オーストラリアは観光のみならず、移住先としても人気があります。
暖かい気候で過ごしやすく、治安もいい国として評判のため、海外に就職して定住したいという方におすすめな国です。
ではオーストラリアで就職をする場合、どのような準備をすればいいのでしょうか。
今回はオーストラリアでの就職を考えている方に向けて、就職を成功させるための準備や方法、オーストラリアの海外就職事情について解説します。
就労ビザや必要な英語力など、海外就職で気になるポイントについてカバーしていきましょう。
記事のもくじ
オーストラリアでの海外就職のリアル
オーストラリアの平均年収は日本円で約578万円です。
日本だと約436万円なので、日本に比べると年収は高くなります。
ただ年収が高い分、オーストラリアでは物価も日本より高いため、生活費が大きくかかります。
- コカ・コーラ(500ml)=261.38円(3.5ドル)
- インスタントコーヒー(500g)=1,194.88円(16ドル)
- 生卵(12個入り)=395.804円(5.3ドル)
- 生エビ(1kg)=2,539.12円(34ドル)
※1豪ドル=74.68円として計算
とはいえオーストラリアは暖かい気候で過ごしやすく、治安がいい国であるため、海外で暮らしたい方におすすめな国です。
そしてオーストラリアで働くことには、ほかにも以下のメリットがあります。
- 残業がほとんどない
- 他人から干渉されない
- 英語力をいかしやすい
残業がほとんどなく他人から干渉されない環境のため、働きやすさは高めでしょう。
またオーストラリアは公用語=英語のため、英語力に自信がある方は仕事で英語をいかせます。
オーストラリアでの主な就職先
日本からオーストラリアに就職する場合、
- 観光業
- 飲食業
のいずれかの職種につくパターンが多くあります。
観光業と飲食業に共通するのが『日本語を仕事にいかせる』ことです。
観光業
オーストラリア政府統計局(ABS)の集計によると、日本人の渡豪者数は6年連続で増加しており、2019年は49万8,600人の日本人がオーストラリアに訪れました。
観光でオーストラリアに訪れる日本人が増えてきているため、接客の際に日本語をいかせます。
観光業の具体的な仕事としては、
- ツアーガイド
- お土産店スタッフ
- ドライバー
- 旅行会社のヘルプデスクスタッフ
- ホテルスタッフ
などがあげられます。
飲食業
オーストラリアでは、日本食のレストランが豊富。
日本食のレストランでは日本人スタッフも多く勤務しており、日本語を使ってコミュニケーションをする機会が多くあります。
飲食業でも日本語をいかせる機会が多いため、日本食レストランで、
- シェフ
- ホールスタッフ
として勤務する場合も多くあります。
オーストラリアにある日系企業
オーストラリアにある日系企業は多岐にわたり、ジャンルとしては、
- 法律事務所
- 保険会社
- 航空会社
- IT企業
- 製薬会社
- 建設会社
などがあげられ、オーストラリア特有の大きな偏りはありません。
しかしオーストラリアにある日系企業の場合、日本とは異なり、のんびりとした雰囲気である傾向にあります。
オーストラリアだと、残業代や休日出勤時の給料が割増になると法律で定められています。
したがって定時で退社できる仕事量しか与えられないことが多く、プライベートの時間も確保しやすいのがメリットです。
オーストラリアにある現地企業
オーストラリアにある現地企業として、以下の企業があげられます。
- ブランド会社…スワロフスキー
- 銀行…ウエストパック銀行、ナショナルオーストラリア銀行、マッコーリー銀行
- 小売…ウールワース、コールス・グループ
- 資源…BHPグループ、リオ・ティント、サントス
- 航空…カンタス航空、アライアンス航空、エアノース、ジェットスター航空
- 飲料…レッドブル、シェウェップス・オーストラリア
オーストラリアの現地企業への就職する場合、ワーキングホリデーで現地での職務経験を積んだ上で、現地の企業に就職するのが王道です。
オーストラリアの海外就職のステップ
オーストラリアで海外就職する場合、以下のステップを踏んで就職活動を進めていきます。
- 転職エージェントに登録&利用
- 履歴書の提出
- 面接
内定をもらうまでは日本と比べて大きな違いはありません。
しかし、就職活動をするにあたり、
と『職務経験』『英語力』の2つについて気になる方も多いはず。
オーストラリアでの就活を進めやすくするため、まずは、
- 職務経験
- 英語力
の2つについて解説していきます。
オーストラリアの就職で職務経験はどのくらい必要?
オーストラリアに海外就職する場合、日本で職務経験を3年以上積むことをおすすめします。
というのも、オーストラリアのビザの取得条件は最低5万3,900ドル以上(約402万5,252円)と定められているからです。
最低年収が高めに設定されていることから、職務経験なしにオーストラリアに就職することは困難でしょう。
またオーストラリアでは即戦力になる人材を求める傾向が強く、未経験の人にみっちりと研修を行うケースはほとんどありません。
したがって日本で3年以上の職務経験を積み、現地の企業に自分のスキルや長所を明確にPRできるようになっていなければなりません。
職務経験を積んだ上でも、企業に自分自身のよさが伝わらないと意味がないので、
- どんな強みを持っているのか
- 仕事で強みをどのように発揮できるのか
- 企業が求める人物像にあっているか
の3点を強く意識してアピールしていきましょう。
オーストラリア就職で求められる英語力は?
オーストラリア就職で求められる英語力は高めです。
日常会話レベルの英語力はもちろん必須ですが、ミーティングや営業などで使うビジネス英語も使えるようになる必要があります。
オーストラリア就職に必要な英語力は目安として、IELTS(International English Language Testing System)5.0以上が最低でも必要です。
IELTSは英語力を測るテストで、海外移住申請で英語力をチェックする際に使われます。
IELTS5.0の難易度は、以下のとおり。
- 英検に換算すると2級レベル
- TOEICに換算すると550〜600程度
- 必要な語彙は4,000〜5,000程度
あくまでIELTS5.0は最低ラインですので、5.0以上のスコアを取れるよう英語の学習も進めていきましょう。
オーストラリアの就職活動は転職エージェントを活用
オーストラリアに限らず海外就職をする場合、転職エージェントで仕事を探すのが王道です。
転職エージェントでは、あなたの希望職種や経験職種などを踏まえて、あなたにマッチした求人を紹介してくれます。
転職サポートも充実しており、提出する書類の添削や面接のアドバイスなど、内定をもらうまで万全なサポートを得られるのも転職エージェントのメリット。
「海外での就活の進め方がイメージできない…」という方でも、転職エージェントのサービスを活用すれば、無理なく就活を進められるようになります。
おすすめな転職エージェント一覧
オーストラリアへの海外就職で使える転職エージェントを紹介していきます。
ビズリーチ
ビズリーチは海外就職の案件を豊富に取り揃えている転職エージェントです。
海外就職に特化しているヘッドハンターを選ぶこともでき、あなた自身にあった案件を紹介してくれるでしょう。
なので「海外就職は初めてで不安」という方でも、安心してオーストラリアでの就職活動を進められます。
またビズリーチは年収600万円以上のハイクラス案件も用意しています。
もちろん高年収の案件だと就職の難易度は上がるものの「日本でキャリアを積んできている」という方であれば、ビズリーチで案件を探してみるのがおすすめです。
doda
dodaは駐在員向けの案件に強い転職エージェント。
詳細な条件で求人案件を検索できるため、自分の希望にぴったりな仕事探しできるのがメリットです。
転職のノウハウやエピソード、Q&Aなどのコンテンツも充実しているため、就職に役立つ情報も得られやすいサービスとなっています。
オーストラリアでの就労ビザについて
オーストラリアで働く際、どうしても必要になるのが就労ビザ。
- オーストラリアの主な就労ビザ
- 就労ビザの取得方法
の2点について解説します。
オーストラリアの主な就労ビザ
オーストラリアの就労ビザにはさまざまな種類がありますが、主な就労ビザは以下のとおり。
- TSS(Temporary Skill Shortage)ビザ
- ワーキングホリデービザ
- 学生ビザ
TSS(Temporary Skill Shortage)ビザ
TSS(Temporary Skill Shortage)ビザは長期就労用のビザで、2018年3月に廃止された「サブクラス457」に代わってできたものです。
取得するためには、現地でスポンサーとなる企業を見つけることが必要になります。
滞在期間は最長4年のため、長期就労する方はTSSビザを取得しましょう。
ワーキングホリデービザ
ワーキングホリデービザは最長3年滞在できるビザです。
ワーキングホリデービザは取得のハードルが低いビザなので、迷ったらワーキングホリデービザの取得を検討するのがおすすめです。
オーストラリアの企業に就職する人の中には、ワーキングホリデービザでオーストラリアに滞在しつつ、職務経験を積んでから転職する人も多くいます。
学生ビザ
学生ビザは週20時間までの労働が認められているビザです。
夏休みや冬休みなどの長期休暇中は、フルタイムでの労働もできるため「勉強もしつつオーストラリアで職務経験を重ねたい!」という方におすすめです。
新卒でオーストラリアに就職するには?
新卒でオーストラリアに就職し、早い段階で海外でのキャリアを積んでいくためにはどうすればいいのでしょうか?
新卒での就職を実現させる場合、以下の方法が考えられます。
- オーストラリアに留学する
- オーストラリアでのインターンシップに参加する
- ワーキングホリデーを利用する
- オーストラリアの駐在員として働く
なるべく早い段階で、オーストラリアに就職するための準備をしていきましょう。
オーストラリアに留学する
まずおすすめなのがオーストラリアに留学すること。
オーストラリアでの学歴があれば、現地での就職活動でPRしやすくなります。
オーストラリアへの留学には、主に2パターンあります。
- 現地の大学に入学or編入
- 現地の大学に短期or交換留学
現地の大学に入学or編入する場合、英語力はもちろんのこと、入学試験に合格できるほどの学力が必要になります。
ただ短期留学や交換留学であれば、オーストラリア現地の大学に進学するよりもハードルが低めです。
オーストラリアでのインターンシップに参加する
オーストラリアの企業は、学生を対象にインターンシップを実施しています。
インターンシップは主に、
- 短期インターンシップ(約1週間)
- 長期インターンシップ(3ヶ月以上)
の2種類です。
もしオーストラリアでの現地就職をどうしても実現させたいのなら、長期インターンシップに参加しましょう。
長期インターンシップは、仕事の雰囲気を確かめられるだけでなく、実際の業務やプロジェクトに携わることができます。
なので長期インターンシップに参加すれば、オーストラリア現地での就職活動で自分の職務経験をアピールできます。
ワーキングホリデーを利用する
18〜30歳であればオーストラリアにワーキングホリデーに行けます。
ワーキングホリデービザを取得すれば、最長で3年オーストラリアに滞在でき、その間にオーストラリアで就労できるんです。
なので、学校を卒業した後にワーキングホリデーを利用して、オーストラリアで働くこともおすすめです。
また、3年の滞在期間を終えても、ビジネス用のビザを取得してオーストラリアで働き続けることもできます。
もちろんビジネス用のビザの取得はハードルが高いものの、ワーキングホリデーを利用して職務経験を積んで、ビジネス用のビザを取得して現地で働き続ける方もいます。
オーストラリアの駐在員として働く
日本の企業に就職した後に、オーストラリアの駐在員として働くことも手段の一つ。
オーストラリアの企業に直接就職するのはハードルが高いものの、日本の企業への就職であれば難易度は下がります。
実際、日本の企業でキャリアを積んでからオーストラリアに駐在員として派遣される、というケースもあるんです。
ただし、
- 必ずしも駐在員として選抜されるとは限らない
- オーストラリアに派遣されるとは限らない
という注意点があります。
どうしてもオーストラリアで働きたい場合は、現地で就職活動することをおすすめします。
まとめ:オーストラリアへ海外就職しよう
今回はオーストラリアでの海外就職について解説しました。
オーストラリアに就職する場合、日本での職歴や英語力が求められるものの、時間をかけて準備をしていけば成功率は高まります。
まだ学生の場合は、オーストラリアで留学をする、現地の長期インターンシップに参加するなどさまざまな準備ができます。
早めに就職に向けての準備をスタートして、オーストラリアへの海外就職を果たしましょう。