日本でうつ病になる方は、年々増加傾向にあります。
『厚生労働省』によると、日本では100人に6人がうつ病を発症していて、その最大の利用は「仕事上の人間関係」という調査結果があります。
うつ病と仕事は密接な関係にあり、職選びは重要です。
そこで本記事では、うつ病の方でも長く働けるおすすめの仕事を紹介します。
さらに、うつ病の方の就職を支援する団体もいくつか解説します。
「うつ病でも働ける職種を知りたい」「うつ病を発症したけど仕事を探したい」と考えている方の疑問に回答する内容なので、ぜひ最後までご確認ください。
記事のもくじ
うつ病の人でも長く働けるおすすめの仕事
大きなプレッシャーやハードワークの仕事は、うつ病の経験がある方は避けるのがおすすめです。
ここでは、うつ病を患っていたり過去に経験があったりする方におすすめの仕事を紹介します。
職探しのヒントにしてください。
スキルを活かした在宅ワーク
うつ病の経験や傾向のある方は、スキルを活かした在宅ワークが向いています。
具体的には以下のとおりです。
- Webライター
- Webデザイナー
- エンジニア
基本的に一人で作業を進める仕事がおすすめです。
近年では、テレワークを主流とする職場も増えてきました。
在宅で仕事ができるか確認したり転職したりして、環境を整えてみてください。
また、会社員の働き方が合わないので、フリーランスを目指したいと考える方もいるのではないでしょうか。
フリーランスは時間や場所にしばられない働き方ができますが、お金の管理や仕事の調整は基本的にすべて自分で行わなければいけません。
そのため、なかにはプレッシャーに感じてしまう方も多くいます。
フリーランスを目指す場合は、納期やスケジュールにゆとりが持てるかを確認しておくのがおすすめです。
データ入力などの事務職
データ入力や事務作業は、作業工程がシンプルです。
仕事内容の変化や成果で評価されることも少ないです。
精緻な作業が求められるので、細かい部分まで気づけるような方は向いています。
しかし、職場の人間関係で悩んでしまったりスケジュールを立てて働かなくてはいけなかったりするのが苦痛に感じることもあります。
後述しますが、ハローワークや障がい者雇用に詳しい転職アドバイザーに事前に職場の雰囲気を聞いて転職するのが重要です。
商品の仕分けなどの作業
商品の仕分け工場のような職種は、一人で作業をすることが多いです。
厳しいノルマも少なく、自分のペースで仕事ができます。
ただ、地域や時期によっては配送する商品が多いとハードスケジュールになる場合もあります。
また、荷物を持ち上げたり運んだりする必要があるので体力が必要です。
女性や体力に自信のない方は大変に感じる場合もあります。
重い荷物を持つような作業が苦手な方は、本や小物などの仕分けをするのがおすすめです。
うつ病の人の仕事探しをサポートする団体
うつ病を経験した方は、一般的な転職サービスを利用するよりも、うつ病に理解のあるサポーターや求人のある団体を利用するのがおすすめです。
ここでは、うつ病の方でも転職先を見つけやすい団体を紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
ハローワーク
ハローワークには、精神障がいに関する知識を備えた相談員が配属されています。
うつ病の方に対する就職や転職の支援をする状況が整っているのです。
障がいのある方向けの求人だけでなく、一般の求人にも応募できるような体制となっているので、幅広く職選びが可能です。
さらに、面接への同行や就職相談会が行われているので、就業経験がなかったり少なかったりする方は、ぜひご利用ください。
障がい者対象のエージェント
一般雇用を取り扱っているエージェントよりも、障がい者対象のエージェントを利用するのがおすすめです。
障がい者対象のエージェントは、就労支援事業所や福祉事業所のような障がい者の雇用に強い求人を取り扱っているからです。
アドバイザーも障がい者雇用に詳しい方が多いので、転職相談や職場の内部情報を知ることができます。
登録料は無料で利用できるので、転職や就職の相談だけでも問題ありません。
就労移行支援
就労支援事業所を運営する『LITACO WORKS』によると、就労移行支援とは、障がいを抱えた方が就職をするためのスキルを磨くプログラムの実施や就職・就職後の定着支援を行う場所のこととされています。
「働きたいけど働けない」「なかなか仕事が見つからない」と考えている方の相談に乗り、一般企業に就職するための知識やスキル習得を目指します。
また、実際に職場見学を実施したり実習を行ったりして、理想の職場探しを支援します。
定期面談やスタッフとの連絡を継続することがあり、不安点や疑問をすぐに聞けるので就職後も安心して働けるでしょう。
障がい者職業センター
障がい者職業センターとは、障がいのある方が希望する職種の知識やスキルを磨ける施設です。
ハローワークや医療職と協力し、どのような仕事に就きたいのかヒアリングをして、その分野に特化したスキルを磨けるように働きかけてくれます。
また、リワーク支援と呼ばれる職業カウンセラーや主治医と連携をして、職業復帰に向けた取り組みも行われています。
医療従事者やカウンセリングの専門家が介入するので、抱えている障がいを活かせるような仕事を提示してくれるでしょう。
無理なく働き続けられる職場を選びやすいのが特徴です。
うつ病の人が仕事を探すときの注意点
うつ病の方は環境の変化に対応するのがむずかしいです。
すぐに職探しをしたいと考えている方もいるかもしれませんが、慎重に取り組む必要があります。
ここでは、うつ病の人が仕事を探すときの注意点を解説します。
治療期間を設ける
すぐに就職活動をするのではなくて、治療期間を設けるのが重要です。
精神科や心療内科に通い、ウォーキングなどの軽い運動をしつつ健康的な食事や規則正しい睡眠を心がけましょう。
とくに睡眠はメンタルに大きな影響を与えます。
日中に活動できるように、夜はなるべく早めに寝るようにしましょう。
日中の活動量が増えてきたら、就職活動や転職活動を始められるか主治医に聞いてみてください。
規則正しい勤務時間の仕事を探す
うつを経験した方が働く場合、職場の勤務時間は重要です。
生活リズムが崩れてしまうと、睡眠や食事のバランスも崩れてしまい、再びうつを発症してしまうケースがあるからです。
たとえば夜勤のある仕事だと生活リズムが崩れやすいので、働く時間はほぼ固定で決まった時間内での勤務が可能な職場を選びましょう。
通院が可能な仕事を探す
うつ病はふとしたきっかけで復活してしまう可能性もあるので、復職したあとも通院をする必要があります。
そのため、勤務地なども考慮して通院が可能な職場を選ぶのがおすすめです。
しかし働きながら通院するのは決して簡単なことではありません。
仕事に慣れたり忙しくなってきたりすると、通院するのを辞めてしまう方もいます。
うつ病は、トレーニングと同じで長期戦です。
医師との相談や服薬を続けることで、経過がよくなります。
仕事を探す前にプログラミングスクールで学ぶのもおすすめ
うつ病を経験したあとに転職先を探す方もいますが、スキルを磨くのも大切です。
特におすすめなのがプログラミングです。
プログラミングとは、コンピューターに指示を出すための言語で、アプリケーションの機能やWebサイトの動作などには絶対に必要とされます。
ここからは、なぜプログラミングを学んだほうがいいかを具体的に解説します。
うつ病を経験した方は適性がある
エンジニアは技術職なので、パソコンで作業をする機会が多いのが特徴です。
プロジェクトメンバーとのコミュニケーションはありますが、基本的にもくもくと仕事をするのが得意な方が向いているでしょう。
少し前のエンジニアの世界はブラック労働が多いイメージでしたが、最近では働き方改革を推進していて、フレックス制やテレワークを実現している企業が増えてきました。
ホワイトな環境であれば、時間をコントロールしてゆとりを持って働けます。
スキルを得たら選択肢が広がる
うつ病を支援する団体からの転職先は、就労支援事業所や介護事業所の割合が大きいです。
しかし、スキルを磨けば選べる仕事の選択肢が増えます。
プログラミングスキルがあれば、エンジニアやWebデザイナーになることも可能です。
幅広い職種から選べるのは、求職者には大きなメリットです。
需要の高いスキルが身につく
現代は変化が激しいため、エンジニアのようなIT技術者は慢性的な人手不足におちいっているので、着実にスキルを磨けばIT業界に転職できる可能性もあります。
また、スキルを磨いていけば市場価値を高めていき給料も増やしていけます。
エンジニアは常に売り手市場なので、職場が合わなかったらすぐに転職することも可能です。
自信がつく
スキルは自信につながります。
「自分にもこんなことができるんだ」という成功体験は自信を生み、仕事への意欲になります。
仕事に対して自信が持てない方は、まずスキルを磨いてみるのも一つの方法です。
とくにプログラミングは、むずかしいスキルと言われていますが、ゲーム感覚で徐々に上達を楽しむ方もいます。
少しずつスキルを磨いてレベルアップしていく感覚が好きな方は、ぜひ始めてみてください。
まとめ:仕事探しは焦らずに行いましょう!
うつ病を経験した方におすすめの職種や転職支援の団体を紹介してきましたが、最も大切なのが職探しを焦らないことです。
うつ病を経験した方は、急な変化やプレッシャーを感じる環境を苦手とします。
「早く転職をしないと」と考えて職探しを焦ってしまうと、再びうつ病を発症したりその傾向に近い症状が出てしまったりします。
早く就職を決めたいと考える気持ちはあると思いますが、自分のペースで取り組むことを意識しておきましょう。
冷静に判断をして、長期的に働けるいい職場を見つけてください。