就職活動の面接やエントリーシートでよく聞かれる「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」。
その中でも、海外留学は語学力だけでなく異文化理解や課題解決力、主体性など、多くの強みをアピールできる貴重な経験です。
しかし、ただ「留学しました」と伝えるだけでは面接官の印象には残りません。
大切なのは、エピソードを分かりやすく整理し、あなたの成長や成果が伝わる形にすることです。
そこで本記事では、留学経験をガクチカとして効果的に活かすためのエピソードの作り方、実際の事例、おすすめの留学先情報、さらに事前準備のポイントまで徹底解説します。
留学経験をガクチカにすると効果的な理由
留学経験は、自己PRや面接での「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」として非常に効果的です。
ここでは、その主な理由を解説します。
行動力と挑戦心を示せる
留学は、国内での学生生活よりもはるかに多くの準備や決断が必要です。
異国での生活を選び、言語や文化の壁を越えようとする姿勢は、企業に「新しい環境に飛び込む勇気」や「挑戦を楽しめる気質」があると印象づけます。
課題解決能力をアピールできる
留学先では、言葉の通じない中での手続き、生活トラブル、学習の遅れなど、さまざまな問題が発生します。
そうした課題をどのように解決したかを具体的に伝えることで、「自ら考え、行動して結果を出す力」があると評価されます。
多様性への理解と適応力を示せる
異文化環境での生活は、自分の価値観を広げる絶好の機会です。
留学中に現地の人や他国の留学生と交流し、多様な価値観や習慣を尊重しながら行動した経験は、グローバル化が進む企業において高く評価されます。
他の学生と差別化できる
就活では「部活」や「アルバイト」をガクチカにする学生が多い中、留学経験は比較的希少なテーマです。
しかも、ただの経験談ではなく、明確な目的と成果を伴った留学エピソードであれば、より印象的に差別化できます。
ガクチカに使える留学エピソードの作り方
具体的に、ガクチカに使える留学エピソードの作り方を紹介します。
STAR法(Situation, Task, Action, Result)で整理する
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)の文章は、ただ時系列で書くよりもSTAR法を使って構成すると格段に読みやすくなります。
- Situation(状況):どんな環境や背景での出来事かを簡潔に説明します。 例「大学2年生のとき、半年間カナダに語学留学をしました」
- Task(課題):その状況で自分が達成したい目標や直面した課題を提示します。 例「現地の学生とのディスカッションで意見が伝わらず、会話が続かないという課題がありました」
- Action(行動):課題解決のためにどのような工夫や努力をしたかを具体的に書きます。 例「毎日30分、ディスカッション用のフレーズを暗記し、授業後に現地学生へ質問を投げかける練習を続けました」
- Result(結果):努力の成果とそこから得た学びを明確に伝えます。 例「3ヶ月後には自分から議論をリードできるようになり、授業評価も上位10%に入りました。この経験から『準備と継続が自信につながる』と学びました」
このように枠組みに沿って書くことで、採用担当者が短時間で内容を理解しやすくなります。
「英語力向上」だけで終わらせない
留学の話はつい「英語が話せるようになった」で終わってしまいがちですが、それだけでは他の応募者と差別化できません。
採用担当者が知りたいのは、英語力を通じて得た行動力や課題解決力です。
たとえば以下のような視点を加えると、エピソードに厚みが出ます。
- 異文化理解:文化や価値観の違いに戸惑ったエピソードと、それを受け入れられるようになった過程
- チームワーク:多国籍メンバーと協力して達成したプロジェクトや活動
- 問題解決力:予期せぬトラブル(遅延・手違い・文化的衝突)を自分なりに解決した経験
- 主体性:授業や活動に受け身ではなく、自ら提案や行動を起こした経験
このように語学を「手段」として位置づけ、その先の成果や成長を強調すると、印象に残るガクチカになります。
数値や具体例を入れて説得力を高める
結果を示すときは、数字や具体的な比較を入れることで、エピソードの信頼性が格段に上がります。
- 語学力の変化:「TOEICスコアが半年で650点から800点に上がった」
- 学業や活動成果:「学期末のプレゼン発表でクラス25人中1位を獲得」
- 継続行動:「毎日30分の英単語学習を6ヶ月間欠かさず続けた」
数値は小さくても構いません。
大事なのは努力のプロセスとその結果の両方を可視化することです。
採用担当者は「この人は成果を出すために継続できる人かどうか」を見ています。
留学の種類別ガクチカ事例と留学先紹介
留学と言っても種類がいろいろあり、期間も1週間〜数年まで様々です。
留学の種類別にガクチカの事例をSTAR法で示し、その留学におすすめのスクールも紹介します。
語学留学:QQEnglish
語学留学は数日から参加可能な学校もあり、費用を抑えて貴重な経験ができます。
選択肢がたくさんあるので、自分にあった学習形態、授業内容が提供されている学校を選びましょう。
事例
- Situation(状況):大学2年の春休みに2ヶ月間、フィリピン・セブ島に語学留学。
- Task(課題):入学当初はTOEICスコアが450点で、授業内容の半分以上が理解できない状況。
- Action(行動):毎日6時間の授業の後に、自習と現地学生との会話を2時間継続。間違いを恐れず積極的に発言するルールを自分に課した。
- Result(成果):2ヶ月後にはTOEICスコアが750点に向上。帰国後は大学の英語ディベートサークルにも参加し、発言力が評価され副代表に就任。
QQ English
QQ Englishはフィリピンのセブ島にあるマンツーマン指導を主としたレッスンを提供している語学学校で、ITパーク校とシーフロント校の2つのキャンパスがあります。
全講師が国際英語教授資格「TESOL」を保有しており、指導の質が高いのが特徴。
世界的に評価の高い「カランメソッド」を正式導入しており、この授業を選択すると、速いテンポで反復する形式で「話す力」と「リスニング力」を同時強化できます。
初心者〜上級者までコスパよく、効率的に英語を身につけられるので、欧米への留学やワーホリを控えている人の2か国留学の1か国目としても人気です。
入学のタイミング、留学日数を自由に選択でき、時間をとれない人でも柔軟にスケジュールが組めるのも魅力です。
大学留学:EF
語学力向上はもちろんのこと、日本の大学では学べない最新の研究などができる可能性もあるため、大きな成長につながります。
EFなら大学進学保証付きの海外大学進学準備コースがあります。
事例
- Situation(状況):大学3年時にアメリカの大学へ1年間留学。専攻は経済学。
- Task(課題):現地の授業はディスカッション中心で、日本式の受け身授業に慣れていたため発言が難しかった。
- Action(行動):事前に資料を読み込み、必ず1回以上発言する目標を設定。また、学外では留学生向け経済研究プロジェクトに参加し、現地学生との交流を増やした。
- Result(成果):最終的にGPA3.8を達成し、現地教授から推薦状を獲得。帰国後、国際経済ゼミでリーダーを務め、英語資料作成を主導。
EF
EFは、短期語学留学から海外大学進学プログラムまで幅広いプログラムを提供している世界最大規模の国際教育機関です。
世界5大陸、50都市以上にキャンパスを構えているため、多くの国の中から自分にあった留学先を選べます。
海外の大学に入学するために必要な語学力とアカデミックスキルを身につけられるユニバーシティ・ファンデーション・プログラムには、230校以上の提携大学への大学進学保証が付いているので、安心して語学力や専門スキルの学習に取り組めます。
インターン付き留学:SELC Career College
インターン付き留学はカナダのCo-op留学が有名です。
海外企業での経験は就職活動の際、挑戦意欲、言語取得、業務スキル取得といった様々な面で大きな評価を受けるでしょう。
事例
- Situation(状況):カナダで6ヶ月間の専門学習+現地企業インターンプログラムに参加。
- Task(課題):現地の小売企業でマーケティング補助を担当するも、専門用語や業務フローが理解できず作業効率が低かった。
- Action(行動):毎日業務後に専門用語ノートを作成し、週末に現地スタッフと自主的な勉強会を実施。
- Result(成果):3ヶ月後にはSNS広告キャンペーンの企画を任され、フォロワー数を20%増加させる成果を達成。帰国後のゼミで海外マーケティング事例として発表。
SELC Career College
SELC Career Collegeは、カナダのバンクーバーにあるCo-op留学の大人気カレッジです。
カナダ国内の企業200社以上と提携を結んでいるため、Co-opプログラムのインターン先の企業を100%保証してくれるのが魅力。
- ホスピタリティプログラム
- デジタルマーケティングプログラム
- ヘルスケアプログラム
- コミュニティプログラム
- 教育アシスタント
のプログラムがあり、専門学習+インターンシップで半年〜2年の留学期間でスキルを身につけます。
SELC Language Collegeが隣接しているため、英語力を向上させてからインターンができます。
IT留学:KredoIT留学
学生のうちに海外でITスキルを身につけておくと、今後ますます求められるグローバルIT人材として活躍する道が大きく広がります。
将来どの仕事に就くにしてもITスキルは必要なので、海外で「英語×IT」を身につける価値は高いです。
事例
- Situation(状況):大学3年の夏休みに、ITスキル0からフィリピン・セブ島で1ヶ月、英語とプログラミングを学んだ。
- Task(課題):短期間でWebサイトを制作できるレベルのスキルを身につける。
- Action(行動):毎日8時間の授業に加えて、自習時間を2時間確保し、授業メモやオンライン教材で復習を徹底。
- Result(成果):個人でゼロからデザインとコーディングをし、基本的なWebサイトを作れるようになり、その内容を英語で説明できるようになった。
KredoIT留学
KredoIT留学は、フィリピンのセブ島で、プログラミングやAIなどのIT技術と英語を同時に学べるプログラミングスクールです。
フィリピン人講師の少人数レッスンにより、挫折することなく、グローバルに活躍できるスキルを身につけられます。
宿泊施設は経済特区のITパークに位置し、校舎と同じ建物内にあるため、安心して学習に集中できるのも魅力。
インターン型実践プログラムの6ヶ月のコース、1ヶ月でWebサイトを制作できるようになるコースなどがあります。
ボランティア留学:CEC Japan Network
ボランティア留学は、様々な人と関わったり現地施設の様子を見たりする中で、社会問題について考えたり、コミュニケーション方法を工夫したりといった多くの経験ができます。
途上国での支援の他、先進国でのボランティアもあるので、興味関心に合わせて活動先を選べます。
事例
- Situation(状況):ベトナムで1週間、孤児院と日本語学校のボランティアに参加。
- Task(課題):限られた時間の中で、子どもたちや学生との信頼関係を築くことや効果的に日本語を教えることに不安があった。
- Action(行動):簡単な自己紹介を現地語と英語で行い距離を縮め、日本語授業では、現地学生が興味を持ちやすい日本のアニメや食文化の写真・動画を使って授業を組み立てた。
- Result(成果):孤児院では英語で、日本語学校では日本語で簡単な会話を自然にできるようになった。同時に非言語コミュニケーションの重要性を体感。
CEC Japan Network
CEC Japan Networkは、16カ国で海外ボランティアを運営しています。
孤児院の子ども達への教育支援、日本語教育、農業など様々なプログラムを提供しており、ほぼすべてのプログラムが1人から参加可能。
語学研修やホームステイ、コーディネーターによる観光ツアーなど、ボランティア以外のアクティビティがセットになったプログラムも多くあるので、自分のやりたいことを一度に複数叶えられます。
どのプログラムもCECスタッフがまず体験して、良いものだけを提供しており、ボランティア先には必ず現地在住のコーディネーターがいるので、初めての参加でも安心です。
留学経験をガクチカに活かすための準備
留学を就職活動でのガクチカとして効果的に活用するためには、留学中の行動だけでなく、事前準備や留学後の振り返りも重要です。
単に「行ってきました」というだけでは説得力に欠けるため、以下のステップを意識して準備しましょう。
留学目的を明確にする
出発前に「なぜ留学するのか」「どんな力を身につけたいのか」をはっきりさせましょう。
例えば、「TOEICスコアを800点以上にする」「異文化環境でのプレゼン経験を積む」といった具体的な目標を立てると、後から成果を数値で示しやすくなります。
記録を残す習慣をつける
現地での出来事や感じたこと、達成したことは日記やメモ、写真で記録しておくと、帰国後のガクチカ作成に役立ちます。
特に、困難に直面した場面やその解決方法をメモしておくと、面接時に具体的に話せます。
学業・課外活動のバランスを取る
語学や専門分野の勉強だけでなく、現地の学生や地域コミュニティと関わる活動にも参加しましょう。
授業外での活動経験は、「主体的に動ける人材」であることを示すエピソードになります。
帰国後の活用方法を意識する
留学中に身につけたスキルや価値観を、今後どのように活かすのかも明確にしておきましょう。
「国際的な環境での業務に挑戦したい」「外国人観光客へのサービス改善に貢献したい」といった将来像を描くことで、話に一貫性が生まれます。
留学をガクチカに使うには?のまとめ
本記事で紹介したように、STAR法を使ったエピソード整理や具体的な成果・数字の提示、さらに目的意識を持った行動の記録を意識することで、留学経験を面接で強力な武器に変えることができます。
留学の種類によってアピールポイントも変わるため、自分の経験に合った形で整理することが大切です。
さらに、留学前の準備やスクール選びも、ガクチカを最大限に活かすうえで重要です。
これらを意識し、留学で得た経験を就職活動で自信を持って語れるようにしましょう。