こんにちは、Kredo Blog編集部です!
「営業はしてきたけれど、海外で通用する専門性と言えるのかな」「接客や事務の経験しかない」。海外の仕事を考えたとき、これまでの経験をどう説明すればよいか迷うことがあります。
まずは普段の仕事を、誰のために、何を判断して、どう進めたかに分けてみましょう。営業・接客・事務で行ってきた確認や調整も、応募先の業務に関連する経験として説明できる場合があります。そのうえで、必要な専門知識、言語、働ける条件を個別に確かめます。
この記事では、営業・接客・事務の3つの架空例を使い、経験を見つけ、実在する職務の仕事内容と照合するところまで整理します。読み終わったら、最近担当した仕事を一つ、記事後半のシートに書いてみてください。
事例は編集部作成の架空例です。実在する人の経歴、採用事例、Kredoの授業課題ではありません。一般的なキャリア支援情報の確認日は2026年10月8日、追加した英国の職務プロフィールの確認日は2026年10月9日です。経験の整理によって、採用、英語力の充足、就労資格の取得が保証されるものではありません。
海外の仕事につながる経験は、職種名の内側にある
「営業」「接客」「事務」という職種名だけでは、担当したことの違いが見えません。同じ営業でも、顧客の要望を聞く、見積もりを作る、納期を調整する、新規顧客を開拓するなど、業務はさまざまです。
英国の公的キャリア支援サービスNational Careers Serviceは、現在・過去の仕事を振り返り、求人の仕事内容や職種情報と比べながら、自分のスキルを把握する方法を案内しています。コミュニケーション、チームワーク、問題解決など、異なる仕事でも使える力はtransferable skillsと呼ばれます。出典:National Careers Service「Understand and develop your skills」
ただし、「調整力がある」という一言に置き換えるだけでは、相手は仕事ぶりを判断できません。どんな状況で、どこまで自分が担当したかが分かる出来事を添えます。

たとえば「納期を調整した」なら、「顧客の希望日を聞き、製造担当へ対応できる日を確認し、両者の回答を記録して連絡した」と分けられます。価格を決める権限や契約を結ぶ権限まであったとは限りません。この境目を残すことが、経験を正確に伝える助けになります。
海外就職全体の準備順序を知りたい方は、海外就職の準備から応募までの流れも確認してください。ここでは、その前後で必要になる「自分の経験の中身」に絞って進めます。
「当たり前にやっていた仕事」から材料を拾う
最初から成功談を探す必要はありません。最近の一週間や、担当していた一つの業務を思い出し、繰り返し行っていたことを書き出します。
- 相手に聞き直して、曖昧な依頼を具体的にしたこと
- 書類やデータの食い違いを見つけ、担当者へ確認したこと
- 自分だけで決めず、責任者へ判断を依頼したこと
- 担当が変わっても分かるよう、対応状況を記録したこと
- 手順を説明したり、使いにくい書式を直したりしたこと
次に、一つの場面を選んで「相手・目的」「自分の担当」「行動」「確認できた結果」を書きます。結果がはっきりしないなら、行動までで止めてかまいません。うまくいかなかった経験も、どこで相談し、次に何を変えたかまで説明できれば、仕事の進め方を振り返る材料になります。
会社全体の売上やチームの成果を、そのまま個人の成果にはしません。「チームで完成させた資料のうち、私は入力値の照合を担当した」のように分けます。雇用期間と、特定業務を担当した期間も区別しましょう。
営業・接客・事務の経験を整理する3つの例
以下のBefore/Afterは、応募書類の完成文ではなく、日本語で経験を取り出すための例です。設定にない売上、改善率、顧客評価は追加していません。読者自身の経歴へそのままコピーせず、実際の担当範囲に置き換えてください。
営業:要望を聞き、社内で実行できる条件にそろえた
架空の状況:国内向けの営業担当。既存顧客から納品日の変更依頼を受け、倉庫担当と調整している。価格変更の承認は上司が行う。売上への影響は個人で測定していない。
- Before
- 営業として、お客様と良い関係を築いてきました。
- After
- 既存顧客から納品日の変更希望を聞き、倉庫担当へ出荷可能日を確認した。回答と未確定の点を記録し、顧客へ伝えた。価格変更が必要な場合は上司へ相談した。
見えてくる経験:要望の聞き取り、関係者との調整、対応状況の記録。事実確認には、社内で閲覧を許可された対応履歴や担当業務の記録などを使えます。
実在する職務と照合:英国の公的キャリア情報National Careers Service「Sales representative」では、既存・新規顧客への連絡、見積もりや価格・納期の合意、販売目標の達成などが紹介されています。この例と重なるのは、既存顧客への連絡と納期についての情報整理です。倉庫へ確認した回答を伝えたことと、自分の権限で条件を合意したことは分けます。新規開拓・見積もり作成・目標管理は、この例だけでは説明できません。
同サービス「Sales administrator」には、問い合わせ対応、受注・支払い処理、配送手配などが挙がります。納期連絡の経験は営業事務の一部にも接点がありますが、支払い処理や配送の発注まで担当したことにはなりません。職種名を横に置き、何を受け取り、誰が判断し、何を次へ渡したかで比べるのがポイントです。
職務プロフィールは英国の一般的な仕事内容を知る資料です。特定企業の募集要項でも、世界共通の採用要件でもありません。以下の3職務の確認日:2026年10月9日。
接客:困りごとを整理し、対応できる人へつないだ
架空の状況:小売店の接客担当。返品の問い合わせを受けた際は、購入時期や商品の状態を聞き、店舗の手順に沿って責任者へ引き継いでいた。返金の最終判断は担当していない。
- Before
- 丁寧な接客とクレーム対応が得意です。
- After
- 返品の問い合わせでは、購入時期と商品の状態を確認し、相談内容を整理して責任者へ引き継いだ。自分で判断できない返金可否は約束せず、確認後の案内につなげた。
見えてくる経験:必要情報の聞き取り、対応範囲の判断、引き継ぎ。振り返りに使えるものは、担当していた手順、許可された対応記録、上司と確認した担当範囲などです。「顧客満足度を上げた」と書くには、それを確認できる別の根拠が必要です。
実在する職務と照合:National Careers Service「Customer service assistant」では、店頭・電話・メール・ウェブチャットなどでの質問対応、商品や方針の説明、苦情対応、顧客情報の更新、返品手配などが紹介されています。この例で説明できるのは、店頭で必要情報を聞き、責任者へ引き継いだ範囲です。返品を自分で承認した経験、電話・文章での対応、顧客管理システムの操作は別に確かめます。英国の職務例との接点があっても、英語で対応できる証明にはなりません。
事務:情報の食い違いを確かめ、処理できる状態にした
架空の状況:営業事務として受注一覧を更新。注文書と社内の一覧で納品先が違うときは営業担当へ確認し、回答後に修正する。入力の締切と確認待ちの案件を管理しているが、経理の承認やシステム開発は担当していない。
- Before
- 事務作業を正確に、効率よく進めていました。
- After
- 注文書と受注一覧の納品先を照合し、食い違いは営業担当へ確認してから更新した。締切までに回答が必要な案件を分け、確認待ちの状況を共有した。
見えてくる経験:情報の照合、例外の確認、締切と進行状況の管理。根拠をたどる際は、業務手順や許可された更新履歴を確認します。「ミスゼロ」「処理速度が倍になった」といった表現は、対象期間や比較記録なしに加えません。
次の仕事と比べる点:受注一覧の更新は、Sales administratorの受注処理や顧客情報更新と接点を探せます。ただし、納品先の照合だけで、決済・請求書発行・在庫管理・配送手配まで経験したとは言えません。後半の記入済み照合例で、共通する作業と不足を具体的に分けます。
売上の数字がなくても、仕事の具体性は出せる
数字は経験の規模を伝える助けになりますが、確認できない数字を作る必要はありません。まず、何を扱い、どんな手順で進め、何を残したかを具体的に書きます。

たとえば、事務例の受注一覧に「納品先の確認:未/済」の欄を提案したとします。行動は提案、残したものは欄を加えた下書きです。下書きがあるだけでは「チームに採用された」「ミスが減った」とは書けません。
採用を確かめるなら、閲覧を許可された正式書式の旧版・新版と、運用開始の連絡を確認します。欄の追加と運用開始が確認できた場合に限り、「提案した確認欄が、正式書式に追加され運用された」と説明できます。処理時間の短縮や誤りの減少はさらに別の話です。比較する仕事の条件・対象期間・記録方法をそろえて調べていなければ、「未測定」のまま残します。
| 材料 | 書ける内容の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 担当の範囲 | 問い合わせの一次受付から責任者への引き継ぎまで | 最終決裁も行ったように広げない |
| 扱った情報 | 注文書と一覧の納品先を照合 | 顧客名や機密の注文内容は書かない |
| 残したもの | 確認待ちの案件をまとめた管理表を更新 | 更新と、仕組み全体の設計を区別する |
| 確認できた変化 | 自分が作成した確認欄が、チームの書式に採用された | 実際に採用された場合だけ書く。時短効果は別に検証 |
| 周囲の評価 | 上司から引き継ぎ内容が分かりやすいと評価された | 実際の評価と時期を確認し、一度の評価を恒常的な評判にしない |
米国の公的キャリア情報サイトCareerOneStopも、職務を説明するときに、対象、状況、結果を具体的に示すことや、実際の数字・評価を使うことを案内しています。出典:CareerOneStop「Work experience」
数字を使う場合は、期間、対象、自分の関わり方を残します。「月30件程度」は記録をもとにした概数なのか、記憶だけなのかで確かさが変わります。確認できないなら数字を外し、仕事内容で説明しましょう。
根拠を確認することと、資料を外へ出すことは分ける
ここでいう根拠は、自分が説明を確かめるための手掛かりです。社内資料や顧客データを応募先へ提出するという意味ではありません。退職後に持ち出したり、許可なく保存・送信したりしないでください。
外部に見せられるものが必要なら、公開済みの制作物、使用許可を得たサンプル、元の機密情報を使わず作り直した架空例などを検討します。架空例は能力を説明する練習として示し、実務の成果や顧客案件とは区別します。会社名だけを伏せても、内容から相手を特定できる場合があります。
自分で書ける経験棚卸しシート
一つの経験につき、下の一組を使います。全部埋めようとせず、分からない箇所には「未確認」と書いてください。最初は日本語で十分です。
経験の名前:
期間・頻度:いつ、どのくらい担当した?
相手と目的:誰が、何を必要としていた?
自分の担当:自分で行ったこと/他の人が判断したこと
行動:何を確認し、どう進め、どこで相談した?
結果・残したもの:確認できたことだけ。未測定の効果は分ける
根拠:確かめられる記録・時期・相手。外部共有の可否は別に確認
次の仕事との接点:どの業務に似ている? 何が違う?
次に確かめること:確認先/確認する内容/取りかかる日
書き終えたら、「私は〇〇が得意です」を使わずに、一つの出来事を説明してみます。相手が「あなたは何をしたの?」と聞いたとき、行動を答えられるかが確認の目安です。
経験棚卸し・応募前確認シート(PDF・空欄2頁+記入例2頁)。記事内の記入済み例も見ながら、自分の経験を書き込めます。
経験と応募先を比べ、足りない部分を分けて考える
棚卸しができたら、気になる仕事の担当業務を一つ選びます。「コミュニケーション能力」などの単語が一致するだけでなく、相手、手段、責任範囲がどの程度近いかを比べましょう。

記入済み例:受注一覧の照合経験を、営業事務の仕事へつなぐ
前半の事務例を使います。本人側は編集部作成の架空設定、職務側は実在する英国の公的情報です。追加設定は「請求書発行・決済処理は未経験」「英語での問い合わせ対応は未検証」。実在する応募者の経歴や採用事例ではありません。
- 照合する職務・出典
- National Careers Service「Sales administrator」の「Day-to-day tasks」。確認日:2026年10月9日。職務プロフィールのため、募集番号・特定企業・応募締切はありません。
- 自分の経験
- 注文書と受注一覧で納品先が違う案件を営業担当へ確認し、回答後に一覧を更新。締切までの確認待ち案件を共有した。担当期間・頻度は設定していないため未確認。経理の承認やシステム開発は担当外。
- 共通する作業
- 公式職務にある「受注処理」「顧客情報の更新」と、注文に関する情報を確認して記録へ反映する部分が重なる。ただし、社内の受注一覧を直したことと、顧客管理システム全体を運用したことは同じではない。
- まだ足りないこと
- 未経験:請求書発行・決済処理。未検証:英語での確認・回答。この例から不明:在庫管理や配送手配を担当したか。未検証を「できない」、不明を「経験あり」に変えない。
- 示せる根拠
- 行動を確かめる手掛かりは、確認を依頼した記録、担当者の回答、受注一覧の更新履歴。どの回答を受けて自分がどの欄を直したかをつなげる。閲覧許可のある範囲で本人の担当を確認し、社外に原本を出せるかは別に判断する。この教材は実際の社内記録を提示していない。
- 残したもの・変化
- 架空設定で残したものは、修正後の受注一覧と確認待ち状況。誤配送の減少・処理時間の短縮は未測定。確認欄の追加を提案する場合も、正式採用と効果を分ける。
- 資料に記載がないこと
- 特定企業の使用システム、外国人応募者向けの語学基準、研修、就労支援は、この職務説明だけでは決まらない。個別求人を選んでから募集元へ確認する。
この設定から書ける短い説明:「営業事務として、注文書と受注一覧の納品先を照合しました。不一致は営業担当の回答を得てから更新し、締切までの確認待ち案件を共有しました。受注情報の確認・更新に関する経験です。請求書発行と決済処理は未経験です。」
この照合から言えるのは、応募先へ説明できる作業と、追加確認する領域が分かれたということです。営業事務全般への適性や採用可能性を判定したわけではありません。次は個別求人で「受注入力から請求・配送まで、どこを担当するか」を確かめ、英語やツールは求められる作業単位で確認します。
求人の条件の読み方は、英語の求人票の必須・歓迎条件を読み分ける方法で詳しく説明しています。経験の整理ができた後に、英文レジュメの作成とAIの使い分けへ進むと、書く材料を選びやすくなります。
言語・資格・就労条件は、それぞれ確認する
日本語で接客してきた経験から、英語で同じ対応ができるとは判断できません。問い合わせを聞く、社内へ相談する、回答を書くなど、実際の場面に分けて試します。特定の英語スコアだけで、すべての仕事の準備が整うわけでもありません。
また、日本で担当できた業務でも、応募先の国で資格や登録が必要かは別の確認です。就労資格、雇用主の支援、勤務できる場所も、募集元と該当国の公的窓口で最新条件を確かめます。職務経験があることだけで、現地で働く資格まで満たしたとは言えません。
迷ったら、完成した自己PRより「確認したい点」を持って相談する
相談するときは、経験シートと、気になる仕事の担当業務を一つずつ用意します。「私でも海外で働けますか」だけでなく、次のように具体的に聞くと、確かめたいことが伝わります。
- キャリア相談の担当者へ:「この経験と接点のある業務は何ですか。追加で示すべき経験はありますか」
- 採用担当者へ:「私の担当は一次受付と引き継ぎでした。この募集では、どこまで自己判断で対応しますか」
- 語学学習の相談先へ:「問い合わせ内容を聞き取り、短く報告する練習をしたいです。今の力をどう確認できますか」
- 勤務先の権限のある担当者へ:「経歴説明で公開してよい担当内容や成果の範囲を確認したいです」
追加の学習を選ぶときも、足りない業務が見えてから考えます。現在の経験、目指す業務、学習に使える時間を書いておくと、英語やIT・AIを学ぶ目的を相談しやすくなります。Kredoへの相談では、公式サイトで現在のコースと相談窓口を確認してください。希望する職種の紹介や採用、就労資格の取得を約束するものではありません。
日本での仕事経験を海外キャリアへつなげる最初の一歩は、これまでに何をしてきたかを具体的にすることです。最近の仕事を一つ選び、自分の行動、確かめられる根拠、次に確認したいことを書いてみましょう。
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