フィリピンは、世界中から多くの留学生が訪れる人気の国です。
その中でも、語学学校が多く集まり選択肢が豊富なのがセブ島とマニラ。
しかし、留学先を選ぶうえで多くの方が気になるのが「治安」ではないでしょうか。
リゾート地としても有名で観光客が集まるセブ島と、フィリピンの首都であり大都市のマニラのどちらにも魅力はありますが、安全面には違いがあります。
そこで本記事では、フィリピン全体の治安事情を踏まえながら、セブ島とマニラの治安を比較し、気をつけることも解説します。
記事のもくじ
フィリピンで留学生が注意すべき犯罪の種類
フィリピンでの留学生活を安全に過ごすためには、現地で発生しやすい犯罪の種類を事前に知っておくことが重要です。
スリ・置き引き
フィリピンでは、公共交通機関や観光地、ショッピングモールなどでスリや置き引きが多く発生します。
留学生はバッグやスマホを体の前で持つようにし、ポケットには最低限の現金だけを入れると安全です。
混雑した場所では周囲に注意を払い、カバンの開閉口を体側に向けることも大切です。
ぼったくり
タクシーの不正請求や両替所でのレート詐欺など、留学生や観光客を狙った詐欺も報告されています。
利用する交通手段や両替所の信頼性を事前に確認し、安易にお得な話や不自然に良い条件に飛びつかないことが重要です。
暴行・強盗
夜間の路地や人通りの少ない場所では、強盗や暴行のリスクが高くなります。
単独で夜間に外出することは避け、信頼できる交通手段を利用するのがベストです。
ネット詐欺
SNSやマッチングアプリを通じた金銭トラブルも報告されています。
見知らぬ相手に個人情報や送金を行わないよう注意し、ネット上でのやり取りは慎重に行いましょう。
フィリピン・セブ島とマニラの治安比較
結論として、安全性や安心感を重視するならセブ島、都市型の体験やショッピングを重視するならマニラという選び方が目安になります。
両都市は都市の規模や観光地としての特性が異なるため、治安にも大きな違いがあります。
全体的な安全度
セブ島とマニラの治安を比較すると、まず感じられるのは都市規模と人の多さによる違いです。
セブ島はリゾート地として観光客を受け入れる体制が整っており、ホテルやショッピングモール周辺は警備員が常駐しています。
軽犯罪(スリ・ぼったくり)は発生しますが、基本的な注意を守れば回避しやすく、留学生や観光客にとって比較的安心できる環境です。
マニラは首都であり人口が多く、経済格差も激しいため、治安状況がエリアごとに大きく異なります。
マカティやBGC(ボニファシオ・グローバルシティ)のような近代的なビジネス街は安全性が高い一方で、トンド地区などはスラム街が広がり、留学生や観光客にとって危険度が高い地域です。
語学留学
セブ島はフィリピンの中でも語学学校が集中しているエリアで、日本人スタッフ常駐や学生寮完備など、留学生が安心して生活できる環境が整っています。
学校が空港送迎を手配してくれることも多く、初めての海外留学先として選ばれる理由になっています。
参考:ITパークはセブ島留学のおすすめ滞在先!治安の良い場所で現地交流が楽しめる
マニラにも質の高い語学学校はありますが、周辺環境の複雑さや交通渋滞、治安の不安定さから、ある程度海外経験がある人や「都市型の留学生活」を望む人向けといえます。
観光
セブ島は、マリンアクティビティやアイランドホッピングなどの観光資源が豊富で、観光客向けに整備されたリゾート施設も多いため、留学中にも安心して旅行を楽しめます。
ホテルやツアー会社も観光客の安全に配慮しており、トラブルに巻き込まれるリスクは比較的低めです。
マニラは、イントラムロス(スペイン統治時代の要塞都市)や大規模ショッピングモールなど、都市ならではの観光スポットがありますが、観光ルートを少し外れると危険なエリアに入ってしまうリスクがあります。
特に夜の繁華街は犯罪が発生しやすいため、観光初心者には不向きです。
女性一人旅・子ども連れ
セブ島はリゾートエリア内にセキュリティが行き届いているホテルや施設が多いため、女性の一人旅や子ども連れの滞在にも向いています。
ビーチリゾートで過ごすスタイルなら、ほとんどの時間を安全なエリアで完結できるのも安心材料です。
マニラは都市的な魅力がありますが、夜間の外出や人通りの少ない場所は特に危険度が高いため、女性一人での旅にはあまり向きません。
子ども連れの観光でも、行動範囲や時間帯をかなり制限する必要があります。
フィリピン・セブ島の治安
セブ島の治安について見ていきます。
特徴
セブ島はフィリピン屈指のリゾート地として知られており、観光エリアや高級リゾートホテル周辺は比較的治安が安定しています。
特にマクタン島のリゾートエリアやセブシティ中心部のショッピングモール周辺は、警備員も配置されていて安心して過ごせます。
ただし「観光地だから完全に安全」というわけではなく、基本的な注意は必要です。
危険なエリア
セブ島の中でも治安に注意が必要なエリアは以下の通りです。
- ダウンタウン(コロンストリート周辺):地元色が強く、観光客を狙ったスリや置き引きが発生しやすい地域。昼間でも油断は禁物です。
- 歓楽街周辺:夜間のバーやクラブでは、過剰請求やトラブルに巻き込まれる可能性があります。
- 人通りの少ない裏路地や住宅街:夜間に一人で歩くのは避けるべきです。
安全なエリア
比較的安全に滞在できるエリアは以下の通りです。
- マクタン島リゾートエリア:高級ホテルやビーチリゾートが集中しており、警備体制が整っています。
- ITパーク:高層オフィスやカフェ、レストランが集まるビジネス街で、警備体制が整っており、夜間も比較的人通りがあるため安心です。
- ショッピングモール周辺(アヤラモール、SMシーサイドなど):セキュリティチェックが厳しく、観光客向けに安全が確保されています。
フィリピン・マニラの治安
マニラの治安について見ていきます。
特徴
マニラはフィリピンの首都であり、経済や政治の中心地です。
そのため観光客やビジネス目的の訪問者も多く、警備体制が整った地域もあります。
しかし同時に、貧困層が多く暮らすエリアもあり、治安の差が激しいのが特徴です。
危険なエリア
マニラの中でも治安に注意が必要なエリアは以下の通りです。
- ダウンタウン(マラテ周辺):夜間の外出は避け、バーやクラブではトラブルに巻き込まれないよう注意が必要です。
- スラム街や貧困地域(トンド地区など):犯罪率が高く、観光客は立ち入らないほうが安全です。
- 人通りの少ない裏路地や住宅街:夜間に一人で歩くのは避けるべきです。
安全なエリア
比較的安全に滞在できるエリアは以下の通りです。
- マカティ:高層ビルやショッピングモールが多く、警備員も常駐しています。外国人にとって滞在しやすいビジネス街です。
- ボニファシオ・グローバルシティ(BGC):近代的な都市開発エリアで、治安が良く、外国人駐在員も多く暮らすエリアです。
- 観光ホテル街:主要なホテル周辺は警備体制が整っており、夜間でも安心できることが多いです。
フィリピン・セブ島とマニラの治安対策で気をつけること
セブ島もマニラも、留学生が安心して滞在するためには、基本的な防犯対策を徹底することが大切です。
都市ごとの特徴はありますが、共通して意識すべきポイントをまとめました。
移動方法
- 流しのタクシーやジプニーは料金トラブルやスリのリスクがあるため、Grabや公式タクシーを利用する。
- 深夜の移動は犯罪リスクが高まるため、できるだけ避ける。
- 行き先やルートを事前に確認し、知らない道や人通りの少ない裏路地には入らない。
貴重品の管理
- 財布やスマホは肌身離さず管理する。
- 高額な現金やクレジットカードは必要最低限だけ持ち歩く。
- ビーチや観光スポットでは荷物を置きっぱなしにしない。
外出の仕方
- 夜間は人通りの多い安全なエリアを利用する。
- 繁華街や歓楽街はトラブルが起きやすいため、特に女性や子ども連れは注意。
- 知らない人に声をかけられても、安易に応じない。
滞在先の選択
- ホテルや学校寮は警備体制が整った安全な場所を選ぶ。
- 留学生の場合、学校が提供する送迎サービスや安全マニュアルを活用する。
- 滞在先周辺の治安情報を事前にチェックし、安全エリアに滞在する。
緊急時の準備
- 現地の緊急連絡先(警察、救急、学校)をスマホに保存しておく。
- パスポートや重要書類のコピーを別に保管しておく。
- 旅行保険や留学保険に加入し、万一のトラブルに備える。
【参考】安全に通えるセブ島語学学校5選
安全な場所にあり、警備体制やサポートがしっかりしているセブ島語学学校を5校紹介します。
QQ English
セブ島留学でも特に知名度の高い語学学校の1つで、ITパーク校とシーフロント校の2つのキャンパスがあります。
講師全員がオフィス勤務の正社員で、国際英語教授資格「TESOL」を保有しており、550時間の厳しい研修をクリアしています。
評価制度を導入して日々授業の改善をしているので、講師の質はNo 1。
世界的に評価の高い「カランメソッド」を正式導入しており、この授業を選択すると、速いテンポで反復する形式で「話す力」と「リスニング力」を同時強化できます。
入学のタイミング、留学日数を自由に選択でき、忙しい社会人でも柔軟にスケジュールを組めるのも魅力です。
SMEAG Global Education
セブ島で最大級の規模を誇る日系語学学校で、TOEIC、TOEFL、IELTS、ケンブリッジの公式試験会場に認定されています。
すべてのコースを受講可能で、スパルタクラスを提供しているキャピタルキャンパスと、開講コースは限られるもののジムやプールなどの施設が充実し、新しくきれいな施設のエンカントキャンパスの2つから選べます。
ほとんどが日本人留学生という学校も多い中、SMEAGは、留学生のおよそ30%が日本人、70%は外国人という国籍比率なので、授業以外の時間も日常的に英語力を伸ばしたり多文化に触れたりできます。
Brilliant CEBU English Academy
セブ島中心部に位置する大型ショッピングモール「ガレリアセブ」と一体となった宿泊ホテル、校舎で学習できます。
ショップが充実しているのはもちろん、同じ建物内にプール、ジム、両替所、ランドリーショップもあるので、外出することなく便利に生活できるのが魅力です。
利便性抜群のロケーションに加え、留学生の受け入れ定員は最大40名、祝日も授業が行われるといったきめ細やかな環境があるるので、短期留学でも最大限効果を発揮できるでしょう。
Brilliant CEBU English Academy公式ページ
GLC
寮が併設されたキャンパスには、プールやフィットネスジム、卓球、ゲームルームなどが備わっており、国際色豊かな留学生が在籍しています。
一般英語コースの他、資格試験対策コース、インターンシップやボランティアができるコース、子ども向けのコースなど、個々の目的に応じてコースを選択できるのが魅力。
毎週学内でヨガ、映画、料理などのアクティビティ、月2回土曜日に市内観光やジンベイザメと泳ぐオスロブツアー、ボランティアなどの外部でのアクティビティを実施しているので、多くの学生との交流、様々な体験の機会をもてます。
CAEA
日本資本のホテル「ホテルASIA」と一体化した語学学校で、ウォシュレット付きトイレ、バスタブ(スタンダードルーム以上)、デスク、電気ケトルなどの設備や無料の洗濯サービス、部屋の掃除、シーツ交換といった衛生面のサポートが充実しています。
授業はすべてマンツーマンレッスンで、ペアコース、付き添いコース、友人家族3名1室コースといったコースもあり、親子、カップル、友人との留学も可能。
授業内容や宿泊施設のサービスが充実しているわりにお手頃な費用で留学できるのが魅力です。
フィリピン・セブ島とマニラの治安比較のまとめ
フィリピン留学を考える際、セブ島とマニラにはそれぞれの魅力と注意点があります。
マニラは首都ならではの利便性や選択肢の豊富さがある一方で、治安面では地域差が大きく、初心者にはやや不安が残る環境といえるでしょう。
一方、セブ島は観光都市として発展しており、ITパークやセブビジネスパークなど安全性の高いエリアが多く整備されています。
留学生にとっても生活しやすく、比較的安心して学びに集中できる環境が整っているため、治安面を重視するならセブ島を選ぶのがおすすめです。
最終的には目的やライフスタイルによって選択は変わりますが、「初めてのフィリピン留学で安心して学びたい」という方には、セブ島がより適した環境といえるでしょう。