Web業界で人気が高い、プログラミング言語「Ruby」。
Rubyは、有名企業のWebサイトやショッピングサイト、アプリケーションなどの開発に使用されています。
この記事では、
という人へ向けて、Ruby技術者認定試験の詳細と勉強のポイントを解説します。
エンジニアとして活躍したい人や、キャリアアップを狙っている方は、ぜひ参考にしてください。
記事のもくじ
Rubyの資格「Ruby技術者認定試験」って?
Ruby専門の資格が欲しいという人におすすめなのが、Ruby技術者認定試験です。
Ruby技術者認定試験は、Rubyを普及・発展させようと活動しているRuby Associationという非営利団体による試験制度。
Ruby技術者認定試験の資格を持っていると、Rubyの技術があるという証明や、Rubyを使った開発ができるということをアピールできます。
プログラミングに関わるエンジニアの人をはじめ、Webサービスを提供したいと考える人にとっても、注目度が高い試験です。
試験内容は、Rubyでシステム開発をする上で、必須の知識と応用的な知識の両方が含まれています。
試験の目的や、資格取得のメリットについて、詳しく紹介していきましょう。
Rubyの資格「Ruby技術者認定試験」の目的
Rubyの資格試験は、いったいどのような人向けに開催されているのでしょうか。
Ruby技術者認定試験を運営している、Ruby Associationは以下のように提示しています。
Rubyベースのシステムを設計、開発、運用するエンジニア、Rubyでシステム提案を行うコンサルタント、Rubyを教える講師及びRubyを学ぶ学生などを対象とした認定試験制度です。
試験に認定されることによって、Rubyベースのシステム開発をする上で必要な基礎知識・応用力を持っているということをアピールできます。
試験の合格者は、Rubyアソシエーションにより「Ruby Association Certified Ruby Programmer Silver/Gold version 2.1」として認定されます。
エンジニアだけでなく、コンサルタントを担当する人や、講師や学生まで、幅広い人を対象にしています。
知識を獲得するだけでなく、実際に使いこなす・応用力を身につけ実践にいかすことにより、仕事へとつなげやすくなるでしょう。
Ruby技術者認定試験資格を取得するメリット
Ruby技術者認定試験を取得するメリットは、おおきく2つあります。
転職・就職で有利になる
Ruby技術者認定試験を持っているということが、Rubyを理解している・使用できるというアピールにつながります。
エンジニア系のスキルとは、「○○の技術があります」「○○が得意です」と言葉で伝えたとしても、実力を上手く伝えることは難しいものです。
ただ、資格を持っていることで、履歴書にも明記できる上、相手にスムーズにRubyの知識があることを伝えることができます。
実務経験がないという人でも、資格があることで、Rubyを活用した仕事に就きたいという意思表示になるでしょう。
また、すでにRubyを職場で使用しているという人は、スキルアップを目指し行動した証拠にもなるため、おおいに活用できる資格といえます。
将来性がある
Rubyは、世界中で活用されている技術です。
利便性はもちろん、汎用性が高いということから、様々な企業が注目しています。
すでに存在しているRubyを使用したサービスの形だけでなく、新たな媒体や斬新的なサービスに対しても、今後ますますRubyが活用されていくはずです。
さらに、比較的新しい開発言語でもあります。
Rubyを学ぶ・使用するということは、プログラミングの最先端を進むことや、Web業界での流行やトレンドを掴むことにもつながるでしょう。
Ruby技術者認定試験資格には2段階ある
Ruby技術者認定試験には、SilverとGoldとレベルがわかれています。
さらに、時期は未定ではありますが、Platinum(仮称)も実施が検討されているようです。
こちらでは、現状試験として実施されている、SilverとGoldの違いと出題範囲について紹介します。
初心者向けは「Silver」
プログラミングデビューをする初心者の人や、他の言語は知ってる・使ったことがあるけれどRubyは知らない、という人におすすめなのが「Silver」です。
Silverの試験に合格することで認定される内容は、以下です。
- Rubyの文法知識
- Rubyのクラスとオブジェクト
- 標準ライブラリの知識
Silverを持っていることにより、これらの基本的な技術レベルがあることをアピールできます。
Silverの出題範囲
Silverの試験は、選択式で50問あります。
Silverのversion 2.1において出題される範囲は、以下です。
文法
コメント リテラル(数値、真偽値、文字列、文字、配列、ハッシュ等) 変数/定数とスコープ 演算子 条件分岐 ループ 例外処理 メソッド呼び出し ブロック メソッド定義 クラス定義 モジュール定義 多言語対応
組み込みライブラリ
よく使用されるクラス、モジュール (Object、数値クラス、String、Array、Hash、Kernel、Enumerable、Comparable等) オブジェクト指向 ポリモルフィズム 継承 mix-in
上級者向けは「Gold」
Rubyの基礎がしっかり固まっている、スキルアップしてRuby上級者を目指すなら、「Gold」がピッタリです。
ただ、Goldの資格として認定されるためには、Silverに合格していなくてはなりません。
そのため、まずはSilverに合格してからGold取得に向けて勉強する必要があります。
Goldの試験に合格することで認定される内容は、以下です。
- 標準添付ライブラリ知識
- アプリケーション設計に必要なクラス
- オブジェクトに関する知識
Goldに認定されることで、これらのプログラム設計技術レベルを持っているということをアピールできます。
Goldの出題範囲
Goldの試験は、Silverと同様で選択式で50問あります。
Goldのversion 2.1において出題される範囲は、以下です。
実行環境
コマンドラインオプション 組み込み変数/定数
文法
変数と定数 演算子 ブロック 例外処理 大域脱出 キーワード引数 ラムダ式(->)
組み込みライブラリ
よく使用されるクラス、モジュール (Object、Module、Kernel、Enumerable、Comparable等) 数値 正規表現
標準添付ライブラリ
よく使用されるライブラリ(socket、date、stringio等)
オブジェクト指向
メソッドの詳細 メソッドの可視性 クラスの詳細 クラスの継承 モジュールの詳細
Rubyの資格「Ruby技術者認定試験」の合格率と難易度
Ruby技術者認定試験を受けたいと思ったときに、気になるのが試験の合格率はどれくらいなのか、難しさのレベルについて気になりますよね。
合格率については、運営元のRuby Associationによる発表がないのが現状です。
合格率や難易度に関連した内容として公開されてるのは、合格ラインのみ。
すべての問題の75%を正解することで、合格となります。
試験時間は、SilverとGoldともに90分。どちらのレベルにおいても50問あり、選択式です。
余裕をもって合格するためには、80%は正解する必要があります。
自分のレベルにあわせて、勉強時間を調整して、しっかりと準備をした上で試験に挑戦する必要があるでしょう。
Rubyの資格「Ruby技術者認定試験」の受験前のポイントと試験概要
Ruby技術者認定試験の合格を目指す人へ向けて、受験前に気をつけるべきポイントとあわせて、試験の流れについて紹介します。
効率的な勉強や、合格の確率をあげるためには、全体像とあわせて注意点を意識することが大切です。
受験の準備をしっかりと行い、本番当日に臨みましょう。
ポイントは、余裕ある勉強計画をたてること
試験合格のポイントは、勉強にかける時間を確保できるかどうかにかかっています。
Ruby初心者の人がSilverを受験する場合、最低でも1か月は勉強時間をとれるよう、プランをたてましょう。
Goldだと、Silverに確実に合格しなければいけないため、Silverの勉強時間にプラスして、1か月は余裕をもっておきましょう。
もし仕事が忙しく毎日なかなか勉強できない状況であれば、1か月~3か月は余裕をもって受験日を設定することが大切です。
試験の申し込み先
Ruby技術者認定試験の申し込む際は、プロメトリック株式会社という試験の配信を行っている会社のWebサイトにて行います。
まずは、プロメトリックIDというものを取得し、その後に試験の予約へと移ります。
受験料と支払い方法
受験料は、SilverとGoldで若干異なります。
- Silver:16,500円(税込)
- Gold:16,200円(税込)
また、支払い方法によって手数料が発生する場合があります。
支払い方法は、クレジットカード、コンビニエンスストア払い、Pay-easy、受験チケット(バウチャー)です。
学生の場合は、受験料が約半額になるお得な学割制度があります。
受験料は、試験日の3~5営業日前までに、支払いを完了しておく必要があるので、注意しましょう。
試験日と試験会場
試験は、プロメトリック株式会社が保有する会場で実施されます。
会場は全国各地にあるため、自分が行きやすいエリアを指定するとよいでしょう。
また、会場によって試験開催日が異なるため、エリアだけでなく日程もしっかりと事前に確認しておくことが大切です。
試験当日の持ち物
試験当日は、身分証明書を2つ持参する必要があります。
本人確認書類2点の選び方
「Aグループから1つ + B1グループまたはB2グループから1つ」
・運転免許証、パスポート、社員証、個人番号カード、住民基本台帳カード ※顔写真つきに限ります
・クレジットカード、パスポート、公立図書館利用カードor公的施設の利用者カード ※自署つきに限ります
・健康保険証、健康保険カード、住民票(交付日より3か月以内)
合格発表と認定証書発行日
試験の合否は、試験を終えた後すぐにわかります。
合格すると、Ruby Associationより、電子版もしくは紙の認定証書が発行される流れです。
電子版だと合格後2週間以内に、登録をしたメールアドレス宛に送信され、郵送の場合だと1か月前後で登録した住所宛に送付されます。
Ruby技術者認定試験合格のための勉強法3ステップ
Ruby技術者認定試験に合格するためには、あるポイントがあります。
ここでは、合格するための基本ポイントをおさえた、おすすめの勉強法を3ステップで紹介します。
Ruby初心者の人や、Rubyの試験に初めて挑戦するという方は、ぜひ参考にしてください。
基礎をしっかり固める
Ruby技術者認定試験には、SilverとGoldの2つのレベルがありますが、どちらを受験するとしても基礎的な知識を確実に身につける必要があります。
初心者のケースだと、わかりやすい解説があっても、調べる用語や技術がたくさんあります。
ひとつずつ着実に基礎を理解できるよう、たっぷり勉強時間を充てましょう。
経験者の方にとっては当たり前の内容であったとしても、おさらいとして基礎からしっかりと改めて学ぶことが大切です。
参考書を読みこむ
Rubyに関する本や、Ruby技術者認定試験向けの参考書を、じっくりと読みこむことが大切です。
初心者でプログラミングに関する知識が少ない場合、読みこみにかなりの時間と体力を要します。
毎日少しずつでもいいので、コツコツと本をインプットする時間を確保しましょう。
問題をたくさん解く
本の知識をインプットするのと同時に、問題をどんどん解いていきましょう。
ポイントは、わからない・不正解だった問題に対して、なぜ間違えたのかを徹底的に追及することです。
また、本番の試験時間は90分。素早く答えを導き出す能力も必要になります。
問題を何度も解いて、解答時間を短縮できるようにしていきましょう。
慣れてきたら、タイマーを使って時間を意識しながら問題に挑戦するのもおすすめです。
まとめ:Ruby技術者認定試験資格をとって、将来の仕事の幅を広げよう!
Rubyは、エンジニアの方はもちろん、Rubyを使用している企業の人や、これからサービスを立ち上げようとしている人にとっても、活用の場が多い言語です。
Rubyの資格であるRuby技術者認定試験を取得することは、スキルアップに加えて、誰かにRubyの知識があることが伝えやすくなります。
将来性があり、国内外問わず多くの人が使用する言語、Ruby。
仕事の幅を広げ、たくさんのチャレンジをするためにも、Rubyの資格取得を目指して、勉強してみてはいかがでしょうか。