このような疑問を持つあなたに向けた記事です。
あなたの疑問を解決するべく、次の順番でお話していきます。
- AI(人工知能)プログラミングの言語を選ぶ前に知るべきこと
- おすすめのAI(人工知能)プログラミング言語5選
- どのプログラミング言語を選ぶべきか
10分ほどで読めますので、AI(人工知能)プログラミングの言語選びに迷っている場合は、ぜひ一読ください。
記事のもくじ
AI(人工知能)プログラミングの言語を選ぶ前に知るべきこと
AI(人工知能)プログラミングで使用する言語を選ぶ前に、知っておきたい前提知識についてお話しします。
AI(人工知能)の5つの分類を知る
AI(人工知能)と一言で言っても、その内容はさまざまです。
具体的には、大きく分けると次の5つの分類に分けることができます。
- 言語処理
- 画像処理
- 音声処理
- 制御処理
- 最適化・推論
AI(人工知能)はその名前のとおり、人間の脳の仕組みを人工的に模したものです。
AI(人工知能)プログラミングでは、5つの分類の1つ、または複数の処理を実現するために実装します。
あなたが、これからAI(人工知能)プログラミングで実現したい機能は、どれに当てはまるのかを把握してから進めましょう。
ゴールを明確にすることで、途中で迷うことをなくすことができます。
AI(人工知能)の基礎知識をもっと深めたい方は、次の記事もおすすめです。
AI(人工知能)プログラミングの言語を選ぶ基準を知る
AI(人工知能)プログラミングで使用する言語を選ぶ基準は、大きく分けると次の4つです。
- 開発のしやすさ
- 計算速度
- 安全性、信頼性
- プログラムの実装環境
開発のしやすさは、プログラミング言語自体の習得難易度や、ライブラリの豊富さといった部分が当てはまります。
計算速度は、あなたが開発しようとしているAI(人工知能)の機能によって変わります。詳しくは後述しますが、PythonよりもC/C++で開発したほうが、計算速度(処理速度)は早くなります。
安全性と信頼性は、プログラミング言語のセキュリティ的に弱い部分(ぜい弱性)が少ないことや、該当するプログラミング言語で過去にどんなプロダクトが作られたかといった部分が当てはまります。
たとえば、Pythonを使って画像処理のAI(人工知能)を実装している例が多いので、画像処理のプログラミングはPythonの信頼性が高い、というような判断ができますね。
プログラムの実装環境は、Web上で実装するのか、アプリケーションなのか、組み込みソフトウェアなのか、といった実際にプログラムが動作する環境を指します。
あなたが開発するAI(人工知能)の処理に対して、4つの基準に最も適するプログラミング言語を選びましょう。
AI(人工知能)プログラミングにおすすめの言語5選!
それでは、AI(人工知能)プログラミングにおすすめの言語を紹介します。
言語ごとの概要と特徴について解説していきます。
Python
「AI(人工知能)開発といえばPython」と言われるぐらい、機械学習や科学計算の分野で最もシェアを獲得している言語です。
AI(人工知能)に関する書籍やインターネット場の情報も豊富であり、AI(人工知能)以外のプログラミングにも適しているため、人気があります。
PythonがAI(人工知能)開発で選ばれる理由は、大きく2つあります。
- 比較的安易な構文(初心者でも習得しやすい)
- AI(人工知能)に関連するライブラリが豊富
他のプログラミング言語と比べて、比較的簡潔で分かりやすいコードを書けるPythonは、プログラミングの初心者であっても学びやすい、という特徴があります。
また、AI(人工知能)に関連するライブラリが豊富であるため、簡単かつスムーズにAI(人工知能)開発が行える点が人気の理由です。
Pythonはスクリプト言語であり、インタプリタ型であるため、実行速度はあまり早くありません。しかし、よほど実行速度が求められる場合以外は、ほとんど問題にならない程度です。
AI(人工知能)プログラミングで使用する言語に迷ったら、Pythonを選んでおけば間違いないでしょう。
R
R言語は、データ解析・統計向けのプログラミング言語です。
R言語の公開当初は、主に学術や研究の分野で使われることが多い言語でしたが、最近では民間企業でも導入が進んでいます。
Pythonと同じく、機械学習向けのライブラリである「Numpy」や「Pandas」を使用することができるなど、Pythonに負けず劣らずライブラリが豊富な点が特徴です。
ディープラーニング用の「Tensorflow」「Keras」などの非常に強力なライブラリも使用できます。
R言語の汎用性は高くなく、データ解析・統計に特化しています。
統計学者が開発したプログラミング言語であるため、ソースコードは難しくなく、比較的簡単に習得が可能ですが、使いこなすためには統計分析の知識が必要です。
近年、ビッグデータの解析と機械学習の組み合わせが注目されています。
ビッグデータの解析や機械学習のためには、統計解析の知識が必要であり、R言語を用いることで効率的にデータの解析ができるようになります。
R言語はPythonよりも実行速度は遅くなりますので、その点は注意が必要です。
データの解析をメインに行いたい場合は、筆頭に挙げられるプログラミング言語と言えるでしょう。
Julia
Juliaは2012年に登場し、高度の科学技術計算や数値解析ができるように設計されたプログラミング言語です。
スクリプト言語でありながらC言語と遜色ないほどの高速処理が可能であり、急速に言語の開発が進んでいます。
PythonやR言語で使用できるライブラリを使用することができ、ディープラーニングでは「Tensorflow」「MXNet」などが利用可能です。
また、Juliaは後発のプログラミング言語であるため、既存のプログラミング言語のいいとこ取りのような言語と言えるでしょう。
Juliaの開発者は、開発した理由を次のように語っています。
Pythonのように汎用的に使いたいし、Rの統計処理、Perlの文字列処理、Matlabの線形代数計算も要る。シェルのように簡単にいくつかのパーツをつなぎ合わせたい。チョー簡単に習えて、超上級ハッカーも満足する言語。インタラクティブに使えて、かつコンパイルできる言語が欲しい。
(そういえば、C言語の実行速度が必要だってのは言ったっけ?)
Juliaは一言で言えば「手軽で高速なプログラミング言語」であり、今後さらに期待ができるプログラミング言語です。
あなたがプログラミング言語の初心者の場合は、Pythonなどから学び、第二の選択肢としてJuliaを選ぶと良いでしょう。
JavaScript
JavaScriptはWebブラウザ上で動作するものですが、最近ではAI(人工知能)プログラミングでも使用されています。
JavaScriptでも、機械学習用のライブラリが豊富に用意されています。
- TensorFlow.js
- Brains.js
- Synaptic.js
- WebDNN
既存のWebシステムに、AI(人工知能)機能を搭載する際には、ライブラリを使用することで簡単に使うことが可能です。
JavaScriptはWebブラウザで動作するため、比較的簡単にWebアプリを作成できるところがメリットですが、Webブラウザが異なると挙動も変わる場合があるので注意が必要です。
ここで紹介したプログラミング言語の中では、最も手軽にAI(人工知能)に触れることができる言語と言えるので、
という方にはおすすめです。
C/C++
C言語、C++はここまで紹介したプログラミング言語と違い、スクリプト言語ではなくコンパイル言語です。
そのため、AI(人工知能)プログラミングのなかで、最も実行速度が速いプログラミング言語となっています。
C言語は1972年に開発され、JavaやJavaScript・Go言語などの基となった言語です。
C言語にオブジェクト指向の考え方を取り入れたものがC++であり、C++はC言語の純粋な後継言語と言えます。
ここまでに紹介してきたプログラミング言語に比べて、習得難易度は高めです。
どうしても処理速度が必要な場合や、細かいチューニングが必要な場合などに使用する言語であり、AI(人工知能)プログラミングに限らず、幅広い開発が可能な言語になっています。
特にC++は、これからも必要とされるプログラミング言語の一つですので、挑戦することには大いに意味があります。
AI(人工知能)プログラミングはどの言語を選ぶべきか
5つのプログラミング言語を紹介しましたが、結局どれを選ぶべきでしょうか。
それぞれに特徴があり、あなたが最終的に実装したいAI(人工知能)機能によって選ぶことが大切なのですが、もう少し詳しく掘り下げてみます。
初心者からのAI(人工知能)学習にはPythonがおすすめ
プログラミング初心者であれば、Pythonから学ぶことをおすすめします。
なぜなら、Pythonはプログラミング初心者でも比較的容易に習得でき、AI(人工知能)関連のライブラリも豊富なので、学習がスムーズに進められるからです。
また、Pythonは汎用性もあるため、AI(人工知能)プログラミング以外にも、Webアプリの開発やIoT分野の開発などもでき、Pythonを覚えることで得られるメリットは大きいものです。
書籍やオンライン学習サイトも充実しており、初心者でも学びやすい環境が整っていますので、プログラミング言語選びに迷ったら、Pythonを選んで学習してみましょう。
最終目標も視野に入れておく
プログラミング言語を学習する際は、最終的な目標を決めておくことをおすすめします。
最終目標が明確であれば、学習計画も立てやすいものです。
特に最終的に実装する環境を見据えると、今後学習すべきプログラミング言語は自ずと限られてくるでしょう。
プログラミング言語は一つ学ぶと、ある程度はその他のプログラミング言語でも知識を活かせます。
一つのプログラミング言語だけにとらわれず、複数のプログラミング言語を習得すれば、プログラマーとして幅広い仕事をすることができるようになります。
AIのプログラミングにおすすめの言語5選のまとめ
AI(人工知能)プログラミングを始めるのなら、最もおすすめするプログラミング言語はPythonです。
Pythonは初心者でも習得しやすく、AI(人工知能)関連のライブラリが豊富であるため、スムーズに学習を進められるからです。
しかし、AI(人工知能)プログラミングで使用する言語は、Pythonだけではありません。
R言語、Julia、JavaScript、C/C++など、それぞれに特徴を持った言語で、AI(人工知能)を実装できます。
あなたの目的に合わせて、最適なプログラミング言語を選択しましょう。