近年、フィリピンの語学留学は人気が高まっています。
フィリピンはアジアの中で最も英語を話す国で、フィリピン人は小学生の頃から英語を第2言語として学び、日常生活でも英語が飛び交う環境であるため、英語を学ぶ留学先として注目を浴びています。
マンツーマン授業で効率的な学習が行えることや、日本と同じアジアにあること、そして留学費用を安くおさえられることも人気の理由です。
国別の3ヶ月の留学にかかる費用を見てみましょう。
アメリカ | 80万~120万円 |
カナダ | 60万~110万円 |
オーストラリア | 60万~110万円 |
フィリピン | 15万~30万円 |
このように英語圏の国と比べても、フィリピン留学はいかに格安かがわかると思います。
日本から5時間程度で行けるため航空券代が安い、講師を務めるフィリピン人の人件費が安い、物価が安いため学費や生活費を安くおさえられるといった理由から、フィリピン留学は費用をおさえてられているのです。
しかし、このフィリピン格安留学には多くの落とし穴があります。
語学学校選びで失敗しないためには、選んではいけない留学先の特徴、ポイントを知っておくことが大切です。
そこで本記事では、フィリピン格安留学の落とし穴を7つ紹介します。
記事のもくじ
フィリピン格安留学の落とし穴1:講師の質が低い
相場より異様に費用が安い語学学校の場合、英語圏からワーキングホリデーで来ているアルバイトやパートタイマーに講師を任せているケースがあります。
中にはカリキュラム作成なども一任し、低賃金かつサービス残業を頻繁にさせるなど、講師の待遇が劣悪な学校もあります。
「フィリピン人講師が生徒にお金を要求する」という信じられない話もあります。
また、トレーニングを積んでいない講師だと、授業で気になることを質問しても「私もわからないけどそうなっているから」と無責任な回答しか返ってこないことが起こりえます。
その程度の語学学校では「せっかく英語を学びに海外まで行ったのに英語力はたいして身につかなかった」なんてことになりかねません。
フィリピンにある語学学校の9割が政府の認可を取れていない語学学校だと言われています。
たとえ大手資本の学校でも違法経営の語学学校は存在します。
違法経営の語学学校を回避するために、その学校が「教育庁(TESDA)」「移民局(SSP)」の許可を取れているか確認するようにしましょう。
フィリピン格安留学の落とし穴2:日本人に合っていない教材を使っている
講師の質が低いことと合わせて、日本人に合ったまともな教科書を使っていない語学学校も多くあります。
かつてフィリピンに留学しにくるのは基本的に韓国人でした。
当然ですが、フィリピンにある語学学校は、ほとんどと言っていいほど韓国系資本で作られた学校です。
そのような状態なので、日本人留学生は韓国系資本の学校に入り、韓国人に混じって英語を学ぶことになります。
そもそもが韓国人向けの学校なので、学習カリキュラムや設備、食事などは韓国人学生を想定して作られています。
フィリピンでは韓国人向けの海賊版教材を使う学校もいまだに多いと言われています。
フィリピン留学をする人の多くが英語レベル初級〜中級者。
英語レベルが高くないうちに英語を英語で学ぶのは効率が悪いです。
ましてや海賊版の教材を使う学校で、英語をきちんと伸ばすことができるかははなはだ疑問です。
きちんとした教科書と参考書を使い、日本人向けのカリキュラムで学べる語学学校を選びましょう。
フィリピン格安留学の落とし穴3:集客を留学エージェントに頼り切っている
留学先の学校を選ぶにあたり、留学エージェントを利用する方もいらっしゃるでしょう。
留学エージェントを使いまくっている語学学校は慎重になってください。
留学エージェントの利用料はとても高く、語学学校が留学エージェントに支払う金額の相場は留費用の30~40%ほどと言われています。
留学費用が30万円だとすると、10万円前後ものお金を留学エージェントに支払っていることになります。
そうなると講師やカリキュラムに十分なお金をかけていない危険性があります。
もちろん語学学校が留学エージェントを使うこと自体は問題ありません。
ですが集客の全てをエージェント任せにしている場合は、かなりの費用がかかっていると思っていいです。
語学学校自身がブログ等のオウンドメディアを持っている、説明会を主催しているなど、独自の発信に力を入れている学校を選びましょう。
フィリピン格安留学の落とし穴4:ど田舎または治安が悪い場所にある
フィリピン全域に言えることですが、フィリピンでは安全な場所と治安の悪い場所がまばらに点在しています。
同じ都市内、地域内でも治安が良い場所と少し危険な場所があるのです。
学校が郊外や治安が悪い場所にあるために費用が安くなっているケースがあります。
人によってはスパルタ式の英語学習を希望し、留学期間中は学校から出ないつもりだから治安やアクセスの悪さは気にしないという人もいるかもしれません。
ですが少しの間とはいえ海外で暮らすので、放課後や休日は外出するのが楽しみになるでしょう。
生の英会話や文化に触れるまたとない機会でもあるので、時には夜遅くまで友達と遊ぶこともあるかもしれません。
語学学校を選ぶ際には、学校が位置している場所と周辺地域の治安も合わせて確認するようにしましょう。
フィリピン格安留学の落とし穴5:カリキュラム以外を全力アピール
英語を身につけるために一番重要視するべきは教育カリキュラムです。
ですが、どういったカリキュラムで学ぶのかという説明をせずに、他の宣伝文句で集客する語学学校がたくさんあります。
「他校に比べて安い!」「施設が充実している!」といった宣伝文句の他、「南の島での楽しい生活」「外国人の友達がたくさん作れる」といった楽しい留学生活を全力でアピールしているのです。
英語はあまり話せないけれど、だからと言ってそれほど真面目に勉強するつもりはない。
でもいろいろな国籍の人たちと交流をしたい。
フィリピン、特にセブ島はアジア有数の観光地であるためでしょうか。
このように観光の要素が強い留学を求める人たちが一定数いるため、半分観光のような語学学校に需要があるのも事実なのです。
遊びをアピールするような語学学校のカリキュラムに従って勉強するだけでは、英語力は大して伸びません。
英語学習に本気で取り組むなら、観光や課外活動に勤しむことなどできないはずです。
当然ですが、そうした語学学校には不真面目な人が多く集まり、遊んでいる人が多いと周りに流されてしまうものです。
フィリピン留学に行ってきたのに「遊んだだけで終わってしまった」「講師や生徒同士で恋仲になっていしまい勉強に集中できなかった」など英語学習ができなかった人は意外に多いです。
真面目に勉強して英語力を延ばすことを目的にしているのなら、教育カリキュラムについての説明がなく、遊べることをアピールしている語学学校は避けるのが無難でしょう。
フィリピン格安留学の落とし穴6:生徒の成果を客観的な指標で公表していない
語学学校のホームページを見ると、留学する前後についての生徒の声が載っているのをよく目にします。
「英語力が伸びました!」「英会話がすらすら話せるようになりました!」、このように成果を公表している語学学校がほとんどだと思います。
ですがこの書き方だと英語力がどの程度伸びたのか、すらすら話せるようになったのかが具体的にわかりません。
語学学校を選ぶ時は、どれだけ英語力が伸びるのかを客観的な指標で公表している学校を選ぶようにしましょう。
つまり「TOEICが○○点から●●点に上がった」といった試験の点数のように、誰が見てもわかる基準です。
語学学校のテストはいくらでも結果を操作できるので、独自の試験を基準に英語力向上を謳う学校は地雷だったりします。
例えば入学時のテストは難しくして悪い点を取るように仕向け、卒業直前のテストを簡単にすれば、生徒はあたかも成績が上がったように錯覚してしまうのです。
さらに日本人生徒の場合だと、英語を話せる相手がいるだけで満足してしまう傾向があるようです。
ことに男性の場合、見た目がきれいな若いフィリピン人女性が講師というだけで、語学学校の満足度を高く評価してしまうのです。
フィリピン格安留学の落とし穴7:日本人スタッフが頻繁に入れ替わる
留学するために日本を離れ、数週間~数ヶ月間を異国で生活するとなると様々な問題が出てきます。
「英語の勉強を頑張っているもののなかなか身につかない」「人間関係のいざこざ」「体長不良やホームシック」 時には自分の力だけでは解決できない問題も起こります。
そんな時には、サポートしてくれる日本人スタッフの存在が重要になります。
ですが語学学校の中には、日本人スタッフが頻繁に入れ替わる学校があるのです。
中には月5~10件も日本人スタッフの入退社が起こる学校もあり、そのような学校では満足なサポートは望めないでしょう。
語学学校を選ぶ際は日本人スタッフによるサポート体制や入れ替わりの頻度についても確認し、参考にするのがよいでしょう。
まとめ:フィリピンの格安留学選ぶのは危険!
フィリピンの語学留学が他の国と比べると安いとは言っても十万円単位のお金は必要ですし、長期間の留学ともなれば必然的にかかる費用は大きくなっていきます。
「できるだけ安い学校に行きたい!」と誰しも思うものですし、実際に留学エージェントに寄せられるリクエストでも最も多いパターンです。
ですが実際には費用が安い学校には安いだけの理由があるのです。
留学費用が安い場合、どこかで費用を抑えていると考えてください。
格安の語学学校に行ったら、施設は古くてボロボロ、講師の質も生徒のレベルも低め……。
そのような環境で長期間過ごすのは理想的とは言えません。
目先の金額だけにとらわれず、目的を見据えてしっかり英語力を伸ばせる学校を選ぶことが大切です。