楽天といえば、誰もが知っているIT企業です。
現在は、「楽天グループ株式会社」へ企業名が変更されており、国内最大手の通販サイト「楽天市場」を含め「楽天銀行」「楽天モバイル」など、多岐にわたる分野で事業を展開しています。
また、楽天は企業理念として、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」を掲げている通り、社内共通語を英語にしたり、社員が利用できる施設の積極的な拡充をしたり、様々な革新を続けている会社です。
ネームバリューだけでも魅力を感じる楽天ですが、驚くことに中には「楽天を辞めたい」と考える人もいます。
今回はその理由を楽天の企業側と社員側の両方の視点から考察してみたいと思います。
現在楽天で働いている方はもちろん、「これから楽天で働きたい」と考えている方にも参考にしていただきたいです。
記事のもくじ
そもそも楽天ってどういう会社なの?
そもそも楽天とはどのような会社なのでしょうか。
有名なのは、国内最大級の通販サイトである「楽天市場」や、代表取締役の三木谷浩史氏ですよね。
しかし、楽天の事業展開や企業風土について、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?
このセクションでは「楽天ってどんな会社なの?」と疑問に感じている人のために、会社概要や三木谷会長について解説します。
楽天グループ株式会社とは
楽天グループ株式会社は、物流面においてアメリカを拠点としている大手通販サイトの「Amazon」を除くと最大級の国内の通販サイトである「楽天市場」を運営しているほか、金融面では「楽天銀行」「楽天証券」「楽天ペイ」など、ユーザーの生活に欠かせないサービスを提供しているグループ会社で、現在創業25年です。
また、楽天グループHPには「Walk Together」と書かれています。
これは「現代を生きる個人や社会の後押しになる革新的なアイデアを提供し未来へともに歩いていく」という意味です。
代表取締役の三木谷浩史氏のトップメッセージにも、「企業の枠を超えて、未来を信じ、ともに明日を創っていく」と掲げられているように、1997年の創業当時から三木谷さんの強い思いが企業の方針にも強く表れていることがわかります。
「より良い未来を創っていく」という強い信念を持ったリーダーがいるからこそ、創業25年で多くのサービスを提供する会社になったことがわかります。
では、どのように「三木谷社長」はリーダーシップを身につけていったのでしょうか?
三木谷浩史会長ってどんな人?
代表取締役兼楽天グループ会長を務めている三木谷浩史さんを名前だけ知っているという人も多いと思います。
三木谷社長について詳しく知ると、「楽天の三木谷社長ってすごい人」にとどまらず、「三木谷社長にこんな経験があるから今の楽天があるんだな」と感じることでしょう。
三木谷社長は、1965年に兵庫県神戸市に生まれ、経済学者の父親のもと幼少期はアメリカで過ごしました。
1988年に一橋大学卒業後、日本興業銀行に入行、ハーバード大学留学中28歳でMBA(経営学修士)を取得しました。
1997年に株式会社エム・ディー・エム(現:楽天株式会社)を設立し、代表取締役に就任すると約3年で株式上場を果たし、2012年には「新経済連盟」の代表理事に就任しました。
2012年に発足した、インターネットビジネスを中心にイノベーションと成長戦略によって、日本ビジネスの競争力向上のために発足された経済団体
様々なインタビュー記事を通してわかったことは、三木谷社長は「革新」をテーマにしているということです。
自分の人生の中で「リーダーシップ」が磨かれた経験は、大学3,4年次でテニス部のリーダーを務めたことだそうです。
部長を務めた際に、テニスの上達に繋がらない下級生のボール拾いなどの無駄を改善することに力を入れていました。
楽天を創業する際には、需要の本質を追求した結果「インターネット上にショッピングモールを作る」ことに決めました。
当時、大手企業が挑戦していた通販事業は失敗が続いていましたが、ベンチャー企業であった楽天は一度の失敗が即倒産に繋がるため、何事もネバーギブアップ精神で突き進んできたそうです。
創業時は「ネットショッピングなんて普及するはずがない」と批判されたのにもかかわらず、今はどうでしょうか?
普段の生活から緊急時まで、利用する人の「すぐこの商品が欲しい!」に応えられるサービスになっています。
もちろん、創業当初は資金繰り等で苦労をしたそうですが、三木谷社長の「本質を見抜く力」によって、路頭に迷うことなく楽天を現在の規模まで導いていったことがわかります。
現在は「グローバルイノベーションカンパニー」となることを掲げており、日本の需要の本質だけでなく、未来の世界におけるニーズの本質を見抜き、明日を創る企業であり続けるための変革を続けています。
三木谷さんの「数10年先の未来を俯瞰的にみる力」と「物事の本質を見抜く力」があるからこそ、創業25年で日本経済に深く結びついた事業を展開できたことがわかります。
よくある楽天を辞めたいと考える理由
強いリーダーシップ持っている三木谷社長の元、成長を続ける楽天ですが中には「楽天を辞めたい…」と考える人もいるようです。
いったいどのような理由で楽天を辞めたいと思うのでしょうか?
「楽天を辞めたい」と考えている人や「楽天から転職した」という人の体験談をもとに、よくある理由を集めたので参考にしてみてください。
企業風土・文化・価値観が合わない
まずはじめに多くあがったのは、楽天の企業風土・文化・価値観が自分とマッチしないという理由です。
楽天で働くうえで忘れてはならないのが、三木谷社長という絶対的リーダーがいるということです。
これはもちろん、「誰か強いリーダーシップを持っている人を支えたい!」と考える人にとってはとても素晴らしい環境ですし、仕事に対してやりがいを感じることができると思います。
しかし一方で、積極的に自分の意見を出し、なるべく自由な環境で働きたいと考えている人にとっては、アイデアを取り入れてもらう機会が少なく窮屈に感じるでしょう。
特に、「誰が言ったかではなく何を言ったかが大切!」と考えている人とは相性が悪いかもしれません。
楽天の特徴的な文化は、「トップダウンの最高意思決定」「体育会系の風土」「スピード重視の価値観」の大きく3つに分けることができます。
トップダウンの最高意思決定
いきなり話をする前に、「トップダウンってなんだろう?」という方へ簡単に解説をします。
トップダウン (top down) 型アプローチとは、会社における最高意思決定を代表取締役など、組織内における最高役職が行うこと
つまり、企業の組織の運用の仕方や採用方法、事業展開など、楽天においての最高意思決定先は三木谷社長なのです。
そして、本部長・部長・課長など枝分かれする役職についている人も三木谷社長の決定に従うので、末端の社員は自分の意見を述べる場は必然的に少なくなることがわかります。
このような、楽天式のトップダウンの組織形態になじむことができず「楽天のトップダウンはうんざり…」と感じる人もいるようです。
体育会系の企業風土
「体育会系?」と疑問に感じる人も多いと思います。
楽天における体育会系とはつまり、「一体感を持って行動する」ということです。
「楽天を辞めたい」と考える人が少し引っかかるのが毎週火曜日の朝会です。
毎週火曜日朝8時の営業時間外から始まるこの朝会は、社長からの講話や事業報告がメインになります。
「社長のすばらしいお話を聞ける会」とも言われています。
しかしこの朝礼、出席自由とうたっているものの3回欠席するとボーナスが減らされることもあるため、実質「参加必須」の朝礼のようです。
また、役員レベルになると朝礼前に別の会議があり、午前7時に出社する必要があるそうです。
週に1回とはいえ、「なんでこんなこと必要なの?」と朝会の実態に不満を持つと大きなストレスになるかもしれません。
スピード感を求める方針
「楽天を辞めたい…」と考える人から寄せられた意見として、「価値観が合わない」というものがありました。
現在、楽天は創業25周年にして85個以上のサービスを提供しており、1つのサービスを展開する際の提案から提供開始までのスピード感が非常に速いことがわかります。
楽天は非常に速いスピード感でトライ&エラーを繰り返してきたことで、85個以上のサービスを展開できました。
そのため、楽天のエンジニア職にはトップが決めた事業展開に必要な数字を達成するまで淡々と作業をこなす技術を求められるので、「アイデアをたくさん出し、エンジニアが主体となって働きたい!」と考えている人はつまらないと感じてしまうかもしれません。
キャリアアップをしたい
実は、楽天を辞めたいと考えている人すべてがネガティブな理由で辞めているわけではないのです。
中には、「楽天での経験を活かして、キャリアアップをしたい!」と考えている人もいます。
楽天を辞めたいと考えるおもな理由は、働く人と楽天の相性によるものでした。
一方で、楽天で働くことにやりがいを感じており、楽天で働いた経験を活かしてキャリアアップを狙いたい人も多いのです。
楽天での業務はスピード感が求められ、マネージャーにもなると多くの部下をまとめながらいくつものプロジェクトを同時に進行することもあるでしょう。
実力が重要視される楽天では、年齢に関係なくマネージャーやプロジェクトリーダーに任命されることがあります。
入社してから早い段階でリーダーを経験できた人は、新たなスキルを身につけるためにほかの企業への転職を視野に入れるようです。
楽天を辞めたら後悔する?楽天の魅力
ここまで、楽天という企業についてと「楽天を辞めたい!」と思うきっかけについてお伝えしました。
それでは実際に楽天を辞めたら後悔する可能性があるのでしょうか。
楽天がほかの企業より優れている点を把握しておくことで転職後に「やっぱり辞めなきゃよかった…」と後悔することがなくなります。
充実した福利厚生
楽天の福利厚生は日本企業の中でもトップクラスであると言えます。
特にクリムゾンハウスと呼ばれる施設では、託児所、カフェテリア、ヘアサロン、ネイルサロンやフィットネスジムなどプロが在中するサービス施設が入っており、社員であれば優待価格で利用できます。
ここは楽天のチーフクリエイティブディレクターを務める佐藤可士和氏と社長の三木谷浩史氏がシンプルさと快適な利用性を求めてつくった施設です。
仕事の際に最大のパフォーマンスを発揮するために、運動が好きな方でも、子どもがいる人でも仕事が不便にならないようなサービスが備わっています。
さらに、就職情報サイトの「openwork」によると、楽天社員の調査対象者840人の平均年収は669万であり、国税庁が発表している日本の平均年収が461万であることから、楽天の平均給与が高いことがわかります。
(引用元:国税庁・令和3年分民間給与実態統計調査結果について)
楽天内では年齢に関係なく業績でポジションが決定されるため、若いうちから年収1000万を達成できる可能性は大いにあります。
転職の理由は人それぞれですが、転職先との年収の比較は大きな指標になります。
「楽天のほうがよかった…」と後悔することのないように、入念な情報収集をしてから辞める決断をしましょう。
退職した人の意見
ここで、楽天を退職した人の体験談から「後悔していること」を紹介します。
僕は、結構欲張りなタイプで 「システムの詳細も理解したい」「現場の問題も解決したい」「上司のリクエストにも答えたい」「自分が思う戦略を実現したい」等、やりたい事がたくさんありました。
でも、今振り返って思う事は さすがに全部は無理だったなと・・・。
最初の半年は週末も仕事するのが普通でした。それは、早く仕事を覚えたかったし、早く成果を出したかったからです。でも、いま考えるとそれが逆効果だったなと思います。本当に成果を出さなければいけないタスクに集中できてなかったなと今は感じます。
やっぱりサラリーマンなので、上司からのリクエストは重要です。で、僕が最終的にやりたかった得意な事と、上司からのリクエストってそんなにずれてなかったんですよね。
なので、「エンジニアとしてのエゴ」とか「現場を助けたいおせっかい心」とかを捨てて、もっとドライにやるべき事にフォーカスしていれば、もっと楽に成果を出せていたと思います。
この方自身、楽天を辞めたことに全く後悔はしていないと仰っています。
「何か価値観が合わないな…」と感じ退職しましたが、上司とは目的到達までの方法が違うだけだと気づいたのは辞めた後だったとのことです。
自分の働きかたをどのように適応させていくかを考えるとストレスや悩みが改善されるかもしれません。
「楽天を辞めたい」と思った後の転職について
楽天を辞めようと思った際に気になるのは、やはり転職先ですよね。
楽天からの退職を決断した際に、「転職先はどこがあるんだろう」と考える人が多いと思います。
そこで、このセクションでは楽天を退職した方の体験談をもとに、どのような転職先があるかについて書いていきます。
転職に比較的有利
楽天での職歴は転職活動の際にも優位に働くことが多いです。
絶対的な武器になるとは断言できませんが、楽天の体育会系の風土の中、どのように働き方や自分の価値観を適応させてきたかについての自己分析をすることで、楽天での経験が強い武器になるでしょう。
楽天は社内公用語が英語で、TOEIC800点以上の取得を求めていたり、総社員の約20%が外国人の社員で構成されていたりするため、外資系企業では英語経験者として評価されることもあります。
また、トップダウンかつ体育会系の社風で業務をこなしてきた経験から、環境に適応する能力や目標に対して突き進む力があると評価されることも期待できるでしょう。
楽天で培うことのできるスキルは全般的に評価されるものばかりであるため、相当な難関企業でない限り転職活動で比較的有利になると思います。
転職先例
楽天退職者の転職先は、IT業界だけでなく外資コンサルファームや通信業界も多いです。
同じIT業界へ転職する場合は、
- LINE
- Yahoo
- サイバーエージェント
などがあげられます。
上記の会社であれば、楽天で培った技術や知識の多くをそのまま生かせるので、仕事で評価されることが多いでしょう。
キャリアアップを狙うためには?
楽天からのキャリアップを狙う場合の多くは、GAFAMと呼ばれる世界的なシェアを誇っているIT企業への転職が考えられます。
世界経済や個人の生活に大きな影響を与えているGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftの5社のことであり、アメリカでは「ビッグ・テック(Big Tech)」と呼ばれています
これらの会社は、平均年収が1000万以上であり福利厚生も充実していて良いところばかりです。
その分転職難易度は高いですが、キャリアップを狙って挑戦する価値は十分にあると言えます。
楽天での職歴をアピールする際は、自分の働くことに対する価値観、環境に対する適応力、楽天での功績に言及し、自分の仕事に対する熱意を伝えることで、実力主義のGAFAMでも十分に評価してもらえるでしょう。
さらなるキャリアアップを狙うなら、Kredoオンラインキャンプがおすすめ!
「キャリアアップをしたいけど何をすればいいの?」と考えている方には、Kredoオンラインキャンプがおすすめです。
キャリアップには、英語力はもちろん「ITスキル」も必須になります。
楽天を退職して「さらにキャリアアップしたい!」と考えているのであれば、専門的スキルを磨くことでGAFAMなどの上流企業へ転職できる可能性が高まるでしょう。
楽天からだけでなくほかの企業からの転職を考えている場合でも、英語のスキルとITスキルはとても大きな武器になります。
Kredoオンラインキャンプとは
Kredoオンラインキャンプは「人生をよりよくするため」に「プログラミング×英語」の掛け合わせによって、グローバル化の進む世界で活躍できる人材の育成に力を入れています。
日本国内だけでなく外資系大手IT企業に転職する際に評価される2つのスキルを磨けるため、転職の選択肢を広げられます。
Kredoがおすすめな理由
現在、インターネットやテクノロジーの進化によって国境関係なく仕事をする人が増えています。
ITスキルには国境が存在しないため、「英語力のないエンジニア」と「英語力のあるエンジニア」を比べた際に、約300万円の年収の差があるとされています。
さらに、IT人材の有効求人倍率とその他業種の倍率を比較すると約3倍の差があるため、スキルの有無で今後のキャリア形成にも大きな差が生まれます。
Kredoオンラインキャンプでは自分のキャリアアップのために必要不可欠なスキルを学べるのです。
まずは手厚い無料カウンセリングから!
Kredoでは転職支援サポートも充実しているため、現在の勤務先を辞めたいと考えている方でも安心して相談ができます。
もし、「退職をしたいけどどうしよう」と悩んでいて、退職後の自分の進路が明確でないのであれば丁寧なカウンセリングを受けることで自分の将来への道筋が明確になるかもしれません。
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まとめ:「楽天を辞めたい」と思っても転職後キャリアアップが可能
魅力たっぷりの楽天ですが、中には「自分とは合わない…」と考える人もいます。
しかし、すぐに「辞めちゃえ」と決めるのではなく、三木谷社長が物事の本質を見極めようとしているのと同じように、「この企業の本質はなんだろう」と考えることによって、自分の働き方や価値観が合うかもしれません。
また、もし楽天を退職しようと考えた場合でも楽天からの転職は有利に進めることができますし、さらなるキャリアアップを狙うことが可能です。
楽天で培う「貪欲に挑戦する力」は、就職・転職活動、キャリアアップに生かせます。
自分の人生をより良いものにするためにたくさんの挑戦をしていきましょう。