コロナ禍の影響もあり企業のリモートワークが大きく普及しましたが、総務省のデータによると82.1%の企業で「リモートワークは効果があった」と回答しています。
では実際に企業や社員は、どのような効果を実感しているのでしょうか。
本記事では、企業と社員それぞれがリモートワークを取り入れて感じたメリット・デメリットを紹介します。
リモートワークを導入する意味や理由が明確になる内容となっているので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
記事のもくじ
企業がリモートワークを取り入れると起こるメリット・デメリット
総務省のデータをもとに、企業がリモートワークを取り入れると起こるメリットとデメリットを紹介します。
それぞれ具体的に解説します。
メリット1.業務プロセスの改善
リモートワークを導入したことで、業務プロセスの改善につながった企業が多いようです。
理由はITツールを導入して仕事を進めることが増えたからです。
リモートワークを始める前までは、紙の書類でのやり取りや直接顔を合わせての会議をおこなうことで仕事を進めていました。
しかし今では請求書や精算書などバックオフィスを支援するツールを導入すれば、書類を作成する必要がありません。
またZoomやSkypeのような通信ツールを使用して遠方にいるクライアントや、社員とミーティングができます。
リモートワークを普及させるためにITツールを導入したことで、業務プロセスを改善できた企業が多く存在しています。
メリット2.事業運営費の削減
リモートワークが普及したことで、事業運営費の削減に成功した企業も多く存在します。
事業運営費とは事業を進めるにあたって必要な費用のことで、たとえばオフィスの賃借料や社員の通勤費などが挙げられます。
リモートワークにより、多くの企業でオフィスが不要となり、事業運営費の大きな割合を占めるオフィスの賃借料を削減しました。
そして結果的に社員の通勤費の削減にもつながっています。
コロナ禍で事業運営が苦しくなった企業も存在しましたが、リモートワークに移行したことで売上を取り戻したり安定させたりした会社が多いようです。
メリット3.人材の確保
多くの企業で人手不足が深刻化しつつありますが、社員の満足度を上げるためにリモートワークを導入する企業が増えています。
リモートワークを導入することで、通勤時間の短縮や削減・自宅での仕事が可能になります。
その結果、社員の満足度が上がり人材の確保につながるため、リモートワークを導入する企業が増えました。
企業にとってリモートワークを普及させることは、社員の満足度や定着率を上げるためにも必要な施策といえます。
メリット4企業ブランディングの向上
企業によってリモートワークをおこなうことは、ブランディングの向上につながります。
リモートワークを導入している企業は増えてきていますが、地方在住の方やITツールの導入に間に合っていない企業に勤めている方からすると革新的な企業と捉えられます。
そのため求人を確保するための企業イメージのアップとして、リモートワークを導入している企業も多いようです。
メリット5.BCP(事業継続計画)の確保
BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害や事件・事故など緊急事態が発生した際にも、事業を継続できるための手段や方法を計画しておくことです。
近年ではコロナ禍によって企業のBCPの重要性が問われました。
社員がコロナに感染したり濃厚接触者になったりすると、入院や自宅待機などを余儀なくされる場合があります。
そのため社員が出勤できなくなってしまうと、事業継続が危ぶまれます。
しかしリモートワークを導入すれば、社員は自宅でも仕事ができ事業の継続が可能です。
したがってテレワークを実施して業務を継続すると、企業の活動量の減少を抑えられます。
企業が事業の取り組みを強化するためにリモートワークは重要です。
デメリット1.リモート環境を整えるのに費用や時間がかかる
リモートワークのデメリットは、社内の環境を整えるのに費用や時間がかかる点です。
オンラインツールを導入していない企業はバックオフィスの支援ツールや、ミーティングツールを導入しなくてはいけないため費用が必要です。
オンラインツールに慣れていない企業であれば、いちから調べたり社内のマニュアルを作成したりしなくてはいけないので、体制を整えるのに時間がかかります。
ただし導入コストがかかったり社内体制に時間を要したりするのは、リモートワークを始めるまでです。
一定期間集中して取り組むことで、リモートワークの環境を整えられるので大きなデメリットではありません。
デメリット2.業務の進捗管理が難しい
リモートワークにより、業務の進捗管理が難しくなる場合があります。
リモートワーク以前ならオフィスに来れば、部下や上司と顔を合わせて仕事に関するコミュニケーションや仕事の進捗管理など手間をかけずにできました。
しかしリモートワークでは自宅やコワーキングスペースなどで仕事をするので、人とのコミュニケーション頻度が減ります。
進捗管理や部下の評価なども工夫しなければ、難しいでしょう。
個人がリモートワークを取り入れると起こるメリット・デメリット
総務省のデータをもとに、個人がリモートワークを導入するメリットやデメリットを紹介します。
社員にとってリモートワークはメリットがありますが、課題も多いようです。
メリット1.幸福度が上がる
リモートワークを導入することで、主観的な幸福度が上がりやすいといわれています。
総務省が発表している2018年におこなわれたリモートワークの研究では、主観的な仕事の満足度の影響を調査しました。
その結果リモートワークを導入したことで、労働時間や通勤時間・賃金など仕事に関することの満足度が上がったとしています。
リモートワークになると家族との時間が増え、家事や育児のシェアがしやすくなります。
また仕事の合間に友人と食事をしたりジムへ行ったりできるので、自分のペースで仕事に取り組めるのが、幸福度が上がる要因だと考えられるでしょう。
メリット2.生産性の向上
リモートワークを導入したことで、個人の生産性が上がると報告されています。
総務省の「情報通信白書」によると、多くの社員は勤務時間が長くなることよりも通勤時間が長くなることを避けたいと感じる傾向が強いようです。
そして実際にリモートワークは生産性を向上させる可能性が高いという研究データがあります。
つまり、柔軟な働き方は社員一人ひとりの生産性を高められる方法だといえます。
デメリット1.集中しづらい
家族構成や自宅環境によっては、仕事に集中しづらくなる可能性が高いのがリモートワークのデメリットです。
子どもが小さかったり家族が多かったりする家庭では、仕事に集中して取り組むのは難しくなります。
大事な会議やクライアントとの電話中に子どもの声が入ってしまい、仕事に支障が発生する可能性があるからです。
また1Kのような部屋が一つの自宅に住んでいる方は、仕事とプライベートの切り替えが大変です。
生活音が激しい地域に住んでいると、雑音が気になり仕事に集中できない場合もあります。
リモートワークをするなら、働く場所や時間を決めるなどの工夫が必要です。
デメリット2.環境を整えなくてはいけない
自宅で働く場合は、リモートワークを実施しやすい環境を整える必要があります。
具体的には以下のとおりです。
- デスク
- 椅子
- パソコン
- モニター
上記は最低限必要な物品で使いやすさやスペックの高い物を選ぶと、すべてそろえるのに10万円以上はかかるでしょう。
会社から支給されることもありますが、自分で用意しなくてはいけない場合もあります。
デメリット3.上司や先輩の協力を得にくい
ある海外の調査では、リモートワークを導入したことで生産性が落ちたと答える方が63%に及んでいます。
原因は上司や同僚とコミュニケーションが取りづらくなったこととしています。
オフィスにいればすぐ顔を合わせることで、コミュニケーションが取れました。
しかしリモートワークだと連絡手段はチャットツールとなり、社員によって返信する時間帯の違いや文章を作成しなくてはいけない手間が発生します。
そのためコミュニケーションコストが大きくなり、生産性の低下を実感している方が多いようです。
リモートワークの問題を解決する3つの方法
リモートワークで抱える問題を解決する方法を3つ紹介します。
リモートワークで起こる問題を解決すると、生産性や社員の満足度が上がりやすいので、ぜひ参考にしてみてください。
リモートワークの環境を整える
会社にオンラインツールが導入されていなかったり、社員の自宅がリモートワークの環境に整っていなかったりする場合はすぐに対応する必要があります。
オンラインツールを導入する際は、状況や用途にあわせて柔軟に活用するのがおすすめです。
たとえば社員との会話やイベントを開催するためのオンラインツールや、ファイルの共有ツールなどは別に用意して状況に応じて使い分けられるようにしましょう。
リモートワークを始めるならオンラインツールの導入は早めにおこない、会社や社員にとっての快適な仕事環境を整えるのがおすすめです。
社内のルールを明確化する
社内でリモートワークにおける返信時間や勤怠管理などのルールを明確化しておく必要があります。
オンラインツールを利用すると、メールや勤怠の管理は自由にできますが、煩雑になりやすいのが現状です。
たとえば遅い時間に返信したり、勤務中にも関わらず退勤処理をしてしまったりする社員が現れます。
そのためオンラインといえど勤務時間やメールの返信時間ははじめに決めておきましょう。
またリモートワークに移行する前に、社員の評価制度を見直しておく必要があります。
リモートワークは仕事のプロセスが見えにくいですし、成果だけ評価しても仕事の現状の課題がわかりません。
そのためタスク管理を導入して仕事の進捗状況を見えるようにしたり、1on1ミーティングを定期的に実施したりして社員とコミュニケーションを取り、仕事のプロセスの評価を忘れないようにしましょう。
公平に評価することで社員のモチベーションや、仕事への向き合い方を管理できます。
社員の精神面への管理を徹底する
海外でのリモートワークを実施している企業では、社員のメンタルヘルスに取り組む企業が出てきています。
総務省の調査ではリモートワークにより孤立感を感じる社員の割合は、15.5%と低い結果でした。
しかし、動きの早い企業では社員のメンタルヘルスにも着目しています。
リモートワークは社員と離れて仕事をするため、単身者はコミュニケーションをする時間が減ります。
そのため人によっては孤独を感じる方がいるでしょう。
今後リモートワークが主流になるので、社員の精神面のケアにも力を入れていくのがおすすめです。
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まとめ:リモートワークを導入して企業と個人の生産性を上げましょう!
リモートワークを導入することで、会社や社員の満足度が上がることをデータを通して紹介してきました。
リモートワークを導入するには、時間やコストがかかります。
しかし上手くいけば社員の生産性や満足度が上がり、長期的に会社に所属してくれるので双方にとってメリットとなります。
リモートワークをまだ導入していない企業は、今回の記事を参考にし、早めに移行できるように取り組んでいきましょう。