在職中に海外企業の面接を受けるなら、最初に決めたいのは「仕事を終えて、落ち着いて話せる時間」です。終業時刻だけを見て候補を出すと、帰宅が間に合わない、面接が延びて次の予定にぶつかる、夏時間の切り替えで開始が1時間ずれる、といったことが起こり得ます。
この記事では、日本で働きながら海外企業のオンライン面接を受ける場面を中心に、候補日の作り方から休暇の調整、英語の連絡、当日の準備までを整理します。応募前に仕事の一部を試したい人は会社を辞めずに海外キャリアを試す方法、採用後の勤務時間を判断したい人は海外リモートの時差と生活リズムの確かめ方も参考にしてください。
日程例は編集部が作成した架空の条件です。実在の応募者・企業・選考実績を示すものではありません。制度・サービスの確認日:2026年10月13日。
候補日を出す前に、面接全体の長さを確認する
「来週、都合のよい時間を教えてください」という連絡だけでは、必要な空き時間が分かりません。案内に書かれている事項を確認し、不足分を採用担当者に聞きましょう。
- 所要時間と構成:30分の担当者面談か、複数の面接官と連続で話す面接か。途中の休憩を含めて何時に終わる予定か。
- 基準になる都市と時間帯:候補時刻は誰の現地時間か。面接官が複数の国にいる場合、日程をまとめる担当者の指定に合わせる。
- 実施方法:使用する会議サービス、参加URLの送付時期、個人の端末で接続できるか、事前に必要な設定、つながらないときの連絡先。
- 準備と課題:資料や発表の有無、その場で行う課題か事前提出か。提出期限がある場合は、年月日・時刻・タイムゾーンまで確認する。
例えば45分の面接だと思って昼休みに入れた後、実際には90分の面接と課題があると分かれば、日程の取り直しが必要です。先に全体を把握すれば、勤務後で対応するか、休暇を使うかを判断できます。対面面接の場合は、ここに移動、受付、帰路の時間も加えます。
所要時間が未定なら、返信を止めたままにせず「参加できそうな時間帯」を伝えたうえで長さを尋ねます。ただし、まだ仕事の調整が済んでいない枠を、参加確定の候補として約束しないようにしましょう。
現職の予定から、無理なく受けられる枠を作る
まず現職の会議、繁忙日、締め切り、通勤、家事や育児など動かせない予定を書き出します。その後、面接に使える枠を2〜3つ選びます。候補数は目安なので、1つしか確保できない場合は、その条件を率直に伝えて調整を相談して構いません。
18時終業・通勤45分の人でも、19時開始なら余裕があるとは限りません。退勤の遅れや食事、着替え、接続確認を考えると、面接開始までの15分では足りないことがあります。自分が実際に席に着ける時刻から逆算します。
- 20:10〜20:30|20分接続・カメラ・音声を確認し、話す内容を見直す
- 20:30〜21:15|45分採用担当者に提示する面接の開始・終了時刻
- 21:15〜21:30|15分面接の延長や接続トラブルに備えた余裕
- 21:30〜21:40|10分聞いた条件、次回までの準備、期限を記録する
この配分は編集部の計画例で、企業が指定する時間ではありません。前後の余裕を含む90分すべてを、面接可能時間として相手に伝える必要はありません。
候補を出す前に、面接と前後の余裕を含めた時間が取れるかまで確認します。帰宅が遅れがちな日は外し、翌朝の仕事や睡眠も含めて続けられる時間を選びましょう。何度も深夜の面接になる場合は、別の開始時刻や、長い面接を複数日に分ける余地があるかを早めに相談します。希望が通るとは限らないため、対応できる条件を先に決めておくと判断しやすくなります。
時差は「都市・面接日・開始と終了」で照合する
今日の時差を、そのまま数週間先の面接に当てはめないようにします。夏時間のある地域では、候補日の前後で日本との時差が変わります。国名や時刻の略称だけで判断せず、相手の都市と、その面接日のタイムゾーンを確認してください。
英国政府の案内では、2026年の夏時間は10月25日に終了します。ロンドンの「12時30分」という同じ開始時刻でも、その前後では日本での開始が変わります。
夏時間中
2026年10月23日(金)
ロンドン 12:30
BST/UTC+1
日本は同日 20:30
JST/UTC+9
夏時間終了後
2026年10月30日(金)
ロンドン 12:30
GMT/UTC+0
日本は同日 21:30
JST/UTC+9
換算を示す架空の面接例です。2026年の条件で計算しており、切替日を他の年や国にそのまま使うことはできません。
上の例で日本の20時30分開始を維持したいなら、10月30日はロンドン11時30分開始で相談する必要があります。「毎週金曜の同じ時間」とだけ書かず、どちらの地域の時刻を基準にするかを明確にします。日付をまたぐ組み合わせでは、日本側と相手側の年月日・曜日をそれぞれ書きます。
カレンダーの表示と、連絡文の日時を突き合わせる
Google カレンダーの公式ヘルプでは、パソコン版で追加のタイムゾーンを表示し、予定ごとにタイムゾーンを指定できます。個人用カレンダーで日本と相手の都市を表示し、候補日の開始・終了を照合すると確認しやすくなります。
ただし、同ヘルプには夏時間や地域の制度変更が反映されるまで誤った時刻で表示される場合があると記載されています。受け取った招待とメールの日時が食い違うときは、どちらかを正しいと決めつけず、採用担当者に確認しましょう。旅行中に面接を受ける場合は、端末の表示タイムゾーンと実際に滞在する場所も見直します。
勤務時間と重なるなら、休暇と引き継ぎを先に調整する
相手の営業時間に合わせると現職の勤務と重なる場合は、使える休暇や勤務制度を確認します。昼休みや在宅勤務だから自由に面接できると考えず、面接前後の時間も含めて仕事から離れられるかを見てください。
日本の年次有給休暇では、時間単位の取得には労使協定が必要で、年5日以内の範囲です。半日単位とは扱いが異なります。まず勤務先の就業規則や人事案内で、半休・時間単位年休の有無、対象者、利用単位、残数、申請手続きを確認しましょう。詳しくは厚生労働省の時間単位年休の説明と半日単位との違いを参照してください。国外で働く場合は、適用される法令と勤務先の制度を別途確認してください。
フレックスタイム、私用外出、振替勤務なども、利用できるか、どの時間なら仕事を外せるかは勤務先ごとに異なります。「あとで働けばよい」と自己判断せず、必要な手続きを済ませてから面接枠を確定します。
- 会議がある:自分の参加が必要か、日程変更や代理参加が可能かを確認する。
- 締め切りがある:休む時間までに終える作業と、前日までに渡す資料を決める。
- 担当業務が止まる:必要な引き継ぎ先と緊急時の扱いを調整し、面接中に業務対応を抱え込まない。
職場への申請では、社内手続きに必要な情報を正確に伝えます。休むために体調不良などの理由を作ったり、会議への出席を装ったりするのは避けましょう。転職活動の詳細を誰に伝えるかと、業務の引き継ぎをどうするかは、分けて考えられます。
休暇の調整がまだ終わらない場合は、採用担当者へ「勤務先で調整中で、いつまでに回答できるか」を事実の範囲で伝えます。相手の回答期限も確かめ、間に合わないなら期限延長か別日程を相談します。
日程の連絡は、候補提示と確定を分ける
候補を送った時点では、面接日はまだ決まっていません。候補を出した日、相手が選んだ日時、招待が届いたかを、個人用の予定やメモで管理します。複数社に同じ枠を提示している場合は、先に決まった面接と重複しないよう、残る候補を更新しましょう。
2つの候補を伝える英文例
次の英文は、45分の面接であると確認済みで、記載した2枠のどちらにも参加できる場合の例です。実際に使うときは、自分の空き時間と相手の都市に合わせて全日時を置き換え、換算し直してください。架空の日程を、そのまま送らないでください。
Hello [Name],
Thank you for the invitation. I’m available for a 45-minute interview at either of the following times:
- Tuesday, 27 October 2026, 11:30–12:15 London time (GMT, UTC+0).
In Japan: 20:30–21:15 JST (UTC+9) on the same day. - Thursday, 29 October 2026, 11:30–12:15 London time (GMT, UTC+0).
In Japan: 20:30–21:15 JST (UTC+9) on the same day.
Please let me know which option works for you and send the meeting link.
Best regards,
[Your name]
意味は「面接のお誘いありがとうございます。次のどちらかの時間に45分間参加できます。ご都合のよい候補と会議リンクをお知らせください」です。現職の会議名や取引先など、日程調整に不要な情報を相手へ説明する必要はありません。
返信と招待が届いたら、同じ日時になっているかを見る
採用担当者の返信、カレンダー招待、予約ページを使った場合の確定表示を確認し、日本と相手側の日付、開始・終了、会議リンクを照合します。表示される時刻が端末の設定によって変わることもあるため、予約ページのタイムゾーン欄も読みます。
候補のうちどれを選んだかが曖昧だったり、招待の面接時間が想定より長かったりする場合は、予定を重ねず確認します。面接前日までにリンクが届かないなど準備に支障があるときは、案内された連絡先へ確認しましょう。迷惑メールフォルダや応募システム内の通知も、先に確認しておくと行き違いを減らせます。
変更が必要なら、変更前の日時と代案を一緒に伝える
現職の予定が急に変わり、確定済みの面接に参加できなくなった場合は、分かった時点で連絡します。例えば、実際に仕事の予定変更が理由であれば、次のように書けます。
Due to a change in my work schedule, I’m no longer available for our interview scheduled for [date and time, including the time zone]. Could we move the interview to [option A] or [option B]? I’m sorry for the change.
「仕事の予定が変わったため、確定済みの日時に参加できなくなりました。候補AかBへ変更できますか」という意味です。理由が違う場合は事実に合わせ、代案には相手側と日本側の日時を入れます。新しい日時への合意を得て、古い招待が残っていないかも確認してください。
回答を考える時間は、面接当日の接続確認と分ける
仕事から帰って、初めて求人票を読み直す状態では落ち着きにくくなります。日程が決まったら、前日以前に短い準備時間を別に取りましょう。30分しか取れない場合でも、次の順に進めると、何を話すかを具体化できます。
- 求人票で求められる仕事を選ぶ:面接で確かめたい役割・責任を読み、実際の経験と結びつく要件を押さえる。
- 話せる経験を一つ整理する:状況、自分の役割、行ったこと、確認できている結果をまとめる。英語で一度声に出し、詰まる箇所を短く言い換える。
- 自分から確かめることを用意する:担当業務や次の選考など、求人票にない点を質問にする。応募先の説明で解決した質問は、その場で入れ替える。
これは限られた時間で着手するための順番です。面接全体の準備が30分で済むという意味ではありません。回答内容を練習したい場合は、英語面接の質問例・回答例と対策で自己紹介や逆質問も確認してください。
事前課題がある場合は、面接時間とは別に作業時間を確保します。想定作業量、提出形式、締め切り、使ってよい資料やツールを確認し、現職の繁忙期に重なるなら早めに相談しましょう。指定された提出期限を勝手に日本時間へ読み替えないことも大切です。
面接の場所・端末・画面から、現職の情報を漏らさない
オンライン面接は、周囲に話を聞かれず、画面や資料が見られない場所で受けます。会社の会議室、会社支給PC、業務用メールを私的な転職活動に使えると決めつけず、勤務先のルールに従って個人の環境を用意してください。会社資料を個人端末へ移して準備することも避けます。
当日は個人アカウントでの接続になっているかを確認し、通知や不要なウィンドウを閉じます。画面共有が必要なら、共有する資料を事前に開き、可能な場合は必要なウィンドウだけを選びます。デスクトップ全体、メール、チャットの通知に現職の情報が映らないかを見直してください。
実績を説明する場合も、顧客名、未公開の数字、社内資料などは勝手に共有しません。自分が担当した役割や進め方のうち、外部に話せる範囲で答えます。録画・文字起こし・外部AIへの入力も、相手の許可や各社のルール、扱う情報を確認せずに始めないようにしましょう。
面接後は、次の選考、宿題、回答期限を自分の言葉で記録します。職場の共有カレンダーや社内ツールへ応募先の情報を入れず、個人用の記録で管理してください。機密資料や会話の無断録音を、振り返りのために保存する必要はありません。
最初の一件を、無理のない時間に確定させる
まず面接の所要時間を確認し、現職の予定と前後の余裕を含めて候補を選びます。そのうえで都市・日付・タイムゾーンを照合し、必要な休暇や引き継ぎを調整します。最後に相手の返信と招待の日時が一致しているかを確認すれば、当日は面接の内容に集中しやすくなります。
面接に参加できる時間帯と、入社後に毎日働ける時間帯は別に確認が必要です。今回の面接が夜だから採用後も夜勤だと推測せず、実際の勤務帯や会議について質問しましょう。逆に、面接だけなら深夜に対応できても、それが毎日の働き方として続けられるとは限りません。
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