このような疑問に答えるべく、Pythonの人気の高さを数値で解説し、その理由について解説する記事です。
具体的には次の順番でお話ししていきます。
- 数値で見るPythonの人気の高さ
- Pythonの人気のきっかけ
- Pythonが人気である理由4つ
- Pythonを学ぶ際の注意点
これからPythonを学ぼうと考えている人や、Pythonを学ぶべきか悩んでいる方向けの記事ですので、ぜひご覧ください。
記事のもくじ
数値で見るPythonの人気の高さ
はじめに、Pythonは非常に人気の高いプログラミング言語です。「Pythonの人気が高い」ということを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
では実際にどのくらい人気があるのかを数値として見てみましょう。
日経XTECHが実施した調査によれば、ITエンジニアが今後スキルを磨きたいプログラミング言語として1位になった言語がPythonです。1,000人のITエンジニアのなかで、実に670人ものITエンジニアがPythonを選びました。
また、Pythonは日本だけでなく世界的に人気が高いものです。
調査会社のRedMonkが公開した2020年1月時点でのプログラミング言語人気ランキングによれば、JavaScriptに次いで2位となっています。
ほかにも多くの機関がプログラミング言語の人気度をチェックしていますが、いずれのランキングでもPythonは上位に位置しており、数値としてみてもPythonが非常に人気の高い言語であることがわかります。
参照元)
The RedMonk Programming Language Rankings: January 2020(RedMonk)
Pythonの人気のきっかけは「AI(人工知能)」
近年、Pythonがここまで人気となったきっかけとしては、「AI(人工知能)」技術の発達が挙げられるでしょう。
AIブームは1950年代後半から現在に至るまでに数回訪れており、2010年から現在に至るまでは「第3次AIブーム」となっています。
第3次AIブームはビッグデータと呼ばれる大量のデータを用いることで、AIが自ら知識を獲得する機械学習が実用化されました。
そして、Pythonでは機械学習を実装するためのフレームワークやライブラリが用意されており、AI開発で利用される言語として人気が高まったと見られます。
また、機械学習だけでなく、知識を定義する要素をAIが自ら習得するディープラーニング(深層学習)が登場したことでAIブームはさらに加速しました。
そして、Pythonはディープラーニング用のフレームワークやライブラリも用意されています。
このことから、「AI開発をするならPython」と言われるほど確固たる地位を確立し、今日の人気の高さに繋がっているのです。
さらに、PythonはAI開発だけで利用される言語ではありません。Webサービスの開発や自動データ処理や分析なども行え、その万能性も評価されています。
Pythonが人気のポイント4つ
ここからは、Pythonが人気のポイントを具体的に見ていきましょう。多くの理由が挙げられますが、ここでは4つのポイントに絞り、一つずつ解説していきます。
敷居の低さ
Pythonはもともと読みやすさ・書きやすさを重視して開発されたプログラミング言語です。
そのため、少ないコード量でプログラムを実装でき、初心者でも理解しやすい言語となっています。
プログラミング初心者にとって、コードはまるで呪文のように見えますが、Pythonはできるだけその敷居を低くすることに注力しているのです。
初心者が初めて学ぶプログラミング言語としても最適であり、習得の敷居の低さは人気の理由として挙げられます。
また、後ほど詳しく解説しますがPythonはさまざまな分野で活用されており、プログラミング中級者・上級者でも満足できる言語となっています。
初心者から上級者まで、幅広い層に対応していることで、人気が高い言語となっているのです。
機能性
Pythonでは非常に多くのフレームワークやライブラリを簡単に追加して利用できます。
必要に応じてライブラリなどを追加して開発が行える機能性の高さが、人気の理由の一つといえるでしょう。
最近ではPythonといえばAI開発というイメージが強いといえますが、そのほかにも多くの開発が行なえます。
それを支えるものがフレームワークやライブラリの豊富さなのです。
さらに、WindowsやMac、Linuxなど主要なOSをサポートしており、さまざまな環境で動作させることが可能です。
Pythonの機能性の高さはそのまま万能性にも通じています。AI開発を始めとした機能性の高さ(万能性)が最大の人気の理由といえるでしょう。
活用範囲の広さ
PythonはAI開発をはじめとして、次に挙げるような開発が行なえます。
- AI開発
- 自動データ処理、分析
- Webサービス、Webアプリケーション開発
- Webスクレイピング
など
先程もお話ししたとおり、Pythonの万能性は非常に評価されており、さまざまな分野で活用されています。この活用範囲の広さもPythonの人気の理由の一つです。
Pythonでできることや、具体的な開発用途・主要パッケージについて知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
将来性
Pythonは非常に将来性のあるプログラミング言語といえ、そのことが人気の理由の一つとなっています。
たとえば、BIZREACHの調査したプログラミング言語別年収中央値ランキングでは、Pythonは575.1万円で第3位となっています。
年収の高さはそのまま対象言語における将来性の高さを表しているともいえ、このことからもPythonの将来性が高いことが見えるのではないでしょうか。
また、開発者がコーディングに関する疑問を解消できるサイトである「Stack Overflow」の調査では、同サイトでのタグに「Python」がつけられた質問への訪問者数をグラフ化したものが公開されています。
そのなかでは、2012年から急速に伸び続け、他の言語を超えて最も注目されている言語であることがわかります。
Stack Overflowは世界規模のサイトであり、同サイトでの注目度の高さはそれだけその言語を利用している人の多さを表しているといえるでしょう。
このことから、Pythonの人気の高さや将来性の高さが見えてきます。
参照元) プログラミング言語別年収中央値を発表、求人検索エンジン「スタンバイ」調べ(BIZREACH)
人気のPythonを学ぶ際の注意点
ここまで読み進めた頂いた方には、Pythonが非常人気である背景が理解いただけたと思います。
「Pythonを学んでみたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際にPythonを学びはじめる前に注意しなければならない点がありますので、2つの注意点について紹介します。
Pythonのバージョンに注意
Pythonは大きく分けて2系と3系の2つのバージョンが存在します。
Pythonの2系は2020年1月をもってサポートが終了しており、間違って2系を利用しないように注意しましょう。
2系と3系は互換性がなく、コードの記述方法も異なるものです。
今から2系で学習を進めてしまうと使えなくなってしまうため、必ず3系で学習を進めるようにしましょう。
2系で動作しているPythonアプリケーション・サービスも未だ多く存在しますが、徐々に3系に移行し始めています。
従来のUnix系OSでは、Pythonの2系がプリインストールされている場合が多いものですが、これから学習を進める場合は新規に3系を用意することをおすすめします。
Pythonの開発環境を準備する方法としては、こちらの記事でPythonの基礎から解説していますので、ぜひご覧ください。
学ぶ目的のすり替えに注意
ここまで読み進めた頂いた方のなかには、「Pythonは人気が高いから学びたい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、学ぶ目的のすり替えには注意しましょう。
プログラミング言語はあくまでも「手段」であり、言語を習得することは「目的」になりません。
イメージとしては、「良い大学を卒業して大手企業に就職したい」「自身の専攻したい分野の知識を深めるために良い大学に入学したい」といった目的のために大学入学を目指すはずが、「大学に入学すること」が目的となってしまっていることに似ています。
プログラミング言語は、「AI開発をしたい」「Webサービスを作りたい」といった目的を達成するための手段でしかなく、「特定のプログラミング言語を習得したい」ということは目的とはならないのです。
プログラミング言語の習得を目的とすることは、辞書を丸暗記することとほぼ同義と考えてよいでしょう。
プログラミング初心者ほど陥りやすい点ですので、学ぶ目的のすり替えには注意する必要があります。
まとめ:人気のPythonを身につけよう!
Pythonは日本だけでなく世界中で人気が高い言語です。
そのきっかけとしては第3次AIブームの到来が挙げられますが、PythonはAI開発だけでなくさまざまな分野で活用できます。
Pythonが人気の理由としては、プログラミング初心者から上級者まで扱いやすい言語であることが挙げられ、万能性や将来性の高さも人気のポイントといえるでしょう。
Pythonを学ぶ際には、2系と3系のバージョン違いや学ぶ目的のすり替えに注意して学習を進めなければなりません。
PythonはWebサービスの開発や、Webスクレイピング、自動データ処理・分析の分野でも活用できるため、それらの実現を目的に人気のPythonを身につけてみてはいかがでしょうか。