海外留学を考えたとき、最初の大きな悩みは「どこの国・地域に行くか」ではないでしょうか。
英語力を伸ばしたいのか、専門スキルを学びたいのか、それとも異文化体験を通して視野を広げたいのか──目的によって最適な留学先は変わります。
また、留学には語学留学、専門留学、ワーキングホリデーなどさまざまな種類があり、選択肢が多いほど迷ってしまうものです。
そこで本記事では、留学先を決める際に考えるべきポイントとともに、代表的な留学の種類や人気の留学先の例もあわせて紹介します。
自分にぴったりの留学プランを見つけるヒントにしてください。
留学先の決める前に知っておきたい留学の種類
英語力を伸ばしたい、キャリアアップを目指す、異文化体験を通じて自分を成長させたいといったニーズによって選ぶべき留学の種類は異なります。
ここでは留学先の決める前に知っておきたい代表的な留学の種類を紹介します。
語学留学
最もポピュラーな留学スタイルで、言語を集中的に学びます。
期間は1週間の短期から1年以上の長期まで幅広く、初心者でも挑戦しやすいのが特徴です。
授業形態はマンツーマンも集団もあり、学校によってはビジネス英語コース、資格対策コース、ワーホリ準備コースなど、目的別のコースも用意されています。
授業だけでなく、現地での生活や交流を通じて自然に会話力を伸ばせます。
高校・大学留学
現地の学校に正規入学または交換留学し、現地の生徒と同じように学ぶ留学です。
語学力を鍛えるだけでなく、専門的な知識や学位を取得できるのが大きな特徴で、専門留学の1つでもあります。
留学期間が長くなるため費用や準備は必要ですが、グローバルな将来を目指す人には最適です。
ワーキングホリデー
18〜30歳の人を対象にした制度で、現地で働きながら生活できるのが最大の特徴です。
アルバイト収入で生活費を補いながら語学学校に通えるため、留学費用を抑えたい人に人気です。
観光や旅行の自由度も高く、勉強だけでなく現地生活を存分に楽しめます。
実践的なコミュニケーション能力や異文化適応力を身につけたい、海外で働く経験をしたいという若者におすすめです。
専門留学
語学の習得だけでなく、自分の将来のキャリアや興味に直結する専門的な知識や技術を学ぶための留学です。
音楽留学、ダンス留学、看護師留学、料理留学、エアライン留学など様々な留学がありますが、近年特に注目を集めている専門留学の1つがIT留学です。
IT留学は、英語の学習と同時にプログラミングやデザイン、AIなどのITスキルを習得できます。
エンジニアやデザイナー志望の人はもちろん、副業スキルを身につけたい社会人にも向いています。
Co-op留学
カナダで人気の留学で、前半はカレッジで専門知識を学び、後半でインターンシップを行うのが特徴です。
ビジネス、ホスピタリティ、ITなど幅広い分野で実務経験を積めるため、キャリア形成に直結します。
カレッジに入学する段階で一定の語学力が必要ですが、一般的な語学留学よりも一歩進んだ実践的なスキルを得られるため、就職や転職を意識している人に特におすすめの留学です。
オペア留学
現地の家庭に住み込み、子どもの世話や家事を手伝いながら語学を学ぶ留学です。
滞在費や食費が抑えられるため、費用を抑えて長期滞在したい人に人気があります。
現地家庭の一員として生活できるので、リアルな文化や習慣を体験できるのも魅力。
国によってはワーキングホリデービザを利用して、オペアとして仕事をすることもできます。
ボランティア留学
教育、医療、環境保護などの国際ボランティア活動に参加しながら学ぶ留学です。
社会貢献をし、国際理解を深めながら語学力を向上できる点が魅力です。
将来NGOや国際協力に携わりたい人にとっては大きな経験となります。
自己成長や価値観の広がりを求めている人に向いており、1週間から参加できるプログラム、語学研修や現地観光ツアーがついているプログラムもあります。
リゾート留学
観光地やリゾート地で行う留学で、学習とリゾートライフを両立できるのが特徴です。
特にバリ島やセブ島、ハワイなどで人気があり、勉強の合間にビーチや観光を楽しめます。
リラックスしながら語学力を伸ばせるため、社会人の休暇の活用方法としても人気です。
2か国留学
コストを抑えながら効率的に学べる留学で、まずは物価の安い国(フィリピンなど)で語学を学び、その後欧米圏で実践的な学習を行います。
基礎を固めてからネイティブ環境に移れるため、短期間で効果的に力を伸ばせるのが魅力です。
ワーホリなどの長期留学を計画している人やまだ英語力に自信がない人、費用を抑えつつ欧米留学を実現したい人におすすめです。
親子留学
親子で留学に行くスタイルで、親と子どもが両方授業を受ける、片方だけ授業を受けるというパターンがあります。
親子留学のコースがある語学学校も多く、子ども向けレッスンやアクティビティを提供していたり、託児所やベビーシッターのサポートを受けられたりします。
家族で異文化を体験でき、教育移住を検討する家庭にも人気があります。
シニア留学
50代・60代以降の世代の留学で、退職後のセカンドライフを充実させたい人に人気があります。
語学学習だけでなく、趣味や異文化交流を目的に参加する場合も多いです。
自由に学び直したい方や異文化をゆったり楽しみたい方におすすめです。
留学先を決める時に考えること
留学先を選ぶ際には、ただ「行きたい国」を決めるだけではなく、自分の目的やライフスタイルに合った場所を選ぶことが大切です。
ここでは、特に重要な3つのポイントを紹介します。
目的
まず最初に考えるべきは「なぜ留学をするのか」という目的です。
英語など語学力を伸ばしたいのか、将来のキャリアにつなげたいのか、異文化体験を重視したいのかによって、選ぶ国や学校は大きく変わります。
目的が明確になると、自分に合ったプログラムを探しやすくなります。
期間
留学期間は将来のプランを考える上で重要です。
数週間の短期留学は気軽に行けて文化体験や英語に触れるきっかけになります。
一方で、半年〜1年以上の長期留学では、しっかりとした語学力の習得や専門的な学びが可能になります。
自分の学びたい内容やスケジュールに合わせて、適切な期間を考えましょう。
予算
留学には授業料だけでなく、滞在費、航空券、ビザ、保険など多くの費用がかかります。
国によって物価や学費が大きく異なるため、総額でいくらかかるのかを把握しておくことが大切です。
無理のない範囲で予算を立てることで、安心して学びに集中できます。
留学先の決め方
留学は一生の思い出になるだけでなく、将来のキャリアや人生観にも大きな影響を与える経験となります。
そのため「どこで学ぶか」を決めるのはとても重要なステップです。
ここでは留学先を決める際に押さえておきたいポイントを解説します。
国・地域ごとの特徴を比較する
留学先を選ぶ際には、まず国や地域の特徴を比較することが大切です。
同じ英語圏でも、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、フィリピンなど、それぞれの国に特色があります。
例えば、アメリカは多様な文化に触れられる反面、生活費が高めで、カナダは治安が良く自然も豊かで、落ち着いた環境で学びたい人に向いています。
フィリピン・セブ島は費用が比較的安く、マンツーマンレッスンが多いため、コスパよく語学力を伸ばしたい人に人気です。
また、文化や気候、食事、物価なども生活に直結するポイントです。
自分に合う環境をイメージして選びましょう。
学校・プログラムの内容を調べる
同じ国でも、学校やプログラムによってカリキュラムや雰囲気は大きく異なります。
会話重視なのか、試験対策重視なのか、専門分野に特化しているのかなど、自分の目的に合った学校を選ぶことが重要です。
また、クラスの人数や教師の質、国籍比率なども学びやすさに影響します。
公式サイトだけでなく、口コミや留学エージェントの情報も参考にすると安心です。
滞在方法を確認する
留学生活において「どこに住むか」も大きな決め手になります。
ホームステイで現地文化を肌で感じたいのか、寮で友人と交流を深めたいのか、アパートで自立した生活を送りたいのか、それぞれにメリット・デメリットがあります。
滞在スタイルが合わないと、勉強以外の部分でストレスを抱えることにもなりかねません。
自分の性格や目的に合わせて選ぶことが大切です。
治安・生活環境を考える
安心して学ぶためには、治安や生活環境も必ずチェックしておきましょう。
都市部は交通や利便性が高い一方で犯罪リスクも高まる場合があります。
地方は落ち着いて学習に集中できる反面、交通の便が悪いことも。
医療機関の充実度や日本人サポートの有無も確認しておくと安心です。
長期滞在になるほど生活面の快適さは大切になるので、事前の下調べは欠かせません。
【参考】決め方がわかったら考える留学先の例
個々の留学の目的によって適した国や地域、選ぶべきコースは大きく異なり、それぞれに最適な環境があります。
ここでは、代表的な留学の種類ごとにおすすめの留学先の例を紹介します。
QQ English【語学、リゾート、親子、2か国、シニア留学】
QQ Englishはフィリピンのセブ島にあるマンツーマン指導を主としたレッスンを提供している語学学校で、ITパーク校とシーフロント校の2つのキャンパスがあります。
全講師が国際英語教授資格「TESOL」を保有しており、指導の質が高いのが特徴。
世界的に評価の高い「カランメソッド」を正式導入しており、この授業を選択すると、速いテンポで反復する形式で「話す力」と「リスニング力」を同時強化できます。
初心者〜上級者までコスパよく効率的に英語力を身につけられるので、欧米への留学やワーホリを控えている人の2か国留学の1か国目としても人気です。
ワーホリ準備コースや親子留学のコースもあります。
入学のタイミング、留学日数を自由に選択でき、時間をとれない人でも柔軟にスケジュールが組めるのも魅力です。
EF【高校・大学、語学、専門、オペア留学】
EFは、短期語学留学から海外大学進学プログラムまで幅広いプログラムを提供している世界最大規模の国際教育機関です。
世界5大陸、50都市以上にキャンパスを構えているため、多くの国の中から自分にあった留学先を選べます。
海外の大学に入学するために必要な語学力とアカデミックスキルを身につけられるユニバーシティ・ファンデーション・プログラムには、230校以上の提携大学への大学進学保証が付いているので、安心して語学力や専門スキルの学習に取り組めます。
SELC Career College【Co-op留学】
SELC Career Collegeは、カナダのバンクーバーにあるCo-op留学の大人気カレッジです。
カナダ国内の企業200社以上と提携を結んでいるため、Co-opプログラムのインターン先の企業を100%保証してくれるのが魅力。
- ホスピタリティプログラム
- デジタルマーケティングプログラム
- ヘルスケアプログラム
- コミュニティプログラム
- 教育アシスタント
のプログラムがあり、専門学習+インターンシップで半年〜2年の留学期間でスキルを身につけます。
SELC Language Collegeが隣接しているため、英語力を向上させてからインターンができます。
KredoIT留学【専門、語学、シニア留学】
KredoIT留学は、フィリピンのセブ島で、プログラミングやAIなどのIT技術と英語を同時に学べるプログラミングスクールです。
フィリピン人講師の少人数レッスンにより、挫折することなく、グローバルに活躍できるスキルを身につけられます。
宿泊施設は経済特区のITパークに位置し、校舎と同じ建物内にあるため、安心して学習に集中できるのも魅力。
インターン型実践プログラムの6ヶ月のコース、1ヶ月でWebサイトを制作できるようになるコースなどがあります。
CEC Japan Network【ボランティア、シニア留学】
CEC Japan Networkは、16カ国で海外ボランティアを運営しています。
孤児院の子ども達への教育支援、日本語教育、農業など様々なプログラムを提供しており、ほぼすべてのプログラムが1人から参加可能。
語学研修やホームステイ、コーディネーターによる観光ツアーなど、ボランティア以外のアクティビティがセットになったプログラムも多くあるので、自分のやりたいことを一度に複数叶えられます。
どのプログラムもCECスタッフがまず体験して、良いものだけを提供しており、ボランティア先には必ず現地在住のコーディネーターがいるので、初めての参加でも安心です。
SIKIBALI【リゾート、語学、専門、親子、シニア、2か国留学】
SIKIBALIは、インドネシアのバリ島にある日本人向け語学学校です。
英語やインドネシア語の語学レッスンに加えて、日本語教師コース、IT留学コース、ホームステイコースなど様々な体験ができるコースが用意されています。
エステ留学で有名なバリ島ですが、SIKIBALIにも5日間の講習でバリニーズマッサージのスキルを身につけ、政府から発行される認定証を受け取れるスパスクールコースもあります。
リゾート感たっぷりの設備の整ったアパートやシェアハウスに宿泊できるので、快適な滞在を楽しめるでしょう。
留学先の決め方のまとめ
留学は「どこに行くか」で経験の幅も得られる成長も大きく変わります。
語学留学から専門留学、ワーキングホリデーまで、種類も留学先も多様だからこそ、事前の情報収集と比較検討がとても大切です。
目的や期間、予算、生活環境をしっかりと考え、自分に合った国やプログラムを選びましょう。