推薦者に連絡先の共有や回答を依頼する前に、協力の可否を確かめる場面を描いたAI生成イラストです。実在の応募者・企業・受講生ではありません。
海外転職でリファレンスチェックを求められたら、連絡先を送る前に「応募先が求める推薦者の条件」と「本人が協力できる範囲」を確認しましょう。今の上司に頼みづらい場合も、先に事情を伝え、前職の上司などで対応できるかを相談できます。
仕事上のリファレンスでは、あなたの働きぶりを直接知る人が候補になります。役職の高さや英語の流暢さだけで選ぶと、応募先が知りたい働きぶりを説明できないことがあります。この記事では、依頼を受けてから提出するまでに決めることと、現職・言語・会社の方針で困ったときの進め方を整理します。
Kredo編集部/情報確認日:2026年10月17日。実施方法は国・地域・企業・職種によって異なります。公的案内と個別企業の運用例は、その範囲を明記しています。制度の説明は一般情報で、個別の法律相談ではありません。文中の場面・依頼文は編集部作成の例で、実在の応募者や選考結果を示すものではありません。
リファレンスチェックでは何を確かめる?
リファレンスチェックは、応募者と一緒に働いた人などに、担当業務や仕事の進め方を確かめる選考の手続きです。依頼を受けて回答する人を、推薦者、reference、refereeなどと呼びます。勤務状況、得意な仕事、周囲との協力の仕方など、確認する項目は応募先によって変わります。

ただし、referenceという名称でも、在籍期間と職名だけを答える基本的な照会の場合があります。Acasの仕事上の照会の区分も、この違いを示しています。この記事は、仕事ぶりを知る推薦者に回答してもらう準備を中心に扱います。必要なのが評価を含む回答か、在籍の事実確認かは、最初に応募先へ確かめましょう。
たとえば、マイナビのTRUST POCKETの候補者向け案内では、企業の希望する関係性と人数を確かめ、推薦者の承諾を得てから専用URLで回答を依頼する流れです。同サービスの例であり、応募先から直接電話やメールが届く方法も含め、実際の案内を確認してください。
「referenceを提出してください」という連絡だけでは、何を出せばよいか決まりません。次の違いを押さえると、準備の取り違えを防げます。
- リファレンスチェック
- 採用側が推薦者へ質問し、働きぶりなどを確認する手続き。まず必要人数、関係性、連絡方法を確かめます。
- 推薦状・リファレンスレター
- 推薦者が作成する文書。チェックの代わりに使えるとは限らないため、指定がないのに長い推薦状を頼む必要はありません。
- バックグラウンドチェック
- 職歴・学歴などの情報を照合する手続き。対象は国・職種・採用先によって異なり、リファレンスチェックと一緒に案内される場合もあります。
- リファラル採用
- 社員などの紹介をきっかけに応募すること。紹介を受けていても、別途リファレンスを求められるかは応募先に確認します。
本文では、推薦者に連絡してもらうための準備を扱います。国や職種の選び方から確認したい方は、海外就職の準備から応募までの流れも参考にしてください。
連絡先を渡す前に、応募先へ確認すること
案内メールと応募システムを読み、すでに書かれていることはそのまま控えます。分からない点だけを採用担当者へまとめて聞きましょう。推薦者を探し始める前に条件が分かれば、頼んだ後で人選をやり直す負担を減らせます。

- 必要な人数と関係性:元上司が必須か、同僚・部下・取引先も対象か。直近の勤務先に限るか
- 実施方法と言語:電話、オンライン面談、メール、質問票のどれか。使用言語と、回答に必要な時間の目安
- 連絡の時期と範囲:選考のどの段階で、誰へ連絡するのか。現在の勤務先への連絡が条件に含まれているか
- 回答の提出先と扱い:採用企業が直接確認するのか、委託先のサービスを使うのか。回答を誰が閲覧し、何に利用するのか
- 期限:候補者が連絡先を登録する期限と、推薦者が回答する期限。時刻の指定があればタイムゾーンも確認
- 条件を満たせない場合:必要人数がそろわない、現職に頼めない、回答が間に合わない場合の相談先と代替方法
書類上の同意欄も、対象と提出先を読んでから判断します。推薦者の名前を登録した時点で自動通知が送られるのか、後で送信を確定するのかも重要です。画面が不明確なら、試しに登録せず、採用担当者へ確認してください。
実施時期も一律ではありません。GitLabの候補者向けハンドブックは、面接の終盤に推薦者情報を集め、オファー前または提示時までにチェックすると説明しています。「最終面接が終わったから、もう形式的な確認だけ」とは受け取らないようにしましょう。
提出先が別サービスなら、公式の窓口で照合する
見慣れないドメインのメールが来た場合は、応募先との既存の連絡経路で、サービス名・送信元・依頼内容が一致するかを確かめます。推薦者にも、確認済みの送信元と連絡予定を伝えておくと、突然の依頼を見落としにくくなります。
推薦者は、仕事を見ていた人から選ぶ
最初に応募先の指定を満たすかを確認し、その中で「何を直接見ていた人か」を考えます。仕事を一緒にした時期、あなたとの関係、説明できる業務を短く書くと、候補が絞れます。

- 元上司:任されていた仕事、期待されていた役割、報告・相談の仕方を知っているか
- 同僚やプロジェクト責任者:実際の協働、引き継ぎ、締め切りへの対応を見ていたか。応募先の指定する関係性に合うか
- 元部下や取引先:管理・説明・調整の仕方を知っているか。推薦者として認められ、所属先の方針にも反しないか
一緒に働いたことのない有名な人や、肩書だけ立派な人を優先する必要はありません。また、仲がよいことと、仕事の説明ができることは別です。「よい人です」で終わらず、仕事の場面を覚えている相手が候補になります。
架空例 店舗の接客経験を、誰が説明できるか
接客経験のある応募者が、海外企業の顧客対応職へ応募したとします。店舗の統括責任者とは面識があるものの、日々の仕事を一緒に進めていたのは当時の店長と、同じ時間帯の同僚でした。
店長なら、任せていた担当範囲や問題が起きたときの報告を説明できるかもしれません。同僚なら、交代時の引き継ぎや忙しい時間帯の連携を具体的に話せる可能性があります。まず応募先が元上司と同僚を認めるかを確かめ、双方に協力の可否を尋ねます。
日本語での接客しか見ていない人に、英語での顧客対応力まで保証してもらうことはできません。推薦者が見ていた仕事と、応募者がこれから示す必要のある能力を分けておきます。
応募書類の実績自体が曖昧なら、先に自分の担当範囲を整理しましょう。数字のない実績を、確認できる事実から説明する方法では、接客・事務・調整の仕事を具体化する例を紹介しています。
現職に知られたくないときの伝え方
今の会社に転職活動を伝えていない場合は、推薦者の登録より先に採用担当者へ伝えます。「現職への連絡は困る」だけで終えず、前職の上司など、相談できそうな候補も添えると次の条件を決めやすくなります。

採用担当者への英文例
My current employer is not aware of my job search. Please do not contact them without my prior consent. Would references from a former manager and a former colleague be acceptable?
日本語の意味:現職には転職活動を伝えていません。事前に私の同意を得ずに連絡しないでください。前職の上司と同僚からのリファレンスで対応できますか。
この文面を送っただけで対応が確定するわけではありません。誰に、いつ連絡するかについて、応募先の返答を受け取ってから登録へ進みます。現職の上司が必須だと言われたら、必要な理由、実施時期を遅らせられるか、代わりの確認方法があるかを相談してください。現職へ連絡されるリスクを受け入れられない場合は、条件を整理して選考を続けるか判断します。
英国の公的労働助言機関Acasの案内では、現職に照会する前に、条件付きオファーを提示し、応募者の許可を得たうえで、応募段階に仕事上の照会か人物面の照会かを明示しておくべきだと説明しています。Acasの助言対象はイングランド・スコットランド・ウェールズです。世界共通の実施時期や法律として扱うものではありません。
一方、前述のGitLabの案内では、推薦者3名と少なくとも1名の元上司を求めつつ、上司が現職の1名しかいない場合には、その上司を外して合計2名以上とする例外を示しています。同社の条件を他社にそのまま当てはめず、困っている事情を伝えて個別に確認する材料として使いましょう。
現職の同僚を選ぶ場合も、会社に必ず秘密にできるとは限りません。本人の負担や社内の関係に配慮し、協力できないという返答を尊重してください。
推薦者へ頼むときに伝える内容と依頼文
推薦者には、連絡先の共有や通知が始まる前に相談します。最初の連絡で、応募先、職種、確認の目的、方法と言語、期限を伝え、対応できるかを尋ねましょう。詳細が未確定なら、確定したように書かず、その点も伝えます。

前職の上司への依頼文例
ご無沙汰しております。現在、[企業名]の[職種]の選考を受けており、一緒に働いた方へのリファレンス確認を求められています。[当時一緒に担当した業務]について、私の担当範囲や仕事の進め方をご説明いただくことは可能でしょうか。
確認は[電話・質問票など]、使用言語は[言語]、回答期限は[日付・時刻・タイムゾーン]と案内されています。差し支えなければ、[採用企業名/委託先サービス名]へ共有してよいお名前・当時の役職・連絡先も教えてください。ご所属先の方針やご都合で難しい場合は、遠慮なくお知らせください。
角括弧は、確認済みの情報へ置き換えます。案内されていない所要時間や「簡単な確認だけ」といった見込みは足さないでください。承諾を得た後は、相手が思い出しやすい資料を最小限にまとめます。
- 求人の情報:職種と主な担当業務。公開求人ならURLを共有し、非公開の募集資料は共有可否を確認する
- 一緒に働いた事実:所属、期間、関係性、自分が担当した工程。相手が見ていない仕事は分ける
- 今回の応募で説明した内容:自分の経歴に関する必要な範囲。役割を広げて書いていないか、事実を再確認する
- 依頼の案内:提出先、方法、期限、連絡予定、困った場合の窓口
「このように褒めてください」という回答原稿を渡したり、弱みを隠すよう頼んだりするのは避けます。「当時、私が担当したのはこの工程までという認識で合っていますか」と、まず事実を確かめてください。推薦者自身の評価や、覚えていない点は、そのまま回答してもらいます。
勤務先の資料や顧客情報を、説明のために持ち出す必要はありません。応募者が話してよい範囲と、推薦者が話してよい範囲も、同じとは限りません。具体的な線引きに迷う方は、守秘義務に配慮した仕事経験の伝え方も確認してください。
英語・会社の方針・頼める人で困ったら
推薦者が英語に自信を持てない場合
自分の仕事をよく知る人を、英語だけを理由に最初から候補から外す必要はありません。日本語で回答できるか、書面にできるか、採用側の通訳や翻訳の対応があるかを、先に採用担当者へ確認します。本人が対応できる範囲と、応募先が認める方法の両方が必要です。

GitLabのCustomer Support採用案内には、推薦者が英語の読み書きや会話に習熟していない場合、それを考慮して連絡するとの記載があります。ただし、日本語で必ず対応してもらえるという約束ではありません。
言語の相談に使える英文例
My former manager can describe my work in detail, but is more comfortable communicating in Japanese. Could you let me know which language options are available for the reference check?
日本語の意味:前職の上司は私の仕事を詳しく説明できますが、日本語でのやり取りの方が対応しやすいとのことです。リファレンスチェックでは、どのような言語対応が可能か教えていただけますか。
翻訳が認められた場合も、誰が翻訳し、誰が原文と訳文を確認し、どこへ提出するかを合わせます。応募者が推薦者の代わりに回答したり、本人の許可なく外部サービスへ回答を送ったりしないでください。
会社が在籍期間と役職しか回答しない場合
推薦者が協力したくても、会社の方針で詳しい評価を出せない場合があります。Acasは、職名・在籍期間を中心とする基本的な照会と、技能や経験なども含む詳しい照会を区別しています。
この場合は、応募先が必要としている情報との差を伝えます。「会社からは在籍期間と役職の確認のみ可能です。勤務経験について、元上司個人からの回答を別にお願いする方法は認められますか」と相談できます。ただし、元上司個人なら会社のルールを無視できるわけではありません。本人にも、回答できる範囲を確認します。
前職が廃業した・職歴が短い・頼める人がいない場合
条件に合う人が見つからなければ、期限まで放置せず、誰に頼めないのかと理由を採用担当者へ伝えます。別の勤務先の上司、協働した人、インターンの指導者などを候補にできるか尋ねてください。先生や講師に頼む場合は、授業で見ていた学習状況についての説明です。実務の上司からの回答として扱うことはできません。
Acasも、照会を得られない場合に、別の人や別の雇用主などのリファレンスを受け入れられるか相談する方法を案内しています。代替が認められるかは採用側の判断です。協力が難しい人へ繰り返し圧力をかけたり、友人に元同僚として回答してもらったりせず、確認可能な関係性をそのまま説明します。
提出前後の確認と、結果を待つ間の注意
登録前に、名前の表記、当時の会社・役職、自分との関係、一緒に働いた期間、連絡先を本人と確認します。推薦者がその後に転職しているなら、現在の所属と、あなたと働いていた当時の所属を混同しないようにしてください。個人の連絡先を使う場合も、本人が認めたものを、応募先が指定する提出方法で共有します。

提出後は、採用側へ登録が届いているか、推薦者へ依頼が届いているかを、それぞれ必要な範囲で確認します。返事が遅いときは、宛先の誤り、迷惑メール、時差、休暇、回答期限を点検し、採用担当者へ期限変更や別の推薦者が必要かを相談します。連絡が遅い理由を、悪い評価が出たからだと決めつける必要はありません。
推薦者には協力へのお礼を伝え、進捗の確認は受信・対応可否にとどめます。回答の全文を見せてもらえる前提では進めないでください。TRUST POCKETは候補者が回答内容を閲覧できないと案内していますが、他の方法での扱いは各案内を確認します。
リファレンスの依頼や提出を、採用の確約として受け取ることも避けます。残る選考や条件、正式な入社日が確かになる前に、退職や住居の解約、変更・取消しに費用がかかる渡航予約を進めると、予定が変わったときに負担が残ります。自分の応募がどの段階にあり、何が未確定かを採用担当者と確認してから、次の手続きへ進みましょう。
依頼から提出まで、確認したことを残す
最初の一歩は、応募先が求める条件を確認し、推薦者の候補へ協力をお願いすることです。人数と関係性、連絡する相手と時期、言語と期限、情報の共有先をメモに残します。推薦者の承諾を得た後、共有してよい連絡先がそろっているかを確かめて提出しましょう。
現職に頼めない、英語で対応できる人がいない、会社が詳しく回答しないといった事情は、相手を探す前に採用担当者へ相談できます。使える代替方法を確認し、推薦者に無理な負担をかけず、実際に見ていた仕事を説明してもらえる準備を進めてください。
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