アメリカでIT留学(プログラミング留学)をするルートは、主に「コミュニティカレッジ」「4年制大学」「大学のエクステンション(社会人向け講座)」「コーディングブートキャンプ」の4つです。学校で授業を受けて学ぶには原則として学生ビザ(F-1またはM-1)が必要で、ESTA(ビザ免除プログラム)では単位や修了証につながる勉強はできません。費用は学期・年単位で、コミュニティカレッジの例でも留学生の年間見積もりが32,500ドル(約514万円)になり、入学時にはTOEFLなどの英語スコアが求められるのが一般的です(2026年9月時点)。
この記事では、4つのルートの違い、学生ビザの種類と留学中・卒業後に働けるルール、費用と英語の条件、そしてフィリピン・セブ島でIT留学する場合との比較を、公式情報をもとに説明します。
なお、この記事はセブ島でIT留学を運営するKredo(クレド)が書いています。アメリカの学校や制度は、米国政府と各校の公式サイトで2026年9月28日に確認できた情報だけを載せています。円の金額は1ドル=158円(2026年9月28日の三菱UFJ銀行の公表仲値157.77円をもとに概算)で計算しています。
この記事でわかること
- アメリカでIT留学する4つのルート(学校の種類・期間・向いている人)
- F-1・M-1・J-1ビザの違いと、ESTAで勉強できない理由
- ビザ申請の流れと費用、留学中・卒業後に働けるルール
- アメリカIT留学の費用と、英語の条件(TOEFL・IELTSなど)
- フィリピン・セブ島でIT留学する選択肢との比較
アメリカIT留学(プログラミング留学)の4つのルート

アメリカでITを学ぶ方法は、学位(大学の卒業資格)を目指すか、短めの期間で実務的なスキルを身につけたいかで大きく分かれます。
| ルート | どんな学び方? | 期間の目安 | ビザ | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| コミュニティカレッジ | 地域の2年制の公立カレッジで、コンピューターサイエンスなどの授業を単位制で受ける。4年制大学への編入を目指す人も多い | 1学期(約4ヶ月)〜2年 | F-1 | 4年制大学より費用を抑えて、単位や学位を目指したい人 |
| 4年制大学 | コンピューターサイエンスなどで学士号を取る。日本の大学の交換留学で1学期〜1年通う方法もある | 学位は4年が基本 | F-1(交換留学はJ-1のことも) | 学位を取りたい人、卒業後にアメリカで働く道も考えたい人 |
| 大学のエクステンション | 大学が社会人向けに開く講座。留学生がF-1ビザで通える修了証(Certificate)プログラムを用意している大学もある | 1学期(約3ヶ月)単位で数学期 | F-1(対象のプログラムのみ) | 学位より、データなど実務的な分野を短めの期間で学びたい社会人 |
| コーディングブートキャンプ | Web開発などを数週間〜数ヶ月で集中的に学ぶ民間のスクール | 数週間〜数ヶ月 | 学校が政府の認定(SEVP)を受けている場合のみF-1・M-1で通える | すでに英語力があり、短期で実践的に学びたい人 |
コミュニティカレッジ:費用を抑えて単位を取る
コミュニティカレッジは、地域の人が通うための2年制の公立カレッジです。ITの授業を単位制で受けられ、修了後に4年制大学へ編入する道もあります。たとえばカリフォルニア州のCollege of San Mateoでは、留学生は1学期に12単位以上を履修する必要があり、2026-27年度の授業料は1単位あたり385ドルで、ほかに1単位あたり登録料46ドル・施設費10ドルがかかります(12単位で5,292ドル)。英語の条件を満たしていない人向けに、提携する語学学校のプログラムを先に受ける「条件付き入学」も案内されています。
4年制大学:学位を取る・交換留学で学ぶ
4年制大学でコンピューターサイエンスなどの学士号を取るルートは、時間と費用が多くかかります。そのかわり、STEM分野(科学・技術・工学・数学)の学士以上の学位を取ると、卒業後にアメリカで働くための制度(後で説明するOPT)を条件つきで延長できる対象になります。日本の大学に通っている人は、所属大学の交換留学制度で1学期〜1年だけアメリカの大学で学ぶ方法もあるので、まず大学の国際交流の窓口に確認しましょう。
大学のエクステンション:社会人向けの修了証プログラム
エクステンションは、大学が社会人向けに開いている講座です。たとえばUCLA Extension(カリフォルニア大学ロサンゼルス校の社会人向け講座)には、F-1ビザで通える修了証プログラムが40以上あり、データサイエンスもその1つです。F-1の状態を3学期(9ヶ月)以上続けると、在学中のインターン(CPT)や修了後の就労(OPT)の対象になると案内されています。
コーディングブートキャンプ:ビザの扱いを先に確認
ブートキャンプは短期間で実践的に学べるのが魅力ですが、留学生が学生ビザで通えるのは、アメリカ政府のSEVP(学生・交流訪問者プログラム)の認定を受け、ビザ申請に必要な書類(I-20)を出せる学校だけです。認定を受けているかどうかは、米国国土安全保障省のSchool Search(認定校の検索)で確認できます。ブートキャンプは閉校や統合も起きているので、申し込む前に公式サイトで最新の開講状況も確認しましょう。
アメリカ留学に必要なビザ(F-1・M-1・J-1)とESTAの違い
アメリカの学校で学ぶためのビザは、学校と学び方によって決まります。
| ビザ・制度 | 対象 |
|---|---|
| F-1(学生ビザ) | 大学、カレッジ、語学学校などで学ぶ人 |
| M-1(学生ビザ) | 職業訓練校など、語学以外の職業・専門の学校で学ぶ人 |
| J-1(交流訪問者ビザ) | 交換留学や研修など、認定された交流プログラムに参加する人 |
| ESTA(ビザ免除)・観光ビザ(B) | 90日以内の観光・短期商用。単位や修了証につながる勉強はできない(趣味の短い講座は可) |
「3ヶ月だけならESTAでプログラミングスクールに通えるのでは?」と考える人もいますが、米国務省は、観光ビザやビザ免除プログラムで認められる勉強を「単位や学位・修了証につながらない、短い趣味の講座(例:旅行中の2日間の料理教室)」に限っています。数ヶ月かけて修了証を目指すような講座なら、学校にどのビザが必要かを申し込み前に確認しましょう。
学生ビザ申請の流れと費用
- 1. 学校に合格し、I-20を受け取る:I-20は、SEVP認定校が発行する入学許可の書類です。出願時には、学費と生活費を払える資金があることを示す書類(残高証明など)が求められます。
- 2. SEVIS費を払う:留学生の情報を管理する制度の費用で、F-1・M-1は350ドル、J-1は220ドルです。
- 3. オンライン申請書(DS-160)を出し、申請料を払う:F・Mビザの申請料は185ドルです。
- 4. 大使館・領事館で面接を受ける:面接は原則として必要です。米国務省は、F・M・Jビザの申請者に、すべてのソーシャルメディアのプライバシー設定を「公開」にするよう求めています。
- 5. 渡航する:学生ビザは授業開始日の365日前から発給されますが、入国できるのは開始日の30日前からです。
SEVIS費と申請料を合わせると535ドル(約8.5万円)です。手数料や審査のルールは変わることがあるので、申請前に米国務省と在日米国大使館の案内で最新の情報を確認してください。
留学中・卒業後に働けるルール(OPTなど)
- F-1の学内での仕事:学期中は週20時間までです。
- F-1の学外での仕事:在学中のインターン(CPT)や、卒業後の実務研修(OPT)など、許可を受けた場合に限られます。
- OPT:大学やカレッジで1学年以上フルタイムで学んだ人が、学んだ分野の仕事をするための制度で、期間は最大12ヶ月です。語学学校の学生は対象外です。
- STEM分野の延長:コンピューターサイエンスなどSTEM分野の学士以上の学位を取った人は、条件を満たせばOPTを24ヶ月延長できます。
- M-1:在学中は働けません。修了後に、フルタイムで学んだ4ヶ月ごとに1ヶ月、最長6ヶ月の実務研修が認められます。
OPTのあとも長く働くには就労ビザが必要で、専門職向けのH-1Bビザには2025年9月の大統領令で新たな制限が加わっています。卒業後の就職まで考えている人は、最新の制度を確認しながら計画を立てましょう。
アメリカIT留学の費用(2026年9月時点)

アメリカIT留学の費用は、ルートと期間で大きく変わります。公式サイトで確認できた例を並べます。学校名は例として挙げたもので、おすすめの順番ではありません。
| ルート(例) | 期間 | 費用 | 円の目安 |
|---|---|---|---|
| コミュニティカレッジ(College of San Mateo)の授業料と諸費用 | 1学期(12単位) | 5,292ドル | 約84万円 |
| 同校が示す留学生の年間見積もり(学費・健康保険・住居と食費・その他) | 1年 | 32,500ドル | 約514万円 |
| 州立の4年制大学(州外の学生の料金)授業料と諸費用の平均 | 1年 | 31,880ドル | 約504万円 |
| 私立の4年制大学 授業料と諸費用の平均 | 1年 | 45,000ドル | 約711万円 |
| 大学のエクステンション(UCLA Extension)の留学生向け修了証プログラム | 1学期(約3ヶ月) | 留学生向けの手数料2,850〜3,850ドル+授業料(1科目4単位あたり約600〜1,600ドル。1学期12単位以上) | 1学期あたり約73万〜137万円(手数料+3科目分の授業料で計算) |
| 学生ビザの申請費用 | ― | 申請料185ドル+SEVIS費350ドル | 約8.5万円 |
※4年制大学の平均は、College Boardの調査による2025-26年度の授業料と諸費用で、住居費・食費・保険・教材費などは含みません。エクステンションの手数料は最初の学期が3,850ドル、2学期目以降が2,850ドルです。どの例も、航空券と為替の影響で実際の負担は変わります。
ドルで払う費用は、為替で円での負担が大きく変わります。たとえば年間32,500ドルの場合、1ドル150円と160円では32万5,000円の差になります。留学先の国ごとの費用の比べ方は、IT留学の費用はいくら?1ヶ月〜半年・国別の総額でまとめています。
アメリカIT留学の英語の条件(TOEFL・IELTSなど)
アメリカの大学やカレッジは、入学時に英語の試験のスコアを求めるのが一般的です。たとえばCollege of San Mateoの条件は次のとおりです(2026-27年度)。
- TOEFL iBT:56点(2026年1月21日からの新しいスコアでは3.5)
- IELTS Academic:5.5
- Duolingo English Test:85
TOEFL iBTは2026年1月21日から、1〜6(0.5刻み)の新しいスコアに変わりました。2028年1月までの2年間は、成績表に従来の0〜120に相当するスコアも併記されます。志望校の条件がどちらのスコアで書かれているかを確認しておきましょう。
4年制大学やエクステンションの条件は、学校とプログラムごとに違います。英語の条件を満たしていない場合は、語学学校で英語を学んでから進学する方法や、上で紹介した条件付き入学を用意している学校もあります。
アメリカIT留学のメリットと注意点
メリット
- 単位や学位が取れ、コミュニティカレッジから4年制大学へ編入する道もある
- 大学やカレッジで学んだあと、OPTの制度で学んだ分野の仕事を経験できる可能性がある
- 世界中から集まる学生と、英語で一緒に学べる
注意点
- 学費と生活費が大きく、為替の影響も受けやすい
- 入学時に英語の試験スコアが求められることが多く、英語が初めての人は先に英語を学ぶ期間が必要になりやすい
- 学生ビザの面接やSNSの確認など、手続きに時間がかかる
- ESTAでは単位や修了証につながる勉強ができないので、短期の留学でもビザの確認が必要
- ビザや就労のルールは変更が続いているので、最新情報の確認が欠かせない
フィリピン・セブ島でIT留学する選択肢との比較

「アメリカで学びたいけれど、英語もITも初めてで、費用も心配」という人は、フィリピン・セブ島でIT留学する方法もあります。どちらが上ということではなく、目的によって合うほうが変わります。Kredo IT留学を例に比べると、次のとおりです。
| 比べること | アメリカ(コミュニティカレッジ・大学など) | フィリピン・セブ島(Kredo IT留学の例) |
|---|---|---|
| 期間 | 学期(約4ヶ月)・年単位 | 1ヶ月・3.5ヶ月・6.5ヶ月 |
| ビザ | 学生ビザ(F-1など)。面接が原則必要 | 日本国籍は30日以内の滞在なら事前のビザは不要。ただし、フィリピンの学校で学ぶには特別留学許可(SSP)が必要とされ、手続きと費用の支払いは入学後に現地で行うのが一般的(金額は学校に確認)。30日を超える場合は学校が延長の手続きを行う(費用は現地で支払い) |
| 入学時の英語 | TOEFLなどのスコアが必要なことが多い(例:iBT 56) | 目安はTOEIC450〜(Web Basic)。英語がまったく初めての人には事前のオンライン英語レッスンを案内。受講生の92%は英語もITも未経験から |
| 授業 | 現地の学生と同じ授業を単位制で受ける | 1日8時間(英語マンツーマン4時間+ITグループ4時間)。ITの授業は3〜5人の少人数で、すべて英語 |
| 費用の例 | 年32,500ドル(約514万円、コミュニティカレッジの見積もり) | 1ヶ月413,000円/3.5ヶ月968,000円(定価。授業料と寮費を含み、食費・航空券・保険などは別) |
| 得られるもの | 単位・学位。条件を満たせばOPTでアメリカで働く経験 | 英語とITの基礎、自分で作ったWebサイトやアプリ。学位は出ない |
| 向いている人 | 英語のスコアがあり、学位やアメリカでの経験を目指す人 | 英語もITも初心者で、まず短期間で基礎を固めたい人 |
学位やアメリカで働く経験が目的なら、アメリカの学校を選ぶ意味があります。一方で、英語もITも初めての段階でいきなりアメリカの学校に入るのは、英語の条件と費用の両面でハードルが高くなります。まずセブ島で英語とITの基礎を固め、作品を作ってから、あらためてアメリカの学校や就職を考えるという順番もあります。なお、授業と現地での就労体験(Co-op)を組み合わせた長期のプログラムを考えている人は、「カナダIT留学(プログラミング留学)の費用と最新ルール」も参考にしてください。
アメリカ・カナダ・インド・フィリピンの違いはIT留学とは?費用・国別比較・1日の流れと選び方で比べています。自分の英語力と目的ならどこから始めるのがいいか迷ったら、IT留学の無料カウンセリングで相談してみてください。
アメリカIT留学のよくある質問
ESTAでアメリカのプログラミングスクールに通えますか?
ESTA(ビザ免除プログラム)で認められる勉強は、単位や修了証につながらない短い趣味の講座に限られます。数ヶ月かけて修了証を目指すプログラミングの講座に通う場合は、学校が学生ビザの書類(I-20)を出せるか、どのビザが必要かを申し込み前に確認しましょう。
英語が話せなくてもアメリカでIT留学できますか?
アメリカの大学やカレッジの多くは、入学時にTOEFLなどのスコアを求めます。英語に自信がない場合は、語学学校で英語を学んでから進学するか、条件付き入学のある学校を選ぶのが一般的です。英語もITも初めてなら、初心者を受け入れている短期の学校で基礎を固めてから挑戦する方法もあります。
アメリカのIT留学は何ヶ月から行けますか?
コミュニティカレッジや大学は1学期(約4ヶ月)、大学のエクステンションは1学期(約3ヶ月)が単位です。1ヶ月程度の短期でITを学びたい場合は、ビザの条件を満たす短期のプログラムがあるかを学校に確認するか、1ヶ月から通えるフィリピンなど別の国も検討しましょう。
留学中にアルバイトはできますか?
F-1ビザの場合、学内の仕事は学期中は週20時間まで認められています。学外で働くには、CPTやOPTなどの許可が必要です。M-1ビザでは在学中は働けません。
アメリカ留学で使える奨学金はありますか?
大学によっては、留学生向けの奨学金を用意しています。条件は学校ごとに違うので、志望校の案内で確認しましょう。社会人が応募できる留学奨学金は「社会人の留学奨学金8選【返済不要】年齢・締切を一覧比較」でまとめています。
まとめ|目的に合うルートとビザを確認してから準備しよう
- アメリカでIT留学するルートは、コミュニティカレッジ・4年制大学・大学のエクステンション・ブートキャンプの4つ
- 学校で学ぶには原則として学生ビザ(F-1・M-1)が必要。ESTAでは単位や修了証につながる勉強はできない
- 費用は学期・年単位で、コミュニティカレッジの例でも年32,500ドル(約514万円)の見積もり
- 入学時にはTOEFLなどの英語スコアが求められることが多い(TOEFLは2026年1月から新しいスコア)
- 英語もITも初めてなら、フィリピン・セブ島などで基礎を固めてから挑戦する順番もある
「アメリカに行く前に、まず英語とITの基礎を固めたい」という人は、Kredo IT留学の無料カウンセリングで、今の英語力と目的に合う期間を相談できます。
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