誰でも遠く離れた異国の情報を手に入れられるようになり、移動も簡単になってきたことで、海外は身近なものとなりました。
「海外で暮らしてみたい」「海外で仕事をしてみたい」と考える人もいらっしゃるかもしれません。
- 海外でキャリアを形成し自身の市場価値を高めたい
- 日本ではできない仕事や経験をしてみたい
- 外国での生活や様々な国の人たちとの出会いを楽しみたい
- 国際結婚をしたため現地での就職が必要になった
- 日本では夢や目標を持てないので海外に行きたい
プライベートなものから自己啓発やキャリアアップ目的のもの、理由や事情は人それぞれでしょう。
海外就職を考える時、悩みの一つとなるのが「年齢」です。
20代だとまだ早過ぎるような、でも30代以降だと遅過ぎるようなと感じてしまいます。
海外就職をしてみたいと思ってはいるもののなかなか決断ができない。
何歳ぐらいで海外にわたり、何歳までに日本に帰国すればベストなのかわからない。
海外就職を考えているけれど、どれくらいの年齢が適切なのか悩んでいる方は是非最後まで読んでみてください!
記事のもくじ
海外就職における年齢なんてただの数字
日本で就職する場合、表向きは年齢不問・性別不問となっていますが、求人票の記載通り分け隔てなく採用されるわけではないのが実情です。
企業への就職は新卒の時が最も有利となり、それ以降は年齢を重ねるごとに就職するのは難しくなります。
転職市場では「35歳限界説」などと言われていますね。
年齢だけでなく子育て中の女性が、就職や職場復帰に不利になっているのも周知の通りです。
英語圏では “Age Is Just A Number.”(年齢なんてただの数字)という言い回しがあります。
海外で仕事をするのに年齢は関係ありません。
転職の際に年齢を聞かれることもまずありませんし、履歴書に年齢を書く必要もないのです。
海外では「あなたに何ができるのか」という実務経験こそ評価されます。
海外就職においては年齢よりもむしろ、経験や技術がないことの方が不利になってくるのです。
海外就職と年齢の関係を年代別に解説
「年齢なんて関係ない」と先述しましたが、どんな人物であっても海外に行けば採用されるというわけではありません。
採用を考えるにあたり、企業はその人からどんな利益を得られるかについて真剣に考えます。
●語学力がビジネスレベルに達している
●スキルが熟達している
●外国人をマネジメントした経験がある
年齢が上がったら海外就職ができないというよりも、即戦力で活躍しスキルを発揮してくれる人を求めるという意味で、海外転職の難易度が変わることになります。
海外就職においては年齢よりも重視されるのは「あなたが何をできるのか」という、これまでの実務経験とスキルです。
企業が求める経験やスキルを有していれば年齢を重ねていたとしても採用、場合によれば日本よりも好待遇で仕事ができることでしょう。
逆に実務経験やスキルが不十分であれば、年が若かったとしても採用にすら至らないかもしれません。
どの年代がどのようなスキルや経験を求められるのか、年代別に解説していきたいと思います。
新卒の方
日本の場合は新卒であることに極めて価値があり、企業就職では最も有利な年代となります。
海外においても同じように就職しやすいかと言うと…必ずしもそうだとは言えません。
理由は大きく2つあります。
●基礎的なビジネススキルや経験がないのに、人件費の高い日本人を雇うメリットが少ないこと
●新卒に対して就労ビザを発行する国が少ないこと
日本では新卒で入社をすると、しっかり育てて戦力へつなげるという文化が根付いています。
ビジネスマナーや必要なスキル、業務に関する専門知識などを一から教えてもらうことができます。
一方、海外の企業では即戦力であることが重要視され、教育はOJTが主流。
会社の規模が小さかったり教えてくれる人が忙しかったりすると、OJTでは十分に学ぶことができず、それなのに即結果を求められたりします。
また、たとえ現地採用であっても日本人に対してはローカルスタッフより高い給与が支払われるケースが多いです。
なぜ高い給与を払ってまで日本人を雇用するのかというと、日本流のビジネスマナーを理解しているという、ローカルスタッフでは賄えない部分を要求されているからです。
海外就職の多くは、日系企業の日本人をクライアントとした仕事か、日本の本社と海外子会社との橋渡し役が多いです。
ですから基礎的なビジネススキルや経験のない新卒の人をわざわざ採用する必要は薄いといえるでしょう。
次に就労ビザの問題です。
新卒に対して就労ビザを発行してくれる国は年々減ってきています。
例えばアジアだと就労経験がなくてもビザを発行してくれる国はインドとタイくらいしかなく、多くの国で「大卒であること」に加え「2~5年以上の職歴があること」をビザ発行の条件にしています。
どうしてもインドやタイで働きたい、将来日本で働くつもりはないのでローカルスタッフと同じ待遇の雇用で構わないといった特段の事情がない場合は、新卒から数年は日本の企業で仕事をしながらスキルと経験を身につけることをおすすめします。
20代後半の方
この年代は海外就職の黄金期になります。
学校を卒業したての新卒時の人たちと比べて、
●社会人経験を通じて基本的なマナーやビジネススキルが身についている
●柔軟性や吸収力があり、体力も十分にある
●組織の中でも年齢的にマネジメントしやすい
●前社のクセがそれほどついておらず、新しい組織に順応しやすい。
加えて少ない教育時間で戦力になってくれれば企業としては欲しがるのは当然と言えるでしょう。
同業種への就職を選べば高待遇になりやすいのもこの年代の特徴です。
30代前半の方
では30代に突入してしまったら海外就職へのチャンスはないのでしょうか。
30代であっても前半でしたらまだまだ就職の可能性はあります。
ですが20代までの採用がその人の資質やポテンシャルを見ていたのに対して、30代からはスキルや実績を示す必要があります。
30代前半であれば考え方にはまだ柔軟性があり、未経験の業界であっても受け入れてやっていける可能性があるので採用のハードルも低くなります。
30代ともなれば10年前後の社会人経験があることになります。
本人のスキルのみならず、リーダーシップやマネジメントをした経験・能力が備わっていることが前提となることは覚えておきましょう。
合わせて帰国後をどうするかについてシビアに考えなければなりません。
キャリア形成のために海外で何年過ごし、いつから日本の会社に転職をはかるのか。
あるいは永住を決めるのか。
家族がいての海外転職となれば家族の同意も必要です。
お子様がいらっしゃる家庭では、子育てや教育環境も日本とは大きく変わります。
あなたのキャリアプランのみならず、結婚や老後も含めたライフプランまで検討する必要があります。
30代後半〜の方
もし30代後半であっても、一念発起して海外就職したいと考える人もいらっしゃることでしょう。
40歳以上であっても、海外で通用する経験や実績、スキルや能力があれば海外就職は可能です。
その国で使われる言語が日常会話以上使えることに加えて、
●エンジニア、機械の整備士など特殊な技能を持っている人
●プラントの施工管理など日本でも引く手あまたのスキルを持っている人
●英語や中国語以外の言語がビジネスレベルで使える人
このように専門的な技術を持っている方であれば、年齢を重ねていたとしても求人があります。
一つのフィールドを極めた人こそ海外でのニーズが高くなります。
裏を返せば、海外で未経験の仕事にこれから挑戦する人、あるいは様々な業界を転々としてきた人の就職は難しいでしょう。
求人があったとしても狭い選択肢の中から選ばなければいけなくなってしまいます。
合わせて、年齢を重ねてから海外生活をいきなり経験するのは心身に多少なりともストレスがかかることは覚悟しておきましょう。
食事や住環境などの生活環境に加え、仕事のやり方やマインドなどが日本にいた時と変わってしまうからです。
30代後半以降の海外就職を検討されるのであれば、まずは日本での仕事を極めて海外でも通用する経験とスキルを身につけ、その上で海外就職する意味を今一度考えてみてください。
海外就職で重要なのは年齢よりスキル
お伝えしている通り、日本での就職と違い、海外就職で重要なのは年齢よりスキルです。
海外就職をしたいなら語学力は必須!
海外就職をしたいならその国の言語を話せることは必須です。
もちろん日本語のみでも海外転職はできますが、国によっては外国人の雇用が難しいところもあり、求人数は格段に少なくなります。
たとえ現地の日系企業で仕事をするとしても、日常会話もおぼつかないようでは普段の生活を送るのも困るでしょうし、職場の人たちとコミュニケーションをとれないのでは仕事にも支障をきたします。
語学力が乏しいために、任せられる仕事も昇進の機会も限られるのはもったいないですよね。
海外転職を考えているのでしたら、普段から語学学習に時間を費やしたいところです。
語学はできないけれどどうしても海外で働いてみたい!とお考えでしたら、留学して語学力を身につけた後に就活する方法もあります。
学費や滞在費用を考えるとかなりの出費になりますが、留学してからそのまま海外での就職に成功している人たちはたくさんいます。
留学の費用や時間を無駄にしないためにも、あなたが海外就職で何を成し遂げたいのかを考え、「どの国でどのような仕事をしたいのか」を見据えておきましょう。
海外に通用する専門スキルを
くり返しお伝えしている通り、海外転職においては年齢や性別についての制限よりも専門的な知識や技術が評価されます。
実力に対しての対価として年収が設定されるので、実力で勝負したい人にとっては、年齢を問わず積極的に採用してくれる海外就職は向いていると言えるでしょう。
特殊な技能や資格がないのであれば、今やっている仕事を真剣に取り組んで海外でも通用するレベルまで極めるか、あるいは新たに学んでみてはいかがでしょうか。
例えばIT系や機械系などのエンジニアは海外就職に有利な職種です。
機械系のエンジニアや技術者は、製造業の成長が著しい東南アジアの国において需要が特に高いです。
そしてIT系のスキルも海外へ進出するのに有利なスキルです。
IT系のエンジニア、プログラマーは世界的にも人手不足の状態です。
今後もますます海外での就職機会が増えていくであろう職種と言えます。
日本の高度な知識と豊富な経験を積んだ日本人エンジニアであれば現地の企業にも歓迎されることでしょう。
まとめ:年齢に関係なく海外就職にチャレンジしよう!
- 海外で仕事をするのに年齢は関係ない
- 年齢よりも重視されるのは「あなたが何をできるのか」という今までの実務経験とスキル
- その国の言語を話せることは必須
- 今の仕事を極めて専門的な知識や技術を身につけるか、海外でも通用するスキルを学ぶ
海外に目を向けると、年齢に関係なく新しい人生に挑戦する人が思っていたより多くいることに気付きます。
「どの国でどのような仕事をしたいのか」
海外への挑戦なんて若いうちにしかできないと年齢を理由に悩み諦めてしまう前に、今一度キャリアプラン、ライフプランを考えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。