「大学生のうちに資格を取得して就職活動に繋げたい」「大学の専攻以外の分野も学んでみたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
一方で、「資格を取っても意味がない」「資格を取るだけでは就職に役立たない」などと反対の意見も一度は目にしたことがある方も多いはずです。
そこで、本記事では大学生が資格を取るメリット、おすすめの資格を紹介しています。
また、記事後半では筆者の大学生時代の失敗体験談を交えて資格取得の際に注意したいことを紹介していきます。
記事のもくじ
大学生が資格を取るメリット
大学生が資格を取るメリットは、結論から言うと資格を生かす目的によって変わります。
卒業後の進路の方針が決まっている場合は、資格を取ることで他の候補者より有利になる場合があります。
また、今の大学の専攻分野以外の勉強をし、自分に合った業種や業界を見つけたいという方もいるでしょう。
主な3つのメリットについて解説していきます。
勉強時間が確保しやすい
日本の大学では、学部にもよりますが、一般的に比較的自由に時間を使える機会が多く、社会人と比べて勉強に集中して取り組みやすいと言えるでしょう。
取り組む資格によりますが、資格取得のための勉強時間は数十時間のものから100時間を超えるものまで様々です。
大学生の中にはアルバイトに多くの時間を割いている人もいるかと思います。
私自身も、自分で自由に収入を得られる楽しさから、多くの時間を割いていた経験があります。
大学生がアルバイトと資格取得のどちらに時間を割くべきかはその人の状況によって異なりますが、一般的にアルバイトは、生活費や学費などの費用を賄うために必要な場合があります。
一方、資格取得は、将来的なキャリアに向けてスキルを磨くために重要な取り組みです。
大学生は将来のキャリアに向けてスキルを磨くことが重要なので、アルバイトと資格取得などの時間配分のバランスが大切です。
就職活動でアピールできる
大学生が資格を取得することで、人気のある職種に応募する場合に、他の応募者と差別化できます。
必要なスキルや知識を持つ候補者を求めている職種を目指す場合には、資格を持っていることで、知識や熱意を証明できます。
また、資格を取得することで達成感が得られ、面接での自信を持った姿勢にも繋がります。
資格を取得する過程で困難を乗り越えた体験談、工夫したことなどを準備して、適切な場面で回答できるように準備しておくと効果的です。
就職活動前の自己分析につながる
資格取得は、就職活動にむけた自己分析をする上で非常に役立ちます。
資格を取得するための知識、スキル、経験を身につける過程で、自分の長所、短所、興味をより深く理解し、自分のスキルや価値観に合った進路を選択するための判断材料とすることができます。
また、資格取得の過程によっては、その業界で働く人との交流もあり、人脈作りの機会や業界の情報を得ることができます。
これから目指す分野の就職市場についてより深い理解を得ることができ、卒業後にどのような仕事に就けるのか、感覚を養うことができるでしょう。
文系大学生の就職におすすめの資格
文系大学生や、進路を変更して文系の就職を目指す人におすすめの資格を紹介します。
簿記
簿記は、会計処理や財務分析、決算書の読み方などビジネスに必要な基本的な会計スキルを身につけることができます。
簿記の資格は、会計や財務関連の職種に必要な資格の1つであり、簿記の知識があることで、経理業務をより効率的に行うことができます。
また、簿記の知識は、ビジネスだけでなく、自分自身の収支管理や家計の管理にも応用できるため、日常生活においても役立ちます。
FP(ファイナンシャルプランナー)
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得するためには、金融知識や投資知識を身につける必要があります。
金融機関や保険会社など、金融業界に就職する場合には、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持っていることが有利に働くことがあります。
また、ファイナンシャルプランナーの資格取得によって得た知識やスキルを活かし、自分自身の資産管理や投資などをより効果的に行うことができるため、自己啓発やスキルアップにもつながるでしょう。
理系大学生の就職におすすめの資格
理系大学生や、進路を変更して理系の就職を目指す人におすすめの資格を紹介します。
ITパスポート
ITパスポートは、情報処理技術試験の中でも最も初歩的な試験であり、ITに関する基礎的な知識を問われるものです。
現在では、IT技術があらゆる業界で活用されているため、ITに関する知識やスキルを持っていることは非常に重要です。
ITパスポートを取得することで、ITに興味を持つきっかけとなることがあります。
また、ITはグローバルな視野を持つことが重要な分野です。
ITパスポートを取得すると、ITに関する基礎的な知識を身につけられるだけでなく、グローバルな視野を持てるような知識も身につけられます。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT業界で働くための基礎的な知識や技術を問う試験であり、IT業界での就職やキャリアアップに有利になる可能性があります。
基本情報技術者試験で身につけたスキルや知識は、IT業界だけでなく、医療や金融、製造業など、IT技術が使用される様々な業界で活用できます。
ITに関する知識やスキルは、現代社会においてますます重要となっているため、幅広い業界で活躍するためにも有用です。
文系・理系問わずにおすすめの資格
現代社会では、IT化とグローバル化が進んでおり、リモートワークも普及していることから、場所を問わずに仕事ができるようになりました。
大きな企業に所属せずとも、国境を超えてフリーランスが仕事を受注することもごく当たり前となっています。
また、デジタル技術を用いた仕事が増えているため、デジタルスキルを身につけることは非常に重要です。
TOEIC
大学生がグローバルに活躍するためには、英語をはじめとする外国語の習得が不可欠です。
TOEICは、ビジネスシーンで必要とされる英語力を測定するための試験です。
TOEICのスコアが高いと、就職活動でのアピールポイントになり、グローバルなビジネスシーンでの活躍につながります。
ただ、TOEICはあくまでも英語力を測定するための試験なので、英語力を高めるためには、日々の努力や継続的な学習が必要です。
プログラミング
現代社会において、プログラミングはますます重要なスキルとなっています。
プログラミングを学ぶことにより、コンピューターの基本的な動作や、プログラムの作成方法を学べます。
プログラミングは、コンピューターに命令を与えるための言語なので、論理的思考力が求められます。
プログラミングを学ぶと、ビジネスに不可欠な論理的思考力を養うことができます。
大学生が資格を取るだけでは就職に有利にならない?
大学生の就職活動において、資格を取得することは有利になることがありますが、それだけで十分ではありません。
企業側は人材採用において、応募者のスキルや人柄と企業の求める人物像がマッチするかどうかを重視しています。
就職みらい研究所発表の、2022年卒の新卒採用活動実施企業における新卒採用の担当者へのアンケートでは、内定出しの決め手となるものとして、89%が「人柄」と回答しています。
参考:採用活動中間調査 就職活動状況調査 データ集 2022年卒
このように、企業の文化やビジョンに共感できる人材が求められています。
また、企業によっては人材採用において、資格や学歴だけでなく、実務経験や実績を重視する傾向もあります。
次の章では私が資格だけを求めて失敗してしまった経験を紹介します。
大学時代の資格取得の失敗談
私自身は理系の大学に進学したものの、多くの学生が大学院に進学するという道にあまり興味を持てずにいました。
大学中退も考えましたが、家族の反対で卒業だけはすることにして、当時興味のあったインテリアコーディネーターの資格取得のための勉強を通信講座で始めました。
今思うと、戦略もなく安易な考えだったと思います。
ただ、当時苦戦していた文系就職での面接通過を成功させたくて、すがるような気持ちで勉強をしていました。
当初のプロセスでは、一次試験に合格した後、二次試験に合格するためには現場での実務経験が必要でした。
結局、新卒でインテリア関係の仕事には就職できずに終わってしまいました。
インテリアコーディネーターの二次試験を受験することもなく、資格として履歴書に書けない中途半端な状態で終わってしまいました。
業界研究をしたり、活躍している経験者の話を聞いたり、もっと調べてから取るべき資格を決めれば、時間と費用を効率的に使えたと思います。
資格を取得した先に何を目指しているのかという目標を設定し、その業界で活躍するためのキャリアパスを研究してから学ぶことが重要です。
まとめ:大学生の間の資格取得で就職活動を成功させよう
大学生が資格を取るメリットとして、勉強時間が確保しやすいこと、就職活動でアピールできること、就職活動に必須な自己分析に役立つことが挙げられます。
文系、理系を問わずにおすすめな資格として、TOEICとプログラミングがあります。
資格を取って就職活動の面接を成功させるためには、資格取得の過程での失敗からの学びや経験談を伝え、実績として会社に貢献できるようにアピールできることが大事です。
また、企業は人柄とのマッチングも重視しているので、企業や業界の研究をしてから、適切な資格を学ぶことがおすすめです。
本記事が、大学生の就職活動成功のきっかけになればうれしいです。