東南アジアのなかでも環境がいいことで知られているシンガポール。
「将来的にはシンガポールで働きたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、シンガポールの雇用・失業状況から、おすすめの就職・転職サイトまで、詳しく紹介します。
記事のもくじ
そもそもシンガポールってどんな国?
シンガポールの労働環境や、具体的な求人を見ていく前に、まずはそもそもシンガポールがどのような国なのかを簡単におさらいしておきましょう。
シンガポールは、東南アジアに位置する、インフラ・教育・治安の面で、非常に高い水準を誇る国です。
面積は約720平方キロメートルと、東京23区とほぼ同じという小ささ。
そのなかで、約564万人(2019年1月時点)の方が生活を送られています。
小規模な国でありながら、多数の民族が共存していることから、言語・宗教が幅広いのもシンガポールならではの特徴です。
公用語として主に使われているのは英語で、そのほか中国語・マレー語なども使用されています。
シンガポールは、日本との交流が深いという特徴もあります。
1966年4月に外交関係が樹立されて以降、政治的に特に懸案事項はなく、現在でも良好な関係が保たれているようです。
移住国を検討する際には、相互の国の関係が気になるものですが、シンガポールであれば必要以上に不安視することなく決断できるのではないでしょうか。
シンガポールは就職しやすい?シンガポールの総雇用・失業率
移住先を決めるときには、その国の雇用状況や、失業率を見ておくことも重要です。
シンガポールの雇用・失業率は、現在どのようになっているのでしょうか。
シンガポール統計局によると、シンガポールの総雇用(外国人国内労働者を除く)は2020年の第1四半期に、大幅に縮小したと言われています。
今回の収縮状況は、四半期統計における、過去最高だそうです。
一方、季節調整済みの失業率については、2019年12月から2020年3月までで2.3%から2.4%の増加と、比較的低い数値のままとどめることができています。
【季節調整とは】
月ごとや四半期ごとの統計で、季節によって特定の動きをする場合に、その影響を除いて分析するための統計処理。季節の影響の要因には天候や社会習慣などがある。
今回の雇用の減少、失業率の増加は新型コロナウイルスの影響が大きく、シンガポールでは、2020年度の政府予算の補正予算にて、総額330億シンガポールドル(約2兆5,000億円、1Sドル=約76円)規模となる新型コロナウイルス経済支援パッケージを発表しています。
6月15日時点まででは、世界金融危機時のピークと比較すると雇用への影響はかなり少なく抑えられているものの、7月17日時点でも327名の新規感染者が出ており、将来の見通しは立てづらいのが現状です。
未経験からシンガポールで海外就職することはできる?
多くの日系企業が進出しており、また日本人学校が多いエリアもあるシンガポールでは、未経験からでも就職・転職できる求人は決して少なくはありません。
特に、日経企業を顧客とした仕事・日本食の料理店は狙い目と言われています。
ただし、シンガポールで働く際に必ず必要になる就労ビザの取得は年々厳しくなっていること、また、新型コロナウイルスの影響で外国人労働者の雇用が大幅に減少していることから、見極めがし辛くなっているのが現状です。
シンガポールで就職するときに必要になる代表的なビザの種類・取得条件
日本の国以外で働くときには、基本的に就労ビザの取得が必要です。
ここでは、そんな就労ビザについて、種類と取得の条件について紹介します。
まず、シンガポールの就労ビザには、主に下記の4つがあります。
- EP
- S Pass
- Personalized Employment Pass(PEP)
- Entre Pass
PEPとEnter Passについては、「月額固定給料がS$18,000以上」「政府認定ベンチャーキャピタル・ビジネスエンジェルからの資金調達を受けている」など、かなり取得の難易度が高いため、ここでは一般的に取得されることの多い、EP・S Passについて紹介します。
シンガポールでの就職に必要なビザの種類1:EP
S Passと比較すると、取得の条件が低いのが、EPです。
EPの取得には、下記のような条件が設けられています。
- シンガポールで勤務する予定があること
- 管理職、幹部職、専門職であること
- 月額固定給が$ 3,900以上であること
- 大学の学位、専門資格または専門スキルを持っていること
なお、このEPを取得できるかどうかは、シンガポール政府のサイト内にある、セルフアセスメントツール(SAT)でセルフチェックが実施できるようになっています。
24時間オンライン受付をしているので、EP取得を考えている方は、事前にチェックをしてみましょう。
参考:A Singapore Government Agency Website
シンガポールでの就職に必要なビザの種類2:S Pass
EPよりも少し条件が厳しいのが、S Passです。
- 月額固定給が少なくとも$2,400以上であること
- 学位・卒業証書、技術者や専門家向けコースなどの技術証明書を持っていること
- 関連する実務経験を持っていること
なお、S PassもEPと同様に、SATで申請が可能かどうかのチェックができる仕様になっています。
参考:A Singapore Government Agency Website
シンガポールで働きたい人におすすめの就職・転職サイト5選
「シンガポールで働くぞ!」そう決めたときにまずすることといえば、求人探しですよね。
しかし、なかには
「どの就職サイトを使えばいいのだろう」
「転職エージェントは活用できるのだろうか?」
と疑問に思っている方、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
国内の求人と比較すると、海外の求人は数が少なく、見つけにくいのが現状です。
また、掲載されている求人のなかにはシンガポールに支店があるものの、募集しているのは国内の求人ということも多くあります。
求人探しに無駄な時間をかけないためにも、シンガポールの求人を探すときには、海外求人に特化した就職サイトや転職エージェントなどを活用するのがおすすめです。
今回は、シンガポールの求人を探す際におすすめの、下記5つのサイトについて詳しく紹介していきます。
- ABROADERS CAREER
- REERACOEN
- Working Abroad
- カモメアジア転職
- マイナビグローバル
シンガポールのおすすめ就職・転職サイト1:ABROADERS CAREER
東南アジアを中心とした、アジア地域の就職・転職サイトです。
このサイトの素晴らしいところは、求人が毎日更新されるところ。
2020年7月20日時点での求人数が6.171件と、非常に多いのも特徴です。
「シンガポール」という国単位の指定だけでなく、エリアの指定もできるので、場所にこだわって求人を選びたい方には、かなり便利なのではないでしょうか。
IT・エネルギー業界はもちろん、会計事務所・インテリア業界など、取扱い求人の幅が広いのも魅力的です。
公式サイト:ABROADERS CAREER
シンガポールのおすすめ就職・転職サイト2:REERACOEN
REERACOENは、サイト名の通り、人材採用・採用コンサルティングサービスを提供しているREERACOENグループが展開している就職・転職サイトです。
シンガポールの求人に関しては、日系企業の取り扱いが多いため、「外資企業よりは日本企業を選びたい」という方には、特に使いやすいサイトと言えるのではないでしょうか。
就職支援サービスも展開しているので、受けたい方は利用してみてもよいでしょう。
公式サイト:REERACOEN
シンガポールのおすすめ就職・転職サイト3:Working Abroad
こちらもABROADERS CAREERと同様の、毎日更新の転職サイトです。
求人の件数は455件(2020年7月20日時点)とかなり少なめですが、IT・機械・マーケティング系の求人は多いので、これらの業界・職種で転職したいと考えている方にはおすすめのサイトと言えるでしょう。
Working Abroadでは、ただ求人を掲載するだけでなく、スカウトサービスも実施しています。
自分で求人を探している時間がない」「第三者の目で、どんなスキルが評価されるのか気になる」という方は、1度スカウトサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
公式サイト:Working Abroad
シンガポールのおすすめ就職・転職サイト4:カモメアジア転職
カモメアジア転職は、2004年にオープンした、RGF Human Resource Consulting Shanghai Co.,Ltdが運営している、東南アジアの求人が掲載されている転職サイトです。
2020年7月18日時点で、1,168件の求人が掲載されています。
未経験・言語不問などの項目も用意されており、ご自身の条件に合った求人を探しやすいのも魅力的なポイントです。
なお、給与が、シンガポールドルで記載されている点には注意しましょう。
シンガポールは物価が高い国のため、給与が高く見えても、生活費を考慮するとそこまでメリットを感じられない場合もあります。
現地で必要となりそうなおおよその生活費を算出した上で、求人条件と向かい合うのがおすすめです。
公式サイト:カモメアジア転職
シンガポールのおすすめ就職・転職サイト5:マイナビグローバル
マイナビグローバルは、世界各国の求人を取り扱っている転職サイトです。
就活・転職の大手サイトが運営元ということもあり、「知らないサイトを使うよりも安心」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に東南アジア系の求人を探したいときには便利で、国単位でカテゴリ検索をかけられる仕様になっています。
勤務地に関しては「シンガポール」と固定されているものが多いものの、一部ほかの東南アジアになる可能性もありそうな求人や、日本国内の配属の可能性もある求人も混在しているので、応募の際には注意して見るようにしてください。
公式サイト:マイナビグローバル
新卒・第二新卒であれば、ワーキングホリデーを利用するのもあり
海外移住を決める前には、「そもそもその土地の感覚が自分に合うのか」「本当に海外で働けそうか」不安に感じる方もいらっしゃることでしょう。
そんなときには、本格的な海外移住をする前に、ワーキングホリデー(ワーホリ)をするのもおすすめです。
ただし、ワーキングホリデーをするために必要となるワーキングホリデービザにもいくつかの取得条件があり、特に年齢については18歳以上25歳未満と、かなり範囲が厳しく定められています。
社会人経験が長い方は条件に当てはまらくなってしまうため不可能ですが、新卒・第二新卒の方で、将来的にシンガポールで働きたいという希望がある方は、チャレンジしてみてもよいのではないでしょうか。
まとめ:シンガポールの就職・転職は、情報収集をたっぷり行ってから
今回はシンガポールの雇用・失業率や、おすすめの就職・転職サイトについて紹介しました。
現在は新型コロナウイルスの影響により、世界的に今後の雇用がどのような状況になっていくのか、見通しが立たない状況になっています。
シンガポールでの就職・転職を目指す方は、引き続き情報収集を行い、動向を確認するようにしましょう。