今回は、海外で活躍するエンジニアの業務内容や給料、必要なスキルを体験談を交え、解説していきます。
Kredoでは多くの卒業生が海外のIT企業への就職を実現させており、よりリアルな情報をご紹介いたします。
- 海外への転職を考えている方
- エンジニアとしてのキャリアを迷っている方
はぜひ読んでみてください!
記事のもくじ
海外で働くエンジニアとは
エンジニアとして海外で働く場合、どういったパターンが考えられるでしょうか。
エンジニアが海外で働くための、いくつかのパターンをご紹介します。
海外赴任して駐在員として働く
いわゆる日系企業の「駐在員エンジニア」として働くパターンです。
この場合、以下のような条件の日系IT企業に入らなければなりません。
- ある程度規模が大きい
- すでに海外事業をもっている
- これから海外事業を開拓する
また、「駐在員」は人気のポジションでライバルもかなり多いです。
社内でもしっかりと結果を残し、アピールし続けなければ選ばれることは難しいでしょう。
僕の友達には、新卒で海外赴任(シンガポール)を任されていたツワモノもいました。
彼の特徴としては、
- 内定時からずっと海外勤務希望を言い続けていた
- 内定時から研修などで目立っていた
- なにより、英語が堪能だった
という点です。
新卒から駐在員として働くことも夢ではないかもしれませんね!
また、ベンチャーで海外進出を目指す企業であれば、人数も少ない分、自分にチャンスが巡ってくる確率も高いでしょう。
アメリカ企業で働く
アメリカ企業の日本支社で働き、アメリカ勤務を任されるパターンです。
この場合、「L-1」「H-1B」というビザを取得することになります。
アメリカで会社員として働く際にもっとも一般的なビザで、技術職や管理職の方が対象となります。エンジニアとして働く際はこのビザで働くことになるでしょう。しかしながら、発行数に制限があるため取得することは困難です。
期間は3年で、さらに3年延長することができ合計6年就労することができます。その後の延長は、グリーンカードを獲得することになります。
多国籍企業用の社内異動ビザです。過去3年のうち1年間、アメリカ以外の支社で働く必要があります。「H-1B」よりビザの取得難易度は低いですが、そもそも日本支社からアメリカ本社に行くこと自体が容易ではありません。
初回で3年間、その後2年更新を2回でき、合計7年間就労可能です。
アメリカ企業の日本支社からビザをとることができれば可能ですが、日本支社からアメリカ本社というルートはかなり難易度が高いため、それ目的でアメリカ企業に入社するというのも現実的ではありません。
日系IT企業で現地採用として働く
日系IT企業や、オフショア開発拠点で現地採用として働くパターンです。
すでに海外に拠点をおいているIT企業では「現地採用」というかたちで日本人を採用していますが、駐在員よりはお給料が低いかもしれません。
特に最近では、東南アジアへ進出する日系IT企業が多く、英語で現地のエンジニアとコミュニケーションがとれる日本人エンジニアは非常に重宝されています。
フリーランスとして働く
海外に居住しながら、フリーランスとしてリモートで案件を獲得するというパターンです。
この場合の多くは、観光ビザを延長しながら滞在します。
自分自身も、コワーキングスペースなどで働く日本人エンジニアをよくみかけます。
海外で働くエンジニアの給料
海外で働く上で気になるのが、どのくらいお給料をもらえるかですよね。
結論、働く国や働くスタイルによって、ピンキリといえます。
そんな海外で働くエンジニアの給料をご紹介していきます。
駐在員
海外赴任して駐在員エンジニアとして働く場合、日本と同水準の給料で働く場合が多いです。
とくに東南アジアなどの日本よりも物価の低い国では、月20〜30万円の給料があれば、かなり贅沢に生活することができます。
逆に日本よりも物価の高いシンガポールやヨーロッパの場合は、その国の水準の給料をもらうことができたり、住宅補助などの手当がつくようになります。
アメリカ企業
アメリカ企業で働く場合は、もちろんその企業の給料水準で支払われます。
現地採用
日系企業の現地採用として働く場合は、その国の「給料水準+α」でもらことが多いでしょう。
例えばフィリピンでは、現地の方の月給が2万円ほどという中で(英語教員など)、日本人スタッフの月給はだいたい10万〜20万円ほどの給料となっています。
一見少なく聞こえるかもしれませんが、現地の物価は3分の1である上に、住宅補助などがつく場合もあるため、貯金できるほど余裕を持って生活することができます。
東京でも働いていた僕からすると、東京にいるときよりもお金を使わないですし、余るお金は多いです。
東京は物価が高いので、もらっても出て行く出費が大きく、結果的には手元にあまり残らないという印象です。
フリーランス
フリーランスとしてリモートで案件を獲得し働く場合は、もちろん、その方のスキルや実力次第となります。
海外で働くエンジニアの業務内容
海外でエンジニアとして働く場合、プログラマーなどのがっつりプレイヤーとして働くパターンもありますが、ディレクションやマネジメント、ブリッジSEとして翻訳業務というプレイヤーから一歩引いたポジションも多くあります。
また、職種によって求められるスキルも変わってきますし、ただ単に技術力があるだけでは務まらないため注意が必要です。
エンジニア・プログラマー
海外でエンジニア・プログラマーとして、IT先進国アメリカで働く場合はかなりハードルが高いです。
なぜなら、ビザの取得が厳しいからです。
一方で、東南アジアなどの開発拠点で働く場合は、マネジメント業務などを兼務することもあります。
また、日本人技術者が不足しているため一人の裁量が大きく、成長や経験を求めるには最高の環境といっていいでしょう。
テスター
日系大手IT企業のオフショア開発現場では、テスターとして働かれている方も多くいます。
Kredo卒業生の𩿗瀬駿平さんは、Kredo入学前にセブ島の日系企業でテスターをしていたそうです。
マネージャー
海外、とくに東南アジアのオフショア開発現場では、外国人エンジニアやビジネスサイドのスタッフ全体をマネジメントするポジションが非常に重要になってきます。
マネージャーにも様々な役職があり、プロジェクトマネージャー(PM)であったり、「日系企業ブランチ(支社)の社長=マネージャー」というケースも多いです。
ディレクター
マネージャーより実務に近いのがディレクターです。
ディレクターは要件定義からスケジュールの管理、外国人エンジニアのマネジメントを行います。
また、Kredoの卒業生である藤原さんは、現在ディレクターとしても活躍しています。
【藤原さんのインタビューはこちら】
ブリッジSE
ディレクターに似ていますが、海外のオフショア開発現場ではこのブリッジSEという職種がキーパーソンになってきます。
具体的には日本のクライアントの要望を翻訳し、的確に外国人エンジニアに指示をだすのが、このブリッジSEの役割です。
Kredoの卒業生である鵜瀬さんは、現在ブリッジSEとして活躍しています。
【鵜瀬さんのインタビューはこちら】
海外で働くエンジニアに求められるスキル
海外でエンジニア、プログラミングスキルを生かして働くためにはどういったスキルが必要なのでしょうか?
プログラミング能力
エンジニア・プログラマーとして働くのであればプログラミングスキルは必須です。
しかし、先ほどご紹介した、
- テスター
- マネージャー
- ディレクター
- ブリッジSE
に関しては、細部まで理解できる完璧なプログラミングスキルが必要なわけではありません。
後述しますが、英語力、そして、異文化コミュニケーション能力においてバランスよくスキルをもっていなければなりません。
英語力
外国人とコミュニケーションをとる上で必須なのが英語力です。
具体的にどのくらいのスキルが必要かというと、
- 日常会話がスムーズにできるレベルは必須
- プログラミングや技術的な専門用語が理解できる
- TOEICなどの点数が高ければ良いというわけではない
というレベルです。
かなり曖昧ですが、大体の方はインターンから入社し、英語でのコミュニケーションに徐々に慣れていきます。(現地採用の場合)
駐在員の場合は、英語がある程度できなければ選抜されないでしょうから、選抜されるレベルの方は問題ないでしょう。
異文化コミュニケーション能力
「異文化コミュニケーション能力」は海外で働く上で非常に重要なスキルです。
なぜなら、文化の違いによって、衝突したり、相手をうまくモチベートできなかったりといった問題が生じるからです。
海外でエンジニアとして働くことによるメリット・デメリット
海外でエンジニアとして働くことによるメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
海外でエンジニアとして働くことによるメリットは、
- エンジニアとしての価値をあげられる可能性がある
- 海外の優秀なエンジニアと働くことで刺激を受けられる
- 海外のITトレンドをつかむことができる
ことです。
エンジニアとしての価値をあげられる可能性がある
IT人材の不足やグローバル化により、これから日本でも外国人エンジニアの採用ということは一般化していくでしょう。
最近では、日本を代表するユニコーン企業メルカリが新卒のうち9割でインド人エンジニアを採用したというニュースがありました。
メルカリの新卒エンジニア9割が外国人、インドの次はどの国から採る?
その際に、異文化を理解し、外国人エンジニアをマネジメント、あるいは円滑にコミュニケーションをとることができるスキルが重要になってきます。
海外のITトレンドをつかむことができる
エンジニア・プログラマーは常にスキルアップを求められる職業のため、ITトレンドや情報を常にキャッチアップする必要があります。
なぜなら、ITトレンドの移り変わりは非常に早いからです。
現在使われているプログラミング言語は数年後、いや1年後には使われていないなんてこともあるかもしれません。
最近では、金融業界システムを司ってきたプログラミング言語「COBOL」が「基本情報技術者試験」から廃止され、代わりに「Python」が追加されることとなりました。
COBOL廃止とPython追加–IPAが「基本情報技術者試験」を見直し(ZDNet Japan)
さらに、日本のIT投資はアメリカのIT投資の10倍も遅れていると言われています。
「日本のIT投資が米国に10年遅れている」は誇張でないと私が断じる理由(日経 xTECH)
また、AI(人工知能)、IoT、ビックデータという分野においては特に遅れをとっています。
【新時代・第1部 日本はどこへ向かうのか】(2)AI戦略周回遅れ(産経新聞)
海外の優秀なエンジニアと働くことで刺激を受けられる
前述しましたが、エンジニア・プログラマーは常にスキルアップを求められる職業。
そのため、高いモチベーションで仕事をしたり、常に情報をアップデートすることが必要です。
世界には優秀な人材がたくさんいますし、特にアメリカのトレンドは世界で最新のものです。
そういった最前線で活躍しているエンジニアと働くことは非常にモチベーションにもなるでしょう。
デメリット
海外でエンジニアとして働くことによるデメリットは、
- 働く国によっては年収が下がる可能性もある
- 環境の変化に適応できない場合、メンタル的にしんどい
ことです。
海外でエンジニアとして働くのに向いている人・向いていない人
海外でエンジニアとして働くのに向いている人、向いていない人はどういった方になるのでしょうか。
向いている人
海外でエンジニアとして働くのに向いている人は、
- コミュニケーションを取るのが好きな人
- 英語が得意、または話したい人
- 海外で挑戦したい人
上記のような方です。
海外では日本よりも陽気な方が多い国もあります(笑)
そんな方達とコミュニケーションを取りながら、楽しく働いてみたい方にはとっておきの場所ですね!
向いていない人
海外でエンジニアとして働くのに向いていない人は、
- 環境適応能力が低いと感じる人(海外の環境などが苦手、食べ物の好き嫌いが多いなど)
- 英語を全く話せない人
- エンジニアやプログラマーなどプレイヤーとしてプログラムを書いていきたい人
上記のような方です。
まとめ:海外でエンジニアとして働く経験はおすすめ
結論、海外でエンジニアとして働く経験は非常にオススメです。
なぜなら、ほかのエンジニアと差別化でき、これからの時代に貴重な人材ことができるからです。
例えば、海外であなたがエンジニアやブリッジSE経験を積んだとします。
冒頭でもご紹介したように、現在日本ではユニコーン企業であるメルカリの新卒9割がインド人エンジニアであったり、東南アジアでのオフショア開発拠点では日本人エンジニアの数が不足しています。
今後はこのようなグローバル開発が進み、外国人エンジニアとコミュニケーションをとりながら仕事をすることができる人材が重宝されるでしょう。
また、現状日本でモチベーションもなく、つらいと思いながら働いている方は一度海外で働いてみることをオススメします。
満員電車に乗らない生活、海外の陽気なエンジニアとの仕事、日本と違った仕事の価値観を感じることができるかもしれません。