プログラミングの勉強を始めようと考えたとき、どの言語を勉強するか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
せっかく今からプログラミングの勉強を始めるのなら、プログラマーとして長く活躍していくためにも、将来性のある人気の言語を学びたいものですよね。
そこで今学ぶべき人気のプログラミングランキングをご紹介します。
また、あわせて言語別の求人数・給料額などについても紹介していくので、就職・転職を目的にプログラミングの勉強を始めようと思っている方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
記事のもくじ
プログラミング言語とは
「プログラミングの勉強をしたい!」と思っていても、「そもそもプログラミング言語が何かあまり分かっていない」という方もいるのではないでしょうか。
そこでランキングを発表する前に、「プログラミング言語とは何か」という話をしたいと思います。
機械と人間が理解できる言葉
プログラミング言語とは、機械語と人間の言葉の中間の言葉です。
コンピュータが直接理解できる0(ゼロ)と1(イチ)が並ぶ情報を「機械語」といいます。
しかし、機械語は人間には難しすぎて理解できません。
そこで、機械も人間も分かる言葉を作ろうということで、プログラミング言語が生まれました。
プログラミング言語の種類
マイナーなプログラミング言語も合わせると、200種類以上あると言われています
なぜこんなに種類が増えたのでしょうか?
それは、
「もっと難しくていいから処理が早い言語がいい」
「もっと簡単でわかりやすい言語がいい」
など、
様々な思考を持つ人たちがそれぞれの言語を開発するから。
初心者の方がよくプログラミング言語というと思い浮かべる「HTML,CSS」は、正確にはプログラミング言語ではなくマークアップ言語と呼ばれています。
プログラミング言語の中でよく使われる言語は
・Ruby
・Python
・PHP
・JavaScript
・JAVA
といった言語です。
ちなみに、初心者の方はJAVAとJavaScriptを同じものだと思ってしまうかもしれませんが、全くの別物なので注意が必要です。
プログラミング言語人気ランキング
人気のプログラミング言語をランキング形式でご紹介します。
ここでは、
・GitHubが毎年発表しているレポート「Octoverse」に掲載されている2018年の人気ランキング
・TIOBE Softwareが発表した2019年度1月期の人気プログラミングランキング
上記2つのランキングを元に、「人気のプログラミング言語」をご紹介します。
【人気のプログラミング言語ランキング】
第1位 JavaScript
第2位 Java
第3位 Python
第4位 PHP
第5位 C#
第6位 C++
第7位 Shell
第8位 TypeScript
第9位 C
第10位 Ruby
第1位:JavaScript
GitHubのランキング・TOIBE Softwareのランキングともに第1位にランクインしているのが、JavaScriptです。
GitHubのランキングにて4年間連続で1位をキープしていることからも、プログラミング言語として非常に利用価値が高く、重要な言語であることが良く分かるのではないでしょうか。
ネットスケープ・コミュニケーションズ社が開発した言語で、「Java」という名称が含まれているものの、Java言語とはほとんど関係はありません。
「C++」に略称があったように、JavaScriptは頭文字を取って「JS(ジェイエス)」という名称で呼ばれることもあります。
第2位:Java
Javaは1995年にサン・マイクロシステムズ社(現在のオラクル社)によって開発され、世界中で利用されている言語です。
Java仮想マシンの上で動作する言語であり、環境を用意すればOSに関わらず利用できるというメリットがあります。
Webサービスの開発からアプリケーション、組み込み式のシステムまで、非常に幅広い開発を行うことができる言語なので、覚えておいて損はないでしょう。
GitHubのランキングでは第2位、TOIBE Softwareのランキングでは第5位にランクインしていることからも、人気の高さが伺えますね。
第3位:Python
アプリケーション開発はもちろん、機械学習・データ解析などにも活用されているのがPythonです。
「Python」という名称は、開発者であるグイド・バン・ロッサムが好んで視聴していた、イギリスのテレビ番組「Monty Python’s Flying Circus」が由来していると言われています。
GitHubのランキングでは第3位、TOIBE Softwareのランキングでは第4位にランクインしており、AI・機械学習の発展にともない、今後より一層の成長が期待されています。
文法構造がシンプルで分かりやすいため、プログラミング初心者の方にもおすすめです。
第4位:PHP
GitHubのランキングでは第4位、TOIBE Softwareのランキングでは第8位にランクインしているのが、PHPです。
「Hypertext Preprocessor」の略称ですが、基本的にそのまま「PHP」と呼ばれることがほとんどです。
Webページの作成を目的に使用されることが多く、Facebook・Yahooなどのサイトがこの言語を利用して制作されています。
HTMLに埋め込むことで利用でき、Webブラウザからコードを実行することで、サーバーで処理が行われるのがPHPならではの特徴です。
My SQLのようなデータベースにも対応しているので、データベースを扱う開発もPHPで行うことができますよ。
第5位:C#
C++・Javaを元に開発され、マイクロソフトが2000年に発表したのがC#です。
GitHubのランキングでは第6位、TOIBE Softwareのランキングでは第7位にランクインしています。
C++は、Windowsはもちろん、OS・iOSなどのアプリケーション開発を行うのにも向いていますが、主にゲーム開発の言語として活用されることの多い言語です。
Javaの文法によく似ているため、Javaを勉強したことがあればC#が、C#を勉強したことがあればJavaに比較的取り組みやすいと言えるでしょう。
Microsoftの公式サイトでは、ブラウザを利用してC#の簡単な学習を体験できるので、気になる方はチャレンジしてみてくださいね。
第6位:C++
C言語をベースとした言語として1985年に開発されたのが、C++(シープラスプラス)です。
GitHubのランキングでは第5位、TOIBE Softwareのランキングでは第9位にランクインしています。
C言語にオブジェクト指向などを加えたもので、「C++」の「++」はC言語の「変数の値を1つ増やす」意味を持つインクリメント演算子からつけられています。
そんなC++ですが、「シープラスプラス」と名称が長いため、「シープラプラ」と略して呼ばれることも多いです。
ぜひこの機会に覚えておきましょう。
第7位:Shell
OSの機能の1つであるShellは、ユーザーがOSに指示するための言語で、ファイル・プログラムの制御を行うことができます。
GitHubのランキングでは第8位、TOIBE Softwareのランキングでは第6位にランクインしています。
あくまでOSに指示するための言語のため、Webサイトやアプリケーションを制作には基本的に使われません。
シェルコードを書いたファイルを作成することで、一括で処理を行うことのできるバッチを制作することもできます。
リモートで操作できるのも、Shellならではの特徴と言えるでしょう。
第8位:TypeScript
マイクロソフトによって開発されたTypeScriptは、GitHubのランキングでは第7位、TOIBE Softwareのランキングでは第10位にランクインしています。
JavaScriptで大規模なアプリケーション開発を行うときのサポートをする言語として開発されたこともあり、JavaScriptとの上位互換性があることからも人気を集めている言語です。
TypeScriptは、Microsoft Visual Studio上のほか、Visual Studio Codeでも開発を行うことができます。
第9位:C
C言語は、1972年に開発、1989年に標準化された言語です。
プログラミング言語の中でも歴史の長い言語としても知られています。
30年以上活用されている言語にも関わらず現在でも人気が高く、GitHubのランキングでは第9位、TOIBE Softwareのランキングでは第11位にランクインしています。
もともとはUnixのOS用に開発された言語でしたが、機種依存が少ないことから、開発効率・移植性が高いのがC言語ならではの特徴であり、魅力的なポイントです。
現在利用されている多くのプログラミング言語がC言語を元に制作されているため、プログラミング学習の第1歩として学ぶのにもおすすめですよ。
第10位:Ruby
GitHubのランキングでは第10位、TOIBE Softwareのランキングで第12位にランクインしているのが「Ruby」です。
1993年にまつもとゆきひろさんによって開発されたのち、1995年に一般公開され、現在ではWebアプリケーションの制作を中心に利用されているプログラミング言語です。
「食べログ」「Twitter」なども、かつてはRubyを使用して製作されていたんですよ。
公式サイトでは、ブラウザを通してRubyのお試し利用もできるようになっています。
どんな言語か気になる方は、一度アクセスしてみてはいかがでしょうか?
その他のプログラミング言語ランキング
求人ランキング
ここまでGitHub・TIOBE Softwareの調査を元にした人気のプログラミング言語を紹介しましたが、実際に仕事で使うとなると、各言語にどれぐらいの求人数があるのか気になるものですよね。
レバテック株式会社が2019年6月に発表した「求人数の多いプログラミング言語ランキング」によると、求人数の多い言語は下記の5つです。
・第1位 Java
・第2位 PHP
・第3位 Ruby
・第4位 C#/C#.net
・第5位 JavaScript
上記5つの言語の中でも、特にJava・PHPの2つで45%とほぼ半数を占めています。
2017年・2018年の調査の結果でも同じ結果が見られたことから、Java・PHPのニーズが高いことがよく分かりますね。
ただし、2017年度から2018年度にかけての求人割合の動向を見ると、上位5位のうちJava・Rubyは増加傾向にあるのに対し、PHP、C#/C#.net、JavaScriptは減少傾向にあることも分かります。
また、求人ランキングの上位5位にはランクインしていないものの、Javaに続いてPythonの求人数の伸びが大きいことから、今後のランキングに影響を及ぼすことも考えられるでしょう。
年収ランキング
特に転職を目的にプログラミングを勉強しようと思っている方にとっては、言語別の給料額も気になるところですよね。
株式会社ビズリーチが2018年8月7日に発表した、求人検索エンジン「スタンバイ」を対象に実施した『求人検索エンジン「スタンバイ」プログラミング言語別年収ランキング2018(提示年収の中央値ベスト10)』調査によると、言語別の給料ランキングは下記のようになっています。
・第1位 Go (年収中央値:600万円、最大提示年収:1,600万円)
・第2位 Scala (年収中央値:600万円、最大提示年収:1,300万円)
・第3位 Python(年収中央値:575.1万円、最大提示年収:1,499万円)
・第4位 Kotlin(年収中央値:575万円、最大提示年収:1,200万円)
・第5位 TypeScript(年収中央値:575万円、最大提示年収:1,200万円)
Goは2018年・2019年にStack Overflowが発表した年次レポートで「最も愛されるプログラミング言語ランキング」の上位にランクインしている言語です。
ただし、上記はあくまで1つの求人検索エンジンでの結果のため「この言語であれば、必ず年収が高くなる」と言い切ることはできません。
また、ご自身のやりたいこと・作りたいものによっても、選ぶべき言語は変わってくるでしょう。
プログラマーとしての転職を考えている方は、言語選びの1つの基準として参考にしてみてはいかがでしょうか。
プログラミング言語の習得難易度
プログラミング言語によって習得難易度も異なります。
いくら年収が高くても、いくら求人があっても難しくて挫折してしまっては職につくことはできません。
ですから初心者の方であれば、難易度の低い言語から習得することをオススメします。
プログラミング言語は一つの言語を身につけてしまえば、次も習得しやすくなっているのでとにかく一つの言語をしっかりと習得することが重要です。
主要言語の習得難易度をご紹介します。
難易度★:PHP
難易度★:JavaScript
難易度★:Ruby
難易度★★:Python
難易度★★:C#
難易度★★:Swift
難易度★★:Go
難易度★★★:Java
難易度★★★:C言語
難易度★★★:C++
難易度でいうとPHP、JavaScript、Rubyが比較的簡単でオススメです。
しかし言語によってやれることが変わってきますので、明確にしたいことや作りたいものが決まっている方はそれにあった言語を学びましょう。
詳しくは以下の記事に書いていますので、参考にしてみてください。
プログラミング言語を将来性・凡用性など様々な視点で比較
人気度:JAVA・Groovy
将来性:Python・Solidity
年収:GO・Erlang・Scala
求人数:JAVA
汎用性:JAVA
人気度は先ほどのランキングでもあったようにJAVAが1位です。
将来性でいうとPythonという言語がAI(人工知能)の開発に使えるため、これからも必要とされると考えられています。
詳しくは以下の記事に書いていますので、参考にしてみてください。
プログラミング言語の勉強法
プログラミング言語の勉強法は大まかに言うと
1、プログラミングを学ぶ目的を明確化する
2、目的に合わせたプログラミング言語を選ぶ
3、プログラミング言語の基礎を学ぶ
4、スクールに通う or 実際に制作物を作る
という順番で行うとよいでしょう。
基礎を学ぶ際には、ProgateやドットインストールというWebサイトがオススメです。
独学でも学ぶことができるのですが、勉強の順番が分からず遠回りしてしまったり、エラーが解決できずに挫折してしまう人もいます。
最短でスキルを身につけるのであれば、スクールで学ぶ方がいいでしょう。
詳しくは以下のサイトに書いていますので、参考にしてみてください。
プログラミング言語ランキングのまとめ
今回は、GitHub・TIOBE Softwareの調査を元に人気のプログラミング言語をランキング形式で紹介していきました。
言語によって人気度や給料額には差がありますが、何よりも重要なのは「プログラミングを勉強することであなたが何を作り出したいのか」という目的です。
勉強のモチベーションアップにも繋がるので、「プログラミングを勉強する目的がはっきりしていない」という方は、一度時間を取って考えてみるのがおすすめですよ。
今回の記事はあくまで1つの参考として、ぜひご自身の目的にあったプログラミング言語を選んでみてください