デザインソフト(デザインソフトウェア)とは、写真の加工、イラストやロゴの制作、Webサイトやアプリの画面、チラシなどの印刷物、動画などを作るためのソフトのことです。プロのデザイナーの間では、Adobe(アドビ)のPhotoshopとIllustratorが定番として広く使われ、Webやアプリの画面デザインではFigma、SNS画像や資料を手軽に作るならCanvaもよく使われます。費用をかけずに始めたい人は、GIMP、Inkscape、Affinityなど無料で使えるソフトからでも十分に練習できます。
この記事では、デザインソフトの種類と、デザイナーが使う主なソフトの一覧、料金(2026年9月時点)、初心者の選び方を解説します。料金やプランは変わることがあるため、購入前に各公式サイトでも確認してください。
デザインソフトとは?種類を用途別に解説

デザインソフトは、作るものによって向いている種類が違います。まずは次の7種類を押さえておくと、自分に必要なソフトが選びやすくなります。
| 種類 | 作るもの | 代表的なソフト |
|---|---|---|
| 画像編集ソフト | 写真の加工・合成、Web用の画像 | Photoshop、GIMP、Affinity |
| ベクター(ドロー)ソフト | ロゴ、イラスト、アイコン、チラシ、パッケージ | Illustrator、Inkscape、Affinity |
| レイアウト(DTP)ソフト | 冊子、雑誌、書籍などページ数の多い印刷物 | InDesign、Affinity |
| UI・Webデザインツール | Webサイトやアプリの画面設計、試作(プロトタイプ) | Figma |
| 手軽なデザインツール | SNS画像、バナー、資料、動画など(テンプレートを使う) | Canva、Adobe Express |
| 動画編集ソフト | 動画の編集、アニメーション、特殊効果 | Premiere、After Effects、DaVinci Resolve |
| 3D・製品設計ソフト | 3DCG、製品(工業デザイン)の設計 | Blender、Autodesk Fusion |
ビットマップ画像とベクター画像の違い
画像編集ソフトとベクターソフトの違いは、扱う画像の種類にあります。
- ビットマップ画像(ラスター画像):写真のように、小さな点(ピクセル)の集まりで表す画像。色の細かな変化を表現できますが、大きく拡大すると粗くなります。主にPhotoshopやGIMPで扱います
- ベクター画像:点と線を計算式で表す画像。拡大・縮小しても線がきれいなままなので、ロゴや看板、印刷物に向いています。主にIllustratorやInkscapeで扱います
「写真を加工するならPhotoshop、ロゴやイラストを描くならIllustrator」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
デザイナーが使うデザインソフト一覧【比較表】
主なデザインソフトの用途と料金の区分を一覧にまとめました(2026年9月29日に各公式ページで確認)。
| ソフト名 | 主な用途 | 料金の区分(2026年9月時点) | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| Photoshop | 写真加工、Web用画像 | 有料(単体プランは月額3,300円、税込) | 写真・Web・広告のデザインをしたい人 |
| Illustrator | ロゴ、イラスト、印刷物 | 有料(単体プラン月額3,280円、税込) | グラフィックデザイナーを目指す人 |
| InDesign | 冊子・書籍のレイアウト | 有料(単体プラン月額3,280円、税込) | 出版・編集の仕事をしたい人 |
| Premiere/After Effects | 動画編集/映像の特殊効果 | 有料(各単体プラン月額3,280円、税込) | 映像クリエイターを目指す人 |
| Figma | Web・アプリの画面デザイン | 無料プランあり(有料のProfessionalはフルシート月16米ドル) | Webデザイナー・UIデザイナーを目指す人 |
| Canva | SNS画像、資料、バナー | 無料プランあり(Canvaプロは年額11,800円/人) | テンプレートで手軽に作りたい人 |
| Adobe Express | SNS画像、チラシ、短い動画 | 無料プランあり(プレミアムは月額1,180円、税込) | Adobeの素材で手軽に作りたい人 |
| Affinity | 画像編集・ベクター・レイアウト(1つのアプリ) | 個人は無料(AI機能はCanvaの有料プランが必要) | 無料で本格的なソフトを使いたい人 |
| GIMP | 画像編集 | 無料(オープンソース) | 無料で写真加工を始めたい人 |
| Inkscape | ベクター画像の作成 | 無料 | 無料でロゴやイラストを描きたい人 |
| Blender | 3DCG、アニメーション | 無料(オープンソース) | 3Dを作りたい人 |
| DaVinci Resolve | 動画編集、色の調整 | 無料版あり(Studio版は51,980円、税込) | 無料で動画編集を始めたい人 |
Adobeのデザインソフト:デザイナーの定番
Adobeのソフトは、デザインの仕事で広く使われている定番です。デザイン関連の求人でも「Photoshop・Illustratorが使えること」が条件になっていることがよくあります。
画像・写真の加工は「Photoshop」
写真の明るさや色の調整、不要なものを消す、複数の写真を合成するなど、画像の加工が得意なソフトです。Webサイトやバナーの画像、広告のビジュアル作りにも使われます。
ロゴ・イラスト・印刷物は「Illustrator」
ベクター画像を扱うソフトで、ロゴ、アイコン、イラスト、チラシやポスター、パッケージの版下などの制作に使われます。PhotoshopとIllustratorは一緒に使われることが多く、デザイナーの基本の組み合わせです。
冊子・書籍のレイアウトは「InDesign」
雑誌や書籍、カタログなど、ページ数の多い印刷物のレイアウトに向いたDTP(パソコン上で印刷物を作ること)ソフトです。出版や編集の仕事をするなら使う機会が増えます。
動画は「Premiere」「After Effects」
Premiereは、撮影した映像をつなげたり、テロップや音楽を入れたりする動画編集ソフトです。After Effectsは、文字や図形を動かすアニメーションや特殊効果を作るのが得意です。
Webサイト制作は「Dreamweaver」
HTMLやCSSのコードを書きながら、表示を確認してWebサイトを作れるソフトです。今のWeb制作では、画面のデザインはFigma、コードは無料のコードエディタで書く、という分け方もよく見られます。
Adobeの料金プラン(2026年9月時点)
| プラン | 内容 | 料金(税込・年間プラン月々払い) |
|---|---|---|
| Creative Cloud Pro | Photoshop・Illustratorなど20以上のアプリ | 通常価格 月額9,080円 |
| 単体プラン | Photoshop、Illustrator、InDesign、Premiere、After Effectsなどから1つ | 月額3,280円(Photoshopは3,300円) |
| フォトプラン | Photoshop、Lightroom、1TBのストレージ | 月額2,380円 |
Creative Cloud ProやIllustratorなどには7日間の無料体験があり、学生・教職員向けの割引プランもあります。期間限定の割引価格が表示されていることもあるので、公式の料金ページで最新の価格を確認しましょう。写真の加工だけが目的なら、PhotoshopとLightroomがセットになったフォトプランが割安です。
Adobe以外の人気デザインソフト

Figma:Web・アプリの画面デザイン
ブラウザやアプリで使える、Webサイトやアプリの画面デザイン用のツールです。1つのファイルを複数人で同時に編集でき、ボタンを押したときの動きなどを試作(プロトタイプ)することもできます。無料のStarterプランがあり、Webデザイナーを目指す人が最初に覚えるツールとしても人気です。
Canva:テンプレートで手軽にデザイン
用意されたテンプレートの文字や写真を入れ替えるだけで、SNS画像、チラシ、プレゼン資料などを作れるツールです。デザインの経験がなくても使いやすく、無料プランがあります。素材やテンプレートを増やしたい場合は、有料のCanvaプロ(年額11,800円/人)もあります。
Affinity:画像編集・ベクター・レイアウトが1つに
Canvaが提供するデザインソフトで、写真の編集、ベクターのデザイン、ページのレイアウトを1つのアプリで行えます。公式サイトでは「個人は無料」と案内されています(2026年9月時点、Mac・Windows対応、iPad版は準備中)。PhotoshopやIllustratorの形式のファイルも開けるため、有料ソフトの前に本格的な操作を練習したい人に向いています。
無料で使えるデザインソフト
お金をかけずに始めたい人は、次の無料ソフトから試してみましょう。
- GIMP:無料・オープンソースの画像編集ソフト。Windows・Mac・Linuxで使えます。写真の加工など、Photoshopと同じような作業を練習できます
- Inkscape:無料のベクター画像編集ソフト。ロゴやイラストなど、Illustratorと同じような作業を練習できます
- Affinity:個人は無料。画像編集・ベクター・レイアウトを1つのアプリで使えます
- Figma・Canva・Adobe Express:無料プランで基本機能を使えます
- Blender:無料・オープンソースの3DCGソフト。モデリング、アニメーション、レンダリングまでできます
- DaVinci Resolve:無料版がある動画編集ソフト。編集、色の調整、音の編集などができます
デザインの考え方やソフトの使い方を学べるサイトは「デザインの勉強におすすめのサイト10選」で紹介しています。
職種・用途別:デザイナーが使うソフト
どのソフトを使うかは、目指す仕事によって変わります。代表的な組み合わせは次のとおりです。
- Webデザイナー:Figma、Photoshop、Illustrator+HTML・CSSを書くコードエディタ
- グラフィックデザイナー(広告・チラシ・ロゴ):Illustrator、Photoshop
- パッケージデザイン:Illustrator(展開図やデザインの作成)、Photoshop
- 出版・編集(DTP):InDesign、Illustrator、Photoshop
- 映像クリエイター:Premiere、After Effects、DaVinci Resolve
- 工業デザイン(製品デザイン):Autodesk Fusionなどの3D CAD、Blender
- 衣装・ファッションデザイン:デザイン画や図案をIllustratorやPhotoshopで作ることが多く、目的によって3Dソフトも使われます
工業デザインで使われるAutodesk Fusionは、3D CAD(設計)やCAM(製造)などを1つにまとめたソフトで、非商用で年間の収益が1,000米ドル未満などの条件を満たせば、個人用の無料版を使えます(2026年9月時点)。
デザインの資格を目標にしたい人は「おすすめデザイン資格8選」も参考にしてください。
初心者のデザインソフトの選び方

- 作りたいものから選ぶ:写真ならPhotoshop系、ロゴ・イラストならIllustrator系、Webやアプリの画面ならFigma、SNS画像や資料ならCanvaが入り口です
- まずは無料で試す:GIMP・Inkscape・Affinity・Figma・Canvaの無料版や、Adobeの7日間の無料体験で操作感を確かめましょう
- 仕事にするならAdobeとFigmaを覚える:デザインの仕事ではPhotoshop・Illustratorのファイルでやり取りすることが多く、Web業界ではFigmaもよく使われます。仕事を目指すなら、いずれ触れておくと安心です
- 1つを使いこなしてから広げる:たくさんのソフトを少しずつ触るより、1つで作品を完成させる方が上達につながります。操作の考え方は似ているため、2つ目以降は覚えやすくなります
デザインソフトの有料版と無料版の違い
| 比べる点 | 有料ソフト(Adobeなど) | 無料ソフト(GIMP・Inkscapeなど) |
|---|---|---|
| 費用 | 月額や年額の支払いが必要 | 無料 |
| 仕事での使いやすさ | 取引先とファイル形式をそろえやすい | 相手の使うソフトと形式が合わない場合がある |
| サポート・学習情報 | 公式サポートがあり、解説書や講座も多い | 公式の窓口はなく、コミュニティや解説サイトで調べる |
練習なら無料ソフトでも十分に作品を作れます。仕事にするなら、取引先とのやり取りを考えて有料ソフトも使えるようにしておくと安心です。
Webデザインを仕事にするなら、ソフトとHTML・CSS、英語をセットで
Webデザイナーは、画面をデザインするだけでなく、HTMLやCSSで実際のページとして形にできると仕事の幅が広がります。また、Web技術の情報は英語で先に公開されることが多く、英語で調べられると学べる範囲も広がります。
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デザインソフトについてよくある質問
デザインソフトとは何ですか?
写真の加工、ロゴやイラスト、Webサイトやアプリの画面、印刷物、動画などを作るためのソフトです。画像編集、ベクター、レイアウト、UIデザイン、動画、3Dなど、作るものによって種類が分かれます。
初心者におすすめの無料デザインソフトは?
写真の加工ならGIMP、ロゴやイラストならInkscape、どちらもしたいならAffinity(個人は無料)がおすすめです。SNS画像や資料を手軽に作るならCanvaの無料プラン、Webの画面デザインならFigmaの無料プランから始めましょう(2026年9月時点)。
PhotoshopとIllustratorはどちらから覚えるべき?
作りたいもので決めましょう。写真やWeb用の画像を扱うならPhotoshop、ロゴやイラスト、チラシを作るならIllustratorからがおすすめです。仕事にするなら、最終的には両方を使えるようにしておくと安心です。
Adobeのソフトは無料で試せますか?
Creative Cloud ProやIllustratorなどには7日間の無料体験があります(2026年9月時点)。体験期間が終わると有料プランに切り替わるため、続けない場合は期間内に解約の手続きをしましょう。条件は公式サイトで確認してください。
まとめ:作りたいものに合わせて、まずは1つのソフトから始めよう

デザインソフトは、写真・ロゴ・印刷物・Web・動画・3Dなど、作るものによって向いているものが違います。仕事でよく使われるのはAdobeのPhotoshopとIllustrator、Webの画面デザインではFigmaです。まずは無料のソフトや無料体験で操作に慣れ、作りたいものに合ったソフトを1つ選んで、作品を1つ完成させるところから始めてみましょう。
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