20代・40代でシンガポールに転職するときのポイント
| 年代 | ポイント |
|---|---|
| 新卒・20代 | 最低給与は比較的低いが、COMPASSでは学歴や専門性も見られる。18〜25歳の大学生・卒業生はWork Holiday Programmeも検討できる |
| 30代 | これまでの職歴を「どんな専門性があるか」で説明できると、EPの給与水準の求人に応募しやすい |
| 40代 | 最低給与が上がる(EPは45歳以上でS$10,700以上)。管理職・専門職としての経験を活かせる求人を選ぶ |
年齢が上がるほど、「その給与で雇われる理由」を説明できるかが大切になります。東南アジアのほかの国も含めて比べたい人は、東南アジアで働くには?求人・転職の探し方と6か国の事情も参考にしてください。
シンガポール就職を成功させる5つの準備
- 英語で仕事ができる力をつける:シンガポールでは仕事の多くが英語で進みます。面接、会議、メールのやりとりを英語でできるように準備します。
- 専門スキルを1つ決める:IT、金融、営業、マーケティングなど、「外国人として採用される理由」になる専門性を用意します。
- 英文の履歴書(CV)を用意する:実績を数字で示し、短く、わかりやすく書きます。日本語の履歴書を求められることもあるので両方あると安心です。
- LinkedInのプロフィールを整える:職歴とスキルを英語で書いておくと、採用担当者やエージェントから見つけてもらいやすくなります。
- 給与とパスの条件を照らし合わせる:内定が出たら、給与がEP・Sパスの条件を満たすかを確認します。
エンジニアとして海外で働く方法は、海外でエンジニアとして働くには?5つの方法と学位なし・文系の道でもくわしく紹介しています。
シンガポールで働く選択肢を広げるなら「英語×IT」
シンガポールでは、専門スキルを持つ人ほど外国人として採用される理由を説明しやすくなります。なかでもITは、Webサイトやシステムをつくる・動かす仕事として多くの業界で必要とされ、国をまたいで使えるスキルです。英語で仕事ができる力とあわせて身につければ、シンガポールだけでなく、ほかの国で働く道も考えやすくなります。
Kredo(クレド)のIT留学は、フィリピン・セブ島で英語とITを一緒に学ぶ留学です。1日8時間(英語のマンツーマン4時間+ITのグループ授業4時間)で、ITの授業もすべて英語で行います。受講生の92%は英語もITも未経験から始めています。くわしくはIT留学とは?費用・国別比較・1日の流れと選び方を読んでみてください。「海外で働くために何から始めればいいか」を相談したいときは、IT留学の無料カウンセリングも利用できます。
シンガポール就職のよくある質問
Q. シンガポールで働くのに英語は必要ですか?
仕事の多くは英語で進むため、英語ができると応募できる求人が大きく広がります。「語学不問」の求人もありますが、職場や生活で英語を使う場面は多いと考えておきましょう。
Q. 未経験でもシンガポールで就職できますか?
「未経験可」の求人もありますが、会社がEP・Sパスを申請するには、給与などの条件を満たす必要があります。求人の給与が自分の年齢での最低給与を満たしているか、ビザのサポートがあるかを確認してください。
Q. シンガポールの就労ビザは自分で申請できますか?
EP・Sパスは、雇う会社(または会社が指定した代理人)が申請します。そのため、まず仕事を決めることが先になります。
Q. シンガポールの失業率はどのくらいですか?
MOMの統計では、失業率(季節調整値・全体)は2025年は各四半期とも2.0%、2026年6月は1.9%です(2026年9月21日公表)。最新の数字はMOMの統計サイトで確認できます。
Q. 40代でもシンガポールに転職できますか?
年齢の上限はありませんが、EPの最低給与は45歳以上でS$10,700以上(2027年1月からの新規申請はS$11,500以上)です。管理職や専門職としての経験を活かせる求人を探すのが現実的です。
まとめ:シンガポール就職は難しいが、条件を知れば準備できる
- 難しいと言われる理由は、就労パスの最低給与・COMPASS・求人広告のルール・Sパスの枠
- 働くには、先に仕事を決め、会社にEPやSパスを申請してもらうのが基本
- EPは月S$5,600以上、Sパスは月S$3,300以上。年齢で上がり、2027年1月から引き上げ
- 求人はMyCareersFutureや日本語の海外求人サイトで探し、給与とビザのサポートを確認する
- 英語と専門スキル、英文CVを準備して、条件に合う求人を選ぼう
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