HTMLは世界で最もポピュラーな言語の1つですが、プロレベルでHTMLを使いこなせるという人はまだまだ少ないものです。
世界的なエンジニア不足が叫ばれる中、HTMLは初学者にもとっつきやすく、比較的素早くエンジニアとして活躍できるレベルの技術を身につけやすい言語でもあります。
今回はそんなHTMLを独学で学びたいという人に向けて、どれくらいの勉強量が必要なのかや、そもそも独学でHTMLの技術を身につけられるのかについてご紹介していきます。
記事のもくじ
HTMLを独学で学ぶことは可能?
まずは、HTMLのスキルを独学で身につけられるかについてですが、これは十分に可能であると言えます。
HTMLなら独学で十分実践レベルに到達可能
独学であろうが学校で通おうが、基本的にコーディングの作業というものは一人でやることになるため、その技術が身につけば一人でも十分にWebサイト構築などを行うことはできます。
また、HTMLは数ある言語の中でも学習難易度が易しいだけでなく、開発環境を整えることが容易なのも特徴です。
HTMLはテキストエディタさえあればしっかりとコーディングを行うことができ、他にアプリなどをPCにインストールする必要がないため、PCスペックに自信がないという人でも安心です。
わざわざプログラミング教室などに設置されているハイスペックなPCなどを使わなくて良いのも、HTML学習のメリットといえるでしょう。
プロレベルでもスキルレベルはピンキリ
そもそも、HTML学習においてプロレベルのスキルという線引きはかなり曖昧です。
プロレベルというのは、簡単に言えばお金がもらえるレベルの技術です。
単純と感じるWebサイトであっても、クライアントから求められているクオリティに到達していればそれで報酬を得ることはできますし、逆に自分の技術に十分な自信があっても、クライアントが満足のいくようなクオリティを提供できなければ、まだまだプロレベルとは言えないということにもなります。
要はクライアントが満足できる品質のコーディングスキルのことをプロレベルと言うのですが、どれくらいのクオリティに満足するかというのは時と場合によりますし、主観的な判断でもあります。
そのため、自分が「中々悪くないのではないか?」と思えるようなレベルに到達できれば、十分にプロレベルを目指せる段階となるため、積極的に外部へアピールしていくようにしましょう。
HTMLの技術は独学でも十分に満足のいくレベルにまで持っていくことはできますが、自分の今のレベルは主観だけでは判断しづらい部分もあります。
そんな時は知り合いに直接でも良いですし、SNSで公開してみたり、ポートフォリオとしてフリーランス向けのエンジニア求人に応募してみるのも良いでしょう。
HTMLを独学で学ぶ場合の必要な勉強量
次に、HTMLを独学で学び、プロレベルに到達するために必要な学習量について考えていきましょう。
ひとまず自分でWebサイトを構築できるようになろう
HTMLの実践的な力を身に付けたい場合、兎にも角にもWebサイトを自力で構築できる技術が重要になってくるでしょう。
HTMLはWebサービスやHTMLメールなどの運用にも重宝される汎用性の高い言語ですが、最もスタンダードな使われ方がWebサイト構築です。
Webサイトを作れるかどうかは、HTMLの習熟度を図る上ではわかりやすい指標となりますし、ポートフォリオとしてクライアントとなってくれそうな企業や人へ送信する際にも役立ちます。
また、自分の作ったWebサイトと他社のWebサイトを比較して、どれくらいのクオリティがプロレベルなのかを客観的に把握する時にも便利です。
実際に運用されているWebサイトと自分のオリジナルWebサイトを比べることで、自分の今のレベルをなんとなく把握することも可能になります。
また、WebサイトはHTML以外にも、JavascriptやCSS、PHPといった言語が必要になることがほとんどです。
実際、HTMLは単体ではWebサイトをリッチなものに仕上げることは難しく、そのほかの言語と併用しながら活用することで、初めて立派な作品へと仕上げることができます。
HTML以外の言語で何が必要なのかも、実際にWebサイトを自分で作ってみなければわからないものです。
ひとまずできるだけ早いタイミングから自分でWebサイトを作ってみることで、自分が今どれくらいの技術を持っていて、満足のいくものに仕上げるためには何が必要かを把握できるようになっておくと良いでしょう。
がむしゃらにHTMLやほかの言語を勉強しても、中々満足のいくポートフォリオを作ることはできません。
自分が今何をしないといけないのかを把握しづらいのが独学の辛いところですが、早いうちから自分の中に課題を設定し、基準を設けることでモチベーションの維持に努めましょう。
学習本を理解できるかどうかは1つの指標に
自分の中にある基準をうまく探れない時は、学習教材を理解できるかどうかを考えてみると良いでしょう。
独学でスキルを身につけるためには、強い目標とモチベーションの維持が大切になります。
誰かが自分に課題を課してくれるわけではないので、独学でプロレベルに到達するためにはメンタルをサポートしてくれる基準が重要です。
そこで役立つのが学習教材の存在で、本やWebサービスなど、色々と使ってみることで、その教材の中で伝えられていることをしっかりと理解でき、自分の力で再現できるかを考えてみましょう。
こういった教材は、スキルレベルに応じて「初心者向け」「上級者向け」といったカテゴリ分けをしっかりと行ってくれているので、自分の理解できる範囲が果たして初心者向けなのか、プロレベルなのかを客観的に判断することができるのです。
中でも独学用の本は、一冊という単位でまとまっているため、絵本を読むように内容を理解できればそのレベルはクリアということになります。
教材は単に知識をインプットするだけでなく、自分の習熟度を図る上でも大きな役割を果たすのです。
HTMLを独学で学ぶ際の効果的な勉強法
HTMLを独学で進めていく場合、いくつかのポイントを覚えておくと効率的に学習を行えます。
Webサイト構築で得られるスキルと気づきは大切
上述の通り、できるだけ早い段階でWebサイトを自分で作ってみることは最も大切な勉強プロセスです。
Webサイト構築は自分のコーディングレベルを知る上でも大切なだけでなく、何が満足のいくWebサイトに必要なのかを知り、そもそもどうやってWebサイトが成り立っているのかを知ることもできます。
Webサイトとサーバーの関係や、コーディングがどのように機能しているのかといった、もっと深いメカニズムを理解することで、Web開発における作業がどのようなものになるのかを実践的に理解することができます。
世間で求められる実践的なスキルとは、こういったサーバーの仕組みやWebサービスのメカニズム、さらにはインターネットそのものへの造詣も含まれます。
こういったものを理解するためには本などを読むよりもまずはWebサイトを自分で立ち上げてしまうのが最も効率的です。
これらを知識から理解しようとすると、膨大な時間がかかってしまいます。
ひとまず必要な知識を知るためには、自力でサイトを立ち上げてみましょう。
自分の興味や好奇心の方向性を探ってみる
あるいは、実践的な作業をこなしていく中で、自分がWeb開発やHTMLのコーディングを通じて、本当に興味のあることを見つけるきっかけも得られるでしょう。
複雑なコーディングによって誰もみたことのないような演出をWebに組み込みたいのか、誰にでも見やすいWebデザインを追求したいのかなど、Webを通じてできることは様々です。
自分は何のプロになるのかを探る上でも、こういった心がけは非常に大切です。
独学でHTMLを学ぶ際に活用したい学習サービス
HTMLを独学で学ぶ際に活用できる学習サービスをいくつかご紹介しておきます。
Progate(プロゲート)
世界提供国数100を超える巨大な学習サービスが、このプロゲートです。
HTMLを始めとする各プログラミング講座が充実しており、ブラウザだけで学習を進められるため、非常に効率的な独学が可能になります。
パソコンだけでなく、スマホからも利用ができるので、外出先でもお手軽に勉強ができます。
ドットインストール
隙間時間を有効に活用したいという人は、ドットインストールを試してみるとよいでしょう。
一コマあたりの動画が3分程度にまとめられており、通勤・通学の道中や就寝前など、ちょっとした時間で学習を行うことができます。
集中力が続きにくいという人もサクッと進められるのでオススメの教材です。
paiza(パイザ)ラーニング
座って話を聞くだけでなく、同時にしっかりと手を動かしたいという人はパイザがオススメです。
3分ほどの動画に加え、その講義内容に準拠した練習問題が提供されるので、インプットしたことをすぐさまアウトプットに反映していくことができます。
Udemy(ユーデミー)
ユーデミーも、コンテンツの豊富さでいえばトップクラスの部類に入る学習サービスの1つです。
有料コンテンツはもちろんのこと、無料コンテンツも初心者向けのものは充実しており、試しにトライしてみたいという初学者にも優しいのが特徴です。
Tech Academy(テックアカデミー)
最大級のプログラミング学習サイトといえばテックアカデミーです。
とにかく講義の数が豊富で、HTMLを含むあらゆるスキルアップにつなげることが可能なため、有料で学習を進めていきたいと考えている人にとっては見逃せないサービスと言えるでしょう。
独学でHTMLを学ぶ際に活用したい学習本
学習本の存在も、HTMLを理解する上では重要な教材となります。
初心者からちゃんとしたプロになる Webデザイン基礎入門〈HTML、CSS、レスポンシブ〉
しっかりとプロレベルを目指したければ、この一冊から始めてみるとよいでしょう。
プロとしての実力を身につけるのに必要なプロセスがしっかりとまとまっており、実践的な基礎力はこの一冊を終わらせることができれば身につくことでしょう。
HTML&CSSとWebデザインが 1冊できちんと身につく本
プログラミングに関する造詣だけでなく、Webデザイン力を身につけたければオススメの一冊がこちらです。
Webサイト構築には欠かせないHTMLとCSSの両方のスキルを身につけることができ、さらに踏み込んだデザイン領域の知識も身になります。
これからWebをはじめる人のHTML&CSS、JavaScriptのきほんのきほん
とりあえずWebに関わる全般的な知識を得たいという人は、こちらの一冊がオススメです。
浅く広くではあるものの、それぞれの言語について最低限必要な情報が書かれているため、全くプログラミングに理解がない状態を打破することが可能です。
作りながら学ぶ HTML/CSSデザインの教科書
手を動かしながらしっかりと体に技術を馴染ませたい、という人はこちらの教本が良いでしょう。
HTMLとCSSに関するスキルをチュートリアル形式で学び進められるため、頭だけでなく手にスキルをなじませることができます。
なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉
プログラミングのスキルが身についても、何を作れば良いのかわからないという人は少なくありません。
そこでお勧めしたいのがこちらの本で、デザインとは何か、どういう風に作りたいものを作れば良いのかを考えるきっかけづくりを手伝ってくれる一冊となっています。
まとめ:HTMLの独学でスキルを身につけられるが難しさもある
HTMLは独学でも十分にスキルを身につけることはできますが、自分がプロレベルに達したかどうかを判断することは難しいものです。
そんな時はポートフォリオを作ってみたり、学習サービスや本などを参考にしつつ、今の自分のスキルレベルを把握してみるようにすることをオススメします。
独学の辛いところは客観的に自分の技術を理解することが難しくなることですが、その対処法を身につければ、モチベーションも高まることになるはずです。