テストエンジニアの仕事は、IT業界で製品の品質を保障するために欠かせない仕事ですが、きつい、つらいという声を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
結論として、テストエンジニアからスキルを身につけキャリアアップすることは可能です。
本記事ではテストエンジニアの仕事がきついと言われる理由、向いている人の特徴、キャリアと将来性について解説していきます。
記事のもくじ
テストエンジニアの仕事内容
テストエンジニアとは、ソフトウエアやWebサイト、アプリのリリース前にテストをし、不具合やバグがないかを確認する仕事です。
テストをしてはじめて製品の品質が保証できることになります。
仕事内容は大きく分けて3つあり、テスト計画の作成、テストの実施、結果の報告です。
システムエンジニアやプログラマー、開発者と関わりながらチームで仕事を進めます。
テストエンジニアはきつい、やめとけと言われる理由
結論、きつくなったり、将来性が不安になったりするかどうかは現場によります。
そこで、なぜ「きつい」「やめとけ」などと言われるのか、どんな現場は避けるべきなのかを調べました。
単純作業の繰り返し
テストエンジニアの仕事がつらいことの理由に、単純作業の多いことが挙げられます。
地道な作業が多いので「つまらない」と思って諦めずに、こつこつと最後まで取り組む姿勢が必要です。
また、AIの発達により、単純作業の繰り返しの仕事は自動化されると言われています。
現場によっては、いつまでたっても単純な作業の繰り返しで、将来性に不安を感じることもあるでしょう。
現場でのディスカッション、および提案や改善ができるかどうかで、将来のキャリアに大きく影響があると言えます。
「働いていても忍耐力しかついていない」「このままでは未来がない」と思う場合は転職も検討してみましょう。
裁量権が少ない
テストエンジニアの仕事は環境によっては、テスト結果を報告するのみのことがあります。
このような環境の場合、実装やシステムの改善は別の担当者に一任されるため、テストエンジニア自身での裁量権は低くなります。
自分で考えてクリエイティブに仕事をするというより、指示に正確に従って行動できるかが求められる仕事です。
ただ、裁量権はプロジェクトやチームの体制、およびクライアントとの関係にも大きく左右される部分です。
マネジメントのメンバーを観察し、クライアントと積極的に意見交換や提案ができているかを観察してみましょう。
マネジメントとテストエンジニアとの関係に反映されていることがよくあります。
知識やスキルをつけて提案をしたり、マネジメントなど別のポジションに移ったりするチャンスが全くない場合は、スキルアップが難しい環境かもしれません。
スケジュールが厳しいことがある
一般的にはテストは最後の工程となります。
プロジェクトによりますが「企画→設計→開発→テスト→実装」という流れで一般的にスケジューリングされます。
このため、設計に遅れが発生すると納期に合わせて長時間労働をせざるを得ないことがあります。
また、テストをやっているとつきものの不具合についても、結果をまとめて設計に提案することになります。
提案を含めて納期に合わせる必要があるため、タイムマネジメントのスキルが必要になります。
テストエンジニアの仕事の楽しいところ
きつい、つらい面にフォーカスされがちなテストエンジニアですが、それだけではありません。
テストエンジニアとして楽しみながら長く働いている人も存在します。
また、テストエンジニアから設計、マネジメントなどキャリアアップして活躍するパターンもあります。
テストエンジニアのやりがいや楽しい面についてフォーカスしていきます。
縁の下の力持ち的存在
システムやアプリなどがテストなしで発売されてしまうと、人々の生活や企業イメージに大きな影響をもたらします。
テストエンジニアが不具合がないか確認することによって、問題や欠陥を発見し、解決につながります。
一見地味で大変な仕事に捉えられがちですが、製品が世の中に出るまでになくてはならない縁の下の力持ち的な存在です。
リリース前のシステムに触れられる特別感、チームでのモノづくりの過程を楽しめる人はやりがいを感じられるでしょう。
逆に、チームでの仕事や長期目線での楽しみを見つけられず、例えば短期的な成果や個人プレイを仕事に求める場合は、テストエンジニアの仕事はつらく感じてしまうでしょう。
自分次第でスキルが身につく
テストエンジニアがキャリアアップできる例として、テストエンジニアのマネジメントやプログラマーに転向するパターンがあります。
また、現役でテストエンジニアを極め、長い期間活躍する人もいます。
下記は、プロトソリューション 10年のキャリアを持つ女性エンジニア玉城さんの記事です。
漠然と選んだIT業界テストエンジニアの楽しさを知って気づいたら10年経ってました!
チームでディスカッションを繰り返し、テストの内容を試行錯誤しながらユーザー目線のテストへ変えていった様子が書かれています。
テストエンジニアとして長く仕事をするポイントとしては、いかに単純作業を有意義な作業に変えていけるかにあります。
また、テスト業務から幅を広げ、テスト設計に関わるようになった事例もあります。
【エンジニアインタビュー①】″テスト実行者″から設計者へキャリアアップ
中村 俊友さんは、テストだけをしていた仕事から、将来的なキャリアアップを見込んでネクストフィールド株式会社に転職し、スマホアプリのテスト設計を担当しています。
テストエンジニアとして仕事をする際には、目的意識を持ち、キャリアをどう切り開いていくか意識しましょう。
テストエンジニアに向いている人
テストエンジニアの仕事は単純なだけではありません。
誰でもできる単純作業と言われることがありますが、そうではない要素も持っています。
テストエンジニアに求められるスキルや要素についてまとめました。
集中力がある
テストエンジニアの仕事は、同じ作業を繰り返し正確に行う必要があります。
不具合を見つけるには集中力を維持しなければなりません。
集中力を保つには、単純に見える作業でも意味を理解して実践し、分からない場合はチームのメンバーでコミュニケーションを取りながら確認することが必要です。
また、集中力を保つためには体調面も整えておくことが大切です。
ロジカルに考えられる
与えられた仕事をただ単純にこなすだけでなく、どんな意味があるのか、なぜ決められた回数をこなすことが必要なのかを考えて行うことが求められます。
例えば、不具合を発見することを目的にするのではなく、関連性や発生条件の仮説などの分析ができると、プロジェクト全体への貢献度が高くなります。
ロジカルに考えられるようになると、テストの計画や業務の効率化にも関わることができ、仕事の幅が広がります。
コミュニケーション力がある
ロジカルに本質を考えながらテストを行うためには、質問を行うコミュニケーション力も求められます。
テストを行う本質を知り、より効率的にテストを行うためには、チームとのコミュニケーションが不可欠です。
また、プロジェクトの規模により、テストの数や関わる人数が膨大になることがあります。
チームで仕事をしていくにはコミュニケーション力が不可欠であり、リーダーにはマネジメント力も求められます。
このとき、テストを組み合わせて適切な人員を配置して実施するため、コミュニケーション力だけでなく環境の整備などの知識も必要とされます。
テストエンジニアのキャリアと将来性
AIの普及により仕事が自動化されると言われています。
テストエンジニアの業務についてはどのように予想できるでしょうか?
結論としては、数年以内にテストエンジニアの仕事が全てAIに代替えされるのは難しいでしょう。
現状として、開発のチームで全くの単純作業だけを担当するという場合は珍しく、多少なりともコミュニケーションを取りながら進める必要があるからです。
テストエンジニアの仕事をすると、表面的ではありますがソフトウェア開発の基礎知識を学ぶことができます。
IT業界への転職を考える際には、テストエンジニアの経験が有利になることがあります。
また、IT業界ではチームで仕事を行うことも多いため、チームで働く感覚を身につけていることは業界が全く未経験の人に比べて有利になります。
まとめ:テストエンジニアがプログラミングを身につけIT業界でキャリアアップ
テストエンジニアがプログラミングを身につけることは、業務の幅を広げる上で有利になります。
テストエンジニアの業務そのものではプログラミングは求められません。
ただ、ある程度プログラミングの知識があった方が、コードを理解しながら効率的にテストを行うことができます。
また、テストエンジニアからスキルを身につけ、上流の工程のプログラマーやシステムエンジニアにキャリアアップすることも可能です。
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